storyとtaleの違いとは?英語で「物語」を意味する表現について

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「物語は英語で?」と聞かれたら、多くの人が真っ先にStoryという単語を思いつくでしょう。

もちろん大正解です。Storyは物語全般を表す、もっとも広い意味を持つ単語で、とりあえずstoryを使っておけば間違いありません。

しかし「物語」と一口に言っても、様々な種類があります。昨日学校で起こった出来事を話す体験談、「3匹の子豚」のようなおとぎ話、歴史を超えて語りつがれる伝説、すべて「物語」です。

このような細かいニュアンスの違いを、単語によって使い分けることができれば、英語のレベルはグッと上がります。

というわけで今回の記事では、「物語」を意味する単語としてよく使われる単語、taleとstoryの違いとそれぞれの使い方を解説していきます。

storyとtaleの違いとは

storyとtaleの一番の違いは、「作り話かどうか」です。

Taleは主に作り話のことを指します。空想を元に書いたおとぎ話や、伝説、寓話などです。また、悪意を持って作られた噂・ゴシップをtaleと呼ぶこともあります。

文脈によっては、Taleが実話を意味することもありますが、その場合はたいてい「信じられないようなドラマチックな話」とか「嘘か本当か分からない話」というニュアンスが含まれます。

一方でstoryは、嘘か真実かは問わずに、物語全般を指します。Storyという大きなカテゴリーの中の1つの種類として、作り話を表すtaleがある、と考えましょう。

storyの意味と使い方

Storyは物語全般、実際に起こったことの体験談、創作されたストーリー、脚本、うわさ話など、広い意味があります。

実際の文章の中でどのように使われるのでしょうか。例文を用いて、ネイティブスピーカーがstoryをどのように使うのかを見ていきます。

He likes to tell scary stories to children.
彼は子供たちに怖い話をするのが好きだ。

Jake always tells everyone funny stories.
ジェイクはいつもみんなに面白い話をする。

一般的な「お話」というニュアンスで使われます。ディナーを食べながら、同席している人に「そういえばこの間ね、こんなことがあったんだ」とか「こんな面白い話があるんだけど、聞きたい?」といったようにちょっとした小話をすることがあります。それを表現する単語として、storyはふさわしいでしょう。

That old man started telling us his story.
その老人は、私たちに身の上話をし始めた。

文脈によりますが、所有格が付くと「身の上話、生い立ちや境遇の説明」という意味になることがあります。

I like reading detective stories.
推理小説を読むのが好きです。

小説、劇などの筋書き」などでも、storyが使われます。

The story goes that he won the lottery and got a million dollars.
彼は宝くじが当たり、100万ドルを手にしたという噂だ。

storyには「うわさ話」という意味でも使えます。The story goesは、うわさ話を話し始める際のお決まりのフレーズなので、覚えておきましょう。

storyを使ったフレーズ・慣用表現

To make a long story short, you passed the exam.
手短に言うと、君は試験に受かったんだ。

To make a long story shortで、「手短に言うと、早い話が」という意味になります。「とりあえず結果だけ言うとね」というように、前置きを省く時に使います。

We have to listen to his side of the story.
彼の言い分も聞かなきゃ。

one’s side of the storyは、「~の言い分」という意味です。例文は「彼の側からの意見も聞いて、平等に判断しよう」というニュアンスが含まれています。

It’s the story of my life.
こんなもんだよ。

It's the story of my lifeは、このまま使われる慣用表現です。「いつもこうなっちゃうんだよね」と、自虐的に落胆を表すフレーズです。

I had to get gas to get here, but that’s another story.
ここへ来るためにガソリンを入れなきゃいけなかったんだ。まぁそれは全く別の話なんだけど。

that’s another storyは「もう1つの物語」ではなく、「今の話題とは関係のない話」という意味です。混乱を避けるためや、話が脱線したときなどに使います。

taleの意味と使い方

taleの定義は「人の手によって作られた、真実とは関係ない物語」です。おとぎ話、童話、伝説などの架空のストーリーについて話す際は、storyよりもtaleがふさわしいです。

しかし、storyにも架空のストーリーという意味はあるので、storyで代用しても問題ありません。

では、taleがどのようなシチュエーションで使われるのか、例文を見ていきましょう。

Many kids learn morals from fairy tales.
たくさんの子供が、おとぎ話から道徳を学ぶ。

taleの代表的な使い方が、fairy tale(おとぎ話)です。ちなみにA moral taleという「教訓を学ぶ寓話」という意味の単語もあります。

This old tale is hard to understand.
この昔話は、理解するのが難しい。

Old taleで「昔ばなし」です。「言い伝え」という和訳が近いかもしれません。

This is the tale of two tiny deer in the forest.
これは、森にすむ2匹の小さなシカの物語です。

This is the tale of…は、物語の語り出しとしてよく使われます。Taleという単語が使われているので、作り話であると予測できます。逆に、This is the story of…と語り出すと、聞き手はその物語が実話であると考える可能性があります。

taleを使ったフレーズ・慣用表現

We have to live to tell the tale!
私たちはこの体験を伝えるために生きなければならない!

live to tell the taleは「生き残ってこの体験を伝える」という意味で使われる慣用表現です。恐ろしい体験や、命に関わる体験をしたときに使います。

作り話を意味するtaleが使われていますが、このフレーズに限ってはtaleは実話を表しています。「映画のような信じられない物語」というニュアンスを出すために、あえてtaleが使われているのです。

His deep scar tells its own story.
彼の深い傷が、物語っている。

tell its own storyで「(言葉を発することなく)物語っている」という意味になります。「説明を受けなくても、それを見れば一目瞭然だ」というニュアンスで使われます。主語は無生物になることが多いです。

Be careful. He always tells tales.
気を付けてね、彼はいつも告げ口をするから。

tell talesで「告げ口をする、秘密を漏らす」という意味になります。文脈によってはそのまま「物語を語る」という意味にもなりますが、たいていはこちらの意味で理解されるので注意しましょう。

正確には、tell tales out of schoolが全てのフレーズです。「告げ口をする」という意味であることを明確にするのなら、フレーズ全てを使うといいでしょう。

関連表現

storyやtale以外にも、「物語」を表す単語はたくさんあります。冒頭でも述べたように、それぞれの単語のニュアンスを理解し、シチュエーションによって使いこなすことができれば、あなたの英語はグンとレベルアップするでしょう。

それぞれの単語のニュアンスと、例文を紹介していきます。

fable

fable「寓話、伝説、神話」という意味があります。Taleは、文脈によっては実話を意味することがありますが、fableは100%作り話について話すときにしか使われません。

作り話の中でも、イソップ童話のような動物を擬人化したメルヘンな話や、超常現象が起こるおとぎ話などを指すことが多いです。

This idiom is derived from a fable.
この慣用句は寓話に由来する。

narrative

narrativeは物語の中でも「語りによって伝えられる物語」を指します。Storyやtaleの場合は、動画や絵のみでも成立しますが、narrativeと呼ばれる物語では、物語を語る語り部がいなければいけません。

また、話術のことをnarrative skill、物語のセリフではない語りの部分をnarrative partということがあります。

なお、narrativeは作り話と実話の両方に使うことができます。

That man’s narrative about the war got a lot of attention.
その男の戦争についての物語は、たくさんの注目を集めた。

history

storyには「過去の出来事、経歴」という意味がありますが、historyでも同じことを表現できます。

Historyは歴史以外にも、史書や史劇、沿革などを意味する単語としても使われ、narrativeやtaleよりも、「現実を客観的に描写した報告」というニュアンスが含まれます。

He started talking about his personal history.
彼は自分の生い立ちについて話し始めた。

legend

legend「伝説的な偉人」という意味で使われることが多いですが、「言い伝え、説話」という意味もあります。

例えば、「アトランティス」や「アリババと40人の盗賊」、「ギリシャ神話」などの架空の物語から、「雪男」や「チュパカブラ」などの真実か作り話か分からない逸話を、legendと呼びます。

The legend about magical trees has been transmitted through many generations.
魔法の木の伝説は、何世代にもわたって語り継がれてきた。

Myth

myth「神話」というlegendに近い意味もありますが、「作り話、根拠のない社会的通念」というネガティブな意味もあります。

例えば、「牛は赤いものに突進する」とか「毛は剃ると濃くなる」といったように、科学的に立証されていないにも関わらずに、人々に信じられてきた説があります。これらを「根拠のない作り話」という意味でmythと呼ぶことがあります。

Some people say that brown eggs are more nutritious than white ones, but that’s a myth.
茶色い卵は白い卵よりも栄養価が高いと言う人がいるが、それは作り話だ。

yarn

yarn「織り糸」という意味が知られていますが、物語という意味も持っています。

物語の中でも特に、冒険談や体験談などの誇張されがちな物語を表すときによく使われる単語です。

yarnが必ずしも作り話というわけではありませんが、「話半分に聞くべきお話」くらいの感じで覚えておきましょう。

My dad was spinning some yarn about his younger days.
父親が若いころの話を、作り話を交えながら話していた。

spin a yarnで「作り話をする」というイディオムになります。

まとめ

「物語」を会話の中で表現したい時は、全てstoryで通じます。「言いたいことが通じればOK」が目的の英語であれば、それで問題ないでしょう。

しかし自分が言いたいことをより正確に相手に理解してもらうためには、意味やニュアンスが限定された単語も使いこなせるようにならなければいけません。

「物語」の話でも、絵本の話をするならtale、体験談ならnarrative、お爺ちゃんから聞いた村の言い伝えならばlegend、といった具合に使い分けること、話し相手との情報共有の効率が良くなります。

また、話し相手の方も情報をより正確につたえるために、単語を使い分けてくることがあります。その際にそれらを理解できなければ、「ちゃんと情報を伝えたい」という相手の意志を台無しにしてしまいかねません。「伝わればいい」の次のレベルに行くには、このような微妙にニュアンスが違う単語の習得は必須なのです。

このような微妙なニュアンスを理解するには、ネイティブキャンプがおススメです。ネイティブキャンプでは、24時間365日どこからでもネイティブスピーカーや、ネイティブレベルの日本人とレッスンを受けることができます。

さらにコースによっては、自分でレッスン内容をリクエストできるので、今回のテーマのように「storyとtaleってどう違うの?」という質問を軸にレッスンをすることも可能です。

nativecamp.net

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