英語の集合名詞について!単数と複数を上手に使い分けよう!

集合名詞、オンライン英会話、ネイティブキャンプ

今回は「集合名詞」について解説しますが、その前に、英語の「名詞」の種類について、ちょっとだけ復習しておきましょう。

「desk」「water」「mother」「Tom」など、物や人の名を表すのが「名詞」です。そして、英語の名詞は「可算名詞」と 「不可算名詞」に分けられます。

「可算名詞」とは、「一つ、二つ、三つ……」と数えられる名詞のことです。一つの時はその名詞の前に冠詞の「a」または「an」が置かれ、ふたつ以上の時はその名詞の末尾に「s」または「es」が付きます。

an apple:一個のりんご
three apples:三個のりんご

*不定冠詞「a(n)」ではなく定冠詞「the」が来ることもあります。

一方、「不可算名詞」は数えられない名詞です。「不可算名詞」には単数を表す「a(an)」や複数を表す「s」「es」は付きません。

water:水

「water」は不可算名詞なので、「a」や「s」は付きません。

もし「一杯の水」と言いたい時は「a glass of water」などとなります。この場合、「a」は「glass」に付いており、「water」に付いているわけではありません。

このように、英語の名詞は「可算名詞」と 「不可算名詞」に分けられるのですが、実はちょっと変わった性質の名詞もあります。「集合名詞」がその一つです。

具体的には、例えば「people」。これは「人々」という意味です。「人」が何人か集まっている状態を表す名詞ですね。

「There are 3 people.」のように複数形として扱います。でもあらためて考えてみると、「people」には複数だということを表す「s」は付いていません。見た目は単数形のように見えます。でも複数形として扱う。

このように、意味としてはいくつかのものが集まっているものを表しているのだけれども、見かけは単数のように見え、さらに、実際にはそれを単数として扱うのか、複数として扱うのかについて特別なルールがあるのが「集合名詞」です。

ただ、「集合名詞」とは何かについては文法書によって異なり、いろいろな定義があります。中には、上に例として出した「people」を集合名詞に入れないものもあります。

今回のこの記事では、「people」なども含め、「集合名詞」をなるべく幅広くとらえる立場に立って、さまざまなパターンを紹介していきたいと思います。

集合名詞の使い方

前述のように、今回は「集合名詞」をなるべく幅広く取り上げていきたいと思います。

そして、広い観点から見た場合、「集合名詞」は意外とたくさんあります。

ここでは、よく見かける「集合名詞」を、「単数扱いのみの集合名詞」「単数形でも複数扱いする集合名詞」「対象によって用法が変わる集合名詞」に分類して紹介したいと思います。

まずは、比較的よく見る「集合名詞」の例を、この3つに分類して一覧で挙げてみましょう。

・単数扱いのみの集合名詞

furniture(家具)
baggage(手荷物)
jewelry(宝石)
equipment(機器)
machinery(機械)

・単数形でも複数扱いする集合名詞

people(人々)
police(警察)

・対象によって用法が変わる集合名詞

audience(聴衆)
board(委員会)
cabinet(内閣)
class(クラス)
club(クラブ)
committee(委員会)
company(会社)
crew(乗組員)
crowd(群衆)
enemy(敵)
family(家族)
firm(会社)
generation(世代)
government(政府)
jury(陪審員)
orchestra(オーケストラ)
party(政党)
public(大衆)
staff(職員)
team(チーム)

それでは順番に説明していきましょう。

単数扱いのみの集合名詞

形は単数形で、使い方においても単数として扱う「集合名詞」には、「furniture(家具)」「baggage(手荷物)」「jewelry(宝石)」「equipment(機器)」「machinery(機械)」などがあります。

これらの単語は、内容的には複数のもの、つまり同じ種類のものがいくつか集合しているようなイメージですが、基本的には単数として扱います。

ですので、対応する動詞も例えばbe動詞ならば「is」や「was」など単数形に対応するものを使います。ただし、冠詞の「a(n)」は付きません。また、「s」が付いて複数形になることもありません。

There was some furniture in that room.
あの部屋にはいくつかの家具があった。
There isn’t much furniture in my parents’ room.
私の両親の部屋にはあまり家具がありません。
Our jewelry always makes many women gorgeous.
私どものジュエリーは多くのご婦人をいつもゴージャスにします。

実はこれら「furniture」「baggage」「jewelry」「equipment」「machinery」といった単語は、「集合名詞」としてよりも、「可算名詞と間違えやすい不可算名詞の代表例」として覚えている、という人も多いかもしれません。

その覚え方でも全く問題ありません。そもそも不可算名詞だから、冠詞の「a(n)」や、複数を表す「s」や「es」は使わないし、文中では単数扱いになるという風に考えてもOKです。

なお、これらの名詞の「多い / 少ない」は much / little を使って表します。あるいは可算名詞にも使える「a lot of」「lots of」などを使います。

また、「○個の荷物」というように数を言いたいときは、例えば「piece」などを使い「I have two peices of baggage.(私は荷物を2つ持っている)」などと表現します。「a glass of water(グラス1杯の水)」などと同じ言い方ですね。

単数形でも複数扱いする集合名詞

見た目は単数形なのに、常に複数扱いする「集合名詞」の代表が、「people」と「police」です。

・people

Ten people were killed in the accident.
その事故で10人が亡くなった。
Many people like the candidate.
多くの人々が、その候補者が好きだ。
The people just wish for peace.
大衆はただ平和を望んでいる。

「人々」という意味を表す「people」は、「s」などが付いていないので見た目は単数形に見えますが、意味は複数であり、文中でも複数扱いします。

つまり、対応する動詞は例えばbe動詞ならば「are」「were」などになります。

ただし、「people」が「民族」や「国民」といった意味で使われる場合は扱い方が異なります。「a people」で「1つの民族」、「two peoples」で「2つの民族」といった具合に、「people」が普通の数えられる名詞のように扱われます。

・police

「police」は「警察官たち」「警官隊」、あるいは「(組織としての)警察」を意味します。いずれにせよ、見かけは単数ですが複数扱いするのがポイントです。

The police are faced with a serious problem.
警察は深刻な問題に直面している。

この場合、「The police is 〜」とすると間違いになりますので注意しましょう。

The police were investigating the case.
警察はその事件を捜査していた。

「一人の警察官」は「a police officer」と言うのが普通です。

Last night, I saw a police officer running after him in the park.
昨夜、公園で警察官が彼を追って走っているのを見たわ。

対象によって用法が変わる集合名詞

さて最後は、その単語の意味をどういう風に解釈するかによって、単数扱いになったり複数扱いになったりと用法が変化する「集合名詞」です。

例えば「family(家族)」という「集合名詞」で説明してみましょう。

まず、「家族」を一つのまとまりとしてとらえる場合は、「一つ」「二つ」と普通に数えられる名詞になります。この場合、「family」は「a family」「two families」などと数に応じて形が変わります。

My family is large.
うちは大家族です。
There were four families on the bus.
そのバスには4つの家族が乗っていた。

しかし、「family」の構成員一人ひとりに焦点を当てるような意味合いの場合は、「family」はこの形のままで複数扱いになります。例えば対応するbe動詞が「are」や「were」などになるわけです。

My family are well.
私の家族は元気です。

この場合、「family」は単数形ですが、内容としては家族の構成員一人ひとりのことを考えた表現なので、「are」という複数形に対応するbe動詞が使われています。

ただし、注意しておかなければならないのは、このように、構成員一人ひとりに焦点を当てた場合に複数扱いするのは、主にイギリス英語において、ということです。

アメリカ英語では、このように複数扱いにする人もいますが、多くの場合は単数扱いのままです。すなわち、アメリカ英語では「私の家族は元気です」は、

My family is well.

と表現されます。あるいは、アメリカ英語では「member」という単語を使い、

My family members are well.

と表現されるのが普通です。

同様に、主にイギリス英語では、

My family are all good athletes.
私の家族はみないい陸上選手です。

ですが、アメリカ英語では、

My family is all good athletes.
もしくは
My family members are all good athletes.

となります。

このように、主にイギリス英語において、単数扱いになったり複数扱いになったりする「集合名詞」は「family」以外にも非常にたくさんあります。

当てはまる主な集合名詞の一覧を前述しましたが、その中から2つほどを例文とともに以下に挙げましょう。

I want to perform in front of a large audience.
大勢の観客の前で演奏したい。
(この「audience」は単数扱い)

The audience were laughing.
観客は笑っていた。
(この「audience」は複数扱い)

The staff is supposed to be friendly.
スタッフはフレンドリーでなければならない。
(この「staff」は単数扱い)

The staff were very friendly.
スタッフはとてもフレンドリーだった。

(この「staff」は複数扱い)

「staff」は単数扱いの時でも、例えば「一人のスタッフ」と言いたい場合には「a staff」とはせず、「a staff member」などとするのが普通です。ただし最近では「a staff」という表現も見かけるようになってきています。

まとめ

いかがでしたか。今回はさまざまな「集合名詞」について解説しました。

先述しましたように、「集合名詞」については、そもそもどれを「集合名詞」とするかというところから議論があったりもします。

また、今回3つのカテゴリーに分けましたが、同じカテゴリーに属する「集合名詞」でも微妙に使い方が異なるものもあります。さらに、今回のカテゴリー分けには当てはまらないようなものもあります。

そのように、意味合いや使い方がやや複雑な「集合名詞」ですが、一つひとつ、コツコツと使い方を覚えていくのがいいと思います。理屈よりも、もう実際の例文で覚えていった方がいいかもしれません。ちょっと難しいぶん、少しずつでも理解できるようになると、英語を使う楽しさがグンと増していきますよ。

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