英語の無生物主語の使い方について!構文を確認してマスターしよう!

無生物主語、オンライン英会話、ネイティブキャンプ

仮定法や分詞構文など、ネイティブスピーカーっぽさを出すためには習得が欠かせない文法事項は多くあります。その中でも今回注目したいのが、無生物主語です。

無生物主語は、日本語を話す人にとってはあまりなじみがない文法です。難しそうな名前のせいで、身構えてしまうという人もいるでしょう。しかしイングリッシュスピーカーの間では、日常会話で普通に使われるので、無視はできません。

無生物主語をマスターすれば文章がスッキリとコンパクトになり、いわゆる「日本人英語」と呼ばれる、日本語をそのまま直訳したような英語から脱出できるキッカケになるでしょう。

無生物主語って何?

無生物主語とは、人間以外のもの、例えば「物、原因、方法、状況、情報、手段」などが主語になる文体のことです。

The medicine made me drowsy.

薬のせいで眠くなった。

Warm weather allowed us to have a picnic.

暖かかったので、ピクニックをした。

これら2つの文章は、無生物主語を使った文章の例です。The medicineとWarm weatherという、人間ではないものが主語になっているのがわかるでしょうか。

無生物主語を使った文章の訳し方

無生物主語がやっかいな理由は、そのまま日本語に訳すことができないということです。直訳すると不自然な日本語になってしまうので、感覚的な理解がむずかしくなります。

まずは無生物主語の訳し方を理解し、日本語と英語の感覚をマッチさせましょう。

The medicine made me drowsy.

Warm weather allowed us to have a picnic.

先ほど紹介した例文です。「薬のせいで眠くなった」と「暖かかったので、ピクニックをした」という訳を付けました。

しかし直訳だと「薬は私を眠くさせる」と「暖かい天気が私たちにピクニックをすることを許した」という不自然な日本語になり、いまいちピンと来ません。

この例文のように「原因や理由」を表している文章では、次のように書き換えるとスムーズに日本語訳ができます。

Because I took the medicine, I feel drowsy.

薬を飲んだから、眠くなった。

Since it was warm, we had a picnic.

暖かかったから、私たちはピクニックをした

だいぶ自然な日本語になりました。このように、自然な日本語と結びつけることで、無生物主語がより使いやすくなります。

「英語は日本語を介さずに、そのまま感覚で理解するべきだ」という意見を主張する人もいます。その主張に間違いはないでしょう。感覚的な理解は、自然な英語を話す上で欠かせません。

しかし時に、感覚的な理解をするために、最初に理屈を頭で理解しなければいけないこともあるのです。特に今回の無生物主語のような、日本語に無い考え方は、理屈を先に理解したほうがスムーズに、確実に習得できます。

無生物主語は客観的な事実だけを述べることができる

なぜ、無生物主語を習得するとネイティブスピーカーに近づくことができるのでしょうか。

それは、感情を抜きにした客観的な事実だけを述べることができるから、です。

例えば、次の文章を見てみましょう。

You can go to Shinjuku station if you take this train.

この電車に乗れば、新宿駅に行くことができる。

この文章には、「この電車は新宿駅に行く」という事実以外に、「あなたは新宿駅に行きたい、行く必要がある」という主観的な意味が含まれています。

「新宿駅に行きたいのですが」と聞かれている時ならいいでしょう。しかし例えば、単純に電車のシステムを説明しているだけの場合、そのような主観の情報は邪魔になることがあります。

そこで無生物主語を使います。

This train will take you to Shinjuku station.

この電車は新宿駅に行きます。

このような言い方をすると、「この電車は新宿駅に行く」という客観的な情報のみを伝えることができるので、なにかを説明するときなどに便利なのです。このような些細なニュアンスの違いが「ネイティブスピーカーっぽさ」につながります。

また、無生物主語を使うと文章が短くスッキリする、ということも無生物主語がよく使われる理由です。

無生物主語の構文

ここからは、無生物主語の構文を、例文を交えて見ていきます。

使役

無生物主語は使役動詞makeやletと相性がいいです。

This story makes me think about what happiness is.

この物語を読むと、幸せとは何かについて考えてしまう。(この物語は、私に幸せとは何かについて考えさせる)

The new cloud system lets users access the data anywhere without drivers.

新しいクラウドシステムのおかげで、ユーザーはどこからでもドライバ無しでデータにアクセスすることができる。(新しいクラウドシステムは、ユーザーにどこからでもドライバ無しでユーザーにデータにアクセスさせる)

ただ同じ使役動詞でも、haveやgetと一緒に無生物主語が使われることはあまりありません。

連れていく

「連れていく」という意味のbring, lead, takeも、無生物主語と一緒に使いやすい動詞です。

What brought you to Japan?

どうして日本にいらしたのですか?(何があなたを日本に連れてきたのですか?)

This road leads you to the train station.

この道を行けば、駅に着きます。(この道は、あなたを駅へ導く)

This bus will take you to the nearest station.

このバスは、一番近くの駅まで行きます。(このバスは、あなたを一番近くの駅まで連れていきます)

1つ目の例文は、無生物主語では有名な文章です。Why did you come to JapanとYouを主語にしてしまうと、「何で日本に来たんだよ!」と無駄な感情が入ってしまい、攻撃的な印象を与えてしまいます。

個人的な感情は関係なく、あくまで情報を訊いているだけですよ、という意図を込めて無生物主語を使って表現しているのです。

言う

sayやtellも、無生物主語につづく動詞です。データを提示するときなどによく使われます。

The study says that drinking too much alcohol damages your brain.

研究によると、アルコールの飲み過ぎは脳にダメージを与える。(研究は、アルコールの飲み過ぎは脳にダメージを与えると言っている)

This data tells us that the president’s Approval Rating has plummeted.

このデータによると、大統領の支持率は下がっている。(このデータは私たちに、大統領の支持率が下がっていることを伝えている)

The study saysは、主張の根拠の裏付けを提示するときに使われる定番フレーズなので覚えておきましょう。

邪魔をする

邪魔されたときに、prevent, keep, stopなどと無生物主語が使われることがあります。

The heavy rain prevented me from wearing my new shoes.

大雨のせいで、新しい靴を履くことができなかった。(大雨は、私が新しい靴を履くこと阻止した)

The pain in my knee keeps me from running at full speed.

膝の痛みのせいで、全速力で走れない。(膝の痛みが、私が全速力で走らないようにさせている)

That rumor stopped me from walking into that building.

その噂のため、私はその建物に足を踏み入れなかった。(その噂は、私がその建物に足を踏み入れることを止めた)

このパターンの無生物主語の構文では、動名詞を上手く使うことで、様々な表現ができます。

その他無生物主語で使う動詞

主な構文以外にも、無生物主語と一緒によく使われる動詞がいくつかあります。使用頻度の高いものを、例文と共に見ていきましょう。

cost

These shoes cost me 100 dollars.

この靴は100ドルする。

Lack of knowledge cost him financial freedom.

彼は知識が乏しかったために、経済的な自由を失った。(知識の欠乏は、彼に経済的な自由を犠牲にさせた)

costは面白い動詞で、単語そのものに「犠牲にさせる」という使役の意味があります。状況や出来事など人ではないもののために、何かを犠牲にすることはよくあります。そのため無生物主語+costは使う場面が多いでしょう。

allow

Financial freedom allows you to keep doing what you like.

経済的な自由があれば、好きなことをし続けることができる。(経済的な自由は、あなたが好きなことをし続けることを許可する)

The nice weather allowed them to play outside.

天気が良かったおかげで、彼らは外で遊ぶことができた。(良い天気は、彼らが外で遊ぶことを許可した)

Allow「~のおかげで」という意訳が一般的です。ポジティブな結果が得られるときに、よく使われます。

force

Financial problems forced him to get a new job.

経済的な問題のため、彼は新しい仕事を見つけなければいけなかった。(経済的な問題は、彼に新しい仕事を見つけることを強制した)

The heavy rain forced kids to play inside.

激しい雨のため、子供たちは家の中で遊ばなければいけなかった。(激しい雨は、子供たちに家の中で遊ぶことを強要した)

force「~のせいでやむを得ず」というニュアンスが出る動詞です。生物主語とbecauseを使うよりも厳しいニュアンスが出ます。

remind

This smell reminds me of my ex-girlfriend.

この匂いを嗅ぐと、昔の彼女を思い出す。(この匂いは私に昔の彼女を思い出させる)

What you just said reminds me of a funny story.

あなたが今言ったことで、面白い話を思い出した。(あなたが今言ったことは、私に面白い話を思い出させる)

「思い出させる」という意味のremindは、無生物主語との相性がいいです。昔のことをしみじみと思い出したり、何かのきっかけであることを思い出したときに使えます。

save

Preparing well will save you a lot of time.

準備をしっかりしておけば、多くの時間を節約できる。(しっかりとした準備は、あなたに時間を節約させる)

Take the Meguro line instead of the Yamanote line. It will save you 200 yen.

山手線ではなく、目黒線に乗ってください。200円節約できます。(それはあなたに200円節約させます)

saveには「節約する」という意味もありますが、「節約させる」という使役的な意味もあります。時間やお金、体力などの話題で使えます。

cause

Being in a hurry can cause you to make bad decisions.

急いでいると、愚かな判断をしてしまいかねない。(急ぐことは、あなたに愚かな判断をさせるかもしれない)

Too much exercise caused him to have joint problems.

運動のし過ぎで、彼は関節に障害を負うこととなった。(行き過ぎた運動は、彼に関節の障害を起こさせた)

cause「~の原因となる」や「~をもたらす」という意味の動詞です。一般的に、何か悪いことが起こったときに、その原因を無生物主語として使います。

まとめ

無生物主語のように日本語になじまない文法事項は、たくさんの例文に触れて慣れていくことが最短で確実な学習方法です。例文をたくさん調べ、音読し、自分でも例文を作ってみましょう。

また、無生物主語は、客観的な意見を述べるときに特に役に立つので、ビジネスシーンでは欠かせないスキルです。ビジネスなどの公の場で英語を使いたい人は、しっかりと復習しておきましょう。

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