英語の形式主語とは?文章を作る上でおさえるべきポイントを解説!

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形式主語とは

「形式主語」、あるいは「形式主語構文」にはどれくらい親しみがありますか?

なんとなくわかるという方もいれば、なんだかごちゃごちゃしていてよくわからないという方もいるかと思います。

実は「形式主語構文」は、日常会話でもよく登場する、とても重要な文の形です。

今回は、あらためて「形式主語」や「形式主語構文」について、基本から解説していきたいと思います。

形式主語構文の形

代名詞の「it」はその前の文の中の何かを指すのが基本的な使い方です。

I have a bike. It was expensive.

私は自転車を持っています。それはとても高価でした。

この中の「It」(それ)は、「a bike」を指しています。

ところが、これとは違い、前の文の中の何かを指すのではなく、後ろに出てくるものの「代理」としてとりあえず文頭に置く「It」があります。

これが、「形式主語のIt」あるいは「仮主語のIt」と呼ばれるものです。

例えば、

It is important to do yoga every day.

という文。

これは、「毎日ヨガをするのは大事です」という意味の「形式主語構文」です。

ここで使われている最初の「It」は「それ」ではなく、後ろに出てくる「不定詞」のフレーズ「to do yoga every day(毎日ヨガをすること)」の代理として書いてあるだけです。

この文を訳す場合は、「It」は「それ」とは訳しません。

このように、本来は主語になる部分を後ろに置いて、その代わりに「It」を代理の主語としてまず書く文を「形式主語構文」といいます。

「It is〜」「It was〜」「It may be〜」といった、be動詞を伴う形で文が始まることが多いですが、「It doesn’t matter〜」のように、be動詞ではない動詞の場合もあります。

また、「It」が示している本来の主語の部分を「意味上の主語」あるいは「真主語」といいます(これ以後は「意味上の主語」に統一します)。

上の場合は、「to do yoga every day(毎日ヨガをすること)」が「意味上の主語」です。

「形式主語構文」は、「形式主語構文にした方が文の内容がわかりやすい」場合に使われます。

よく「形式主語は文の主語が長い場合によく使われる」といわれますが、必ずしもすべてそういうわけではありません。

また、形式主語構文にして「It is ○○」の部分を先に出すことにより、話し手や書き手の主張なり結論(○○の部分)を先に伝えられるというメリットがあるとも言われます。

形式主語の4種類

「形式主語」には、それが表す「意味上の主語」の形の違いによって、主として4つの種類があります。

それは「不定詞を表す形式主語」「動名詞を表す形式主語」「that節を表す形式主語」「間接疑問文を表す形式主語」の4つです。

・不定詞を表す形式主語:It is 〜 to+動詞....

It is difficult to play the guitar.

ギターを弾くことは難しい。

・動名詞を表す形式主語:It is 〜 -ing….

It's no use crying over spilled milk.

こぼれたミルクについて嘆くことには意味がない。(覆水盆に返らず)

・that節を表す形式主語:It is〜that….

It is important that you walk every day.

毎日歩くことは重要です。

・間接疑問文を表す形式主語:It is〜間接疑問文….

It is clear who broke this table.

誰がこのテーブルを壊したのかは明らかです。

では、一つずつ、詳しく解説していきましょう。

不定詞を表す形式主語

1つ目は、「It」が表す「意味上の主語」「不定詞」の場合の「形式主語構文」です。

「It is 〜 to+動詞....」の形です。

It is important to do yoga every day.

毎日ヨガをするのは大事です。

上の「形式主語構文の形」のところでも解説しましたが、これは、「毎日ヨガをするのは大事です」という意味の文です。

最初の「It」は、後ろに出てくる意味上の主語である不定詞のフレーズ「to do yoga every day(毎日ヨガをすること)」を表しています。

ですので、この文は、形式主語を使わずに以下のように書き換えることもできます。

To do yoga every day is important.

毎日ヨガをするのは大事です。

「To do yoga every day(毎日ヨガをすること)」「不定詞」の名詞的用法です。

もう少し別の例を挙げましょう。

It is easy to climb the mountain.

その山に登るのは簡単です。

この形式主語構文の「It」は「to climb the mountain(その山に登ること)」という意味上の主語を表しています。

ここまでの例文では、ヨガをやったり山に登ったりするのが誰かについては特に示されていません。

しかし、誰の行動であるのかをはっきりと言いたい場合は、不定詞の前に「for 人」または「of 人」を挿入します。

ちょっとややこしくなりますが、ここで出てくる「人」の部分を「不定詞の意味上の主語」と呼ぶこともあります。1つの文の中に「形式主語構文の意味上の主語」と「不定詞の意味上の主語」という2つの文法項目が登場しているのでご注意ください。

以下、そのような例文です。

It is very difficult for me to study French.

フランス語を勉強することは私にはとても難しいことです。

文法的な解説をすると「It」が「形式主語」「to study French」が「この形式主語構文の意味上の主語(Itが表すもの)」「me」が「不定詞to studyの意味上の主語」となります。

It is strange for her to say so.

彼女がそう言うのはおかしい。

It was kind of you to help us.

あなたが私達を手伝ったのは親切だった。(→親切にお手伝いいただきありがとうございます。)

It is foolish of you to do that.

そんなことをするとはあなたは愚かです。

上の「kind of」や「foolish of」のように、人の性質や性格を表す形容詞の時は「of」を使います。

動名詞を表す形式主語

2つ目は、「It」が表す「意味上の主語」が「動名詞」の場合の「形式主語構文」です。

「It is 〜 -ing....」の形です。

It is no use crying over spilled milk.

こぼれたミルクのことをなげいてもしょうがない。

この文の最初の「It」は「それ」ではなく、後ろの「crying over spilled milk(こぼれたミルクについてなげくこと)」の代理をしている「形式主語」です。「crying over spilled milk」がこの文の意味上の主語です。

ちなみにイギリス英語だと「spilled」は「spilt」になります。

他にもいくつか例を挙げましょう。

It is a lot of fun talking to you.

あなたとお話しするのはとても楽しいです。

It was a great pleasure meeting you.

あなたにお会いできてとても嬉しかったです。

It was great working with you on this.

あなた方とこの仕事をすることができてとてもよかったです。

不定詞の場合と同様、形式主語構文ではない形に書き換えることもできます。

例えば上の例に挙げた「It is a lot of fun talking to you.」を、

Talking to you is a lot of fun.

あなたとお話しするのはとても楽しいです。

と、書いても大丈夫です。

that節を表す形式主語

3つ目は、「It」が表す「意味上の主語」が「that節」の場合の「形式主語構文」です。

「It is〜that….」の形です。この場合、that の後には文が来ます。「that + 文」の部分は「that節」と呼びます。

また、この「that節」の「that」は省略可能です。以下の例文ではすべてに「that」を入れていますが、「thatが省略された形式主語構文」もありますので注意しましょう。

It is important that you walk every day.

毎日歩くのは大事です。

この形式主語の「It」は that 以下の部分、すなわち「that you walk every day(あなたが毎日歩くこと)」を指しています。

もし書き換えるならば、

That you walk every day is important.

毎日歩くのは大事です。

と書くこともできます。

「That you walk every day」の部分は「あなたが毎日歩くこと」です。

このように「that + 文」で、「〜すること」という意味を表します。

他の例文で見てみましょう。

It’s true that George won the game.

ジョージがそのゲームに勝ったというのは本当です。

It's a pity that he has to miss the party.

彼がパーティーに出席できないのは残念です。

It's natural that the boss was pleased with his team’s work.

その上司が自分のチームの仕事に満足したのは当然です。

間接疑問文を表す形式主語

4つ目は、「It」が表す「意味上の主語」が「間接疑問文」の場合の「形式主語構文」です。「It is〜間接疑問文….」の形です。

ここで少し、「間接疑問文」について振り返っておきましょう。

「間接疑問文」とは、例えば、

Do you know where she bought the bag?

彼女がどこでそのバッグを買ったか知っていますか。

の中の「where she bought the bag」の部分です。

ここは「where+肯定文」の形になっています。

このように、「疑問詞+肯定文」の形が「間接疑問文」です。

「間接疑問文」の疑問詞には、「when(いつ)」「where(どこ)」「who(だれ)」「what(何)」「why(なぜ)」「how(どうやって・どのくらい)」「whether(〜かどうか)」などがあります。

なお、「疑問詞+肯定文」の形を「間接疑問文」と書きましたが、疑問詞が「who」や「what」の場合は、「肯定文」の部分が少し違う形になります。

例えば、「who bought the bag」(誰がそのバッグを買ったのかということ)、「what she bought」(彼女が何を買ったのかということ)といった具合です。

また、「間接疑問文」のことを「wh名詞節」と呼ぶ場合もあります。この部分は一つの大きな名詞のかたまりと見ることができるからです。

以下、「間接疑問文」「意味上の主語」になる「形式主語構文」の例を見ていきましょう。

It is unknown where the ship sank.

その船がどこで沈没したのかは不明です。

この形式主語の「It」はwhere以下の部分、すなわち「where the ship sank(その船がどこで沈没したのか)」を指しています。この「where the ship sank」の部分が意味上の主語というわけです。

もし書き換えるならば、

Where the ship sank is unknown.

その船がどこで沈没したのかは不明です。

となります。「Where the ship sank(その船がどこで沈没したのか)」が文全体の主語になっています。

「間接疑問文」を使った「形式主語構文」の他の例を見てみましょう。

It is clear who broke this table.

誰がこのテーブルを壊したかは明らかです。

It is not really important what you wrote about it.

あなたがそれについて何を書いたのかは大して重要ではありません。

It doesn’t matter how many students are going to take the class.

何人の学生がその授業を履修しようとしているのかは重要ではありません。

It’s up to you whether you believe this story or not.

この話を信じるか信じないかはあなた次第です。

まとめ

いかがでしたか。

今回は、「それ」とは訳さない「It」である「形式主語」について解説しました。

主として4つのパターンがありますが、これら「形式主語」を使った文章を作る上でおさえるべきポイントがおわかりいただけたのではないかと思います。

「形式主語構文」というと何だか難しく感じてしまいますが、実際には日常会話でよく使われる形の文です。スムーズなコミュニケーション力をアップするために、しっかり身につけましょう。

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