間接疑問文というものを、普段の英会話や英作文で使っているでしょうか。なにやら難しそうな名前の文法用語なので、身構えてしまう人も多いでしょう。
しかし実際のところ間接疑問文は、使いこなせれば文章を簡潔にまとめることができる、英文法の便利グッズなのです。中には無意識のうちに使っている人もいるかもしれません。
間接疑問文の構造や使い方、注意点を理解して、これからは意識して使っていくようにしましょう。スピーキングとライティングにおける表現の幅が大きく広がるはずです。
間接疑問文とは?
間接疑問文とは、疑問文を名詞節に変換したものです。
疑問文とは?名詞節とは?
さらなる解説の前に、疑問文と名詞節について詳しく理解しておきましょう。
まず疑問文とは、文の最後に「?」が付く、質問するための文章です。
Do you need help?
などが疑問文の例です。
次に名詞節ですが、まず「節」とは「主語と動詞を持った文章」のことです。そして名詞節は、1つの名詞の役割をしている文章のことです。名詞として扱われる文章、とも言えます。名詞節は主語、補語、目的語のどれにもなりえます。
説明のみだとわかりづらいので、例文を用いて詳しく見ていきましょう。
あなたがここに住んでること知らなかったよ。
この例文の場合、that以下が名詞節です。「あなたがここに住んでいる」という文章が、1つの名詞として、動詞knowの目的語となっています。だいたい「~ということ」と日本語訳されます。
目的語と補語の違いが分からないという方はコチラの記事を参考にしてみてください
英語の補語・目的語の違いとは?
https://nativecamp.net/blog/20180723-complement
間接疑問文とは?
間接疑問文は「疑問文を名詞節に変換したもの」でした。1つの名詞として扱われる文章が、疑問文になったというだけです。
つまり間接疑問文は、名詞節の中の1つの種類ということになります。
あなたがどこに住んでいるのかを知らない。
この文章ではwhere以下が間接疑問文です。「あなたがどこに住んでいるのか」という名詞節になっており、knowの目的語となっています。
「I」が主語、「don’t know」が動詞、「where you live」が目的語、ということです。
このように間接疑問文を使うと、1つの文章の中に疑問文をまるまる1つ組み込むことができるので、1文で伝えることができる情報量が増えるのです。
Where do you live? I don’t know that.というよりもお手軽ですよね。
ちなみに間接疑問文の中では、疑問文の語順が変わり、平叙文(疑問文でない普通の文章)の順序になるので注意しておきましょう。
I don’t know where do you live.とはなりません。
間接疑問文の使い方
間接疑問文は名詞節の1つで、名詞と同じ役割を果たすということでした。そのため、文章の様々な箇所に配置することができます。
使いこなせれば便利な反面、よく知らないと読解が困難になるため、しっかりと理解しておきましょう。
目的語になる間接疑問文
間接疑問文は目的語になることが比較的多いです。例文を見ていきましょう。
どう思っているか教えて。
what 以下が間接疑問文で、動詞tellの目的語になっています。
問題が何なのか、君は突き止めなきゃいけない
what 以下が「問題は何なのか」という間接疑問文で、figure out の目的語になっています。be動詞が文末に置かれることに違和感を覚えるかもしれませんが、間接疑問文なのでこれが正解です。
補語になる間接疑問文
補語とは「主語の状態を説明するもの」です。主語とイコールの関係になります。
私が知りたいのは、昨晩彼女がどこに行こうとしていたかだけだ。
私が今あなたに伝えているのは、私がどのようにその試験に合格したかです。
「What I’m telling you now」が主語、「is」が動詞、「how I passed that exam」が間接疑問文を用いた補語になっています。
主語になる間接疑問文
間接疑問文は名詞の役割を果たすので、もちろん主語にもなることができます。
ここで何が起こっているのかは、重要ではない。
「What is happening here」が主語、「doesn’t matter」が動詞です。主語が大きくなるので、間接疑問文を知らないと文章の切れ目が分からず混乱してしまうでしょう。
あなたがどう感じているかは、私にとって重要です。
「How you feel」が主語、「is」が動詞、「important」が補語です。
疑問詞を使わない間接疑問文
What, how, whereなどの疑問詞を使った間接疑問文ばかり見てきましたが、疑問詞が無いものもあります。
彼が怒っているのかどうかわからない。
「I」が主語、「can’t tell」が動詞、「if he is angry」が間接疑問文を用いた目的語になります。この文でのifは、「もしも」ではなく「~かどうか」という意味になります。
彼女がこの会議に参加するかどうかは、私たちの会社の未来に影響を与える。
「Whether she attends the meeting or not」までが間接疑問文を用いた主語、「can affect」が動詞、「our company’s future」が目的語です。
間接疑問文の例文
新しい文法を学んだとき、それを脳に定着させるのに有効な方法は多くの例文に触れることです。様々なパターンの例文に触れ、音読して間接疑問文に慣れていきましょう。
また、慣れてきたら自分で例文を作るのも有効です。例文をマネしてオリジナルの例文を作ってみましょう。
それが誰であったか分からない。
たった今何が起きたのかさっぱり分からない。
どこに住みたいか決まった?
パーティーがいつかわかる?
どちらの車が良いのだろう。
ビックリするくらいのお菓子を貰ったよ。
今夜は彼が来るかどうか知ってる?
どちらの人物が良いか決めるのは困難だ。
どちらの色を選べばいいか教えてくれませんか?
いつ雨が降るのか知りたい。
私たちがどこに行くのか、彼らには言わないでね。
あなたが今、何をしなければいけないのかを伝えます。
何を食べるかは、外見がどう見えるかに影響する。
あなたがどれだけ遠くに来たか、あなたは誇りに思うべきです。
彼らがなぜここにいるのか分からない。
あなたがなぜこれを行ったのかは重要ではない。重要なのはあなたが何を行ったかだ。
人生の10%は何が起こるかで、90%はそれにどう反応するかだ。
間接疑問文を使って文章を作ってみよう
ちょっとした練習問題を用意しました。普通の疑問文があるので、それを間接疑問文にして文章を作ってみてください。
What are we going to do today?
今日、私たちは何をしますか?
解答例
Do you want to know what we are going to do today?
今日、私たちが何をするか知りたい?
今日、私たちがすることは驚くべきことかもしれません。
How do you do it?
どうやってやるの?
解答例
Show me how you do it.
どうやってやるのか見せて。
どうやってやるかは、あまり重要ではありません。
間接疑問文の注意点
間接疑問文を扱う際、読解する際の注意点をまとめます。
語順の変化に注意
すでに軽く触れましたが、語順の変化には気をつけましょう。
間接疑問文は名称に「疑問文」と入っていますが、疑問文の順序にはなりません。通常の文(平叙文)の語順になります。
基本的に「疑問詞+主語+動詞」の順になると覚えておきましょう。
実際のところ、I don’t know where do you live.と語順を間違っても、ネイティブスピーカーに通じはします。
しかし「英語があまり流暢でない人」という印象は持たれてしまうでしょう。日本語で言うと「彼がどこに住んでいますか、分かりません」と言っているような感覚です。
文章の切れ目に注意
間接疑問文が文章に出てくると、文の切れ目が分かりづらくなります。
主語が何で、呼応する動詞はどれなのかが分からないと、文章の意味を把握することはむずかしくなります
長文読解やリスニングでは、文の切れ目があいまいになると、そこから全体が崩壊しかねません。
例えばこのような文章があったとします。
上司不在時に彼らがどう問題を処理したかは理想的ではなく、情報漏洩を含む多くの問題を起こしかねなかった。
この文章では、4つの動詞が出てきますが、文章全体の主語に呼応する動詞はそのうち2つだけです。
文章全体の主語は「How they dealt the problems while their boss was absent」で、それに呼応する主語は「was not」と「could have caused」です。
ここでもし、「was absent」を全体の動詞として文章を読んでしまったり、「could have caused」の主語が何かわからなくなってしまったら、文の意味を正確に理解することができません。
このように間接疑問文は便利な反面、文章が長くなりがちです。間接疑問文の構造をしっかり理解し、主語と動詞の位置を見極められるようにしましょう。
また1つの文章があまりにも長いのなら、間接疑問文がないか探してみましょう。
まとめ
間接疑問文に関して学んだことをまとめます。
・間接疑問文は名詞の役割をし、主語、目的語、補語などになる
・間接疑問文には、疑問詞を使うものと使わないものがある
・間接疑問文の中では、語順は平叙文と同じになる
・間接疑問文が使われた文章を読む際は、文の切れ目に注意する
間接疑問文は最初はややこしいかもしれませんが、使いこなせると多くの情報を1つの文章で伝えることができるようになります。スピーキングやライティングの強い味方になるでしょう。
間接疑問文のような文法をマスターするには、例文をマネして自分で文章を作ってみることです。
正しく文章を作れているかどうかわからないという場合は、オンライン英会話の「ネイティブキャンプ」を活用してみましょう。ネイティブスピーカーや、英語が流暢な日本人スタッフに添削してもらえます。
◇経歴
・アメリカ、オクラホマ州の四年制大学を卒業
・英語学習に関するブログを中心に、英語ライター・翻訳家として活動(現在)
◇資格
・TOEFL503点(大学入学時)
・Bachelor of Arts(文学士号)
◇海外渡航経験
・高校卒業後に、アメリカのオクラホマ州にあるNortheastern州立大学へ5年間の正規留学を経験
◇自己紹介
高校時代にアメリカの音楽文化に興味を持ち、アメリカへの大学留学を決意したことが、英語学習を本格的に始めることになったきっかけです。渡米後に3ヶ月の語学研修とTOEFL試験をクリアし、正規入学を果たしました。音楽学部にてJazz Studiesを専攻し、複数のバンドでギタリスト・ベーシストとして活動したことは一生の財産です。言葉はその人の価値観を定義付け、語学の習得は世界の見え方を変えます。自分が今も現在進行形で経験している、言語の魅力を発信するために、日々、英語・語学に関する情報発信をしています。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.