強調構文とは?使い方と形式主語との違いを例文で詳しく解説!

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強調構文とは

「強調構文」とは、その名のように、「何かを強調する」構造の文のことです。でも、そう言われても何だかよくわかりませんよね。

加えて、「強調構文」と見かけが似ている「形式主語構文」というのもあって、こちらと混乱してしまうこともよくあります。

今回は、「強調構文」とはどんなものか、「形式主語構文」との違いも念頭に置きながらあらためて説明していきたいと思います。

強調構文の使い方

ある文があって、その中の要素のどれかを特に強調したいという場合にその要素を中心に書き直した文それが「強調構文」です。

まずは日本語で考えてみましょう。

「ナンシーは昨日図書館でジョージに会いました」という文があったとします。この文はこれで完結しているわけですが、ここで、ちょっと何かを強調して書き換えてみたいと思ったとします。

「昨日」会ったことを強調したい場合
「ナンシーが図書館でジョージに会ったのは、昨日です。」
ナンシーが会ったのは「ジョージ」であることを強調したい場合
「ナンシーが昨日図書館で会ったのは、ジョージです。」

以上は日本語で書き直した場合ですが、これを英語で実践したものが英語の「強調構文」です。

英語の場合は、強調構文に書き直す際に、「It」と「that」を使います。また、日本語と違って、強調したいものを最初の方に書くことになります。

それでは、英語「強調構文」はどのように作っていくのか。以下、具体的に見ていきたいと思います。まず、次のような文があったとします。

Nancy met George at the library yesterday.
ナンシーは昨日図書館でジョージに会いました。

この文は、次のような構造になっています。

Nancy met George at the library yesterday.
主語 動詞 目的語 副詞句 副詞

この、主語、目的語、副詞句、副詞のうちのどれでも好きなものを、強調構文にして強調することができます。

では順番に見ていきましょう。

主語を強調

まずは主語を強調する場合です。

Nancy met George at the library yesterday.
ナンシーは昨日図書館でジョージに会いました。

この文の主語は「Nancy」です。主語を強調した文だと、日本語で書くならば「昨日図書館でジョージに会ったのは、ナンシーです。」ですね。

これを英語の「強調構文」で書くと、

It was Nancy that met George at the library yesterday.
それはナンシーでした。昨日図書館でジョージと会ったのは。
⇒昨日図書館でジョージと会ったのは、ナンシーです。

このように「強調構文」では「It is (was) A that 〜.」という形を使い、Aの部分に強調したいものを持ってきます。元の文の中で強調したい部分を「It」に続けて「引っ張り出す」というイメージです。

英語にした場合、「それは〜です(だった)」の部分が、最初に来るわけです。上の例の場合、強調したい部分である「それはナンシーだった」が最初に来ています。

なお、「強調構文」の最初が「It is」になるのか「It was」になるのかは、元の文の内容によります。元の文が過去のことを描写している場合は「It was」、元の文が現在のことや未来のことを描写している場合は「It is」となるのが普通です。

目的語を強調

次に目的語を強調する場合です。先ほどと同じ例文です。

Nancy met George at the library yesterday.
ナンシーは昨日図書館でジョージに会いました。

この文の中の動詞「met」の目的語は「George」です。この「George」を「強調構文」を使って強調する、すなわち「ナンシーが昨日図書館で会ったのは、ジョージだ」というように言いたい場合、

It was George that Nancy met at the library yesterday.
それはジョージでした。昨日図書館でナンシーが会ったのは。
⇒昨日図書館でナンシーが会ったのは、ジョージです。

こう、表現することができます。

副詞句を強調

先ほどの文、

Nancy met George at the library yesterday.
ナンシーは昨日図書館でジョージに会いました。

この中には、「at the library」という副詞句があります。今度はこれを「強調構文」で強調してみましょう。

It was at the library that Nancy met George yesterday.
それは図書館でした。ナンシーが昨日ジョージに会ったのは。
⇒ナンシーが昨日ジョージに会ったのは、図書館でです。

このように、「at the library」のようなフレーズも、そのまま「It is (was)」の後に続けます。

副詞を強調

同じ例文には、「yesterday」という副詞も含まれています。

Nancy met George at the library yesterday.
ナンシーは昨日図書館でジョージに会いました。

この副詞「yesterday」を「強調構文」で強調すると次のようになります。

It was yesterday that Nancy met George at the library.
それは昨日でした。ナンシーが図書館でジョージに会ったのは。
⇒ナンシーが図書館でジョージに会ったのは、昨日です。

このようになります。

疑問文

「強調構文」を疑問文にする場合は、「It is」または「It was」の部分を「Is it」または「Was it」にすればOKです。

Was it at the library that Nancy met George yesterday?
それは図書館でだったんですか?ナンシーが昨日ジョージと会ったのは。
⇒ナンシーが昨日ジョージと会ったのは、図書館でですか?

また、「what」「who」「where」などの疑問詞を含む疑問文も作れます。

Who was it that Nancy met at the library yesterday?
それは誰だったんですか?ナンシーが昨日図書館で会ったのは。
⇒ナンシーが昨日図書館で会ったのは、いったい誰ですか?

疑問詞が入る強調構文の疑問文の場合、日本語に訳すとあまり強調構文っぽくならないので、上の例文では「いったい誰ですか」というように「いったい」と入れてみました。

Where was it that Nancy met George yesterday?
それはどこでだったのですか? ナンシーがジョージと昨日会ったのは。
⇒ナンシーがジョージと昨日会ったのは、いったいどこでだったのですか?

その他の強調構文の例

ここでは、これまでのまとめとして、元の文⇒主語を強調した強調構文⇒目的語を強調した強調構文⇒副詞(句)を強調した強調構文⇒疑問文、の順番でいくつか例文を挙げたいと思います。

Tom is going to buy some bananas at the supermarket tomorrow.
トムは明日、スーパーでバナナを買います。
⇒主語を強調した強調構文
It is Tom that is going to buy some bananas at the supermarket tomorrow.

スーパーで明日、バナナを買うのは、トムです。
⇒目的語を強調した強調構文
It is some bananas that Tom is going to buy at the supermarket tomorrow.

トムが明日、スーパーで買うのは、バナナです。

※このように、強調するものが「some bananas」と複数形であっても「It is (It was)」の部分は単数形(isまたはwas)のままです。

⇒副詞句を強調した強調構文
It is at the supermarket that Tom is going to buy some bananas tomorrow.

トムが明日、バナナを買うのは、スーパーです。
⇒副詞を強調した強調構文
It is tomorrow that Tom is going to buy some bananas at the supermarket.

トムがスーパーでバナナを買うのは、明日です。

⇒疑問文
上のそれぞれの例文の「It is」を「Is it」にして最後にクエスチョンマークを付ければ、疑問文になります。

Lucy bought a sweater at the department store yesterday.
ルーシーは昨日、デパートでセーターを買いました。

⇒主語を強調した強調構文
It was Lucy that bought a sweater at the department store yesterday.

昨日、デパートでセーターを買ったのは、ルーシーです。
⇒目的語を強調した強調構文
It was a sweater that Lucy bought at the department store yesterday.

ルーシーが昨日、デパートで買ったのは、セーターです。
⇒副詞句を強調した強調構文
It was at the department store that Lucy bought a sweater yesterday.

ルーシーが昨日、セーターを買ったのは、デパートでです。
⇒副詞を強調した強調構文
It was yesterday that Lucy bought a sweater at the department store.

ルーシーがデパートでセーターを買ったのは、昨日です。
⇒疑問文
Was it Lucy that bought a sweater at the department store yesterday?

昨日、デパートでセーターを買ったのは、ルーシーですか?

強調構文と形式主語の見分け方

見た目が「強調構文」と似ているのが「形式主語構文」です。

いずれも、肯定文の場合、文が「It」から始まり、途中に「that」が登場します(「形式主語構文」の場合は「that」ではなく不定詞が登場するパターンもあります)。

「形式主語構文」は、次のように「形式主語」あるいは「仮主語」と呼ばれる冒頭の「It」が、本当の主語である「that節」の代理をしている文です。

It is true that the earth is round.
地球が丸いのは真実だ。

この「形式主語構文」の「It」は、「that the earth is round」(地球は丸いということ)という「that節」を指しています。

「that節」は名詞節であり、次のように書き直すこともできます。

That the earth is round is true.
地球が丸いということは真実だ。

こうすると主語(「That the earth is round」というthat節)がちょっと長くてわかりづらいため、「It」を使って「形式主語構文」にすることが多いのです。

ところで、これらの文を見てもわかるように、「形式主語構文」では「that以降の部分が完全文であり、その文だけで意味が成り立つ形」になっています。上の例文の場合、「the earth is round」ですね。これは完全な文です。

また、「It is」と「that」の間には、形容詞またはそれに類する語句が入ります。上の例では「true」です。

一方、「強調構文」の場合は、「It is」と「that」を取り除いた残り全部の語の語順を元に戻すと、完全な文になるという特徴があります。次の例文で見てみましょう。

It was her pearl necklace that Becky lost yesterday.
ベッキーが昨日なくしたのは、パールのネックレスです。

上の文の「It was」と「that」を取り除いてみましょう。

her pearl necklace Becky lost yesterday

この順番を戻すと、
Becky lost her pearl necklace yesterday.

語句の余りの出ない、完全な文になりますね。この場合「強調構文」です。

また、形の上では、「It is (was)」と「that」の間の語が、名詞・代名詞・副詞(句・節)であれば「強調構文」のことが多いと言えます。

では最後に、「形式主語構文」と「強調構文」の例をいくつか並べてみましょう。

・形式主語構文の例

It is true that she passed the exam.
彼女が試験に合格したのは本当です。
It is sad that you cannot join us.
あなたが参加できないというのは悲しい。

・強調構文の例

It was last week that Tim bought a bike at the shop.
ティムがその店で自転車を買ったのは、先週でした。
It is my brother that cooks dinner on Sundays.
毎週日曜日に夕食を作るのは、私の兄です。

まとめ

いかがでしたか?「強調構文」も「形式主語構文」もまるでパズルのよう、と思った方もいらっしゃるかもしれません。その通りですね!

初めはちょっとややこしい印象があるかもしれませんが、いくつもの例文に触れるうちに、だんだんと慣れていくのではないかと思います。

「強調構文」も「形式主語構文」も練習あるのみ。自分で作ったり、作ったものを大きな声で読み上げたりして、身につけていってください。

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