皆さんは、英語で「財布」を何と言うかご存じでしょうか。実は、英語ではpurseとも、walletとも言います。しかし、どちらを使うべきかはわかっていないと誤解をちょっとした誤解を招いてしまうことも…!purseとwallet、和訳ではどちらも同じ意味になってしまいますが、その違いにこそ注意しなければいけないのです。以下で違いを見ていきましょう。
「財布」を表すpurseとwalletの違い
あとで解説するイギリス英語とアメリカ英語の違いはありますが、基本的に英語で「財布」と言いたいときには以下のニュアンスを押さえておきましょう。
purseは、女性用の財布といったイメージが強いです。財布だけでなく、女性が持つポーチやハンドバッグなど、小さな入れ物を指すこともあります。ですので、purseと言われて財布のみをイメージしていると、あとでイメージとは違ったバッグのことを言われていると気付くかもしれませんね。
一方、walletの方はシンプルに財布を指します。しかし、男性が使う財布や、二つ折り財布のイメージが強いです。
日本語では一般的に財布と言いますが、英語では、誰が使うものなのか、どのタイプの財布なのか、そんなところまでイメージしてpurseとwalletを使い分けています。
purseの意味と使い方
では、purseの意味と使い方について、イギリス英語とアメリカ英語で少々違う点があることもお伝えしておきましょう。同じ英語を使う国ではありますが、英単語が持つイメージがすべて同じとは限りません。こういった違いは多々あるので、イギリス英語、アメリカ英語、どちらを使いたいか絞ることをおすすめします。
イギリス英語・アメリカ英語
イギリス英語の場合、purseというと女性が使う財布を意味します。二つ折りであろうと小銭入れであろうと、女性が使う財布であればタイプは問いません。
ちなみに、purseの語源はギリシャ語の「革」であり、昔は男女問わず財布ならpurseと言っていたそうです。
アメリカ英語の場合、purseというとハンドバッグという意味になることが多いです。女性が持つ小さな鞄をイメージする人が多いので、財布ということを伝えたいのであれば誤解が生まれかねません。
イギリス英語とアメリカ英語、両方purseは女性が持つものという認識に相違はありませんが、財布なのかハンドバッグなのかというところで差が生まれています。
ジェンダーレスやLGBTQ、多様性の時代であることを考えると、持ち物を男女分けするのはナンセンスだと考える方もいるでしょうけれど、言葉は昔にできたものなので、呼び方を変えて世間に浸透させるのは難しいかもしれませんね。
では、purseを使った例文を作ってみましょう。以下をご覧ください。
Hey! I bought a new purse for my mother’s birthday. Isn’t it lovely?
「見て!お母さんの誕生日プレゼントに財布買っちゃった!可愛くない?」
purseは女性ものですから、ここでお父さんの誕生日にpurseを買ったと書くのは違和感があります。ネイティブスピーカーならではの感覚をここで培っておきましょう。
walletの意味と使い方
次は、walletの使い方についてご紹介しましょう。purseと似ていますが、両者の違いを知っていればシチュエーションに合わせてどちらを使うべきかおのずとわかってくるはずです。昔は「鞄」という意味で使われていたwalletは、現在「財布」という意味に置き換わっています。では、イギリス英語とアメリカ英語での認識にはどんな違いがあるのでしょうか。
イギリス英語・アメリカ英語
イギリス英語では、walletは男性が使う二つ折り財布を意味します。ただ、若い女性は時々女性や自分が使う財布のこともpurseではなくwalletと表現することがあるので、世代によって思い浮かべるものに少しの差はあるかもしれません。
そしてアメリカ英語では、walletは男女ともに「財布」という意味になります。性別関係なしに使えるのはアメリカ英語の方だと覚えておきましょう。
では、例文を見てみてください。
She has lost her wallet. Have you seen it?
「彼女、財布をなくしたんだって。見てない?」
ここでは、walletをなくしたのが「彼女」と女性になっていることから、どちらかというとアメリカ英語であることが推測できます。
よく、walletは男性が使う財布であると解説されますが、それはイギリス英語として使ったときに誤解を生まないようにするためだと思われます。アメリカ英語では、walletは女性も使えることを知っておくと良いですね。
その他の「財布」の英語表現
では、「財布」という英語であるpurseとwalletを使ったフレーズをいくつかご紹介しましょう。日本語でも家計のことやお金に関することはよく言うので、まずは以下のフレーズをまとめて見てみてください。
・財布の紐を締める:tighten one’s purse strings
・財布の紐を握る:to hold the purse strings
・財布が軽い:be short of money
・財布の紐が固くなる:to stop wasting money
・財布の紐をゆるめる:loosen the purse strings
どれか使いやすそうなものはありましたか?日本語の言い回しと英語の言い回しがほぼ同じなので、そこまで覚えにくいものではありません。
例えば、「財布の紐を締める」で使われている動詞tightenは、「きつくする」という意味なので意味は一緒です。
「財布の紐を握る」で使われている動詞もholdで、こちらも「握る」「持つ」という意味です。haveと似ていますが、holdの方がより抱え込んでいるようなイメージです。
「財布の紐をゆるめる」に使う動詞もloosenで、「ゆるめる」とそのままの意味です。
「財布が軽い」と「財布の紐が固くなる」は例外で、日本語と英語の直訳がイマイチ合いません。ただ、意味を紐解けば同じような意味に意訳できます。
では、これらのフレーズを使って例文を作ってみましょう。
I must tighten my purse strings because I bought three tickets.
「3枚もチケット買っちゃったから財布の紐を固くしないとダメだな」
Did you loosen the purse strings? Or got a lot of money?
「財布の紐が緩くなっちゃったの?それとも大金ゲットしたとか?」
単語の意味さえ知っていれば訳せますが、フレーズを知らないとなかなか言えないのでイディオムのように丸っと暗記してもいいですね。すると、英会話などで口をついてするっと何語かセットで出てきてくれるので、よりスムーズな会話ができるようになります。
長財布・がま口財布・小銭入れ
同じ財布でも、長財布なのかがま口財布なのかそれとも小銭入れなのか、タイプがありますよね。財布を落としたときなどには、財布の形状やデザインを言えた方が良く、そういった場面で使い分けることもあります。英語ではどのように表現するのか見てみましょう。
長財布は、英語でlong walletといいます。日本語の表現と英語の表現が同じなので、単純で覚えやすいですよね。長い財布だから長財布であり、long walletです。
がま口財布は、frame purse、あるいはframe clutchと言います。がま口には枠、つまりフレームがあるので、このような言い方になります。ちなみに、がま口財布は日本独自のものというイメージがあるかもしれませんが、実は西洋から輸入されたものだそうですよ!そして今も海外で使っている人は使っています。
小銭入れは、coin purseと言います。日本ではコインケースと言うこともありますが、実はこれは和製英語。ですから英語圏で使っても首をひねられてしまうかもしれません。注意すべき単語ですね。正確に発音して伝わるはずなのに伝わらない!なんてことになりかねません。
財布を買おうと迷っているときには、こんな例文も使えるのではないでしょうか。
Which do you like the best, long wallet, frame purse, coin purse?
「長財布かがま口財布か小銭入れ、どれがいいと思う?」
どの単語にもwalletかpurseが入っているので財布なのだろうと想像は付きますよね。これらの中で、事前知識がないと想像が難しいのはframe purseでしょうか。長財布はそのままlongが使われていますし、小銭入れにはcoinという日本語になっている英語が使われていますから。
あとは、相手から言われたときにどんな財布か即座にイメージできるようトレーニングしておきましょう。スペルを見ればじっくりどんな財布か想像できますが、会話では音を頼りにするのでより難易度が上がります。その後は、自分でも言えるよう口に出して慣れていきましょう。
purseとwalletの違い まとめ
同じ英語圏でも、イギリス人とアメリカ人が思い浮かべるpurseとwalletには多少の差があります。これを機に、自分が学びたい英語はイギリス英語なのかアメリカ英語なのか決めてみてはいかがでしょうか。このような単語やスペルの違いは多々あるので、どちらを学ぶか早めに決めておくか、両方の英語の意味を理解していくようにするのがおすすめです。

◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇留学経験
イングランドのオックスフォードのOxford English Centreに3週間の語学留学と、スコットランドのエディンバラのUniversity of Edinburghに1年間の交換留学をしていました。
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.