今回は、above allという英語表現について解説していきます。
こちらは2つの単語がセットになっているものなので、イディオムとして暗記することになります。使い方を覚えてしまえば意外と簡単なので、オリジナルの英語例文をたくさん作って慣れていきましょう!
above allの意味と使い方
above allの意味は「なによりも」です。
直訳すると、「全ての対象の上にある」となるので、このイメージを日本語でよく使われる表現に書き換えて意訳すると「なによりも」となります。
「すべての事柄よりも~」という意味になるため、最も重要なことを表すときに使います。
覚えやすくするために、aboveの単語イメージをつかんでみましょう。
aboveは、何にも接しておらず、上にあるというイメージです。漠然と位置関係を表す「上」とイメージしている方も多いかもしれませんね。
しかし、実際には数や量であったり、年齢、役職に対して上であることを表現することもできます。ここから、基準よりも上にあること、基準を超えていることとイメージできます。
英語に限らず語学は、単語をすべて日本語に置き換えてしまうのではなく、イメージして覚えることをおすすめします。母語である日本語で覚えてしまうと、英語で話したり考えたりする際に、別の言語が介入してしまってスムーズに英語が出てこないのです。
結果、嫌な沈黙に耐える羽目になったり、英会話が苦手になったりしてしまいます。それを防ぐために、イメージをする練習を取り入れてみてください。
辞書を引いてみると、aboveの意味は「~より上に」、「~を超えて」と出てきます。そして、この単語が少し厄介なのは、前置詞としても、副詞としても、さらには形容詞としても使えることです。
スペルが同じなのに複数の品詞の要素を持っていると難易度は上がりますから、ここで品詞別の使い方を確認しておきましょう。
まずは、aboveを前置詞として使う方法です。
I see the plane above the cloud.
あの雲の上に飛行機が見える
前置詞は、その前置詞以降の文章を消しても問題なく文章が成立します。試しに、上記の例文でabove以下を消してみてください。それでも、きちんと分は成り立っているはずです。
前置詞は追加要素として文末に書かれることも多いので、なくても意味が通じるおまけ情報、と認識するのがおすすめです。他にもたくさんの前置詞はあるので、位置情報を伝える前置詞以外にどんなものがあるのか、時間があるときにチェックしてみましょう。
では、次にaboveを副詞として使う方法を解説します。
The students in the room above study math.
上の階の生徒たちは数学を勉強しています
副詞は修飾語です。この例文では、生徒たちが上にいることを追加情報として上げています。同じ追加情報でも、前置詞のようにabove以下を消してしまうと、文章が成立しなくなることがわかるでしょうか。動詞がなくなってしまうので、英文としては成り立たないのがポイントです。
英語には文型があり、第一文型である主語と動詞のみの文さえ作れなくなると文が成り立たなくなると判断します。少なくとも、そこに主語と動詞があるかチェックすることを意識づけしましょう。
そして、aboveを形容詞として使う方法です。
The above explanation is easy to understand.
上記の説明はわかりやすいです
形容詞は、名詞を修飾するために名詞の直前に置かれることが多いです。この例文も、explanation「説明」がどんな「説明」なのか、名詞の直前において説明を加えていますよね。
慣れていないとなんとなく違和感のある文章になるかもしれませんが、形容詞として使えることを覚えていればすんなり理解できるはずです。
このように、above allを理解する際には、使うのが少し難しいaboveについても理解を深めておきましょう。
最後に、「なによりも」と訳すabove allを使った例文を載せておきます。
Harry is handsome, kind, and above all, charming.
ハリーはハンサムで、親切で、そして何よりチャーミングです
すべてのことよりも上である、そんな意味に捉えられたら、おのずとネイティブスピーカーらしい言い回しができるようになりますよ!
above allと似た表現
「なによりも」と訳すabove allですが、似た表現も多々あります。
それぞれのニュアンスの違いを意識しつつ、どこが似ているのかチェックしてみてください。せっかく覚えるのなら、類義語もセットで覚えた方が効率的で学習速度が上がりますからね。
most importantly
most importantlyは、「最も重要なことに」という意味です。
比較級のうちの最上級で使うmostが入っているので、比較的理解はしやすいでしょう。ただ、比較級ではimportantと形容詞を使いますが、ここでは副詞のimportantlyを使っていることに注意してください。
I decided to join the tennis club for fun and, most importantly, for my health.
楽しみのため、そして何より健康のため、私はテニスクラブに入ることに決めたのです
Aさん
And most importantly, she won the first prize.
そして最も重要なことに、彼女は1位を獲得しました
文の真ん中に持ってきて、最も重要なことを最後に持ってくる方法もあれば、逆に文頭に持ってきて使う方法もあります。どのように物事を表現したいか、それは自分の自由なので、above allに慣れてきたらいろいろなバリエーションでの言い方を試してみてください。
before everything
before everythingは「~を差し置いても」という意味です。
above allが「なによりも」という意味なので、似たような意味であることがわかりますね。
beforeは「~する前」と訳しますが、ここでは「~を優先して」という意味で使った方がしっくり来るでしょう。直訳すると、「すべてのことの前に」です。
We should put health before everything else.
何よりも健康を優先すべきです
above allもそうですが、before everythingの後にもelseという単語を付けるとネイティブスピーカーっぽい表現にできます。else自体は「他の」という意味なので、追加しても意味に差し支えありません。
most of all
most of allや、and most of allはabove allと同じく「なによりも」と訳します。
こちらの表現の方が馴染み深いという方もいるかもしれませんね。最上級を習ったときにしっかり覚えていたのであれば、中学英語がきちんと頭の中に残っている証拠です。
Aさん
I like curry and rice most of all.
カレーが一番好きです
most of allは動詞であるlikeを修飾しているので、副詞のような役割をしています。こちらの表現も、most of allを文頭に持ってきて、文末と入れ替えることができます。
chiefly
chieflyは、「主に」と訳しますが、文脈によっては「なによりも」と訳せます。
文末か文頭に持っていくだけで文章全体を修飾できるので、重要なことを言いたいときに使ってみてください。1語だけで良いのも魅力のひとつです。
Chiefly, I want to be a good friend of yours.
なによりもまず、あなたの良い友達になりたいんだ
今から重要なことを言うよと相手に前置きして伝えたいならchieflyを文頭に持っていくのが効果的でしょう。相手も、今から重要なことを言うのだと身構えることができますよね。
first of all
first of allは、「まず最初に」と訳します。
単にfirstだけでも同じ訳にはなるのですが、first of allとすることで強調になります。above allの訳が「なによりも」となることから、意味が少し離れているように思えるかもしれませんが、最初に最も重要なことを持ってくるのだとしたら同じ意味として使えます。
First of all, please read this book, then write a report about it.
まず最初にこの本を読み、そして、レポートを書いてください
英語では、文章を書く際に重要なものから書くと習ったことはないでしょうか。主語から始まるのは日本語も同じですが、その次に早速動詞が来たり、重要度の高い目的語などから先に置いていくのは日本語にはないものです。
日本語の場合、動詞を最後におき、細かい情報、例えば、時や場所から言うこともあります。
文を作るときも、英語は重要な事柄から先に置くと覚えていれば、first of allが指し示すことが最も重要であるとわかりやすいかもしれませんね。
まとめ
英語上達のためには、above allのようなひとつのイディオムに対しても、慣れるまで使い続ける必要があります。
長い道のりにはなりますが、おろそかにすれば覚えたものも頭から零れ落ちてしまうので、一つひとつ丁寧に暗記していきましょう。
一番良いのはネイティブスピーカーと話すことですが、それが難しいなら自分でオリジナルの例文をたくさん作ってみてくださいね!
◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.