ability・talent・capabilityの違いとは?才能や能力を表す英語表現

ability、talent、capability

絵が上手な友人に「絵の才能があるね!」と褒めたい時、英語で何と言えばよいのでしょうか?

また、「能力」を表す単語は「ability」や「capability」「skill」などたくさんあり、どれを使えばいいか分からないという人も多いのでは。

この記事では、「才能・能力」を表す英語表現をまとめて紹介します。

初心者には難しい単語が多いかもしれませんが、例文をまじえながら解説するので、ぜひチャレンジしてみて下さい。

ability・talent・capabilityの違い

「能力」を表す言葉として最も一般的に使われる単語は「ability」です。「生まれ持った能力」と、「訓練して得た能力」の両方に使えます。

一方、「生まれ持った能力」、つまり「才能」という意味で使われるのが「talent」です。

「capability」は、仕事や目的の達成に必要な「能力」を表します。専門知識や特殊技能について描写する時によく使うため、ビジネスの現場などで活躍する単語です。

この3つの単語について、意味と使い方を例文とともに見ていきましょう。

abilityの意味と使い方

「ability」の意味は、「-able(できる)」+「-ity(こと)」という部品から成り立っています。

そのため、「できること」という意味で、「能力、才能」を表す言葉です。abilityという単語をどのように使えばいいか、例文とともに見ていきましょう。

His physical ability is outstanding.

彼の身体能力はずば抜けている

Our ability to ride a bike will diminish, but it will not disappear.

自転車に乗る能力は衰えるが消えはしない

このように、「ability」は「能力・才能」という意味で、生まれ持った才能にも、努力して獲得した能力にも使える単語です。

talentの意味と使い方

日本語で「タレント」というと、「マルチに活躍したする芸能人」という意味になりますが、英語の「talent」は基本的には違う意味で使われます。

英語で「talent」というと、「才能」または「才能あふれる人」という意味になり、主に芸術方面の才能に対して使われます。具体的な例文を見ていきましょう。

She has a talent for painting.

彼女には絵の才能がある

He is a talent.

彼は才能あふれる人だ

このように「talent」は、「努力して身につけた能力」ではなく、「生まれ持った才能」について表す単語です。

「talent」という言葉が「芸能人」を指す場合もあるのですが、基本的には「才能にあふれた人」という意味で解釈されます。

そのため、「芸能人」を指す場合は、「personality(著名人)」や「celebrity(有名人)」など、別の表現を選んだ方が無難です。

capabilityの意味と使い方

capabilityの意味は、「cap(つかみ取る)+「-able(できる)」+「-ity(こと)」という部品で構成されています。

そのため、「つかみとれること」から「把握できること」が転じて「能力」という意味になります。ちなみに発音は [kèipəbíləti] (ケイパビリティ)です。

capabilityは「能力」の中でも、専門分野での実務能力などを指すことが多く、ビジネスの分野では、日本語でも「ケイパビリティ」という用語が使われています。

また、人ではなく物を主語にすることもできます。

He had no capability to handle the issue.

彼にはその問題を処理する能力がなかった

That new drug has the capability to prevent infections.

その新薬には感染症を予防する能力がある

ここでおさえておきたいのが、abilityとcapabilityとの違いです。以下の例文を見比べてみましょう。

I don't have the ability to fix machines.

私に機械を修理する能力なんてありませんよ

She has the capability to be a politician.

彼女は政治家になる能力 [素質] がある

abilityが「現時点での能力」を表すのに対し、capabilityは「将来性のある能力」というニュアンスを含む表現といえます。

「実務能力」を表す語であり、将来性を含むニュアンスを持つ「能力」を表すのが「capability」です。

その他の似た英語表現

「才能・能力」を表す英語は、ほかにもいくつかあります。例文とともに見ていきましょう。

skill

「skill」は「能力」を表す言葉の一つですが、厳密には「技能」、つまり「訓練や学習によって獲得した高度な能力」を指します。

ただ、「技能」というと、身体を使う能力というイメージですが、コミュニケーション能力や知識・教養を表す時にも「skill」という単語が使われます。

The traditional crafts were made by skilled artisans.

その伝統工芸品は優れた技能を持つ職人たちによって作られた

He has high communication skills.

彼は高いコミュニケーション能力を持っている

また、「skill」は「能力」という名詞としてだけでなく、動詞の過去分詞形skilledで、「熟練の」という形容詞として使われることもあります。

The tradition of Japanese houses is supported by skilled carpenters.

日本家屋の伝統は熟練の大工たちによって支えられている

genius

「genius」は [dʒíniəs](ジーニャス)と発音する単語で、「天才」や「非凡な才能」を表す言葉です。

Einstein was a real genius physicist.

アインシュタインは本物の天才物理学者だった

Mozart showed signs of a genius for music from an early age.

モーツァルトは幼い頃から音楽に対して非凡な才能を見せた

誰もが認める、世にもまれな「才能」や「天才」に対して使う言葉が「genius」です。

gift

最初に紹介した3つの「才能・能力」を表す言葉のうち、「talent(持って生まれた才能)」とほぼ同じ使われ方をするのが「gift」です。

「ギフト」というと「贈り物」という意味の単語としてよく知られていますが、英語圏では、「神様からの贈り物」という意味で、「gift」を「才能」を表す言葉として使います。

She has a wonderful gift for math.

彼女は素晴らしい数学の才能を持っている

We are all born with some gift.

人間は誰しも何らかの才能を持って生まれてくる

talentとgiftはほぼ互いに置き換えることが可能ですが、どちらも「努力して獲得した能力」には使えません。使い分けの際には注意しましょう。

innate ability

「ability」について、「後天的に獲得したものではなく、生まれ持っての才能である」と強調したい場合は「innate(生得的な)」という言葉を使うこともできます。

For almost all humans, walking is an innate ability.

ほとんどすべての人間にとって、歩く能力は生まれつきのものです

Linguistic ability is an innate ability of almost all human beings.

言語能力は、ほとんどすべての人間が生得的に持つ能力である

全ての人間が、生まれながらに普遍的な言語機能 (faculty of Language) を備えているという考え方は、言語学者チョムスキーらによって提唱されています。この言語能力によって、日本人であっても血筋に関係なく、アメリカで生まれ育った人は英語をペラペラと話せるのです。

第二言語習得においても、この「普遍的な言語機能」を用いて言語習得を分析し、英語学習に生かそうという動きがあります。

また、チョムスキーらの唱える理論が「文法」に特化しているのに対し、バックマンらは、「言葉そのものに関する知識だけでなく、世の中に関する知識も必要」と、「言語コミュニケーション能力」の重要性を提唱しています。

こういった言語学の理論を生かす方法が確立されて、英語学習の負担が少しでも楽になるとよいですね。

ability・talent・capabilityの違い まとめ

ability・talent・capabilityという単語の意味の違いとしては、abilityは広く「才能・能力」を指す言葉で、talentは「生まれ持った才能」を表す言葉、capabilityは「能力の中でも特に、将来性のある能力」というニュアンスがあるということでした。

「才能・能力」を表す言葉を使う際に注意したいのが、「持って生まれた才能」か、「生まれた後に努力して獲得した能力か」です。

talentやgiftは、「持って生まれた才能」にしか使えません。一方で、「skill」のように「努力して獲得した能力」にしか使えない言葉もあります。

abilityやcapabilityは両方に使うことができますが、「capability」は専門的な分野での実務能力などを指すため、生まれつきの才能と、生まれた後に積んだ努力との両方が関わってくるといえるでしょう。

英語学習にも、少なくとも日本語での学習理解力という形で、生得的な言語能力が関わってきます。

生得的な言語能力は、すべての人間に備わっているということです。そういう意味では、人間すべてが持っている、生まれながらの「才能」といえるでしょう。

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