日本の学校の授業ではあまり詳しく習わないのに、英語ネイティブスピーカーの日常会話ではよく使われる言葉がいろいろとあります。「dare」もその一つです。
一応、教科書には出てきたものの、なんとなく使い方がよくわからないという人も少なくないのではないでしょうか。
ネイティブスピーカーの会話で頻繁に「dare」が使われているのは、海外の映画やテレビドラマなどを見ているとよくわかります。「dare」という言葉が、例えば「How dare you?」といったフレーズで頻繁に登場するのです。
今回はこの「dare」の意味や使い方、慣用的な表現などを例文とともに紹介したいと思います。
dareの意味
「dare」には「思い切って〜する」「あえて〜に挑戦する」「〜する勇気がある」「〜してみろと挑発する、けしかける」など、いろいろな意味があります。
気をつけておきたいのは、「dare」は動詞としても使われるし、助動詞としても使われるということです。動詞の場合は他動詞になります。やはり動詞としても助動詞としても使われる「need」と同じですね。
「dare」が動詞として使われる場合と、助動詞として使われる場合では以下のような違いがあります。
動詞として使われる場合
動詞として使われる場合は「dare+to+動詞の原形」という形になるのが一般的です。
なお、「to」が省略され、「dare+動詞の原形」というように、「dare」の後にすぐ動詞の原形が来ることもあります。
この場合、以下に解説する助動詞として使われる場合の「dare」との区別がつきにくくなるので注意が必要です。
動詞の「dare」に三単現の「s」がつくと「dares」、過去形は「dared」、現在分詞は「daring」となります。
助動詞として使われる場合
「dare」が助動詞で使われる場合は、他の助動詞と同じように「dare+動詞の原形」の形になります。
助動詞として「dare」を使う際、否定文は「dare+not +動詞の原形」となります。「dare not」の短縮形は「daren’t」です。
疑問文を作る時は、「Dare」を頭に出して、「Dare+主語+ 動詞の原形〜?」となります。ちなみに助動詞の時は「dare」の過去形はありません。「dared」とはならないので注意しましょう。
動詞、助動詞に加えて、実は「dare」が名詞として使われる場合もあります。「挑発」「挑戦」といった意味です。これらをふまえて、それぞれ使い方を解説していきましょう。
思い切って~する
まず「dare」には「思い切って〜する」という意味があります。
誰も近づいて彼女と思い切って話そうとはしませんでした。
動詞の「dare」をこのように使う場合、「to」を省略することもできます。
彼女は上司に思い切って逆うようなことはできない。
こちらは助動詞の例です。
あえて~に挑戦する
次に「dare」には、人が「あえて〜に挑戦する」「あえて〜する」という意味もあります。
多くの学生があえてその難関試験に挑戦した。
ナンシーはあえて彼に話しかけなかった。
~する勇気がある
「dare」には「〜する勇気がある」という意味もあります。
もし彼女にその勇気があるなら、やらせてみましょう。
この文では「dares」に目的語がありませんが、「Let her do that if she dares to do that.」の「to do that」が繰り返しを避けて省略された形です。
あなたはそんな危険な所に行く勇気があるのか?
〜してみろと挑発する、けしかける
動詞の「dare」には、「dare+A+to+動詞の原形」の形で、「〜がAに〜してみろと挑発する」「けしかける」という意味があります。
相手を疑っていたり、相手に対して腹を立てているような場面で使われたりします。この場合「to」は省略できません。
できるものなら川に飛び込んでみなよ!
なんだと?もう一度言ってみろ!
挑発、挑戦
「dare」を名詞として使うと、「挑発」「挑戦」といった意味になります。通例「a」を伴います。
「for a dare(挑発されたので)」「as a dare(挑発のつもりで)」「take a dare(挑戦を受ける)」といったフレーズがあります。覚えておくと便利ですよ。
少年は挑発されてそのとても高い木を登った。
彼は挑発のつもりでそう言った。
彼女は挑戦を受けた。
また、「肝試し」のことを「a dare」とも言うんですよ。
dareをつかった英語表現
ネイティブスピーカーの日常会話によく登場する「dare」。
その中には、他の語と組み合わされて慣用句的な表現になっているものもたくさんあります。以下、よく使われるものを厳選して紹介します。
まるごと覚えて、使ってみましょう。
How dare you
「How dare you」の最後に「! 」をつけた「How dare you!」には、「よくもそんなことを!」「信じられない!」「よくもまあ!」「何考えてるんだ!」などの意味があります。怒りやいら立ちを表す時に使われます。
また、「How dare you+動詞の原形〜!」で、「よくあなたは図々しく〜できるね!」という意味になります。
信じられない!よくもそんなことが言えるわね!
彼女はあなたの元カノだよね。よくも私のお気に入りのコートを平気で貸せるわね!
他にも、「〜するなんてあなたはけしからん」「あなたはよくもぬけぬけと〜」などといったニュアンスでも使えます。
は? ふざけたこと言うなよ。よくもオレをバカ呼ばわりしやがったな。
Don't you dare!
「Don't you dare!」は、人の行動をやめさせたい時などに使われます。
意味は「やめなさい!」「やめてくれ!」「とんでもない!」といった感じです。「そんなことしたら承知しないぞ!」というようなニュアンスもあります。
会話では他にも「Just you dare!」「You dare!」などもよく聞きます。「Don’t you dare!」と同じ意味です。
また、「Don't you dare!」もそれだけで使えますが、「Don't you dare+動詞の原形〜!」で、「絶対〜してはだめだ!」といった意味になります。
私がそれを話したってことを絶対彼女に言わないで!
絶対にそこに行くな。
I dare say
「I dare say.」で「多分そうだろう」「そう言ってしまっていいだろう」「そうかもしれない」というような意味のフレーズになります。
なお、主語が「I」 の時、「I daresay」というように「dare」と「say」をくっつけて表記することがあります。
そうかもしれない、でも証拠がない。
後ろに文が続く場合は、「多分〜」「おそらく〜」といった意味を表します。「I suppose」と同じです。
おそらく彼らは真実を知らないだろう
また、「not」を入れて「I dare not say.」とすると、「ちょっと言えないな」「言い出せないよ」といった意味になります。
浮気のことを白状したくない。言い出せないよ。
dare I say it
「dare I say it」は「あえて言わせてもらうと」という決まり文句です。
相手にとって受け入れがたいことを話す時に使われることが多いです。「say」の部分を「suggest」にした「dare I suggest it」という言い方もあります。
あえて言わせてもらうなら彼はウソをついているよ。
You wouldn't dare!
「You wouldn’t dare!」は、「まさかそんなことしないでしょ」「あなたにはとてもできないだろう」「挑戦する気にもならないだろう」といった意味です。
「You wouldn’t dare to+動詞の原形」で、「まさか、本気で〜するんじゃないだろうね」といったニュアンスになります。
まさか、本気であの山に登ろうというんじゃないだろうね。
まとめ
いかがでしたか?今回は、使いこなせるようになるととっても便利な、ネイティブの日常会話でよく使われる「dare」について解説しました。
「dare」を使った決まり文句も多いので、まるっと覚えてしまうといいでしょう。会話の表現の幅が広がりますよ。
◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.