「理解しました」「分かりました」と英語で言う時、「I understand.」と言いたくなりますよね。
しかし、「理解しました」という時の英語表現は、状況に応じて使い分ける必要があります。
「I understand.」という表現がふさわしくない状況もありますので、正しく使い分けられるようにしましょう。
英語で「理解する」を表す単語
英語で「理解する」を表す単語は、主に8つあります。それぞれ異なるニュアンスがあるので、例文とともに解説していきます。
understand
「understand」は、「(なんとなく)分かった」という曖昧な理解ではなく、「しっかり内容を把握した」という意味で使う表現です。
「言葉」や「言葉の意味」、「人の言うこと」を理解するという意味で使われることが多い単語です。
具体的には、以下のような例文で使います。
I understand what problems are going on now.
今どんな問題が起きているか理解しました
Do you understand Japanese?
日本語は理解できますか?
I don't understand your point at all.
あなたの言うことが全く理解できません
ちなみに、否定文で「can’t」を使うと、「物理的に理解できない」という意味になり、より強いニュアンスになります。
I can not understand any reason to carry out terrorism.
テロを行う理由など到底理解できない
そのため、「英語は分かりません」という場合は、「I don’t understand English.」という表現を使いましょう。
「I can’t understand English.」と言うと、「物理的に英語が理解できない」という意味になり、ややおかしなニュアンスになります。
comprehend
「comprehend」は、「事実や考え、理屈などを十分に理解している」という意味合いで「理解する」ことを表す単語です。
「comprehend」はもともと「内包する」という意味の単語でもあるため、理解する過程や努力に重点が置かれます。
具体的には、以下のような例文で使います。
I comprehend French fairly well.
私はフランス語をかなり理解している
No scientist comprehends how that chemical reaction takes place.
その化学反応がどうやって起こるか理解している科学者はいない
言語を「理解している」という文脈で使う場合、「understand」は「その言語を使って表現されている内容を理解できる」という意味合いで使われます。一方、「comprehend」は、「その言語を習得し、仕組みを把握している」という意味合いで使われます。
grasp
「grasp」には、「しっかりつかむ」という意味がありますが、「grasp」も比喩的に「理解する」という意味で使うことができます。
日本語でも「内容を理解した」という意味で「内容をつかんだ」と言いますよね。
「grasp」が表す「理解する」は、「understand」や「comprehend」と違って、「詳しい内容を理解した」というニュアンスはありません。
そのため、「言語を理解している」という文脈では使われません。
ただ、「重大な問題などについてはっきり理解した」という文脈で使うため、強い意味合いを持つ単語です。
具体的には、以下のような例文で使います。
He grasped the seriousness of the matter.
彼は事の重大さを理解した
I don't quite grasp that issue.
その問題がいまいち理解できないんだ
follow
「follow」は「ついていく」という意味の単語ですが、「物事の経緯や説明、意味合いなどを理解する」という意味で「理解する」を表すこともできます。
日本語でも「話についていく」という表現がありますよね。
英語で「follow」を使う場合は、否定の形で使われることが多く、肯定文で使われる場合も「完璧には理解できていない」「一部理解できていない部分がある」という意味合いで使われます。
I didn't quite follow your explanation now.
今の説明はちょっと理解できませんでした
I am not sure if I am following the lesson. Can you explain it again?
授業内容を理解できているかどうかわかりません。もう一度解説してもらえますか?
see
「see」は「見える」という意味で知られる単語です。「分かった。」という意味で「I see.」というフレーズを知っている人も多いでしょう。
「see」は、「それまであまり理解できていなかった物事に対して、今理解できた」という状況でよく使われます。
具体的には、以下のような例文で使われます。
I finally see what you're telling me.
君が何を言ってるかようやくわかったよ
I see what's going on a little better now.
少しだけ状況が理解できたよ
ちなみに、「see」は状態動詞なので、進行形にはならないことに注意しましょう。
know
「know」も「理解している」ことを意味する状態動詞です。そのため、「know」も進行形にはならないので注意しましょう。
「know」の意味合い
「know」は「知っている」という意味の単語ですが、すでに知っていることについて「理解している」ことを示す単語です。
そのため、以下のような例文で使います。
I know that the international problem is more serious than I thought.
その国際問題が思ったより深刻だって分かったよ
I think I fully understand your thoughts.
君の考えは十分理解しているつもりだよ
「I don’t know」と「I don’t understand.」の違い
「I don’t know.」も 「I don’t underdtand.」 も、「分からない」「理解できない」という意味の表現ですが、両者の意味は違ってきます。
「know」は「頭の中に知識がない」こと、「understand」は「考えてみたが理解できないこと」を表す時に使います。
They are at work, but I do not know what their duties are.
彼らは仕事中ですが、仕事の内容は分かりません
I don't understand why they would do such a ridiculous thing.
彼らがなぜそんな馬鹿げたことをするのか理解できない
どちらの例文も、「彼らが何かをしていること」について話し手は知っています。
しかし「know」を使うと「何をしているかは分からない(知らない)」という意味になります。
一方、「understand」を使うと、「なぜそのことをやっているか、その理由は分からない」という意味や、「その行為が道理に合わない」と感じているニュアンスになります。
get
「get」はカジュアルな意味で「分かった」ことを表します。相手の言っていることを理解したという意味で「分かった。」と言いたい時は、「I understand.」より、「I got it.」という表現を使うのがふさわしいでしょう。
I get your point.
言いたいことは分かったよ
さらにカジュアルな表現で「分かった」という場合は、主語を省略して「Got it.」などと言うこともできます。
ちなみに、「I got it.」という過去形を使った表現と、「I get it.」と現在形を使った表現がありますが、「I got it.」が「分かったよ。」と了解の意味を表すのに対し、「I get it.」は「分かってるよ。」という意味になります。
ニュアンスの違いに注意しましょう。
realize
「realize」は、「real(本当)」「-ize」(その状態にする)」という意味に分解することができます。
「その物事が本当であることを実感する」というような意味合いで、「理解する」ことを表す単語です。
Now I realize how serious that accident was.
その事故が深刻だって理解できたよ
I realized gradually that what you are saying is true.
おっしゃっていることが事実だとだんだん分かってきました
その他の「理解する」を表すフレーズ
今まで紹介した8つの単語を使った単語以外にも、「理解する」ことを表すフレーズがあります。
ここでは、3つのフレーズを紹介します。
I hear what you're saying.
おっしゃる意味はよく分かります
「hear」は「相手の発言を聞く意図がある」という意味で「理解する」ことを示す単語です。日本語でも「聞く耳を持たない」などといいますよね。
That makes sense.
なるほどね(しっくりきたよ)
「make sense」は相手の言っている意味が分かって納得した時に、「なるほど、理解できたよ」という意味で使う表現です。
I figured out the answer.
答えが分かりました
「figure out」は「figure(形)」を「out(明らかにする)」という意味で、「全貌を理解した」ということを指す熟語です。
まとめ
英語で「理解する」ことを表すには、「understand」以外にもさまざまな言い方があります。
「understand」は「細部までしっかり理解した」というニュアンスのある言葉なので、会話の中で「分かったよ」と返事をしたい時には不向きです。
相づちを打つ時は、「I see.」や「I got it.」を使うと良いでしょう。
相手の言ったことを「理解した」か「まだ理解できていない」かは、英会話の中でも最も伝えたいことの一つです。
ぜひ正しいニュアンスで使えるようにしておきましょう。

◇経歴
東北大学大学院で「日本人の英語習得」について研究、英語で論文執筆・学会発表
◇資格
・TOEIC860点
◇海外渡航経験
ギリス・アメリカ・オーストラリアに留学、フィンランドで学会発表
◇自己紹介
はじめまして。英語学習Webライター・兼・英語学習研究者のなっつるんです。
Webライターという仕事を通して、「日本人の大人がどうやったらラクに英語を覚えられるか」を追求しています。
最近英会話のカンが鈍ってきたと感じ、オンライン英会話のレッスンを受け始めました。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.