日本語でひとことで「気分が悪い」といっても、状況によっていろいろな意味がありますよね。
最初に思い浮かぶのは、体の調子が悪くて気分がすぐれないという意味の「気分が悪い」ではないでしょうか。これは主として身体的なことです。
でもそれ以外にも、気持ち悪いものを見た時や、自分のした行いに罪悪感がある時などにも「気分が悪い」と言います。こちらはどちらかというと精神的・心理的なものですね。
今回は、「体調が悪い」時の「気分が悪い」、「気に入らない」「見たり聞いたりするのが不快」「気持ち悪い」といった意味の「気分が悪い」、後ろめたさ・不満などを感じている時の「気分が悪い」の3つに分けて、使える英語表現と使い方をご紹介していきたいと思います。
「体調が悪い」ときの「気分が悪い」
まずは、気持ちが悪い、吐きそうなど、体調がすぐれない、病気の時に使う「気分が悪い」に関して、「体調の良し悪し全般を表現する場合」「特に『吐き気』を表現する場合」「体調の悪さを示すその他の表現」に分けて解説します。
体調の良し悪し全般を表現する場合
体調の良し悪しを表現したい場合は、「well」「unwell」「all right」「OK」「fine」「sick」などの形容詞をよく使います。組み合わせる動詞には「be動詞」「feel」「become」「get」などを使うことが多いです。
I’m not well.
気分が悪いです。
I’m not feeling so well.
気分がよくありません。
I've got a cold, and I don't feel well. I’m going to see a doctor.
風邪をひいて気分がよくありません。医者に行きます。
I feel quite unwell.
かなり気分が悪いです。
You are OK, aren’t you?
気分は大丈夫ですか?
A:Are you all right?
B:Sorry, I’m not fine.
A:大丈夫ですか?
B:すみません、気分がよくありません。
I’m getting sick.
気分が悪くなってきました。
特に「吐き気」を表現する場合
体調が悪い場合でも、特に「吐き気がする」と言いたい場合は、「sick」「nauseous」「upset」「funny」「 pukey」などを「feel」や「be動詞」として組み合わせることが多いです。
上で説明したように「sick」は体調全般にも使いますので、「吐き気」があるのかどうかは文脈で判断します。
加えて「吐く」という意味の、「throw up」「vomit」「puke」などの動詞を使うこともできます。「puke」は主に子どもや若い人が使うスラングです。
I feel sick.
吐きそう。
I am feeling nauseous.
吐き気がして気持ちが悪い。
I get car sickness easily, so I'm easily upset.
私は車酔いしやすいので、車に乗るとすぐに吐きそうになってしまいます。
スラング的表現で、「funny」「pukey」などの形容詞を使うこともあります。
I feel funny.
吐きそう。
I feel pukey.
吐き気がする。
以下は、「吐く」という意味の動詞を使った表現です。
I think I have food poisoning. I feel like throwing up.
食あたりしていると思います。吐きそうな気分です。
I’m trying not to vomit.
私は吐き気を抑えようとしています。
I’m getting unwell after eating raw fish. I'm going to puke.
生魚を食べて具合が悪くなってきました。吐きそうです。
体調の悪さを示すその他の表現
体調の悪さを表現するその他のフレーズとして、「exhausted」「weak」「under the weather」「dull」などを使った表現をご紹介しましょう。
I’m exhausted. I don’t feel like doing anything.
疲れ切っています。何もする気がしません。
I felt weak yesterday. I can't take this heat anymore.
昨日は体がだるかったです。もうこの暑さには耐えられません。
This humidity is unbearable. I’m a little bit under the weather.
この湿気はたまりません。少し気分がだるいです。
「under the weather」は「気分が悪い」ことを表す慣用句です。
I feel too dull to go out. I am planning to sleep for the whole day.
だるいので外出する気になれません。一日中寝ている予定です。
「気に入らない」「見たり聞いたりするのが不快」「気持ち悪い」といった意味の「気分が悪い」
体調が悪いという意味ではなく、何かを見たり話を聞いたりして、不愉快になったり怒りを感じたり、気持ち悪さを感じたりする場合にも「気分が悪い」と言います。
ここでは、「自分の気分の悪さを表現する場合」と「不快なもの、気持ち悪いものを描写する場合」に分けて見ていきましょう。
自分の気分の悪さを表現する場合
disgusted
「disgusted」、また、後で説明する「disgusting」は、何らかのひどい状況を表現する時に使われる、よく聞く言葉です。
自分の気持ちを表す場合は「feel disgusted」というように「feel」と組み合わせて使うことが多いです。
I hate slugs. I feel disgusted just watching them.
なめくじが嫌いです。それらを見ているだけで気持ち悪くなります。
When I look at a clown, I always feel disgusted.
ピエロを見るといつも気持ち悪くなります。
make A puke
「make A puke」という熟語は「A(人)をむかつかせる」「A(人)の気分を悪くさせる」などといった意味です。
My boss told me to work harder. He makes me puke.
上司がもっと仕事をしろって言ってきたのよ。彼は私をむかつかせるわ。
ew
「気持ち悪い」「キモっ」など、間投詞的に使われるのが「ew」です。「イウ!」または「エウ!」のように発音します。「ew」そのままで使ったり、後述する「That’s gross.」といった、気持ち悪いものを描写する表現などと組み合わせて使ったりします。
Ew!
気持ち悪い!
yuck
「ew」と同様に、「yuck」も間投詞的に使われる言葉です。「ゲッ」「オエッ」といった意味です。「ヤック」と発音します。
これも「ew」と同じく、他の表現と組み合わせて使われたりします。
Yuck! That’s gross.
ゲッ!気持ちわるっ!
不快なもの、気持ち悪いものを描写する場合
disgusting
上で説明した「disgusted」は「自分の気分が悪くなっている」ということを意味しますが、「disgusting」は、そうした気分を引き起こすものを描写する時に使える言葉です。
Natto with whipped cream? That’s disgusting.
納豆に生クリーム? 気持ち悪い。
Have you seen that movie? The leading character is a disgusting person.
あの映画見た?主人公は最低な人だよ。
suck
動詞の「suck」は映画やドラマなどでよく登場する言葉です。
It sucks!
最低!
I've had enough! My school sucks!
もう嫌だ!うちの学校最悪!
I'd like to move away to another city. This humidity sucks.
別の街に引っ越しをしたいわ! この湿気にうんざり!
gross
「gross」は、「げえっ」となるような汚いものを見た時や、不快な話を聞いた時などに使われます。アメリカ英語のスラングでもあり、これも、アメリカのテレビドラマや映画などを見ているとよく登場します。
What's this??? That’s gross.
何これ??? キモっ。
その他、creepy、spooky、weird など
ゾッとしてしまうような気味の悪い雰囲気。そのような時は以下のような「spooky」「creepy」「werid」などを使って表現することができます。
建物や場所などが薄気味悪い時などに使います。人に対しても使えますが、かなりきつい言葉であることに注意しておきましょう。
There's something spooky about this building.
このビルはおばけが出そうな不気味な感じがする。
That’s kind of creepy. Let's not go any further.
なんだかぞっとする。これ以上行くのはやめよう。
That’s weird.
気味が悪い。
後ろめたさ・不満などを感じている時の「気分が悪い」
何かに対して満足できなかったり、自分のせいで何かすっきりしない結果になって後味が悪くなったり、後ろめたい気持ちになったりする場合があります。そのようなときは以下のような言葉が役立ちます。「申し訳ない」「うれしくない・満足できない」「辛い・落ち込む」というニュアンスで分けてみました。
申し訳ない:sorry、awful、bad
「sorry」「awful」「bad」などを使って、「相手に対して申し訳ない」「遺憾である」といった気持ちを表現できます。
I’m sorry for this unexpected result.
このような予期せぬ結果になったことは遺憾です。
I feel awful about not having written for so long.
長い間ご連絡を差し上げず、申し訳ありません。
I wish I had given her more toys when she was a kid. I feel so bad.
子供の頃に彼女にもっとおもちゃをあげておけばよかった。悪いことをしたわ。
うれしくない・満足できない:not happy、not satisfied
「not happy」や「not satisfied」などで、何らかの結果に満足できない気持ちを表します。
Don't throw money at our problem! I’m not happy.
お金で問題を解決しないで!私はうれしくない。
It's too late to apologize now. I’m not satisfied.
今さら謝っても遅いわ。私は満足しない。
辛い・落ち込む:terrible、low、failure
「terrible」「low」、また「failure」などを使って、心理的に低調であることを表現できます。
I never expected him to say such spiteful things. I feel terrible.
彼があんなひどいことを言うなんて思わなかった。辛いわ。
My dog died. I feel so low.
飼い犬が死んでしまったの。落ち込むわ。
I’m having trouble getting a job. I feel like a failure.
なかなか仕事が決まらないんだ。落ちこぼれな感じがするよ。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「気分が悪い」を英語で表現するときのフレーズを、「体調が悪い」ときの「気分が悪い」、「気に入らない」「見たり聞いたりするのが不快」「気持ち悪い」といった意味の「気分が悪い」、後ろめたさ・不満などを感じている時の「気分が悪い」の3つに分けてご紹介しました。
「気分が悪い」という言葉はさまざまなシチュエーションで使われます。定番フレーズもあります。またその意味する範囲もかなり広いです。ですので、日本語と英語とを一対一で考えようとせず、同じ「気分が悪い」でも、状況に合わせて適切な英語フレーズを会話の中で選択するようにしましょう。

◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇留学経験
アメリカ・サンディエゴに語学留学(2カ月)の経験あり
その後、オーストラリア・シドニーに大学院留学(2年)の経験もあり
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.