英語で「好き」という時にlikeかloveを使いますよね。ただ、日本語と英語ではニュアンスの違いが生じてしまっていることがあります。
今回は、likeやlove以外の「好き」という英語表現をご紹介し、さらにはネイティブスピーカーがよく使うスラングの「好き」についてもご紹介していきます!
よく使われる英語の「好き」
では、一般的に「好き」という表現で使われる英語表現を見ていきましょう。
知っている単語でも、意味の深堀をするとニュアンスを間違って使っていたり、知らなかったりすることがあるので要注意です。
like
やはり「好き」と言えば英語ではlikeですよね。
likeは日本語の「好き」とほぼ同じですが、恋愛感情を含むような言葉ではありません。単純に、広義で何かが好きであると言いたい時に使う表現です。
小学生の時の英語の授業で、ALTに”Do you like Hiro?”と言われ、真っ赤になって”No‼”と言った女の子や男の子、いませんでしたか?日本語で「好き」というと、恋愛的な意味なのか、それともそれ以外の一般的な意味なのか、文脈を読まないとわかりませんよね。
I like her.などで使われるlikeは、単に彼女が好きで、恋愛感情による「好き」ではないことがわかります。
love
こちらも「好き」の王道ですね。
loveは、日本語訳すると「大好き」や「愛してる」となることが多く、likeよりも愛情が強い場合に使われます。恋愛表現として定着しているので、日本語としての「ラブ」のイメージで意味は通じます。
もちろん、物事についても使え、その場合は「大好き」と訳すことが多いです。アニメやキャラクター、趣味など、大好きなことがあれば抑揚を付けてより好きであることを強調して言ってみましょう。
I love playing games.
ゲーム大好きなんだ
ちなみに、loveにはin love with~という熟語もあるので、何か虜になったものがある時などに使ってみましょう。
I’m in love with your dish!
あなたの料理本当に大好きなの!
favorite/favourite
favorite/favouriteは、日本人が今まで学習してきた訳だと「お気に入りの」となりますね。
文脈によっては少し違和感が残る言い回しとなるため、単に「好きな」と言い換えてもOKです。
最初にご紹介したlikeとloveは動詞として使いましたが、今回のfavorite/favouriteは形容詞なので英語の語順に注意してくださいね。限定用法と言って、名詞を直接修飾します。
This is my favorite/favourite film.
この映画好きなんだよね
ただ、favorite/favouriteは名詞として使うこともできるため、以下のような例文も言えます。
Who is your favorite/favourite?
どの子が好き?
日常会話でよく使える英語表現なので、形容詞バージョンと名詞バージョン、どちらも例文を覚えてアレンジして使えるようにしておきましょう。
be a big fan of
こちらは熟語ですね。そして丁寧に単語を見ていくと、「~のビッグファンである」という意味になります。
ファンであるということは、誰か、あるいは物のことが大好きだという意味になります。
日本語ではファンというと、応援しているアイドルなどを指すことが多いですが、英語では対象は人でなくても構いません。
I’m a big fan of sweets.
甘いものには目がないんだよね
be passionate about
こちらも熟語表現なので、前置詞になるaboutなどを忘れないよう何度も書き、言い、覚えましょう。
passionateは、「パッション」と言い換えるとわかりやすいでしょうか。「情熱的な」という意味です。よってこちらの熟語は「~が大好きである」となります。情熱的になれるほど好きということですね。
他にもbe passionate aboutは、「〜に夢中である」や「〜に熱心である」と訳すこともできます。文脈に沿った形で、一番しっくり来る訳を選んでみましょう。
I’m passionate about German.
私はドイツ語に夢中です
be passionate aboutとほぼ同じ意味で、もうひとつhave a passion forという熟語もあるのでセットで覚えておくのもおすすめです。
I always had a passion for swimming.
私は昔から泳ぐことが大好きだったな
英語のスラングの「好き」
ここからは、英語のスラングとして使われる「好き」という表現に注目していきます。
英語学習者から積極的に使うシチュエーションはまだ少ないかもしれませんが、ネイティブスピーカーはよく使うので何と言っているのかを理解するためには知っておきたいフレーズです。
特に洋画や海外ドラマを見る方は要チェック!
be crazy about
英語のスラングで「好き」と言えば、最初に出てくるのはbe crazy aboutですね。
「クレイジー」というと、「気が狂った」や「頭のおかしい」といった意味があるので、知らないと悪口を言っているように聞こえるかもしれません。しかし、実際にはどうかなってしまうほど好きであることを表す表現です。
日本語で訳すとニュアンスが上手く伝わりませんが、一応「夢中になる」が近い表現かもしれません。
I’m crazy about her.
俺、彼女に夢中だよ
be mad about
こちらもbe crazy aboutと同様に使われ、意味もほぼ同じです。
単語がmadになっていますが、これも「気が狂った」という意味なので、特に違いはないと覚えて差し支えないでしょう。
注意点としては、be mad aboutを使う時には怒りを表す時の表現、be mad atと間違えないようにしなければならないことが挙げられます。ほぼ反対の意味を言ってしまっては相手は困惑してしまうので気を付けましょう。
She is mad about hamsters.
彼女はハムスターオタクなの
one’s cup of tea
直訳すると、「一杯のお茶」となるこちらの表現はイギリス由来です。
紅茶にまつわる熟語はイギリスに多くあるため、言葉はその国の文化から生まれることもあるとわかりますね。
紅茶にはたくさんの種類がありますが、その中で自分好みの紅茶であるという意味を表すのがone’s cup of teaです。つまり、それが自分の好みであると言いたい時、好きであると言いたい時に使える表現となるのです。
スラングの中でも、紅茶が出てくると意味合い的にも攻撃的ではありませんし、優雅なアフタヌーンティーのようでお上品さが感じられます。
It’s not my cup of tea.
それはあんまり好みじゃないな
all about
all aboutは、「~についてのすべて」という意味です。
こちらはスラングで使われると、「~が好き」という意味になります。ニュアンスとしては、好きなことがすべてを占めている、そんな感じですね。今風に言うと「~しか勝たん」かも?
使い方としては、be動詞の後にall aboutを置きます。こうすることで簡単に例文を作ることができるので、何か好きなものを言いたい時にサッとall aboutの表現が出てくるよう練習しておきましょう。
I’m all about the new shoes!
この新しい靴大好き!
head over heels
「好き」というスラングの中でもちょっと面白い表現には、head over heelsがあります。
直訳すると、「かかとより頭が上」という意味ですが、要は逆さまである状況を示しています。
何の事前知識もない状態から、意訳の「好き」という表現にたどり着くことは難しいでしょう。ですから、head over heelsはスラングとして暗記しておくことをおすすめします。
恋愛表現としても使えるため、誰かを好きだと言いたい時にも使えます。日本語だと「~にぞっこんである」という表現がよく使われます。
All the students fell head over heels for him.
生徒全員が彼に夢中になっている
nuts about
こちらはナッツという食べ物が出てくるおかしな表現です。
ただ、アメリカではナッツではなく、「気が狂っている人」や、「頭がおかしい人」という意味で使うことがあるので注意しましょう。
これらはネガティブな意味合いなのですが、スラングは得てしてこういったネガティブ表現を使って意味を強調する傾向にあります。
先ほどご紹介したbe crazy aboutのように、nuts aboutも何かを気が狂うほど好きになっている状態を表します。
好きすぎておかしくなってしまいそうな感じを醸し出しています。動詞にはbe動詞を使ってみましょう。これでbe crazy aboutとの言い換えが可能になります。
I’m nuts about this little cat!
私もうこの子猫に夢中なの!
英語の「好き」はスラングも含めて覚えてしまおう!
ここまで英語で「好き」というにはどんな単語を使うのか見てきましたね。
一般的に使われるlikeやloveはもちろん押さえておきたいですが、それ以外に使える英語表現もしっかり学んでおきましょう。基本的な表現を連発していると英語学習者の中でも初心者っぽさが抜けません。
また、スラング表現の「好き」は、ネイティブスピーカーがよく使うため「こんな変わった表現もあるんだなあ」と、楽しみながら覚えてもらえれば幸いです。
英語を母語としない英語学習者がスラングを使うシチュエーションはそんなにないかもしれませんが、相手が使うことは大いに考えられるのでリスニングを強化するのもおすすめです。

◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇留学経験
イングランドのオックスフォードのOxford English Centreに3週間の語学留学と、スコットランドのエディンバラのUniversity of Edinburghに1年間の交換留学をしていました。
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.