IELTSの勉強は何から始めればいい?効果的な学習法・参考書

IELTS、学習方法、英語

IELTSはどう勉強すべき?初心者が注意するべき点

海外へ出て興味のある分野を勉強したり研究することで将来についての視野が広がったり、異文化体験を積むことで人間としての価値観が変わったり。

また、海外で様々なバックグラウンドを持つ人たちと働く経験を積むことで、日本で働いていては学ぶことのできないソーシャルスキルや言語力、コミュニケーション能力、交渉力などがつきますね。

住み慣れた日本を出て、海外で生活をすることに憧れている英語学習者は多いのではないでしょうか。海外の大学や語学学校に留学を検討している方や、移住、海外での就業を考えている方が避けては通れない道があります。「IELTSのスコアをとる」ことです!

英語圏の国々では、IELTSという英語能力試験のスコアを提出することで、入国や入学、就業が認められる仕組みになっているのです。

この記事では、みなさんの夢を叶えるために大変重要なIELTSの試験を初めて受ける方のためにその試験概要から申し込み方法、対策の仕方やおすすめの参考書まで詳しく説明していきます。

初心者がIELTSの試験を受けるときにやるべきこととは

その① 試験概要を把握しておこう

目的にあったテストモジュールを受ける

IELTSには、試験を受ける目的別に二種類の問題が存在しています。

1つ目は「アカデミック・モジュール」。アカデミック・モジュールを受ける人は、英語圏の語学学校や大学、大学院に留学をする人です。

現地の大学や語学学校で各国の学生たちと一緒に英語で授業を受けたり試験を受けたりプレゼンテーションをしたりする力がしっかりあるかどうかを判断するテスト形式になっています。

2つ目は「ジェネラル・トレーニング・モジュール」です。こちらの形式は就業や移住の申請を目的とする人が受けるものです。

ポイント:

アカデミック・モジュール=留学申請のために受ける

ジェネラル・トレーニング=モジュール:就業や移住申請のために受ける

テストの構成を知ろう

アカデミック・モジュール/ ジェネラル・トレーニング・モジュール共通

★ライティング⇨リーディング⇨リスニング⇨スピーキングの順番で受験

アカデミックモジュールでは、アカデミックライティング⇨アカデミックリーディング⇨リスニング⇨スピーキングの内容と順番で試験を受けます。

ジェネラル・トレーニング・モジュールでは、ジェネラルライティング⇨ジェネラルリーディング⇨リスニング⇨スピーキングの内容と順番で受けます。

両者の違いは、ライティングとリーディングがアカデミックかジェネラルな内容かという部分ですね。

アカデミックではもちろん、大学や大学院で必要になる専門的な分野に関するテーマについてライティングや長文を読み問題を解きます。ジェネラルでは、時事的なテーマやニュースなどについてのライティングや長文問題をときます。

申し込み方法を確認しよう

IELTSのどちらのモジュールを受けるのかどうか、問題の概要をしっかりと把握したところで、試験の申し込みの方法も確認しておきましょう。

ここで、自分がスコアの提出をしなければならない期日までにスコアを取るにはどの日程で試験を申し込んだらいいのかをしっかりと見極めることが大切です。

期日に合わせて勉強の計画を立てていくことで、効率的に学習を進めることができます。日本からIELTSの申し込みをするには、二つの公式サイトから申し込みが可能です。

①日本英語検定協会

②日本・スタディアブロード・ファンデーション

上記のうちどちらかを選択し、公式ホームページに行くことで申し込みが可能です。ただし、それぞれで申し込み手順が異なるため、注意が必要です。

①日本英語検定協会の場合

1.  https://www.eiken.or.jp/ielts/apply/ にアクセスし、ページ下の「お申し込み」をクリック。(すでにIELTSのIDをもっている人は、ログインを選択してログイン。)

2 . 受けたい会場を選択

3. IELTSアカデミック・モジュールまたはジェネラルトレーニング・モジュールを選択

4. 希望するテスト日程を選択

5. 希望する支払い方法を選択

6. 申し込み内容を確認して、完了

②日本・スタディアブロード・ファンデーションの場合

1. https://jsaf-ieltsjapan.com/ielts/application/general/ にアクセスし、「一般会場申し込みページ」をクリック。

2. IELTSアカデミック・モジュールまたはジェネラルトレーニング・モジュールを選択

3. テスト形式、希望する会場と日程を選択し「Apply」をクリック

4. 「continue」 をクリックし、次へ進む

5. 「Create New user」をクリックしユーザー登録を進める (すでにユーザーである場合はログインしてください。)

6. 「Candidate details」という項目を全て記入

7. 自分のパスポート写真をアップロード

8. 希望する支払い方法を選択

9. 受験料の支払いを済ませる (支払い期限に注意!)

10. 支払い後、「お支払い完了メール」を受信、これで申し込みが完了!

参考資料:IELTSの日程・申し込み方法って? よくあるギモンを徹底解説! | 英語物語

https://eigomonogatari.com/ielts_schedule/

その② 模試の活用で現状レベルと弱点を把握しておこう

試験対策を始める前に、まずは自分の現在の英語力のレベルをしっかりと把握しておくことが大切です。

その理由は、4技能それぞれに関する自分の強みと弱点を知ることで、効率の良い、効果的な学習計画を立てることができるためです。

でも、現状把握のためにIELTSの試験本番を受けるのは受験料も高くつくのでお勧めはできません。

そこでお勧めしたいのが、「IELTSプログレス・チェック」というテスト。実はこのテスト、IELTS公式運営団体が提供している、自宅のパソコンで受けることができるIELTS模擬試験なんです!

価格も一回受験に約5000円と、取り組みやすい値段になっています。また、5日でスコアレポートが届き、おおよそのスコア予想も知らせてくれます。公式の団体が作成したものなので、本番さながらの4技能の試験が受けられますよ。

これを一度受験したら手応えとスコアレポートの結果を参照して、今後の学習計画を立てていきましょう!

参考資料:IELTSプログレス・チェック |英語検定・試験のIELTS公式サイト

https://ieltsjp.com/japan/prepare/paid-practice-materials/ielts-progress-check

具体的なIELTS対策の勉強法

ここからは、具体的な4技能別試験の対策方法をお伝えしていきたいと思います。

現状を把握し、強みと弱点を把握した上でこの具体的な対策方法を実践していく、という流れですね。

ライティング

※アカデミック・モジュールに限定して解説していきます。

ライティングの対策で、重要なことは

①評価ポイントを知ること

②ライティングの基本の型を覚えること

の2つになります。

まず、①評価ポイントを知ることについて説明しましょう。ライティングでは、文章を書く受験者側が採点の基準を知っておくことが、高得点を取るための秘訣になります。

IELTSのライティングの採点基準は以下の通りです。

①タスクへの返答

・設問に適切に回答ができているか

・アイデアと結論は明確化

②一貫性

・適切な段落構成が取れているか

・「つなぎ語」が適切に使えているか

③語彙

・語彙を適切に使用できているか

・同じ語彙を繰り返し使用していないか

④文法

・文法を適切に使用できているか

・様々な構文を使用できているか

上記の4つの観点で、ライティングは採点されます。それぞれの配分は25%ずつです。

参考資料:【IELTS】ライティングの採点基準をスコア別に日本語で解説

https://solo-ielts-toefl.com/writing-evaluation/#IELTSライティングの採点について

続いて、②の「ライティングの基本の型を覚えること」について説明していきます。

IELTSのライティングには、タスク1とタスク2の二つの課題を行うことになります。タスク1はグラフや資料などを与えられるので、その内容について文書で論理的に説明をする問題です。

タスク2は、与えられたテーマに対する自分の主張を根拠を含め論理的に説明する問題です。

タスク1とタスク2両方に共通して大切なことは、文章全体の構成を決める「型」を知り、それを使って文章を書けるようになることです。ここでは、その基本的な文章の型を紹介したいと思います。

タスク1の型:

①第一段落 (導入パラグラフ)⇨設問のパラフレーズ

②第二段落 (概要パラグラフ)⇨資料にある最も顕著で特徴的な数値等の変化、特徴

③第三段落 (詳細パラグラフ)⇨資料の中で最も特徴のある数値同士の比較

④第四段落 (詳細パラグラフ2)⇨資料の中で②番目に特徴のある数値同士の比較

タスク2の型:

①第一段落 (導入パラグラフ)⇨何に関して議論するのかを提示する

②第二段落 (ボディパラグラフ)⇨具体的な事例①とその根拠、理由

③第三段落 (ボディ2パラグラフ)⇨具体的な事例②とその根拠、理由

④第四段落 (結論パラグラフ)⇨ボディの要約、第一段落のパラフレーズ

上記のように、タスク1もタスク2も同じように4つの段落構成で型ができています。異なる点は、段落に書くべき内容ですね。

資料や図の説明に関する文章を書くタスク1と、与えられたテーマに対する自分の意見を述べるタスク2では、各段落にまとめるべき内容が異なります。

リーディング

※アカデミック・モジュールに限定して解説していきます。

リーディングの対策としては、他分野に関する文章をたくさん読むことが大変重要になります。

というのも、IELTSのリーディングでは英語圏の大学に入学し、現地の学生や他の留学生とともに英語で授業を受けることが可能かどうかを図っているため、大学で専攻する可能性のある様々な分野の長文が出題されるからです。

言語学や生物学、歴史学や化学、物理学などその分野は多岐にわたるため、これまで出題された長文問題を調べてみて、出題される傾向の高い分野の長文から解いてみるのもお勧めです。

リスニング

※リスニングとスピーキングは、アカデミック・モジュール、ジェネラル・トレーニングモジュールともに共通です。

リスニングの対策としておすすめなのが以下の方法です。

TED Talkの活用

大学の講義や授業で耳にすることの多くなる単語や表現について知るために、TED Talkなどの学術的な内容のスピーチを英語で聞くことを強くおすすめします。

TED Talkでは、様々な分野に関する学術的なレクチャーやスピーチが数多く公開されています。専門用語を耳から取り入れて覚える方法が自分にあっていると感じる方にも、お勧めです。

参考資料:TED Talks

https://www.ted.com/talks?language=ja

スピーキング

スピーキングの対策に効果的な方法は以下です。

IELTS公式YouTubeチャンネルの試聴

最後に、スピーキングの対策方法として有効な、IELTS公式Youtubeチャンネルについて解説しましょう。

なんとYoutubeには、IELTSの公式チャンネルが存在しています!そこには、自分が目指したいバンドスコア別の実際の試験中の映像が数多く公開されています。

例えば、スピーキングで6.0を獲得したい場合、公式チャンネルの動画の中からバンドスコア6.0の動画を選択して試聴すれば、どのような構文、話し方、話の論理性、語彙や表現を使って話せばそのスコアが取れるのかがわかるのです!ぜひ活用してみてください。

参考資料:IELTS by IDP - YouTube

https://www.youtube.com/user/IELTSEssentials

IELTS学習におすすめの参考書

『IELTSブリティッシュカウンシル公認問題集』ブリティッシュ・カウンシル (著) 旺文社 (編集)

IELTSを初めて受ける人に特におすすめしたい教材はやはり、「ブリティッシュカウンシル公認問題集」です。

この問題集は、IELTSの運営団体であるブリティッシュカウンシル本番の試験さながらの対策が可能です。

また、問題と日本語の模範回答だけでなく、勉強方法のコツや試験当日の注意事項、学習方法なども丁寧に解説してくれているため、IELTS初心者は一冊持っておいて損はないでしょう。また、試験の音声と解答例は音声でダウンロードが可能です。

参考資料:IELTS学習に絶対おすすめの教科書[東京・市ヶ谷IELTS (アイエルツ)公式団体バークレーハウス]

https://berkeleyhouse.co.jp/countermeasure/ielts/ieltsmasaki/

IELTSで希望点数を取るには、十分な対策を行いましょう

ここまで、IELTSを初めて受験する方向けに試験のモジュール選択、試験概要、申し込み方法、4技能別の対策方法、そしておすすめの参考書を紹介してきました。

ここまで読んでいただければ、IELTSを受験するために必要な情報は網羅できたかと思います。基本的なことを知ったこの後は、早速模擬試験に申し込み現状把握をして、具体的な対策。学習計画をスタートしてみましょう。

みなさんが目指すスコアが獲得できますように!

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