
英語力を測る試験として認知度が高いTOEIC
就職活動や留学準備のためにTOEIC受験を考えている大学生の方も多いのではないでしょうか。
TOEICで高得点を取得すれば、
就活でのアピールポイントになったり、大学の単位として認められたり など、
たくさんのメリットがあります。
今回の記事では、「大学生が目指すべきTOEIC点数」について詳しく解説していきます。
就活の際に必要となる目安スコアも紹介していくので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
- そもそもTOEICとは?
- 大学生のTOEIC点数の平均点はどれくらい?
- 大学生が留学を目指す場合のTOEIC点数の目安
- 大学生が就活を有利に進めるためのTOEIC点数の目安
- TOEICの点数を就活で効果的にアピールする方法
- 【点数別】目標点を突破するためのTOEIC勉強法
- 大学生のTOEIC点数に関するよくある質問
- まとめ
そもそもTOEICとは?
TOEICとは、英語を母国語としない人々を対象とした国際的な英語能力測定テストです。
日常生活やグローバルなビジネスシーンで必要となる、英語によるコミュニケーション能力を測ることを目的としています。
世界約160カ国で実施されており、英語力の客観的な証明として世界中で広く活用されています。
TOEICでは合否ではなく990点満点のスコアで英語力が評価され、現在の英語レベルを正確に把握できる点が大きな特徴です。
なお、TOEICには以下2種類のテスト方式があります。
一般的にTOEICという場合、聞く力と読む力を測定する「TOEIC Listening & Reading Test」を指すケースが多いです。
TOEICの受験目的
TOEICを受験する目的は個人のキャリアや学習計画によって様々ですが、最も多いのが就職活動や転職活動で英語力を証明するためです。
多くの企業が採用の際にTOEICスコアを参考にしており、履歴書に記載すると客観的な英語力の指標としてアピールできます。
特に、外資系企業や商社、メーカーなどでは一定以上のスコアが応募条件になっているケースも少なくありません。
大学生の場合、単位認定やクラス分け、大学院入試の英語力評価、推薦入試の加点対象として活用されるケースもあります。
大学生のTOEIC点数の平均点はどれくらい?
2023年に実施されたTOEIC公開テストの大学生の平均点数は596点です。
全受験者の平均点数は612点で、大学生の平均スコアは全体平均よりもやや低い結果となっています。
ただし大学生といっても大学1年生と4年生には大きく点数の差があり、
大学1年生の平均点は549点、
大学4年生の平均点は611点と、60点以上の差があります。
■大学生のTOEICの平均点数(2023年)
| 大学1年生 | 549点 |
| 大学2年生 | 580点 |
| 大学3年生 | 599点 |
| 大学4年生 | 611点 |
| 大学院 | 639点 |
出典:TOEIC Program DARA&ANALYSIS 2024
「大学生のうちにどのくらいのTOEIC点数を取っておけば良いの?」と迷った場合、
まずは大学4年生の平均点である
600点以上を目指すと良いでしょう。
TOEICで600点以上のスコアであれば、就活の際に履歴書に書いて英語力をアピールできます。
大学生が留学を目指す場合のTOEIC点数の目安
次に、大学生が留学を目指す場合に目標となるTOEIC点数の目安について解説していきます。
大学生が留学を目指す場合、目標とするべきTOEIC点数の目安は
「どのような留学をするか」によって異なります。
語学学校に通う場合、現地でワーホリする場合、大学等に正規留学する場合に分けて解説していくので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
語学学校に通う場合は500点以上が目安
まず、語学学校に通う場合です。
「TOEIC◯点以上が必要」という明確な点数はありませんが、
500点以上を目安とすると良いでしょう。
TOEICでは、470点以上のスコアを
「日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる」レベル
と評価しています。
そのため、TOEICで500点以上を取得できていれば、留学先で生活するための基礎英語力があるといえます。
留学をして語学学校に通うことで英語力は向上しますが、どのくらい上達するかは留学前の英語力に大きく左右されます。
基礎的な英語力がないまま留学をしてしまうと、英語オンリーの授業についていけなかったり、英語でのコミュニケーションが取れずに日本人留学生同士で固まってしまったりと、思うように英語力を伸ばすことはできません。
まずはTOEIC500点以上を目標に留学前に英語力を伸ばしておくことで、留学中の学びがより充実したものとなります。
現地で働く場合も500点以上が望ましい
ワーホリ制度を利用して現地で仕事をする場合も、「TOEIC◯点以上が必要」といった基準はありませんが、
TOEIC500点以上の英語力がある状態が望ましいです。
ワーホリをする場合、雇用主やお客さんと英語で正確な意思疎通をする必要があるため、最低でも日常会話レベルの英語力が求められます。
また、どのような職種に就くかによっても必要な英語力は異なります。高い英語力があればあるほど、時給が高くなったり、選択肢が広がったりと、好条件で働くことが可能です。
各職種でどのくらいの英語レベルが求められるかは、以下の表を目安にしてみてください。
■ワーホリ職種別 必要なTOEICスコアの目安
| TOEIC300点 | ファーム |
| TOEIC400点 | 日本料理レストラン(キッチン) レストランの皿洗い |
| TOEIC500点 | 日系企業のオフィス |
| TOEIC600点 | 日本食レストラン(ホール) ローカルレストラン(キッチン) ギフトショップ |
| TOEIC650点 | ツアーガイド カフェ店員 バーテンダー |
| TOEIC700点 | ローカルレストラン(ホール) ホテルの受付 |
ファームや日本人スタッフが働くレストランなどは英語でのコミュニケーションが少ないため、英語に自信がない人でもチャレンジしやすいです。
ツアーガイドやカフェ、ホテルなどの接客が必要な職種だと、650点以上レベルの高い英語力が求められます。
大学への正規留学の場合は650点〜750点以上が必要
海外の大学への正規留学の場合、授業を問題なく理解できるレベルの英語力が必須になります。
目安として、必要なTOEICスコアは650点〜750点以上です。
正規留学の場合、
リーディング、リスニング、ライティング、スピーキング
の英語4技能をまんべんなく身につけることに加え、
大学で学ぶために必要なアカデミックな語彙や専門用語などの習得も必要になります。
海外の大学への進学・留学の場合、TOEICスコアではなくTOEFLやIELTSのスコアが求められることが多いです。
大学によって必要となる英語資格は異なるので、留学を目指す場合は事前に確認しておきましょう。
■大学留学で必要なTOEFL・TOEICスコアの目安
TOEFLとTOEICスコアの換算はあくまでも目安ですが、正規留学を目指している方は参考にしてみてください。
大学生が就活を有利に進めるためのTOEIC点数の目安
ここでは、大学生が就活を有利に進めるためのTOEIC点数の目安を日系企業と外資系企業のパターンに分けて紹介します。
日系企業は600〜700点以上が必要
一般的な日系企業への就職を目指す場合、大学生の平均点である600点以上が履歴書に書けるスコアのボーダーです。
昨今では多くの企業がグローバル化に対応するため英語力のある人材を求めており、TOEICスコアを取得しておくことで就活での大きなアピールポイントとなります。
履歴書にTOEICスコアを書くことで英語スキルの証明になりますし、特に英語力を求められない職種でも「目標に向かって努力できる人材である」という点をアピールできます。
就活に有利になる点数の目安は600点以上ですが、
日系企業でも大手や人気業界への就職を希望する場合、
700点以上が必要な場合もあります。
商社やメディア、公共団体などは新入社員のTOEICスコアが高く、他業界よりも高いTOEICスコアを取得しておかないと他の志願者との差別化が難しいです。
外資系企業は730点以上が求められる
高い英語力が求められる
外資系企業への就職を目指す場合は、
730点以上のTOEICスコア取得が望ましいです。
TOEIC公式評価である「TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表」によると、
730点以上を
「どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている」
と定義しています。
「業務上も大きな支障はない」レベルとされており、ビジネス英語レベルに相当します。
外資系企業では「ビジネス英語レベル」を応募条件にしている場合も多く、その場合は730点以上が目安になります。
また、大手企業や競争率の高い会社の場合は、TOEIC800〜900点以上が求められる場合もあります。
希望する企業によって求められるTOEICスコアは異なるので、事前にしっかりリサーチをして正しく目標設定を行いましょう。
TOEICの点数を就活で効果的にアピールする方法
TOEICの点数を就活で効果的にアピールするためには、結果に至る過程と入社後への貢献意欲を示すことが重要です。
まず、高いスコアを取得するために、「どのような目標を立て、どう計画し、努力したのか」を具体的に語れるように準備しましょう。
例えば、「1日1時間の学習を3ヶ月継続した」などのプロセスを伝えれば、計画性や継続力をアピールできます。
次に、「英語力を入社後にどう活かしたいか」を明確に伝えることが大切です。
企業の事業内容を研究し、「貴社の海外事業において、私の英語力で貢献したい」など具体的な活用方法を提示しましょう。
上記のようにTOEICの点数に加え、結果に至る過程と入社後への貢献意欲をセットで伝えれば、採用担当者に好印象を与えやすいです。
【点数別】目標点を突破するためのTOEIC勉強法
ここでは、TOEICの効果的な勉強法を目標とする点数別に3つのパターンに分けて紹介します。
600点までは基礎を固める勉強を中心に行う
TOEICで600点を目指す段階では、何よりも英語の基礎固めが重要です。
応用的なテクニックを学ぶ前に、まずは中学・高校で習った単語と文法を徹底的に復習しましょう。
特に、TOEICに頻出する基礎的な単語をまとめた単語帳を1冊選んで完璧に覚えることを目標にしてください。
単語帳を学習する際は毎日少しずつでも繰り返し学習し、語彙力を着実に定着させましょう。
文法に関しても、基本的な文法書を1冊通読して演習問題を解けば、知識を確実なものにします。
600点を目指す段階では焦って長文問題に取り組む必要はなく、英語の基礎的な土台構築に専念してください。
600点以上は過去問での演習やリスニング対策を中心にする
600点の壁を越えて730点以上を目指すには、基礎力に加えてTOEIC形式への慣れが鍵となります。
600点以上を目指す段階からは、公式問題集を活用した実践演習を学習の中心に据えましょう。
本番と同じ2時間で時間を計って問題を解き、時間配分の感覚を体に染み込ませ、解き終えた後は必ず復習を行ってください。
問題を解き終えた後は、「なぜ間違えたのか、どのパートが苦手なのか」を分析し、自分の弱点を明確にしましょう。
なお、TOEICでのリスニング力強化にはシャドーイングが効果的です。
音声を聞きながら少し遅れて真似して発音する練習を繰り返せば、英語特有のリズムやイントネーションが身につき、聞き取る力が向上します。
730点以上は精読・多読トレーニングを中心に行う
730点以上のハイスコアを目指すには、英文をより速く正確に読み解く高度な読解力が求められます。
730点以上のレベルに到達するためには、精読と多読のトレーニングが欠かせません。
精読とは、リーディングパートの長文などを使って一文一文の文法構造を丁寧に分析しながら読む作業です。
精読を徹底して行えば、複雑な構文の文章でも意味を正確に把握する力が養われます。
一方で、多読は自分のレベルに合った英語のニュース記事や簡単な洋書などを、辞書をあまり使わずに大量に読むトレーニングです。
多読を通じて英語を日本語に訳さず理解する力を高められ、読解スピードを飛躍的に向上させられます。
大学生のTOEIC点数に関するよくある質問
以下では、大学生のTOEIC点数に関するよくある質問を2つピックアップして紹介します。
大学1年生のTOEIC点数の平均は?
最新の公式データによると、大学1年生のTOEIC公開テストの平均スコアは549点で、大学生全体の平均点と比較すると少し低い数値になります。
大学入学直後は、まだ専門的な英語学習に触れる機会が少ないためです。
大学での講義や自己学習を通じて英語力は向上していくため、学年が上がるごとに平均点は上昇する傾向にあります。
大学1年生の時点では平均点に一喜一憂せず、まずは自分の英語力を把握するために受験してみましょう。
参考:TOEIC Program DARA&ANALYSIS 2024
大学生で自慢できるTOEIC点数はどれくらいから?
大学生の間で「TOEICの点数が高い」と自信を持っていえるのは、800点以上が1つの大きな目安です。
TOEICの公式サイトによれば、2023年度のTOEIC受験者全体で795点以上を取得しているのは上位約17%です。
そのため、TOEICで800点以上の点数を取得していれば、客観的にみて非常に高い英語力があるといえます。
なお、一般的に履歴書に書いて評価の対象となるのは600点からで、大学生の平均点を上回る英語力の証明が可能です。
さらに730点を超えると、英語が得意な学生として明確な強みになり、グローバルな事業を展開する企業や英語を使う職種も視野に入ります。
参考:公開テスト 平均スコア・スコア分布 一覧|TOEIC Listening & Reading Test 公式
まとめ
いかがでしたか?
今回の記事では、TOEICの大学生平均点についてや、留学・就職で求められるTOEICスコアについて詳しく解説しました。
2023年に実施されたTOEICでの大学生の平均点は596点です。
就活でTOEICスコアを活用する場合、大学生の平均点である600点以上が履歴書に書けるボーダーになります。
外資系企業への就職を目指す場合は、ビジネス英語レベルである730点が目安です。
TOEICは英語力の客観的な証明になる英語試験で、世界的にも信用度が高いのが特徴です。
大学生のうちに受験をして高スコアを取得しておけば、留学や就活など様々なシーンで役立てることができるでしょう。
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◇経歴
英語使用歴:6年
Webライターとして言語学習や海外生活に関する記事を執筆しています。
◇留学経験
メキシコシティでスペイン語留学
◇海外渡航経験
・英語圏含む30ヶ国以上への渡航経験あり
(アメリカ、カナダ、オーストラリアなど)
・海外在住歴:4年
◇自己紹介
海外旅行にハマり英語の必要性を実感したことをきっかけに、一念発起しNativeCampで英語学習をスタート。
オンラインレッスンを繰り返し英会話を身につけました。その後言語学習に興味を持ち、メキシコ国立自治大学が運営する語学学校CEPEでスペイン語を学習。
現在はメキシコシティで英語とスペイン語を使いながら生活しています。