便利な定番フレーズ「what's up」の意味と使い方とは
アメリカのテレビドラマや映画を見ているとよく聞く「What’s up?」という短いフレーズ。これは「What is up?」の「What」と「is」が短縮されて「What's up?」となったものです。
「何」という意味の「what」が、「起こって」「出現して」という意味の「up」を伴い、本来は「何が起きているの?」というような意味を表します。しかし、実際はいろいろな場面で、いろいろな意味で、非常に頻繁に使われるフレーズです。
今回は「What's up?」が、実際にどのような場面で使われているのか見ていきましょう。なお、発音は「ワッツアップ」「ワザップ」という感じです。
ただし、つづりが変わる場合もありその際は発音も変わりますが、それについては後の方で触れたいと思います。また、「What's up?」は主としてアメリカ英語で、アメリカで使われているフレーズです。イギリス人でも使う人はいますが少数派のようですので気をつけましょう。
- 便利な定番フレーズ「what's up」の意味と使い方とは
- What's upは挨拶でよく使用される?
- "What's up?" と"What up?"の違いとは
- What's upの挨拶以外の使い方
- What's upの答え方とは
- What up with ~? の意味と使い方
- 「what's up」の意味と使い方まとめ
What's upは挨拶でよく使用される?
「What's up?」は、「やぁ」「こんにちは」「最近どう?」「元気?」「やあ、どうしてる?」「どうだい?」「最近調子どう?」などという意味で使える、とっても使い勝手のいい便利なフレーズです。
ネイティブスピーカーの間では「Hello」や「Hi」、「Hey」の代わりとして、あるいはこれらの言葉と一緒に、気軽な挨拶として使われています。
ただし初対面の場合よりも親しくなってから使う方が好まれるようです。なお、「What's up?」は男性・女性の区別なく使えます。
挨拶の場合、以下のように、本当にかけ声だけのものと、少しばかり質問のニュアンスが入ったものとに分けられます。
軽いかけ声的な挨拶
学校の友人と学内で会ったり、仕事の同僚とオフィス内ですれ違う時などに、「What's up?」と聞かれたら、それに「What's up?」と返したりします。特に意味があるわけではない、軽いかけ声的な挨拶としての使い方です。
A:Hey, what's up!
B:What's up!
A:やぁ。
B:やぁ。
調子を聞く挨拶
「最近どう?」というような軽い意味で、普段の会話のきっかけにしたり、しばらくぶりに会った友人と話す時の出だしなどに使うことができます。
A:What's up?
B:Nothing much.
A:最近どう?
B:別に、特段何もないわ。
What's upは目上の人に使える?
「What's up?」は、友達同士など比較的親しい間でよく使われます。では目上の人への場合はどうでしょうか。
アメリカ人の場合は、仲の良い上司の場合に対しては使うことがあるようです。ただ、やはり割合としては友人に対して使うよりも少ないようです。
A:What's up, boss?
B:What's up, John?
A:やあ、ボス!
B:やあ、ジョン!
What's upにくっつく親しみの言葉
男性同士の場合などは「What's up?」の後に、「man」や「buddy」「dude」などをつけたりすることもあります。
これによって親しい間柄を強調できます。ちなみに、オーストラリアの場合は「man」や「buddy」などと同じ意味の「mate」をつけて、「What's up, mate?」と言ったりします。
A:What's up, buddy? How's it going?
B:Not bad. How about you?
A:やぁ、調子はどう?
B:悪くないよ、そっちは?
"What's up?" と"What up?"の違いとは
時々「What up?」というように、「What’s up?」から「s」がなくなる場合があります。
でも実はこれによって特に意味が変わることはありません。「What's up?」も「What up?」も同じように使えます。
ただ、発音が、「What’s up?」が「ワッツアップ」「ワザップ」という感じなのに対して、「What up?」は「s」がありませんので、「ワダップ」あるいは「ワラップ」という感じです。
ネイティブスピーカー同士ではまた、「What up〜〜〜〜?」(ワダ〜〜ップ)というように「up」の後の語尾を長く伸ばす、ちょっとおどけた言い方をすることもあります。
What's upの挨拶以外の使い方
挨拶以外にもいろいろな使い方が「What’ up?」にはあります。それぞれ解説していきましょう。
説明や理由を聞く場合
挨拶としての使い方に加えて、「What's up?」は「説明や理由を聞く」場合にも使います。
意味は「どうしたの?」「何かあった?」「何があったの?」「どうしたの?」「どうかしましたか?」などになります。電話がかかってきた時に「どうしたの?」の意味で使うこともあります。
A:What's up? You look pale.
B:I might have lost my wallet.
A:どうしたの?顔色が悪いよ。
B:財布をなくしたかもしれないの。
A:Would you do me a favor?
B:Of course! What's up?
A:頼みがあるのだけど。
B:もちろん!どうしたの?
A:Hi! What's up?
B:I just called to hear your voice.
A:What a coincidence to be thinking about the same thing!
A:やあ、どうしたの?
B:ちょっと声が聞きたくてね。
A:偶然だね、同じこと考えていたよ。
やっていることや予定を聞く場合
「何しているの?」「これからどうする?」「これから何する?」といった質問を表すフレーズに「What are you doing?」や「What are you up to?」がありますが、こうした、「やっていること」や「予定」を聞く場合にも「What's up?」が使えます。
また、この時は、語尾に「now」や「tonight」などの「時間」を表す単語がつくことが多いです。
A:What's up now?
B:I'm relaxing on my own.
A:今、何してるの?
B:一人でリラックスしているところ。
A:What's up tomorrow night?
B:Of course, I'm free.
A:I got two movie tickets by accident. Why don't we go see a movie?
B:That would be great! I wanted to see it. Thank you for inviting me!
A:明日の夜、空いている?
B:もちろん、空いているよ。
A:たまたま映画のチケットが2枚手に入ったんだ。映画見に行かない?
B:それはいいわ!見たかったのよ。誘ってくれてありがとう!
聞き取れなかった時に再度聞く場合
相手の言っていることが聞き取れなかった場合、「What did you say?」や「Sorry?」「Excuse me?」「Pardon?」「Come again?」などのフレーズで聞き返すことがあります。
これらと同じように、「何て言ったの?」「もう一度言ってください」など、話し相手の言葉を聞き取れなかった時に再度尋ねる場合にも「What's up?」が使えます。ただし使用頻度は少ないようです。
A:Sorry? What's up?
B:I said, "Are you free to hang out today?"
A:ごめん、何て言ったの?
B:今日遊ぶ暇ある、って聞いたの。
What's upの答え方とは
ここまで「What's up?」の使い方とそれに対する答え方を例文で挙げてきましたが、あらためて「What's up?」と言われた場合の答え方を整理してみましょう。
答え方はいろいろありますが、まずは相手が言った「What's up?」がただの挨拶なのか、質問なのかを聞き分けて判断する必要があります。
語尾のイントネーションに注意するという方法もよく挙げられますが、実際のところはそれだけで判断するのはとても難しいです。実際、「What's up?」と言った本人でさえ、それが挨拶なのか質問なのかあまり意識していない場合もあったりします。
ですので、前後の状況や相手の表情などから、挨拶なのか質問なのかを感じ取るのが基本となります。そして、たとえ間違って受け取ったとしてもあまり気にしないことです。
相手が質問しているのにこちらがそれに答えなかったとしても、相手はまた別の言い方で質問してくるでしょうから。「What's up?」に対しては気楽に対応するという姿勢でいいと思います。
以下、これまで解説した「What's up?」の使用方法別に、典型的な返答の例を整理してみました。
軽いかけ声的な挨拶「What's up?」に対して
声をかけられた側も「What's up?」を繰り返します。
What's up?
やぁ
What’s up, dude?
やぁ
調子を聞く挨拶「What's up?」に対して
「How are you?」などの場合、「I'm good.」などと答えることが多いのに対し、「What's up?」に対しては「特に何も」というような言い方が多いようです。
Nothing, what about you?
特に何もないよ、君は?
Nothing much.
特に何もないよ
Not much.
特に何もないよ
Nothing special.
特に何もないよ
Just the usual.
いつもと同じだよ
Same as usual.
いつもと同じだよ
説明や理由、やっていることや予定を聞く「What's up?」に対して
具体的な説明をします。
聞き取れなかった時に再度聞く「What's up?」に対して
話したことをもう一度繰り返します。
What up with ~? の意味と使い方
「with」をつけて「What’s up with〜?」で「〜はどうなっているの?」や「〜は大丈夫かなぁ?」という意味を表します。
上に説明しましたように「What’s up?」だけでも同じ意味は表せますが、「with~」とつけることでより具体的な質問になります。何かいつもと違うことが起きた時などに使うといいでしょう。
A:What's up with you? You look sick.
B:Actually, I’m not feeling very well today. Can I leave earlier?
A:Sure! Of course! Please take good care of yourself.
A:どうしたの? 具合悪そう。
B:実は今日は体調があまりよくなくて。早退してもよいですか?
A:もちろんよ! どうぞお大事にしてくださいね。
A:Ultimately, I couldn't find my car in the parking lot.
B:So what's up with your car? Is it stolen?
A:結局、駐車場で私は自分の車を見つけることができなかったの。
B:それで車は一体どうなったの? 盗まれたの?
A:Why is it so hot today?
B:Yeah! What’s up with this weather? It's winter now.
A:なんでこんなに今日は暑いんだ?
B:まったくだ! この気候はどうなっているんだ? 今は冬だぜ。
「what's up」の意味と使い方まとめ
いかがでしたか?ところでこのブログを読まれている皆さんの中には、スラング英語の「SUP」をご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これは「What's up?」を短くした表現です。テキストメッセージを友達に送る時などに、「Hey, SUP?」などと使います。ひところに比べると使われる頻度は下がっているようですが、これも頭に入れておくといいと思います。
さて今回は「What’s up?」の使われ方といろいろな意味をご紹介してきました。冒頭で述べましたように、主にアメリカで、親しい人の間で使われることの多いカジュアルな表現です。状況と相手をよく考えたうえで、皆さんも機会があればぜひ使ってみてください。
◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇留学経験
アメリカ・サンディエゴに語学留学(2カ月)の経験あり
その後、オーストラリア・シドニーに大学院留学(2年)の経験もあり
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.