突然ですが、文末で「though」を使う表現をご存じですか?
「though」は「Aだけれども、Bだ」を意味する、逆接の接続詞としての用法もありますが、文末で副詞として使われ、「〜だけどね」などを意味する用法もあるんです!
これは、ネイティブスピーカーが、友人同士などのカジュアルな会話の中で、頻繁に使っているような表現ですので、ぜひ身につけていただきたいです!
今回の記事では、接続詞としての「though」の基本的な意味から文末で使う、副詞の「though」の使い方や表現についてご紹介します。
・thoughの意味や用法について、より踏み込んで理解したい
・実際の英会話で使えるような、ネイティブスピーカーのこなれた会話表現をたくさん吸収したい
「though」は、なかなか日本語ではニュアンスを掴みにくい単語ですので、例文をふんだんに交えながら解説していきます。ぜひ、例文を何度も音読していただきながら、最後までご覧ください。
- 接続詞「though」の基本的な意味
- 文末で使われる、副詞「though」の意味と例文
- 提案を断るときに使われる「thank you though」
- 疑問文の文末で使われる「though」
- 例文の音読を通じて、複数の意味や用法を身につけよう!
接続詞「though」の基本的な意味
「though」は、「〜だけれども」「〜にもかかわらず」を意味する逆接の接続詞です。逆接の接続詞は、反対の意味をもつような文と文を繋げる役割を持ちます。
文の形としては、thoughが文中にくる「A, though B」のパターンと、thoughが文頭にくる「Though B, A」のパターンがありますが、いずれも、「Bだけれども、A」あるいは「A、もっともBではあるが」を意味します。
頭痛があったけど、昨日は外出しました。
彼女は、自分の仕事を嫌がっているけれども、転職しようとはしない。
雨が降っているけれど、犬を散歩させないといけない。
給料は高くないけれど、私は仕事に満足している。
リスクはあるけれど、挑戦した方がいいよ。
「though」と似たような意味をもつ言葉に、「even though」「although」があります。基本的に、いずれも「〜だけれども」「〜にもかかわらず」を意味しますが、若干ニュアンスはそれぞれ異なります。
「even though」は「though」よりも強いニュアンスをもち、また「although」は「though」よりもフォーマルな表現になります。
文末で使われる、副詞「though」の意味と例文
冒頭でお伝えしたように、「though」は、文頭や文中だけでなく、副詞として、文末でも使われることがあります。
この場合、意味は「〜だけどね」というようなニュアンスとなります。「though」は、日本語の「だけど」と似たような言葉と捉えてもらうと、イメージが湧きやすいかもしれません。
日本語の「だけど」も、例えば、「私は地元を離れたい。だけど親が反対している。」というように、「A。だけど、B」という形で接続詞としても使われますし、「まあ、結局だめだったんだけどね〜。」というように、文末にも使われます。
説明だけですと、ニュアンスが掴みにくいと思うので、例文をみていきましょう。
B: Yeah, it’s very hard, though.
A: 新しく立ち上げたビジネスはうまくいっているの?
B: うん。でも、結構大変だけどね。
B: Pretty good. It’s a little bit spicy for me, though.
A: 味はどう?
B: すごく美味しいよ!私には少し辛いけどね。
B: I recommend Okinawa and enjoy scuba diving there. It’s a little bit far though.
A: 来週末に旅行に行きたいなと考えているんだけど、おすすめの旅行先ある?
B: 沖縄に行って、スキューバーダイビングするのがおすすめだよ。少し遠いけどね。
B: Thank you. Actually, I love it so much. It was very expensive, though.
A: 服とても似合っているわね。
B: ありがとう。自分でもとても気に入っているの。高かったけどね。
B: You must go to Horaiken and eat Hitsumabushi there. I’ve never been there, though.
A: 名古屋に来ているから、何か地元のグルメを食べたいな。どこかこのあたりでおすすめの場所を知らない?
B: 蓬莱軒に行ってひつまぶしを食べるのがおすすめだよ。私はそのお店に行ったことないけどね。
このように、「though」を文末で使うことで、最初に話した内容に対して「まあ、〜なんだけどね」と自然に付け足すことができます。
この表現は、友達同士のフランクな会話の中でよく使われますが、ビジネスシーンなど、改まった場ではあまり使われません。
例えば、すでにご紹介した、下の例文について、
B: Yeah, it’s very hard, though.
A: 新しく立ち上げたビジネスはうまくいっているの?
B: うん。でも、結構大変だけどね。
“Yeah, it’s very hard, though.”は、カジュアルな表現ですが、もし少し改まった表現にするのであれば、”My business is going well although it is pretty hard.”などと、「although」や「though」を文末ではなく、文頭で接続詞として使う形で表現できるでしょう。
ちなみにですが、接続詞「though」とほぼ同じ意味で使われる「although」については、「though」のように文末で使う表現はないので注意が必要です。
提案を断るときに使われる「thank you though」
友達に何か提案をしてもらって、それを断るときなどに、”Thanks, though.”あるいは”Thank you though.”と伝えることがあります。
ここでは、「(その提案はお断りすることになる)けれども、ありがとう」というニュアンスとなります。
B: It's OK. I want to finish it on my own. Thanks, though.
A: 宿題手伝おうか?
B: 大丈夫。自分の力で終わらせたいんだ。でもありがとうね。
B: It’s OK. Thanks, though.
A: これ食べる?
B: ありがとう。でも大丈夫よ。
B: Sorry but I’m also a stranger here.
A: It’s OK. Thank you though
A: すみません、ABC病院まで、どのように行けば良いか教えていただけないでしょうか?
B: すみません。私もこの土地よく知らないです。
A: そうですか、大丈夫です。どうも、ありがとう。
疑問文の文末で使われる「though」
疑問文の最後に、「though」を使うこともあります。
ここでの意味は、「〜にもかかわらず、〜するの?」「本当に〜するの?」というニュアンスになります。
それで、本当に、彼女にそのこと伝えたの?
本当に、挑戦するの?
例文の音読を通じて、複数の意味や用法を身につけよう!
今回の記事では、例文をたくさん取り入れながら、接続詞としての「though」の基本的な意味から、文末で副詞として使われる場合の「though」の表現をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
「though」はそもそも、ニュアンスが掴みにくい言葉ですし、様々な用法や類似表現があり、理解が難しいかと思いますが、今回ご紹介したのは、いずれも、ネイティブスピーカーが日常会話で頻繁に使う表現ですので、ぜひマスターしてくださいね。
thoughに限らず、英単語は、さまざまな意味や用法があり、少し混乱してしまったり、覚えるのが難しかったりすると思います。
「この単語には、AとBとCという意味・用法がある」という形で覚えるだけではなく、それぞれの意味や用法に対応する例文を何度も音読しながら、単語のニュアンスをイメージで掴んでいくことが重要です。
また、例文を、暗唱ができるようになるまで音読し、オンライン英会話などの実践の場で、アウトプットしてみることで、より、単語がもたらすニュアンスへのイメージが深まり、定着していきます。そのような意識を持ちながら、日々の英語学習に取り組んでみてください。

小学生より公文で英語を学び始め、ネイティブスピーカー並みに英語を流暢に話す憧れを抱く。高校生の時には、英語のCDが入ったカセットにしがみつきながらシャドーウィングし、英語の辞書をぼろぼろにしながら、泥臭く英語を学び、無事都内の国立大学への進学を果たす。大学時代の国際交流で、英語が全く話せず、スピーキングの勉強に目覚める。外資系企業に勤務後、現在はフリーで活動中。ネイティブスピーカー並みの英語力を目指して現在も奮闘しています。TOEIC885点。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.