「due to」と「because of」は、日常会話でも、英作文などでも、いずれもよく使われるフレーズです。どちらも、「〜のために」「〜のせいで」「〜が理由で」「〜が原因で」といった意味を持ち、なんらかの理由や原因を表す時に使われます。
また、「due to」「because of」のいずれも、その後には名詞や動名詞が続きます。
では、「due to」と「because of」の違いは何でしょうか。一つは、同じ「理由や原因を表す」意味の場合でも、使われ方に微妙な違いがあること。
もう一つは、「理由や原因を表す」以外の意味を持つ場合があること、です。
今回は、このような観点から、「due to」と「because of」の違いを例文とともに見ていきたいと思います。
また、「理由や原因を表す」フレーズとしては、「due to」「because of」以外にも、「owing to」「thanks to」「on account of」「by virtue of」という表現もあります。これらについても順に解説していきましょう。
- due toの意味と使い方
- 原因や理由を表す場合以外の「due to」
- because of の意味と使い方
- 「because of」を使った応用表現
- 「because of」の非標準的な使い方
- その他の似た表現
- まとめ
due toの意味と使い方
「due to」は、「〜のために」「〜のせいで」というように理由や原因を表す場合と、「支払われるべき」などの意味の「due」と「to」が組み合わされて使われている場合とがあります。
「〜のために」「〜のせいで」の「due to」
まずは、「〜のために」「〜のせいで」という意味の「due to」です。
理由や原因を表す時に使われます。後ろには名詞や動名詞が来ます。
この意味では、後で説明する「because of」と同じ意味と考えて差し支えありません。ただし、「beause of」との違いは「because of」に比べて「due to」は公式の通知や公の声明で好んで使われる傾向があることです。
別の言い方をすれば、「due to」は「because of」よりもややかための表現です。
彼女はケガのためにそのパーティで踊れませんでした。
コロナのために学校を休みました。
次のように、「due to」はbe動詞の後でもよく用いられる傾向にあります。
その爆破事故は彼らの不注意によるものでした。
大雨のため、野球の試合はキャンセルされました。
また「due to」を、直前の名詞を修飾する形で使うこともできます。
地震による津波が街を破壊しました。
原因や理由を表す場合以外の「due to」
「due to」というフレーズは、原因や理由を表す場合以外にも使われます。
「(金などが人に)支払われるべき」の「due to」
「due to 人」で、金などが「〜に支払われるべき」です。
合計1,000ドルがあなたに支払われることになっています。
「(尊敬などが人に)払われるべき」の「due to」
「due to 人」で、尊敬などが「〜に払われるべき」という意味になります。
高齢者には尊敬を払うべきである。
またよく洋書の前書きなどに「Thanks are due to〜」という謝辞があります。これも「感謝が〜に贈られるべき」ということで、つまり「〜に感謝を捧げる」という意味です。決まり文句のようなものですので、覚えておくと便利ですよ。
because of の意味と使い方
「because of」は、「〜のために」「〜のせいで」という、原因や理由を表すフレーズです。
基本的には名詞や動名詞が続きますが、文が続く非標準的な使い方もあります。
「〜のために」「〜のせいで」の「because of」
「because of」は、「〜のために」「〜のせいで」という意味で、理由や原因を表す時に使われる最も一般的な言い方です。
意味としては前述の「due to」、そしてこの後紹介するさまざまなフレーズと同じですが、「because of」は、日常会話でも、論文などでもよく使われる、登場頻度の高い表現です。
「because of」の後には、基本的には名詞や動名詞が来ます。文尾、文頭、文中のいずれの場所でも使えます。
台風のせいでイベントは延期になりました。
友達がたくさんいるので寂しくはならないだろう。
お金のためだけに働くのではありません。
私はそれまでビジネスの経験が全く無かったので、仕事探しに苦労した。
「due to」と同様、be動詞の後で使うこともできます。
それは全部あなたのせいだ。
「because of」を使った応用表現
「because of」と他の語句が組み合わさった、よく使われる表現を2つほど紹介します。
because of the fact that + 文
「〜という事実があるので」「〜という事実のために」「〜ということを理由として」「〜という事情があるので」といった表現がしたい場合に使えるのが「because of the fact that + 文」です。
やや持って回った印象を与えますが、かための文章で使われたりします。
彼女を傷つけるかもしれないので、私は真実を言えない。
because of the nature of
「because of the nature of」で「〜の性質上」という意味です。
彼女は立場上、意見を述べなければならなかった。
「because of」の非標準的な使い方
「because of」や「due to」、そしてこの後紹介するさまざまなフレーズは、その後に名詞や動名詞が来るのが基本です。
しかし、「because of」を「because」と同じように使い、「because of」の後に文が来るケースも、非標準的な使い方ですが、まれに目にします。基本的には間違いとされる可能性が高いので注意しましょう。
疲れているのでパーティには行きたくない。
その他の似た表現
「due to」と「because of」はいずれも「〜のために」「〜のせいで」という理由や原因を表すフレーズですが、この他にも、理由や原因を言いたい場合に使える、似た表現があります。
「owing to」「thanks to」「on account of」「by virtue of」の4つです。
これらは、基本的な意味は「due to」「because of」と同じ。多くの場合、入れ替え可能ですが、微妙に使い方や意味に違いが出ることもあります。順番に見ていきましょう。
owing to
「owing to」も「〜のために」「〜のせいで」という意味で使えます。
「owing to」は「due to」と同様、「because of」よりもややかための言葉です。また主に書き言葉で好まれます。
ただ、「due to」がbe動詞の後で使われることが多いのに対して、「owing to」はbe動詞の後ろではあまり用いられません。
その台風のために多くの人が避難しました。
体調不良のため、学校を欠席した。
thanks to
「thanks to」の「thank」は「感謝」という意味なので、原因や理由を表す場合もどちらかというと「〜のおかげで」というように、肯定的な使い方をすることが多い傾向にあります。
しかしその一方で、「〜のせいで」というように否定的に使う場合も決して少なくありません。
あまり「thank」のイメージにとらわれずに、「〜のために」「〜のせいで」という意味でいつでも使えると覚えておくのがいいと思います。
彼のおかげで、まだ生きている。
あなたのせいで、私の人生はめちゃめちゃよ。
on account of
やはり原因や理由を表す「on account of」は、比較的かたい表現で特に問題や困難なことについて言及したい場合に使われる傾向があります。
病気が理由で私はほとんど運動しませんでした。
その事故のため我々は研究の中断を余儀なくされた。
by virtue of
「by virtue of」も、「〜のために」「〜のせいで」といった意味を表す、かための言葉です。
イギリス英語では「by virture of」の「by」が「in」に代わり、「in virture of」となります。意味は変わりません。
彼の専門知識のおかげで私たちはその問題を解決できた。
彼女は努力で昇進した。
まとめ
いかがでしたか。今回は、「〜のために」「〜のせいで」といった、原因や理由を表す「due to」「because of」、また、類似のフレーズについて、その意味や使い方の微妙な違いについて解説しました。
どれを使ってもいい場合もありますし、カジュアルな場面ではあまりかたい言葉は似合わない場合もあるかもしれません。
いろいろ使ってみて、どの言葉がぴったりくるかを感じ取っていくのも、なかなか楽しいのではないかと思います。

◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇留学経験
アメリカ・サンディエゴに語学留学(2カ月)の経験あり
その後、オーストラリア・シドニーに大学院留学(2年)の経験もあり
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.