「be」と「become」はどちらも似たような意味を持つ単語ですが、2つの単語はそれぞれちょっとした違いがあり、使い方を誤ってしまうと不自然な響きになってしまうこともあります。
そこで今回の記事は、「be」と「become」の決定的な違いを解説していきたいと思います。2つの単語の使い分け方がわからない方や、基礎から再確認しておきたいという方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください!
beの意味と使い方
本記事では、beとbecomeの違いを解説しますが、まずは「be」の意味と使い方から見ていき理解を進めましょう。
「be」は「be動詞」の原形で、「〜である」や「いる」といった主語(S)の存在・状態を表す役割の単語です。存在や状態なので、be動詞の後にくる名詞・形容詞と一緒に使われます。
通常、「be動詞」は以下のパターンのように主語によって形を変えます。
I⇨ am / was ⇨a teacher.
She⇨ is / was ⇨nice.
He⇨ is / was ⇨cool.
You ⇨are / were ⇨tall.
We⇨ are / were ⇨strong.
など
しかし、be動詞はいつ何時でも形を変えて文章に登場するわけではありません。時には「be」という形のまま使われることもあります。
以下はbe動詞が形を変えず、「be」のまま使われる場合です。
<助動詞の後>
助動詞 be 〜
can / could
will / would
may / might
shall / should
must
など
<To不定詞>
to be 〜
need to be
have to be
want to be
など
<命令形>
Be 〜.
Be quiet. (静かにしなさい)
Be yourself. (自分らしくあれ)
など
ここまで、beの意味を確認してきました。改めて理解ができた機会になったでしょうか?次では、beを使った例文を紹介し、その正しい使い方をみていきましょう。
beを使った例文
be動詞の原形「be」を使った英文を、助動詞の後・To不定詞・命令形に分けていくつか紹介するので、声に出して読んでみてください。
<助動詞の後>
助動詞とは、言葉のとおり動詞を助けるもので、動詞の意味を変化させる働きを持っています。その後にくるのがbeです。
It can be true.
それは本当かもしれない。
That could be awesome.
それは素晴らしいかもしれない。
I will be back in 5 minutes.
5分後に戻ります。
That would be a good idea.
それは良い考えだと思います。
She may be angry at me.
彼女は私に怒っているかもしれません。
I might go to England in April.
4月にイギリスに行くかもしれません。
You should be yourself.
あなたは自分らしくいたらいいですよ。
That must be hard.
それは大変に違いない。
<To不定詞>
toの後にbeを使う方法を紹介します。beの意味を考えながら使い方をみてみましょう。
I need to be here until she comes back.
彼女が帰ってくるまで、私はここにいる必要があります。
You have to be punctual all the time if you want to work at a Japanese company.
もし日本の会社で働きたいなら、常に時間を守らなくてはなりません。
I want to be with you.
あなたと一緒にいたいです。
<命令形>
命令形はbeを頭に持ってくるパターンBe+形容詞で作ります。2つ目のような有名な言葉もあります。
Be careful.
気をつけてね。
Be ambitious.
大志を抱け。
Be patient!
辛抱強くして!
ここまで、beの意味と使い方について解説しました。次に紹介するのはもう一方のbecomeです。
becomeの意味と使い方
次にみていくのは「become」の意味と使い方です。
「become」は「〜になる」という一般動詞です。ここがbecomeとbe動詞の原形としてのbeとの大きな違いになります。Aの存在・状態から、Bの存在・状態への変化を意味します。becomeは不規則動詞であり、動詞活用がbecome(現在形)、became(過去形)、become(過去分詞形)となります。
例えば、下記のような文章であれば、「become」を使うのが適当です。
・私は昨年アナウンサーになりました
・私は将来パイロットになりたいです
・彼は中学生の時に背が高くなりました
なお、「become」は以下3パターンの使い方に分けられます。
・become+名詞
・become+形容詞
・become+過去分詞
それぞれ詳しく見ていきましょう。
become+名詞
「become+名詞」は、「〜という存在になる」という意味の表現です。
例えば、「宇宙飛行士になる」や「エンジニアになる」など、特定の職業名を伴うこともあります。
また「父親になる」や「叔母になる」など、「〜という立場になる」という、これまでとは違う何者かになるときに使います。
(例文)
I became an English teacher when I was 28 years old.
28歳のときに英語の先生になりました。
She became a professional tennis player right after she graduated from high school.
彼女は高校を卒業してすぐにプロのテニス選手になりました。
I became a father last year.
私は昨年父となりました。
I went to that school to become a comedian.
私はコメディアンになるためにその学校に行きました。
I want to become a model in the future.
将来はモデルになりたいです。
My mother doesn’t know what I’ve become.
私の母は私が何者になっているかなど知りません。
become+形容詞
「become+形容詞」の形にすることで、「〜の状態になる」という、状態の変化を表すことができます。
例えば「背が高くなる」や「暗くなる」、「歳をとる」などは、「become」を使って表現可能です。
なお、「get+形容詞」も「〜になる」という意味で使えますが、「become+形容詞」とは以下のような違いがあります。
<become+形容詞>
・一度その状態になったら基本的には長い間変わらない(永続的)
・「get」に比べるとフォーマル
<get+形容詞>
・一度その状態になっても長期的には続かず、また元の状態に戻る可能性が高い(一時的)
・「become」に比べるとカジュアル
(例文)
My younger brother became tall when he was in junior high school. He is much taller than I am.
私の弟は中学生のときに背が大きくなりました。私よりもずっと背が高いです。
I think I became brighter and more talkative when I was in college. I used to be dark and quiet.
私は大学生のときに明るくなっておしゃべりになったと思います。以前は暗くておとなしかったです。
I don’t want to become older anymore. I wish I could stop time.
もうこれ以上歳はとりたくありません。時を止められたらなぁ。
become+過去分詞
「become+過去分詞」は、原形で「〜させる」という意味になる動詞を、過去分詞形にして「become」と一緒に使います。
例えば、以下のような動詞が、原形で「〜させる」という意味を持つ単語です。
・surprise(驚かせる)
・excite(ワクワクさせる)
・scare(怖がらせる)
・bore(退屈にさせる)
・bother(困らせる)
・satisfy(満足させる)
・embarrass(恥ずかしがらせる)
・please(喜ばせる)
・tire(疲れさせる)
上記のような単語を過去分詞形にして、「become 〜」という形にすることで、「〜させられる」という受動態のようなニュアンスになります。
なお、「get+過去分詞」も「〜させられる」という意味で使えますが、「become+過去分詞」のほうがフォーマルさは上です。
(例文)
I became excited about joining the band but nervous at the same time.
そのバンドに参加することにワクワクしたのと同時に緊張もしました。
She became known widely in Japan as the youngest Enka singer in the 70s.
彼女は70年代に最も若い演歌歌手として日本中で広く知られるようになりました。
I became interested in space when I was in elementary school.
私は小学校のときに、宇宙に興味を持ち始めました。
ここまで、becomeの3つのパターンの使い方をみてきました。次では、beとbecomeの比較をしていきます。
例文で見比べるbeとbecomeの違い
ここでは、
・「be」と「become」のどちらでも文法的には正しいけれどニュアンスに違いがある
・どちらか一方では響きが不自然になる
の2パターンの文章を紹介します。
<want to be 〜 VS want to become 〜>
①I want to be a designer in the future.
②I want to become a designer in the future.
①と②はどちらも、「将来はデザイナーになりたいです」という意味の英文です。どちらも意味としてはほぼ変わりませんし、文法的にも問題ありません。では、beとbecomeをどう使い分ければよいのでしょうか?
その回答ですが、「become」のほうが、今の存在からなりたい存在へ変化する意識が強めだというポイントが挙げられます。
「want to be」は「そんな存在になりたいな」とぼんやり思っている程度ですが、「become」を使うとより具体的に準備を始めているようなニュアンスが出ます。beは安定を、一方becomeは変化することを求めたニュアンスが含まれると考えましょう。
<will be 形容詞 VS will become 形容詞>
①I will be strong.
②I will become strong.
①と②はどちらも、「私は強くなります」という意味の英文で、文法としても問題ありません。
ただし、①のbe例文は今現在強いのか弱いのかは関係なく、「強い状態でいる」という未来への意志を表しています。
一方で「become」を使った②は状態の変化を表すので、「(今は弱いけど)これから強くなる」というようなニュアンスが見え隠れします。
<be here/there VS become here/there>
①I will be here.
②I will become here.
ここまでしっかり読んでいただいた方なら一発でわかると思いますが、結論から言うと②は文法的に間違いです。
「be」は「いる」という存在を表せるので、①は「ここにいる」という、自然な響きになります。
一方で②の「become」は「なる」という変化を表します。日本語にすると「ここになる」になり、意味がわからなくなってしまうので、使い方としては誤りです。
beとbecomeの違い まとめ
最後に本記事「beとbecomeの違い解説」のまとめです!
<be>
・「be動詞」の原形
・「〜である」や「いる」といった存在・状態を表す
・助動詞の後・To不定詞・命令形で使われる
<become>
・「〜になる」という動詞
・Aの存在・状態から、Bの存在・状態への変化を表す
・become+名詞 / 形容詞 / 過去分詞 という形をとる
「be」と「become」の違いを解説していきましたが、違いはわかりましたか?
今回学んだ内容をしっかり使えるようになるためにも、まずはそれぞれの単語を使って自分で英作文をしてみましょう。
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