「like」と「such as」の違いは何?「~のような」の表現について

like、オンライン英会話、ネイティブキャンプ

ネイティブスピーカーの会話で数多く出てくる英語表現に ”like” があります。 ”like” は「〜が好き」という意味でももちろん使われますが、「〜のような」という意味の表現としてもよく使われます。

例えば次の文章に使われている ”like” は「〜のような」という意味で使われています。

I’m thinking of learning a rare language, like Swahili.

スワヒリ語みたいな珍しい言語を勉強しようと思ってるんだよね。

「〜のような」を意味する英語表現には、他にも ”such as” がよく知られています。日本人の英語学習者の中には、”like” より ”such as” の方が馴染みがあるという方も少なくありません。

今回は、「〜のような」という意味の英語でよく使われる ”like” と ”such as” の 違いについて解説していきます。

likeとsuch asと違い

”like” と ”such as” はどちらも「〜のような」という同じような意味を持っています。

I want to go out with a girl like her.

彼女のような女の子とつきあいたい。

I want to go out with a girl such as her.

彼女のような女の子とつきあいたい。

どちらも日本語訳は同じで、英語の文章の違いは ”like” と ”such as” のどちらを使っているかという点しかありません。

これだけみると「”like” と ”such as” は同じ意味なんだな」と思ってしまうかもしれませんが、実は ”like” と ”such as” にはいろいろと違いがあり、どちらを使うかによって文章のニュアンスが変わってくることがあります。

実は上の例文でも、どちらかの文章では「彼女のような女の子とはつきあいたいが、彼女自身とつきあいたくはない」と受け取られてしまうことがあるのです。もし”彼女”を持ち上げて話をしているとしたら、全く真逆の意味になってしまいますよね。

”like” と ”such as” のそれぞれの意味や使い方を確認しながら、それぞれの違いについて詳しく見ていきましょう。

likeの意味と使い方

”like” には「〜が好き」という意味がありますが、「〜のような」という意味で使われることもあります。

「〜のような」という意味で ”like” を使うときは、さらに細かく2つの意味に分けて考えると正確に意味が伝わるようになります。

1つ目は「比喩」という意味で使う場合です。ある事柄に似たものを ”like” のあとに続けて置いて、「〜のようだ」とたとえる方法で使います。

My sister is like an angel.

私の妹は天使のようです。

妹を天使にたとえることで、「妹は天使のようにかわいい」とか「妹は天使のように純真だ」といった内容を伝えたいわけですが、押さえておきたい大切なポイントとしては「妹 ≠ 天使(妹は天使とイコールではない)」ということです。

そもそも比喩表現は、たとえられるもの(A)とたとえに使われるもの(B)がA ≠ B の関係にあり、イコールでないからこそ「〜のような」とたとえることができるという仕組みになっています。

もし、たとえられるもの(A)とたとえに使われるもの(B)が同じだったら「AはBだ」というただのイコール関係を説明する文章になってしまいますよね。

彼は風のように走る:比喩表現。彼 ≠ 風。

彼は風だ。彼は走る。:イコール関係の説明。彼 = 風。

比喩表現として ”like” を使った別の例文を見てみましょう。

I want to have a big car like an elephant.

ゾウみたいに大きい車がほしい。 

ゾウのように大きな車がほしいという文章ですが、ゾウはあくまでたとえであって、ゾウ ≠ 車であることは明白です。自分が欲しいのは「大きな車」であって、その大きさをたとえていうならゾウくらいの大きさ、ということですね。

「〜のような」という ”like” のもうひとつの使い方は「例示」です。「例示」とは、ある事柄の具体的な例をいくつか挙げることで、その事柄についてより詳しい情報を示すやり方のことです。

My mother likes sweets and desserts, like chocolate cake or ice cream.

私の母はチョコレートケーキやアイスクリームのような甘いお菓子が好きです。

この文章では、甘いお菓子の例としてチョコレートケーキやアイスクリームが挙げられていますね。甘いお菓子のグループにチョコレートケーキやアイスクリームが入っているという言い方もできます。

次の例文はどうでしょうか。

I saw big animals, like giraffes and pandas, at the zoo.

私は動物園でキリンやパンダなどの大きな動物を見ました。

この文章での ”like” も、大きな動物に含まれる例としてのキリンやパンダ、という位置づけで使われていますね。

以上をまとめると、「〜のような」と訳される ”like” には「比喩」と「例示」の2つの意味がある、ということになります。

ちなみに、”like” は「〜が好きだ」や「〜のような」という使い方の他に、「えっと」や「~的な」という意味で単なるつなぎ言葉や口癖のように使われる場合もあります。

特にアメリカのカリフォルニア地域の若い女子は ”like” を多用するといわれます。カリフォルニアの若い女子は Valley Girl(バリーガール)、日本でいうギャル語のように特徴ある話し方をしていましたが、ドラマなどの影響でカリフォルニアに限らず全米でバリーガールのような話し方をする若者が増えました。

Like...I went to a party like it was so good like…

そんで〜、パーティに行った的な?したらめっちゃいい感じだったっていうか〜

こういった ”like” はスラング的な使われ方なので、きっちり和訳するというよりは雰囲気を汲み取って、文章の流れを整えるスペーサー的なものだと割り切って聞き流してみてください。

なお「〜のような」という例示・比喩の ”like” も、スラングとしての ”like” も、どちらも表現としてはカジュアルな雰囲気になります。フォーマルシーンやビジネスシーン、また書き言葉では別の言い回しで代用するようにしましょう。

such asの意味と使い方

”such as” は ”like” と同じように「〜のような」という意味で使えます。

ただし ”like” と違って「比喩」の意味はなく、「例示」の意味だけを持っているのが特徴です。

”◯◯ such as ✕✕” で、「(例えば)✕✕のような、◯◯」という風に◯◯の内容を詳しく例示する表現になります。

I saw big animals, such as giraffes and pandas, at the zoo.

私は動物園でキリンやパンダなどの大きな動物を見ました。

My teacher, Ms. Nami, told me to read classic Japanese books, such as “Genji Monogatari”.

ナミ先生は源氏物語などの日本の古典を読むようにと私におっしゃった。

I want to live in a European country, such as France, Spain, or Italy.

私はフランスやスペイン、イタリアのようなヨーロッパの国に住みたい。

”such as” のあとに具体例を列挙することによって、”such as” の前にある言葉をより詳しく説明していますね。

”such as” はカジュアルシーンでもフォーマルシーンでも使えます。書き言葉で使うこともできるので、「〜のような」という意味で広く使える表現として覚えておくと便利です。

似た英語表現

”like” と ”such as” はどちらも「〜のような」という意味を持ちますが、他にも「〜のような」という意味を持つ英語表現がありますので確認していきましょう。

for example

「たとえば」と例を挙げるときの表現として有名なのが、“for example” です。

My family speaks multiple languages. For example, Japanese, English, and Spanish.

私の家族は複数の言語を話します。たとえば日本語、英語、スペイン語などです。

I have allergies to some fruits. For example, melons, bananas, and strawberries.

私はメロン、バナナ、いちごなどの果物にアレルギーがあります。

You can choose any two colors, for example, pink and blue.

どんな色でもいいので2つ選べますよ。例えば、ピンクとブルーとか。

”for example” は話し言葉でも書き言葉でも広く使えますので、例示の表現として覚えておくと便利です。

for instance

“for instance” は、例示表現の中でも特に実際にある例を挙げることに特化した表現です。

実例に特化しているので ”for example” よりも信用度が高く、よりフォーマルなニュアンスがあります。逆に、カジュアルな会話で使われることは少ない傾向があります。

I am aware that our city is no longer attractive as a travel destination. For instance, the number of tourists over the last decade has continued to drop.

私達の街がもはや旅行先として魅力的ではないことは重々承知しているのだ。たとえば、ここ10年間の観光客の数は下がり続けている。

For instance, Saitama has a lot of places where you can enjoy hiking.

たとえば、埼玉にはハイキングが楽しめる所がたくさんありますよ。

e.g.(exempli gratia)

“e.g.” という表記はラテン語の “exempli gratia”(イグゼンプリ グラティア) の短縮表現で、「例えば」「例を挙げると」という意味を表します。

He likes red fruit, e.g. apples, strawberries, and plums.

彼はりんご、いちご、プラムといった赤い果物が好きです。

日本では ”for example” を略した ”ex.” がよく使われていますが、“ex-”(前の )という別の表現や、 ”exercise” (練習問題)の略語である ”ex” との区別がしにくいため、英語圏ではほとんど使われません。

まとめ

「〜のような」という意味をもつ ”like” と ”such as” の 違いについて解説してきました。まとめると、以下のようになります。

A like B【比喩】Aを別のものにたとえると、B(A ≠ B)

A like B【例示】Aの例としてのB(A = B、A ∋ B)

A such as B 【例示】Aの例としてのB(A = B、A ∋ B)

”such as” には「例示」 ”like” には「例示」だけでなく「比喩」という使い方もあるというのがポイントです。

記事の冒頭でご紹介した例文は ”like” を使っていたので、厳密には訳し方に「比喩」と「例示」の2つのバリエーションがある、ということになります。

I want to go out with a girl like her.

【比喩】彼女のような女の子とつきあいたい。(でもつきあいたいのは彼女ではない)

【例示】彼女のような女の子とつきあいたい。(彼女も候補に入っている)

とはいえ、実際にはこういった使い分けを厳密にしている人はネイティブスピーカーでも多くはありません。”like” と ”such as” の使い分けについても同様です。

本記事の内容も頭に置きつつ、毎日の英語学習や英会話レッスンで ”like” と ”such as” をどんどん使って、細かいニュアンスや使い方の違いをマスターしていってくださいね!

nativecamp.net

nativecamp.net