「ラップ」を表すwrap / rap / lapの違いは?それぞれの使い方を確認!

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照明の「ライト」と野球の外野手の「ライト」、ポテトチップの「チップ」と海外で飲食をしたりタクシーに乗ったりする時に渡す「チップ」などなど、日本語でカタカナで書くと同じ「ライト」や「チップ」なのに、英語では実は全然違う言葉だということがよくあります。

「ラップ」もそう。日本語でカタカナで書くと全部「ラップ」となるのに、英語だと意味も使い方も全然違うのが「wrap」「rap」「lap」の3つです。

今回はこれら3つの「ラップ」について、意味と使い方の違いを例文を交えて解説します。

なお、「wrap」と「rap」は発音は同じです。いずれも「r」の音から始まります。「lap」は「l」の音から始まります。

wrapの意味と使い方

まずは「wrap」から解説していきましょう。「wrap」には動詞としての使い方と名詞としての使い方があります。

動詞「wrap」の意味

動詞として「wrap」を使う場合、主に以下のような意味になります。

〜を包む、〜をくるむ

「〜を包む」「〜をくるむ」という意味が「wrap」にはあります。

「〜で」というように、包むものや道具を示したい場合、前置詞の「in」や「with」がよく使われます。

この際、包んで中身が見えなくなることを意識する場合は「in」を、単に包む道具を示したい場合は「with」を使うことが多いです。

Don’t forget to wrap the sandwiches in foil!
サンドイッチをホイルで包むのを忘れないで!
Wow! It’s cold. I need to wrap myself in a blanket.
わあ、寒い。毛布にくるまらないと。
The nurse wrapped his arm with a bandage.
看護師は彼の腕に包帯を巻いた。

〜を隠す、〜を覆う

「〜を隠す」「〜を覆う」という意味も「wrap」にはあります。

The city was wrapped in fog.
その街は霧に覆われた。

(布・紙など)を巻きつける、(リボン・ひもなど)をかける

前項までの動詞「wrap」の場合は、目的語に「包まれるもの・人」や「隠されるもの・人」が来ました。

これとは別の「wrap」の使い方で、目的語に「巻きつけるもの」などが来る場合があります。この時の「wrap」の意味は、「(布・紙など)を巻きつける」「(リボン・ひもなど)をかける」などとなります。

何に巻きつけたりかけたりするかを示す場合、「around」などがよく一緒に使われます。

Hey! Wrap a towel around your waist.
ちょっとぉ! 腰にタオルを巻きなさいよ。
The Christmas season has come! I have to wrap a ribbon around the present.
クリスマスの季節だわ。プレゼントにリボンをかけないと。

抱きしめる

「抱きしめる」という意味で「wrap」を使いたい場合、次のように2通りの言い方ができます。

「抱きしめる相手」が目的語になる場合と「腕」などが目的語になる場合です。

My mom wrapped her son in her arms.
私の母は息子を両腕で抱きしめた。
Her grandfather wrapped his arms around her.
彼女の祖父は両腕で彼女を抱きしめた。

名詞「wrap」の意味

名詞の「wrap」には以下のような意味があります。それぞれ見ていきましょう。

なお、名詞の「wrap」の代表的な意味の一つである「食品を保存するラップ」については、また後で詳しく解説しますね。

ショール、スカーフ

名詞の「wrap」には、「腰や頭に巻く布」「ショール」「スカーフ」などの意味があります。

Your wrap is beautiful!
あなたのショール素敵ね!

包むもの、包装紙

「物を包む包装紙」「包み紙」という意味もあります。

I need some beautiful wraps for my mother’s birthday present.
母の誕生日のプレゼントを包むきれいな包装紙が必要だわ。

サンドイッチの一種のラップ

サンドイッチの種類の一つに、「ラップ」と呼ばれるものがあります。

これは、とうもろこしの粉で作るトルティーヤと呼ばれる薄い皮の上に野菜や肉を乗せて巻いたものです。

Why don’t we eat wraps for lunch?
お昼はラップを食べない?

ちなみに海苔巻は海苔でご飯が巻かれていますが、英語にすると「rice rolled in nori sheet」「seasoned rice rolled in laver」などと、「巻かれた」という意味の「rolled」が使われます。

「手巻き寿司」も同様に「rolled」が使われ「hand-rolled sushi」などと表現されます。

撮影の終了、完了

ショービジネス界で使われる「wrap」は「撮影の終了」「完了」という意味になります。

テレビ番組などの終わりなどで「That's a wrap. 」(おしまいです)などといった感じで使われます。

「wrap」を使った熟語

「wrap」を使った熟語もありますので、いくつか紹介しましょう。

be wrapped up in A 

「be wrapped up in A」で「 A(事・物・人)に没頭している」「 A(事・物・人)に夢中になっている」などという意味になります。

She is wrapped up in her job.
彼女は自分の仕事に没頭しています。
My boyfriend is all wrapped up in himself.
私の彼は自分自身のことしか考えていない。

wrap up

「wrap up」には「着込む」「終える」「まとめる」などの意味があります。

It’s cold outside. You should wrap up well.
外は寒いよ。十分着込んだ方がいい。
OK then, let’s wrap up our meeting for today.
では、今日の会議をこれで終わりにしましょう。

また「wrap it up」は「結ぶ」「まとめる」「終える」などの意味ですが、イギリス英語では「うるさい」「黙れ」などの意味で使われることもありますよ。

keep A under wraps

「keep A under wraps」は「Aを秘密にしておく」という意味になります。

This secret is to be kept under wraps.
この秘密は漏らされてはならない。

take the wraps off A

「take the wraps off」は「包装紙を剥がす」という意味ですが、「take the wraps off A」だと「Aを公開する」「Aを暴く」などとなります。

The government has taken the wraps off the secret documents.
政府はその秘密文書を公開しました。

ちなみに「The wraps come off.」は、「秘密が明らかになる」という意味です。一緒に覚えておくといいでしょう。

食品を保存するラップ

私たちの生活の中でお馴染みの、食品を包むための「食品ラップ」も、アメリカ英語では「wrap」です。

「くっつく」という意味の「cling」をつけた「cling wrap」や、「food wrap」「cling food wrap」「plastic wrap」などという言い方もあります。

ちなみに「plastic」は日本語の「プラスチック」から固いものを思い起こしますが、英語では固いものから柔らかいものまで含みます。「ビニール袋」も英語では「plastic bag」と呼ばれます。

Could you pass me the plastic wrap?
ラップ取ってくれますか?

イギリス英語では「cling film」などとも表現されます。「film」は写真や映画のフィルムを連想しがちですが、「薄い膜」という意味もあり、食品を保存するラップなどでも使われます。

rapの意味と使い方

次に「rap」について説明しましょう。「rap」にも動詞としての使い方と名詞としての使い方があります。

なお、動詞では「ラップで歌う」、名詞では音楽の「ラップ」という意味がありますが、これらについては、この後の「音楽のラップ」の項目で述べます。

動詞「rap」の意味

ここでは動詞「rap」について解説したいと思います。

〜をコツンとたたく、〜をコツコツとたたく

「rap」には「〜をコツンとたたく」「〜をコツコツとたたく」「〜をトントンとたたく」という意味があります。

My boss rapped the desk with his pen for silence.
私の上司は静かにするようペンで机をトントンとたたいた。
The bird rapped on the window.
その鳥が窓をコツコツとたたいた。

〜を突然大声で言う、叫ぶ

「〜を突然大声で言う」「叫ぶ」という意味が「rap」にはあります。

He rapped, “Get out of here!”
彼は「出て行け!」と叫んだ。

〜を批判する

「rap」には「〜を批判する」という意味もあります。

She rapped the attitude of the opponent in the chess game.
チェスでの敵の態度を彼女は批判した。

また「rap A over(またはon) the knuckles」あるいは「rap A’s knuckles」で、「Aを非難する」「罰としてA(子ども)の手の甲をぶつ」というような意味もあります。

My father rapped my knuckles.
父は私の手の甲をピシャリとたたいた。

名詞「rap」の意味

次に名詞の「rap」について説明しましょう。

〜をトントンとたたくこと、〜をコツコツとたたくこと

名詞の「rap」にはまず「〜をトントンとたたくこと」「〜をコツコツとたたくこと」といった意味があります。

心霊現象の一つに「ラップ音」というのがありますが、これはこの「rap」です。

There was a rap on the window.
窓をコンコンとたたく音がした。

不当な評判、罰、犯罪の容疑

「rap」には「不当な評判」「罰」「犯罪の容疑」といった意味があります。主にアメリカ英語で使われています。

I got a bad rap from a police officer.
不当な扱いを警官から受けた。
I have beaten the rap. My rap sheet has been deleted.
私は刑罰を免れた。私の犯罪記録は抹消されている。

ここでは、「beat the rap」は「刑罰を免れる」、「rap sheet」は「犯罪記録」という意味です。

また、「take the rap」という表現もあり、「不当な罰を受ける」「ぬれぎぬを着せられる」「責任を取らされる」などの意味になります。

George took the rap for the robbery.
ジョージはその強盗事件のぬれぎぬを着せられた。

「殺人容疑」を「murder rap」、「薬物容疑」を「drug rap」などと表現することもあります。

He is indicted on a murder rap.
彼は殺人容疑で起訴されている。

おしゃべり

これもアメリカ英語ですが「おしゃべり」という意味が「rap」にはあり、仲間内の形式張らないおしゃべりを「rap sessions」などとも表現します。

I love rap sessions.
おしゃべりが大好き!

「rap」を使った熟語

「rap」を使った熟語もありますので、一例を紹介しましょう。

with no rap

「with no rap」は「すっからかんで」「すってんてんで」「一文なしで」という意味です。

With no rap, I didn’t eat anything for two days.
一文無しなので、2日間何も食べていない。

not care a rap

「not care a rap」は「少しも気にしない」「(~など)知ったことではない」といった意味になります。

I don’t care a rap about them.
彼らのことなど知ったことではない。

音楽のラップ

語尾が韻を踏んだりするのが特徴的な、音楽のジャンルの一つである「ラップ」も、英語では「rap」、あるいは「rap music」などと表現されます。

動詞としても使われ、「〜をラップで歌う」「ラップを歌う」などという意味になります。

なぜ「rap」が音楽のラップを意味するようになったのでしょうか。「rap」にはスラング表現で「おしゃべり」や、やや古い表現で「だらだらしゃべる」などの意味がありますが、このようなことから「しゃべるような歌」が「rap」という意味に転じたという説もあります。

I don’t like rap music.
私はラップは好きではありません。
He loves singing enka songs in rap style.
彼は演歌をラップ風に歌うのが好きです。
I can rap.
私はラップを歌うことができる。

ラップをする人は「rapper」「rap musician」「rap artist」などと呼ばれます。

She is a popular rapper.
彼女は人気ラッパーです。
He is a rap musician who works all over the world.
彼は世界中で活動するラップミュージシャンです。

lapの意味と使い方

3つ目の「ラップ」は「lap」です。

「lap」も動詞として使われたり、名詞として使われたりします。非常に多くの意味がありますので、主要なものに絞って説明します。

名詞「lap」の意味

「lap」が名詞として使われる場合、「膝」「山あいのくぼ地、山ふところ」「一周、一往復」といった意味があります。

日本語には実は「膝」は2種類あります。

1つはいわゆる「膝頭・膝小僧」で、これは英語では「knee」です。

もう1つの「膝」は、座った姿勢での腰から太ももを含む膝頭までの部分を指します。別の言い方をすると、「腿の上側」という感じです。「膝の上に〜を座らせる」などと言いますよね。この場合の「膝」は「腿の上」ですね。

The kid is sitting on the mother's lap.
子どもは母親の膝の上に座っている。
Folding his hands in his lap is one of his habits.
膝の上で手を組むのが彼の癖の一つです。

山あいのくぼ地、山ふところ

「lap」には「山あいのくぼ地、山ふところ」という意味があります。ちなみに「山ふところ」とは周囲を山に囲まれた奥深い所という意味です。

The village is in the lap of a green valley.
村は緑の谷間にあります。

トラック競技などの1周、プールの1往復

トラック競技などで、「ラップタイムを測る」などと言いますが、この「ラップ」は「lap」です。「1周」「1往復」などを表します。

Let’s run two laps.
2周走ろう。
The player took a victory lap.
その選手はウイニングランをした。

イギリス英語では、「victory lap」が「lap of honour」になります。

動詞「lap」の意味

〜を1周する、〜を1周抜く

名詞で「1周」「1往復」の意味の「lap」を動詞として使うと、「〜を1周する」「〜を1周抜く」といった意味になります。

He lapped many runners.
彼は多くの走者を1周抜いた。

〜を重ねる、重なる

日本語でも「オーバーラップする」という言い方があります。

これは英語だと「overlap」です。そして、「lap」だけでも「〜を重ねる、重なる」といった意味になります。

Would you please lap this board on them?
この板をそれに重ねていただけますか。

(波が)ひたひたと寄せる、打ち寄せる

動詞として使われる「lap」には、他にもさまざまな意味があります。「(波などが)ひたひたと寄せる、打ち寄せる」という時にも使われます。

The waves lapped against the shore.
波が岸に打ち寄せていた。

「lap」を使った熟語

「lap」を使った熟語もありますので、面白い表現例を紹介しましょう。

drop in someone's lap

「drop in someone's lap」で、幸運などが「〜に舞い込む」という意味です。

It seems that everything drops in her lap.
彼女の願いはなんでもかなうように見える。

in the lap of luxury

「in the lap of luxury」は「ぜいたくざんまいに」「何不自由なく」といった意味になります。

He grew up in the lap of luxury.
彼は何不自由ない環境で育った。

ノートパソコンのラップ

「ノートパソコン」は、実は英語では「note PC」などとは言いません。

「ノートパソコン」は和製英語で、実際の英語では「note」という言葉は使わないのです。
では「ノートパソコン」は英語で何と言えばいいのでしょうか?

答えは「laptop computer」です。または「lap-top computer」と書かれる場合もあります。

この「laptop (lap-top)」の「lap」は、もうおわかりですね?前述した、名詞として使われる「lap」のうち、「膝」の意味の「lap」です。

「laptop (lap-top)」は形容詞で、「膝のせ型の」「膝置き型の」「小型で携帯可能な」といった意味です。

Can I borrow your laptop computer?
ノートパソコンを借りてもいいですか?

まとめ

いかがでしたか?今回は「wrap」「rap」「lap」の違いについて解説しました。

日本語では同じ「ラップ」でも、英語では全然違う意味です。しっかり使い分けてくださいね。一度に覚えるのは大変なので、少しずつ覚えてください。

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