”picture”と”photo”の違いとは?意味や使い方などを解説

”picture”と”photo”の違いとは?意味や使い方などを解説

「写真」と英語で言うときに”picture” と “photo” のどちらを使えばいいか、迷ったことはありませんか?

「写真を撮ってください」は”Please take a picture”です、と習った方も多いと思いますが、実生活ではアプリ名やお店の名前など「写真」を意味する所に”photo”が使われていることも多いですよね。

実際、著者が英会話で「写真」というときは”photo”を使って問題なくコミュニケーションしています。

このようにただでさえ違いが分かりにくい”picture”と“photo”ですが、”image”などの類義語もあるうえ、イギリス英語とアメリカ英語で発音が違っていたりして、いざ使おうとすると意外と難しい単語だと言えます。

今回は”Picture”と“Photo”の意味や使い方の違いを中心に、類義語や使い分けの仕方についても解説していきたいと思います。

似ている二つの英語"picture"と”photo”の違いとは

英語で「写真」を表すには”picture”と“photo” のどちらが適切なのか、という冒頭の質問ですが、実は「写真」については”picture”と“photo”のどちらを使っても大丈夫です。

しかし「写真」以外の場合でも”picture”と“photo”が全く同じように使えるか、と言うと答えはNOになってしまいます。ここが、”picture”と“photo”の使い分けが難しい点ですね。

”picture”と“photo” にはそれぞれ違った意味や使い方がありますので、順番に確認していきましょう。

”picture”の意味・使い方

“picture”は写真も含めた視覚的なイメージ全般を表す言葉です。

具体的な英語でいうと、

drawing(スケッチ/お絵描き/線画)
painting(絵/絵画/油絵/水彩画)
photo/photograph(写真)
computer-generated image(CG)
mental image(心的情景)
graph(グラフ)
situation/circumstance(実態、状況)

などが全て“picture”に含まれます。

”picture”にはたくさん意味があるので、動詞とセットで特定の意味を表すフレーズになっていることが多いです。

たとえば”take a picture”は「写真を撮る」という意味になりますし、”draw a picture”は「(線を引いて)絵を描く」”paint a picture”で「(絵具などを使って)絵を描く」になります。

“take”、”draw”、”paint”など、”a picture”の前に来る動詞によって、”picture”自体の意味の違いを表現しているというわけです。

I took a picture of the girl playing the piano.
私はピアノを弾いているその女の子の写真を撮影した。

I drew a picture of the girl playing the piano.
私はピアノを弾いているその女の子の絵を描いた。※クレヨン画や線画など

I painted a picture of the girl playing the piano.
私はピアノを弾いているその女の子の絵を描いた。※油絵や水彩画など

「写真を撮る」は基本的に”take”をつけて"take a picture”と表現します。ただし、プロのカメラマンなどが撮影でたくさんの枚数の写真を撮るような場合には”shoot pictures”と表現することもあります。

”shoot”を使う場合は「たくさんの写真を撮る」というニュアンスがあるので、後に続くピクチャーも複数の”s”をつけて複数形の"pictures”とすることが一般的です。

I took a picture of the girl playing the piano.
私はピアノを弾いているその女の子の写真を撮影した。

I shoot pictures of the girl playing the piano.
私はピアノを弾いているその女の子の写真をたくさん撮影した。

また”paint a picture”は「絵を描く」という意味ですが、”paint a picture of ~”で「実態(状況、像、イメージなど)を表す」という意味の定型フレーズにもなります。

単語の並びを見るだけでは区別がつきにくいので、文脈から意味の違いを汲み取ることになります。

I like to paint a picture of nature in America.
私はアメリカの自然を題材とした絵画を描くことが好きだ。

It’s hard to paint a picture of America's economic future precisely.
アメリカ合衆国の経済面における将来像を正確に描くことは困難だ。

動詞ではなく形容詞が合わさることで特定の意味を表す場合もあります。たとえば”picture”の前に”big”がついて”big picture”になると「全体像」という意味になります。

”big picture”は、以下のように動詞と組み合わせることでフレーズとして使われることも多いです。

”get”(掴む)との組み合わせ:”get the big picture”:「全体像を把握する」
"see”/"look at”(見る)との組み合わせ:”see the big picture”/”look at the big picture”:「全体像を俯瞰する、大局を見る」

ビジネスやプレゼンテーションなどで便利なフレーズなので、社会人や発表をされる学生の方には特に覚えることをおすすめしたい表現です。

Did you get the picture?
話の全体像は掴めた?

Before starting this project, we need to look at the big picture of the market.
このプロジェクトを始動させる前に、我々は市場の大局を見ておく必要がある。

”photo”の意味・使い方

”photo”は”photograph”の略語で「(カメラによって撮影された)写真」を意味する単語です。 “picture” と違い、“photo”に は「写真」という意味しかないので理解しやすいですね。

FacebookやInstagramでも「写真」は”photo”と表現されていますし、写真に関しては基本的に”photo”を使うと考えてもらっても大丈夫です。

I took a photo of the girl playing the piano.
私はピアノを弾いているその女の子の写真を撮影した。

看板や注意書きでは、略さずに”photograph”(もしくは複数形の”Photographs”)の形で使われていることも多いです。

【NO PHOTOGRAPHS】
撮影禁止

ちなみに、”photograph”は「〜を写真に撮る、撮影する」という意味の動詞として使うこともできます。

Many girls gathered around the car to photograph him.
たくさんの女子が彼の写真を撮ろうと車の周りに集まった。

写真に関して日本人が間違いやすいのが、写真を撮影する人のことを”camera man”(カメラマン)と言ってしまうことです。英語では”camera man”(カメラマン)は「動画を撮影する人」という意味なので、意味合いが違ってしまいます。

英語で「写真を撮影する人」と言いたい時は、”photographer”(フォトグラファー)を使うのが一般的です。

My sister works as a photographer for weddings.
私の妹は結婚式の撮影専門のカメラマンとして働いています。

”photographer”(フォトグラファー)の発音ですが、日本語ではフォトグラファーの「グ(g)」の音にアクセントが来ることが一般的かと思いますが、英語では「ト(to)」の部分にアクセントが来ます。またイギリス英語よりもアメリカ英語の方が若干、「ト(to)」の音が「あ」混じりになります。正しい発音は以下のサイトから確認できます。

Cambridge Dictionary サイト
https://dictionary.cambridge.org/ja/pronunciation/english/photographer

また”photo shoot”で「写真撮影」という意味の決まり文句になります。これもよく使う言葉なので、まとめて覚えておくと便利です。

I’m going to visit Tokyo for the magazine photo shoot next week.
雑誌の写真撮影のために来週東京を訪れる予定です。

"image"の意味・使い方

”image”は「真似たもの」という原義から発生した単語で、「彫像、画像、印象、鏡やテレビに映った姿」というような意味をもつ単語です。

「あるものを模写したり写し取ったもの」という意味合いが強いため、”picture”よりも若干堅くて技術的なニュアンスがあり、また自然のものを写し取った画像などを表すときに使われる傾向があります。

本物の姿を細部まで表現した物であれば”image"、お絵描きやペイント絵画などリアリティの薄いものも含んだ視覚的表現物全体であれば”picture”を使う、と理解しても良いかもしれません。たとえば”image”を使っている次の例文では、おそらく本物のパイナップルを写した画像を探していると思われます。

We searched for images of pineapples.
私たちはパイナップルの画像を探した。

しかし次の例文では、パイナップルについての絵や写真の画像を探しているけれども、どれくらい細部まで表現された画像を探しているのかは分からないということになります。

We searched for pictures of pineapples.
私たちはパイナップルの画像を探した。

このように、"image"は"picture"や"photo"と同じような意味を持ってはいるものの、完全に互換性があるというわけではありません。

たとえば「写真を撮る」というときには”take a photo”や”take a picture”と言いますが、"picture"や"photo"の代わりに”image”を使って”take a image”とすると不自然な表現になってしまいます。

また”big picture”は「全体像」を意味すると上述しましたが、”picture”を”image”に置き換えて”big image"に言い換えると意味が通じなくなります。

“image”と”picture”と"photo”のどれを使えばいいか迷う場合には、写真であれば"photo"を、それ以外の画像であれば"picture"を使うと覚えてしまっても良いかと思います。

”picture”と”photo”の違いまとめ

”picture”と”photo”、そして関連表現としての"image"についてもご紹介してきました。

"picture"の意味する範囲が最も広く、”photo”と”image”は”picture”のうちの一部分であるということをご理解いただけたかと思います。

念のため再確認しますと、”photo”は「写真」、”image”は「(人工物でない何かの姿を細部までリアルに写して表現した)像、写真、画像」のことでしたね。

そして”picture”は写真や画像はもちろん、絵画やCG、心的な情景まで表現できる汎用的な単語でした。

”picture”と”photo”の使い分け方が理解できてきたと感じたら、ぜひ実際の英会話でもどんどん使ってみてくださいね!


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