It~to構文とIt~that構文の違いは?意味と単語の使い分け

It~to構文とIt~that構文の違いは?意味と単語の使い分け

おそらく多くの方が学校で習うIt~to(不定詞)の構文とIt~that(接続詞)の構文。表現できる内容が幅広く、特に大学受験で英作文が必要な方には是非ともマスターしていただきたい文法項目です。

また、もしかしたら、それぞれの形をもう一方の形に書き換える問題なども多く見かけるかもしれません。ただし、It~to構文とIt~that構文は必ずしももう一方に書き換えられるとは限りません。

今回はそんなIt~to構文とIt~that構文の違いや使い分け方について解説してきます。

不定詞の名詞的用法と接続詞Thatについて

It~to構文とIt~that構文の特徴について解説する前に、不定詞の名詞的用法と接続詞Thatについて少しだけおさらいしておきましょう。

不定詞の名詞的用法について

不定詞、またはTo不定詞は”To”の後に動詞の原形をつけた形です。

さらに不定詞の名詞的用法は一般的に「〜すること」という意味になります。
例えば、”To become”は「〜になること」となり、

My dream is to become a singer.
私の夢は歌手になることです。

のようになります。

また、上の発言に対して「歌手になるのは大変だよ(=難しい)。」と言いたいとき、”To become a singer is difficult.”と表現することができ、さらに”It is difficult to become a singer.”と言い換えることができます。

接続詞のThatについて

まずはじめに、接続詞のThatは日本語の「〜ということ」の使い方とほぼ同じだと思ってください。

ただし、厳密には「〇〇が〜する、ということ」のように必ず「主語」と「述語」が含まれます。

例えば、

I can’t believe that you are moving out tomorrow!
君が明日引っ越しちゃうだなんて信じられない!

という文は、少しくどいですが正確に訳すと『「君」が明日「引っ越しをする」ということ』を僕は信じることができない。となり、主語(=君)と述語(=引っ越すをする)を含んでいます。

It~that構文では上の文を、”It is unbelievable that you are moving out tomorrow!”と表すことができます。

1:It~that構文を使うときとは

基礎の振り返りが終わったところで、この章からIt~that構文の使い方について解説していきます。

この章では

It~that構文でしか表せないパターン
It~that構文と相性がよいパターン
It~that構文が使えないパターン
It~that構文を使うべきでないパターン

の4つのパターンについてご紹介いたします。

It~that構文でしか表せないパターン

It~that構文とIt~to構文は表せる内容がほとんど同じであり、ほとんどの場合、もう一方の形に置き換えることができます。

例えば、次のような場合、2つの英文はほぼ同じ意味を表します。

It’s important that you tell the doctor all your symptoms.
It’s important for you to tell the doctor all your symptoms.

症状をもれなく医師に伝えることは大切です。
*symptom: 症状

しかし、中にはIt~that構文でしか表せないパターンがあります。

上の英文は正確に日本語に訳したとき、「あなたが」あなたの症状についてもれなく医師に伝えることは、「あなたにとって」大切です。となります。

この「〇〇が」との「〇〇にとって」の「〇〇」の部分が同じときは、It~to構文が使えます。一方で、次の2つの条件が揃うとIt~that構文でしか表せません。

「〇〇が」の〇〇が特定の誰かのとき
「〇〇が」と「〇〇にとって」の「〇〇」の部分が違うとき

具体例を見てみましょう。

例えば、あの娘が彼を好きだということは僕にとってショッキングだった。という文では「〇〇が」の〇〇は「あの娘」です。

また、「〇〇にとって」の〇〇は「僕」です。この場合は、It~that構文を使って、
It was shocking for me that she likes him.と表します。

これは前の章で見たように接続詞のThatの後には必ず主語と述語が来るという性質があるためにできる表現です。その一方で、To不定詞の場合は主語を表さないので「〇〇が」と「〇〇にとって」の〇〇の部分が異なるときにはIt~to構文を使うことができません。

ただし、〇〇の部分が異なる場合でも、接続詞Thatの後の「〇〇が」の部分が一般的な「人々」を表していたり、文脈上明らかな場合は主語を省略してIt~to構文を使うことができます。

It is safe for pedestrians to drive slowly.
ゆっくり運転することは歩行者にとって安全だ。
*pedestrian:歩行者

この文では”to drive”の主語は「運転手」や「人」であると言えますが、わざわざ言う必要がないので省略しIt~to構文で表せます。

色々と解説をしましたが、1.「〇〇が」の〇〇が特定の誰かのときで、2.「〇〇が」と「〇〇にとって」の「〇〇」の部分が違うときには、It~to構文では表せないので、必然的にIt~that構文を使うことになるので、実際に英語を使うときに深く考える必要はあまりありません。

It~that構文と相性がよいパターン

上で見たパターンが最もよく現れるのが、何かの事実について感想を述べたり、評価をするときです。

【感想】
何かの事実について感想を述べるときに、よく使われるフレーズは以下のとおりです。

surprising/shocking:驚きだ
wonderful/amazing:素晴らしい
disappointing:がっかりだ
strange/weird:不思議だ/変だ

It was surprising (for me) that Ken passed the entrance exam.
ケンが入試に合格したのは驚きだ。

It is disappointing (for me) that Mary can't come to the party tonight.
メアリーが今夜のパーティーに来られないなんてがっかりだ。

It was strange for her that there were no lights on.
電気が一つも点いていなかったことは彼女にとって不思議だった。

「〇〇にとって」の〇〇は「私」なので、全ての文でThatの後の主語と違うことが分かります。また、3つ目の例文のようにThatの後の主語が人物でない場合も、〇〇の部分が異なるのでIt~that構文で表します。

なお、「驚きだ」や「がっかりだ」などの感想が話し手である「自分にとって」であることが明らかな場合、文中の (for me) は省略することができます。

【評価】
何かの事実について評価をするときに、よく使われるフレーズは以下のとおりです。

clear/obvious:明らかだ
unclear:不確かだ
true:本当だ

事実に対する評価の場合、「〇〇にとって」の〇〇は「人々」や「私たち」であったり、特別言及する必要がなかったりすることが多く、その際には省略することができます。

It's clear that the politician will win the election.
あの政治家が選挙に勝つのは明らかだ。

It’s true that they’ve got married.
彼らが結婚したのは本当だよ。

It~that構文が使えないパターン

次にIt~that構文が使えないパターンをご紹介します。

簡潔に言うと、It~that構文が使えないのは「意味が通らないとき」です。当たり前と思われるかもしれませんが、次の例文をご覧ください。

It is easy for him to speak English.
It is easy that he speaks English.

この2つの英文はどちらも、彼にとって英語を話すことは簡単だ。という意味を表しているように思えます。

しかし、前の章で見たように接続詞のThatは日本語でいう「〜ということ」を表します。その上で2つ目の英文を日本語に訳すと、彼が英語を話すということは簡単だ。となり、日本語にしたときにも意味が通りません。

接続詞のThatを「〜という事実は」と訳すともっと分かりやすいかもしれません。「〜という事実は簡単だ」とは日本語では言いません。一方で、「〜という事実は驚きだ」とか、「〜という事実は不思議だ」のように事実に対して感想を述べる場合は自然ではないにしても文としては意味が通っています。

It~that構文を使うべきではないパターン

最後にご紹介するのは、必ずしも間違いではないがIt~that構文を使うべきではない場合です。

子どもが夜に外を出歩くのは危険だ。
It is dangerous for children to go out alone after dark.

It is dangerous that children go out alone after dark.
子どもが夜に外を出歩くということは危険だ。

となってしまい、子どもが夜に外を出歩くという行為自体が他の誰かにとって危険であるという元の文の意味とは離れた内容になってしまいます。

本来の意味を正確に表すためには、It is dangerous for children that children go out alone after dark.となりますが、2回も”children”と言わなければならなくなってしまいます。

したがって一番最初の、It is dangerous for children to go out alone after dark.が最も自然な文となります。つまり、Forの後に来る語と接続詞Thatの後に来る主語が一致する場合はIt~to構文を使うのが一般的です。

2:It~to構文を使うときとは

この章では、はじめにIt~to構文を使うべき1つのパターンを、次にIt~to構文と相性のよい3つの表現についてご紹介します。

Forの後に来る語とThatの主語が一致するパターン

これは上で見た「It~that構文を使うべきでないパターン」と全く同じです。

It was surprising (for me) that Ken passed the entrance exam.
ケンが入試に合格したのは驚きだ。

このとき、「ケンが」合格したことが「私にとって」驚きだったわけですが、もし「自分自身が」入試に合格した場合の英語表現はどうなるでしょうか。

英文中の”Ken”をそのまま”I”と置き換えて、It was surprising for me that I passed the entrance exam.とするのは文法的に誤りではありません。

ただし、この場合はIt was surprising for me to pass the entrance exam.とするのが一般的です。
(※厳密には、”Surprisingly, I passed the entrance exam.”のように”it”ではなく、”I”を主語にする形の方が日常会話的です。)

また、次の例文のように、一般的な事実について述べるときや「誰が」と「誰にとって」が明らかな場合もIt~to構文を使います。

It is common in Japan to say 'Itadakimasu' before having a meal.
日本では食事の前に「いただきます」と言うのが一般的です。

なお、Toの後には動詞の原形が来るので、動詞の活用を考える必要はありません。結論としては、”It ~ for me that I ~.”となってしまう場合、つまりForの後に来る語とThatの主語が一致するときは、”It ~ (for me) to ~.”のようにIt~to構文を使うとよいでしょう。

「楽しさ」を表す形容詞を使うとき

fun:おもしろい
interesting:興味が湧くような
exciting:わくわくするような
boring:退屈な

のような「楽しさ」を表す形容詞を使うときはIt~to構文との相性が非常によいです。これはForの後に来る語とThatの主語が一致しやすいためです。

It is fun for me to learn English.
英語を勉強することは僕にとっては楽しい。

It is boring for me to study every day.
毎日勉強するのは退屈だ。

It must be exciting to canoe down this river!
この川をカヌーで川下りをしたら絶対楽しいよ!

「誰にとっても。誰がやってもそうだ」と言いたいときにも、It~to構文で表すことができます。

「難易度」や「危険度」を表す形容詞を使うとき

easy:簡単だ
difficult:難しい
possible*:可能だ/可能性がある
impossible:不可能だ
dangerous:危険だ
safe:安全だ

のように「難易度」や「危険度」を表す形容詞を使うときも、It~to構文と相性がよいです。なぜなら「誰が」と「誰にとって」が一致することが多いからです。

「彼が」英語を話すことは「私にとって」簡単だ。
「子どもが」夜に外を出歩くのは、「彼女にとって」危険だ。

という文章は日本語で見ても意味不明です。

したがって、既に見たように、

It is easy for him to speak English.
彼にとって英語を話すことは簡単だ。

It is dangerous for children to go out alone after dark.
子どもが夜に外を出歩くのは危険だ。

と表すのが普通です。

しかし、これは必ず「誰が」と「誰にとって」が一致するという意味ではなく、

I think it is impossible for him to date her.
彼が彼女と付き合うのは無理だと思います。(難易度)

It is safe for drivers and pedestrians to drive slowly.
ゆっくり運転することは運転手にとっても歩行者にとっても安全です。(危険度)

のような場合もあります。

それぞれの使い分け・注意点

It~to構文とIt~that構文の違いや使い分け方を一言で表すのは難しいのですが、簡単にまとめてみました。

【It~that構文を使うとよいパターンまとめ】

「〇〇が」と「〇〇にとって」の「〇〇」の部分が違うとき
It was shocking for me that she likes him.

何かの事実について感想を述べたり、評価をするとき
It was surprising (for me) that Ken passed the entrance exam.

【It~to構文を使うとよいパターンまとめ】

Forの後に来る語とThatの主語が一致するとき
It was surprising for me to pass the entrance exam.

「楽しさ」を表す形容詞を使うとき
It is fun for me to learn English.

「難易度」や「危険度」を表す形容詞を使うとき
It is easy for him to speak English.

【注意点】

上の解説では触れませんでしたが、”possible”を使うときは注意が必要です。

なぜなら、It~to構文とIt~that構文でそれぞれ違う意味になるからです。It~to構文でpossibleを使うと「できる(可能)」の意味になり、It~that構文では「ありうる(可能性)」のような意味になります。

It~to構文では、「可能」の意味で、

Would it be possible for you to send the document by email?
その書類をメールで送っていただくことは可能ですか?

I believe it is possible for him to pass the exam.
彼はその試験に合格できると思う。

It~that構文では、「可能性」の意味で、

It is possible that he'll come to the party.
彼がパーティーに来る可能性はある。

となります。ただし、2つ目の文は、I believe he can pass the exam.のように、3つ目の文はHe may come to the party.のように表す方が一般的です。

It~to構文とIt~that構文のまとめ

いかがでしたか?なるべく分かりやすい解説を心がけたつもりですが、やや文法的な説明が多くややこしかったかもしれません。

しかし一度慣れてしまえば簡単で、幅広いことを表現できるようになるので、是非意識して使ってみてください。


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