ジブリ映画『風立ちぬ』で英語学習!セリフや主題歌を英語で学ぼう

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宮崎駿監督が手掛けたジブリ映画『風立ちぬ』

英語吹替・字幕版もあり、海外でも広く知られています。本記事では、風立ちぬのセリフが英語でどのように表現されるかをご紹介します。

外国人にこの作品について説明するときに使えるフレーズも解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。

『風立ちぬ』って英語でなんていう?

作品名は英語で何というか、外国人にこの作品についてどのように説明するかなどを見ていきましょう。

『風立ちぬ』は英語で『The Wind Rises』

『風立ちぬ』は英語で『The Wind Rises』といいます。

英語のタイトルを直訳すると、「風が立つ(吹く)」という意味です。ちなみに、「立ちぬ」というのは否定の意味ではなく、「立った(吹いた)」という肯定の意味です。

作品について英語で説明してみよう

作品について英語で紹介できるようにするため、まずはあらすじをひととおり確認していきましょう。

この映画は、実在の人物である「堀越二郎」の半生を描いています。二郎は、第二次世界大戦で日本が使用していた戦闘機「零(ゼロ)」を設計した人物です。宮崎監督が連載していた漫画と堀辰雄の中編小説『風立ちぬ』が原作となっています。

大正から昭和へ移る1920年代の日本は、不景気や病気、大震災など、乗り越えるべき苦難が多くあった時代でした。そして、日本は戦争へと突入していったのです。当時の若者たちは、そんな時代をどのように生きたのでしょうか?その様子が描写されています。

また、この映画は、第37回日本アカデミー賞で最優秀アニメーション作品賞を受賞しました。宮崎監督はまだ引退していませんが、当時は監督を務める最後の作品であるとして取りあげられ、話題になりました。

この作品について英語で説明するときの例をみていきましょう。

The Wind Rises (Japanese: Kaze Tachinu) is an animated film written and directed by Hayao Miyazaki and produced by Studio Ghibli. It was released on July 20, 2013 in Japan and on February 21, 2014 in America.

『風立ちぬ』は、宮崎駿が脚本・監督を務め、スタジオジブリが制作したアニメーション映画です。日本では2013年7月20日、アメリカでは2014年2月21日に公開されました。

「written」は直訳すると「書かれた」という意味ですがここでは「脚本」「directed」は「監督された」つまり「監督」を意味します。

脚本と監督を務めたのが誰かを表現するときに、「written and directed by + 人」の形でよく使われます。

It is based on the serialized manga written and illustrated by Miyazaki and Tatsuo Hori's acclaimed 1936-37 novel Kaze Tachinu. It traces the life of Jiro Horikoshi, an aircraft engineer who invented the famous "Zero" fighter, which was used by the Japanese navy during World War II.

原作は、宮崎駿が制作した連載漫画と、堀辰雄が1936年から1937年にかけて執筆して高い評価を受けた「風立ちぬ」です。この作品は、第二次世界大戦中に日本海軍で使用された有名な戦闘機「零」を発明した航空機技術者である堀越二郎の人生を描いたものです。

「based on~」は「〜をもとにした、原作とした」「serialized」は「連載の」を意味します。

「acclaim」は「高く評価する、称賛する」の意味で、ここでは「acclaimed」の受動態の形で「高く評価された、称賛された」という意味になります。

「trace」は「たどる、追跡する」の意味なので、「trace the life」で「人生をたどる」つまり「人生を描く」という意味になります。

「invent」は「発明する」、「fighter」は「戦闘機」の意味です。

『風立ちぬ』のセリフはどのように英訳されている?

風立ちぬのセリフがどのように英訳されているかを見ていきましょう。

今回は、主人公の堀越二郎と、二郎の夢に出てくる飛行機の設計家カプローニのセリフのなかで特に印象に残るものをご紹介します。

堀越二郎のセリフ

堀越二郎は少年時代から飛行機への憧れを抱き、外国語の航空雑誌を学校の先生から借りて読んでいました。

そして、二郎は目が悪いことから、パイロットではなく設計技師の道に進むことに決めます。二郎は夢のなかで、イタリアの航空技師であるカプローニとたびたび会うのでした。

She does because each together is very precious to us now.

僕らは今、一日一日をとても大切に生きているんだよ。

このセリフは動詞が「does」なので、「どうしてこのような日本語の意味になるのだろう?」と疑問に思った方が多いと思います。

実はこのセリフは、二郎の妹である加代の質問に対する答えなのです。加代は次のように二郎に質問しました。

Does Nahoko really have to stay here?

菜穂子さんは、本当にここにいなくちゃいけないの?

この質問に対して二郎が「does」と肯定の意味で答えているので、「does」は「have to stay here」の意味となります。「precious」は「貴重な、重要な」の意味です。

カプローニのセリフ

カプローニは二郎の夢に現れる飛行機の設計家で、イタリア人の伯爵でもあります。

夢のなかで近眼を気にする二郎を励まし、二郎が飛行機の設計家を目指すことを決定づけたのでした。

また、夢のなかで日本の技術レベルでは実現不可能な航空機をイメージする二郎に対して、アドバイスもくれました。

Artists are only creative for 10 years.

We engineers are no different.

Live your 10 years well, Japanese boy.

創造的人生の持ち時間は10年だ。

芸術家も設計家も同じだ。

君の10年を力を尽くして生きなさい。

1文目「Artists are only creative for 10years.」を直訳すると、「芸術家の創造性は10年しかない」という意味で、つまり「ずっと創造的でいられるわけではない」ということを表現しています。

2文目の「no different」は「違くない」、つまり「同様だ、同じだ」という意味です。


ここで少し余談!

下記記事では、「魔女の宅急便」を使った英語学習をご紹介しています!海外の街並みが魅力的な作品で、外国語学習意欲を駆り立てましょう♪

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『風立ちぬ』ではフランス語が出てくる

二郎と妻の里見菜穂子が会話するシーンで、日本語ではない言葉が出てきます。

これは実は、英語ではなくフランス語なんです。

ここで、菜穂子について簡単に紹介していくと、菜穂子がまだ少女の頃、関東大震災の際に乗っていた列車で知り合いになった二郎に助けられます。それ以来、二郎に対して恋心を抱いていました。母が結核になったあと自分も結核にかかり、父とともに軽井沢に静養に訪れ、絵を描くなどして過ごしました。

それでは、該当のセリフを確認していきましょう。

菜穂子:Le vent se lève,(ル ヴァン ス レーヴ)

    風立ちぬ

二郎: il faut tenter de vivre (イル フォ タンテ ド ヴィヴル)

   いざ生きめやも

これは、フランスの作家・小説家・詩人・評論家であるポール・ヴァレリ氏が書いた詩『海辺の墓地』という詩の一節であるとされています。

そしてこの一節は、堀辰雄の小説『風立ちぬ』でも引用されており、「風立ちぬ、いざ生きめやも」と訳されています。

『風立ちぬ』の主題歌を英語で歌おう!

この映画の主題歌『ひこうき雲』は英語で『Vapor Trail』と表現されます。

「vapor」は「霧、蒸気」、「trail」は「跡、痕跡」の意味です。歌詞がどのように英訳されているか早速見ていきましょう!

白い坂道が空まで続いていた

ゆらゆらかげろうが あの子を包む

誰も気づかず ただ一人

あの子は昇っていく

何も恐れない そして舞い上がる

The white slope continued on to the sky

Wavering, ephemerality envelops him

Unnoticed by anyone, all alone,

She is ascending

She fears nothing, and soars up high

「slope」は「坂道」の意味です。「Wavering」は「揺れる、揺らめく」、「ephemerality」は「はかなさ」、「envelop」は「包む、くるむ」の意味です。

「unnoticed」は「気づかれない、注目されない」、「ascend」は「上昇していく、登る」を意味します。「soar up」は「舞い上がる」を意味する熟語です。

空に憧れて 空をかけてゆく

あの子の命はひこうき雲

He admires the sky, is dashing through the sky

Vapor trails are his life

「admire」は「称賛する、高く評価する」の意味です。「dash」は「突進する、突撃する」の意味の動詞です。


ここでまた少し余談!

下記記事では、おなじくジブリ映画の「となりのトトロ」を使った英語学習をご紹介しています!子供にも人気があるこちらの映画で、楽しく英語学習しましょう♪

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映画を活用して英語学習をしよう

今回学習した内容のうち、映画タイトルと主題歌についてもう一度復習しておきましょう。

・『風立ちぬ』は英語で『The Wind Rises』

・『ひこうき雲』は英語で『Vapor Trail』

映画を活用することで、テキストだけを使うよりも楽しく英語を学べます。

洋画だけではなく、『風立ちぬ』のような有名な邦画の英語吹替・字幕版を観て学ぶのも面白いかもしれません。

また、映画の話題は外国人との会話で頻繁に出てきます。

ネイティブキャンプでは、講師とさまざまな話題について話せるので、ぜひ本記事で学習した内容を参考にレッスンで練習してみてくださいね。