英語で「お父さん」「お母さん」というと、真っ先に思い浮かべるのは「father」と「mother」ですね。これらは学校でも初期に習う基本の単語です。でも実際にはネイティブスピーカーの日常会話であまり使われていません。では「親」の話をする時に良く使われる英語表現はいったいなんでしょうか。この記事では、お父さんを表す英語father/dad/daddyの違いを解説します。家族にまつわる表現をしっかり学びましょう。
- お父さんという時はfatherよりもdadが使われる
- daddyは小さい子供が使う言葉
- お母さんも同じ motherよりもmomが使われる
- 英語でおじいちゃん・おばあちゃんは何という?
- 義理の家族の呼び方
- イクメンや主夫ってなんという?
- fatherの父親以外の意味
- fatherやmotherを使ったフレーズ
- 海外の母の日と父の日
- father・dad・daddy の違い まとめ
お父さんという時はfatherよりもdadが使われる
はじめに、英語初心者にも馴染みのあるfather、そしてdadについて比較し、使い分けができるようにしていきます。
まず「father」は日本語でいう「父」「父親」「父上」「お父様」といった感じの、フォーマルでかしこまった響きになります。したがって、自分のお父さんの事を知らない相手と話す時や、話し相手が親しい人ではない場合など、また英文作成時に使われることが多い単語です。
fatherは男性であり、その子どもとの関係を指します。なお、カトリックなどの聖職位のひとつである司祭priestのことをfatherと呼ぶこともあります。
fatherのもつニュアンスから、日常の会話の中でお父さんを呼ぶ時に「father」というと、中違いしている、または疎遠で距離のある親子関係のような印象になってしまいます。
例:My father is a teacher.(私の父は教師です。)
He became a father when he was 35.(彼は35歳で父親になりました。)
I have to take my father to the hospital today.(私は今日、父を病院に連れていなかければなりません。)
Your father and I went to school together.(あなたのお父様と私は旧友です。)
一般的な会話でfatherまたはmotherはあまり使用されません。これらに代えて「お父さん」という時には「dad」が使われます。「dad」という単語はパパを表す英語スラングとして口語で使用されるため学校では教わらなかったかもしれませんが、「父親」を表す時に大人にも子供にも幅広く使われる表現です。親しみを込めた「お父さん」「父さん」「親父」「パパ」「父ちゃん」といったニュアンスです。日本ではpapaをパパや父さん、mamaをママや母さんと呼ぶ方法も一般的ですね。パパやママは欧米などで使われ、お父さんやお母さんを表現する子どもが使う言葉です。
例:Hey Dad, can you give me a ride?(ねぇ父さん、車で送ってくれる?)
My dad is good at cooking.(私のお父さんは料理が上手です。)
My dad is really stubborn. (うちの親父は頑固だよ。)
When is dad coming home?(パパいつ帰ってくるの?)
ここまでで、fatherはある程度フォーマルな表現、それに対してdadとは日常会話でお父さんを表す言葉である点がfatherとdadの違いというところをしっかり押さえましょう。ぜひ、fatherだけでなくパパ英語dadを使い分けできるようにしていくことをおすすめします。
daddyは小さい子供が使う言葉
次に紹介する「daddy」はdadが変形したもので、主に小さい子供が「パパ」「父ちゃん」と父親を呼ぶ時に使う言葉です。上で紹介したダッド(父を日常会話で使う場合の言葉)は大人でも子どもでも使う言葉だと紹介しました。ところが、中学生くらいになるとみんな自然とdadを使い始めます。その前の時期の子供達が使う言葉がdaddyです。大人が使うのは、子供を相手に話している時が多いです。このため、ダディとパパの間で違いはありません。
例:Say good night to Daddy!(パパにおやすみなさいしなさい!)
I stopped calling my father “Daddy” because I thought it sounded childish.
(父親の事をdaddyと呼ぶのは子供っぽいと思ったからやめたよ。)
「dada」はdaddyと同じ「パパ」「父ちゃん」という意味で、喋り始めの赤ちゃんや幼児が使う言葉です。
例:When did your baby say dada for the first time?(あなたの赤ちゃんが初めてdadaと言ったのはいつですか?)
日本で使われる「パパ」は英語では「papa」です。アメリカではdadaやdaddyの方がよく使われます。
お母さんも同じ motherよりもmomが使われる
お父さんと言えばお母さんにも少し触れておきましょう。母親の場合も同じで「mother」は堅くフォーマルな「母」「母親」「母上」「お母様」という意味で使われることが多いです。
例:She is a mother of three children.(彼女は3人の子供の母親です。)
My mother will be 60 this year.(私の母は今年60歳になります。)
How is your mother?(お母様はお元気ですか?)
She is going to be a mother next month.(彼女は来月、出産予定です。)
母親がうるさい時などに「Yes, Mother」「Okay, Mother」とわざと丁寧に嫌味っぽく「わかりましたよ、お母さん」と答えることもあります。
日常で「お母さん」という意味でよく使われるのは「mom」です。「dad」と同様に「母さん」「ママ」「母ちゃん」「おふくろ」といった感じで大人も子供も使う表現です。
例:I went shopping with my mom yesterday.(昨日お母さんと買い物に行きました。)
My mom taught me how to cook.(母さんが料理の仕方を教えてくれた。)
Let’s go see a movie, Mom!(ママ、映画を観に行こうよ!)
Hi I’m Lisa. I'm Katie’s mom.(こんにちは。私はLisaです。Katieの母です。)
「mommy」は子供が「お母さん」「ママ」という時に使う言葉です。こちらも小さい子供が使う言葉で年頃になるとmomを使うようになります。
例:Mommy and daddy love you.(ママとパパはあなたが大好きだよ。)
Oh, look, Mommy! There is a cute puppy.(お母さん、見て!かわいい子犬がいるよ。)
Where is your mommy?(あなたのお母さんはどこにいるの?)
「ママ」は英語でも「mama」です。父親の幼児語「dada」と同じように、話し始めた子供が使います。
例:子供「ma…m…ma…」(マ…マ…)
お母さん「Did you hear!? She said mama!!」(聞いた?今この子ママって言ったわ!)
英語でおじいちゃん・おばあちゃんは何という?
祖父母を表す時は父・母にgrandをつけます。ひいおじいちゃん・ひいおばあちゃんにはgreat-grandをつけます。両親や兄弟姉妹に加え、おじいちゃんやおばあちゃんまでスラスラと言えるようになると、家族紹介にとても役立ちます。
祖父母 grandparents
祖父 grandfather 祖母 grandmother
おじいちゃん grandpa・granddad・granddaddy おばあちゃん grandma・granny
曽祖父 great-grandfather 曽祖母 great-grandmother
ひいおじいちゃん great-grandpa ひいおばあちゃん great-grandma
父方の祖父母 grandparents on dad’s side 母方の祖父母 grandparents on mom’s side
例:I’m going to see my grandparents this weekend.(私は今週末、祖父母に会いに行きます。)
My grandpa turned 90.(おじいちゃんは90歳になりました。)
親戚におじいちゃんやおばあちゃんがたくさんいる場合など、grandpa John(ジョンじいちゃん)grandma Ann(アンばあちゃん)というように、名前を付けて呼ぶこともあります。
孫も同じように子供を表す単語にgrandをつけます。great-grandでひ孫になります。
孫 grandchild・grandkid(単数形)grandchildren・grandkids(複数形)
男の子の孫 grandson 女の子の孫 granddaughter
ひ孫 great-grandchild、great-grandkid、great-grandchildren、great-grandkids、great-grandson、great-granddaughter
例:She has ten grandchildren and two great-grandchildren.(彼女は10人の孫と2人のひ孫がいます。)
My grandson loves trains and cars. (うちの孫は電車と車が大好きです。)
義理の家族の呼び方
結婚相手の家族にはin-lawをつけます。In-lawは法律上のという意味で婚姻関係でできた家族に使われます。配偶者の家族をまとめてin-lawsということもできます。「法律上の」というと堅苦しい響きですが、日常会話で普通に使われる表現です。
義理の親 parent-in-law
義理の父 father-in-law
義理の母 mother-in-law
義理の兄弟 brother-in-law
義理の姉妹 sister-in-law
キッチンやバスルーム付きの離れをmother-in-law apartment、mother-in-law unit、mother-in-law suiteと呼びます。
例:I’m very fortunate that my mother-in-law is nice to me.(私は義理の母は優しくてよかったです。)
He bought a house with a mother-in-law unit.(彼は離れ付きの一軒家を購入しました。)
親の再婚による継父はstepfather・stepdad、継母はstepmother・stepmomです。結婚相手にすでにいる子供はstepson(継息子)stepdaughter(継娘)になります。親の結婚でできた兄弟姉妹の場合はstepbrother・stepsisterです。養子の場合もstepfather、stepmother、stepson、stepdaughterと呼ばれます。
イクメンや主夫ってなんという?
イクメンは日本独特の表現であり直訳できる英語表現はありませんが近い英語にfamily manというフレーズがあります。家族に献身的な男性という意味です。一般的に、ポジティブな意味で使われます。仕事と家族の時間をはっきり分けている外国人にとっては当たり前かもしれません。
stay-at-home-dad、househusbandやfull-time-dadが主夫に近い表現です。
ドラマやアニメになったマンガの“極道主夫”は英語で“The way of the househusband”と訳されています。
ちなみに主婦はhousewifeという単語が知られていますが、最近は性別を限定しない言葉が好まれる傾向もあり、男女共通の意味のhomemakerが良く使われます。homemakerの直訳は「家を作る人」つまり「家の事をする人」=「主婦・主夫」という意味になります。
housewife 主婦(女性のみ)
househusband 主夫(男性のみ)
homemaker 主婦・主夫(男女どちらでも)
例:He decided to stay at home and be a househusband.(彼は家で専業主夫になると決意しました。)
My grandmother was a full-time homemaker.(私の祖母は専業主婦でした。)
fatherの父親以外の意味
fatherという単語は父親以外に「創始者」「考案者」という意味で使われることもあります。
例:Galileo Galilei is considered the father of modern science.(ガリレオ・ガリレイは近代科学の創始者とみなされています。)
Hippocrates is the father of medicine.(ヒポクラテスは医学の父です。)
またfatherには「神父」motherには「修道院長」という意味もあります。
fatherやmotherを使ったフレーズ
·mother’s boy、mama’s boy マザコン
·daddy’s girl ファザコン
(マザコンmother complex、ファザコンfather complexというのは和製英語でアメリカでは使われません。)
·tiger mom 教育ママ(2011年出版の本からの流行語で、主にアジア系の厳しい母親を指しています。)
·mother tongue 母国語
例:He was a mama's boy who would spend all his time with his mother.(彼は四六時中お母さんと過ごすようなマザコンだった。)
She's such a daddy's girl. Her dad buys her anything she wants.
(彼女ってすごくファザコンだね。彼女のお父さん何でも欲しいもの買ってあげるし。)
I had always told myself I would not turn into a tiger mom like my mom.
(私はいつもお母さんみたいな教育ママにはならないようにしてきた。)
·dad joke 親父ギャグ
親父ギャグは英語で「dad joke」といわれます。日本語と似ていておもしろいですね。一方でmum jokeということはほぼなく、親父がついついギャグを言うのは世界共通なのでしょうか?!
ファッションの中でも使われています。
·mom jeans ハイウエストのダボッとしたゆるめのジーパンのこと
·dad shoes、dad sneakers お父さん世代が履くような、底が厚めのボリュームのあるスニーカー
·grandpa shoes おじいちゃんの靴のような、履き心地重視の靴
·sugar daddyv パトロン・パパ活の相手
sugar daddyの直訳は「お砂糖パパ」ですが、実際の意味は「パトロン」。最近の言葉でいうと「パパ活」の相手になります。女性の相手の場合はsugar mommy。活動している人たちはsugar babyと呼ばれます。
海外の母の日と父の日
もうすぐやってくる、母の日と父の日。実はアメリカが発祥の記念日です。日本・アメリカ共通で母の日は毎年5月の第2日曜日。2022年は5月8日(日)です。父の日は毎年6月の第3日曜日で、2022年の父の日は6月19日(日)です。
母の日 Mother’s day
父の日 Father’s day
アメリカでも日本と同じように、カーネーションなどの花とカードやちょっとした贈り物をする人が多いです。
Mother’s day flowers 母の日の花 Mother’s day gift 母の日の贈り物 Mother’s day card 母の日のカード
Father’s day flowers 父の日の花 Father’s day gift 父の日の贈り物 Father’s day card 父の日のカード
当日には「Happy mother’s day!」「Happy father’s day!」とお母さん・お父さんに声をかけます。自分の親だけでなく、配偶者や子供のいる友達・同僚にも同じ言葉をかけたりします。
father・dad・daddy の違い まとめ
father「父・父親・父上」
mother「母・母親・母上」
·会話の相手が話の中の“お父さん・お母さん”のことを知らない場合
·自分が会話している相手と親しくない場合
·あまり親しくない・疎遠の父親・母親への呼びかけ
·父親・母親が口うるさい時などに、わざと強調して返答する時
dad「お父さん・パパ・親父」
mom「お母さん・ママ・おふくろ」
·日常での会話や呼びかけ
·大人も子供も使う一般的な父親・母親の呼び方
daddy「父ちゃん・パパ」
mommy「母ちゃん・ママ」
·小さい子供の父親・母親の呼び方
·大人が小さい子供を相手に話している時に使う
本記事で紹介した通り、father・dad・daddyは、どれも「父親」という意味であるものの、会話の場面・相手や年齢などで使い分けられています。使い方は日本語での親の呼び方とあまり違いがありません。日本語で「お父さんが」というより「父が」といったほうが良いなという場面では、英語でも「dad」ではなく「father」を使っておくと無難です。dadやmomってカジュアルすぎるんじゃない?と思うかもしれませんが、一番使われている言葉です。これからは会話や文章でどんどん使ってみてくださいね。家族の呼び名に関する英単語を増やしていきましょう。
大阪出身。人生の大半を、阪急沿線で過ごしたため大阪、京都、神戸好き。英語とは全く無縁の生活でしたが、社会人になって初めての海外旅行(ハワイ)で会話のできないもどかしさを感じ、英会話を勉強することに。旅行会話習得が目標だったはずが、次第に語学留学、ワーホリとエスカレートし、留学先のアメリカで国際結婚。現在アメリカ在住10数年です。趣味は旅行、料理、かわいい動物の動画を見ること。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.