翻訳業務に必須のCATツールとは?無料で使えるおすすめツールもご紹介

CATツール、オンライン英会話、ネイティブキャンプ

英語を学んでいる人の中には、将来翻訳をお仕事にしたいと考えている人もいるでしょう。翻訳をお仕事にするなら、高い英語力が必須ですが、英語読解力や翻訳力だけでは、プロの翻訳家として活躍するのは難しいかもしれません。

なぜなら、翻訳業界ではCATツールというツールが頻繁に使用されており、このツールの使い方がわからなければ、業務を遂行できないこともあるからです。

この記事では翻訳業務にほぼ必須と言っても過言ではないCATツールについて、どういうものなのか、その機能とともにご紹介します。将来お仕事で翻訳をしたいと思っている方は、ぜひこちらを参考にしてくださいね。

CATツールとは?

CATツールの「CAT」とはComputer-Assisted Translationの略で、日本語では「翻訳支援ツール」とも呼ばれます。CATツールはその名のとおり、翻訳作業を支援してくれるツールで、翻訳をお仕事にしている人の大半が何らかのCATツールに触れたことがあるでしょう。

このツールがあるとないとでは、翻訳の効率と品質が格段に違ってきます。特にある程度長文の翻訳作業をする場合には、CATツールがあると非常に助かります。

産業翻訳(ビジネス文書翻訳)の分野では、古くからTradosというソフトが使われてきました。企業に勤めていて、翻訳に関する業務を担当している人だと、Tradosを使ったことがある人が多いはずです。

ただし、現在ではTrados以外にもたくさんのCATツールが開発されており、やや高価なTradosに比べて気軽に使えることから、Trados以外のツールを導入している企業もあります。

CATツールの主な機能

では、具体的にCATツールにはどんな機能があるのでしょうか?現在、市場にはかなり多くのCATツールがあるため、その機能はツールによって異なる部分もあるのですが、多くのCATツールに共通している機能をご紹介します。

翻訳メモリ

翻訳メモリ機能はほぼすべてのCATツールに搭載されているはずです。翻訳メモリとは、一度翻訳した文章を記録してくれる機能で、以前翻訳した原文と同一、もしくは類似の文章が出てきた際に、訳文を表示してくれます。

全く同一の場合は、自動的に訳文が入力されるでしょう。ツールによって異なりますが、90%以上の一致率なら訳文が入力されるツールもあります。一致率が低い場合は、候補として別の場所に表示されるイメージです。完全一致でなければ、どの部分が違っているのかがわかるように表示されるため、訳文のどこを修正すればいいのかもわかりやすくなっています。

実際にCATツールを使ってみなければ捉えづらいかもしれませんが、この翻訳メモリ機能があることで、同一の文章なのに別の訳文を当てたりすることを防げます。

また、一致率が高ければ、翻訳の手間もかなり省けるため、翻訳の効率・時間短縮につながるのです。特にビジネス系の文書だと、同じ言い回しが何度も出てきたりしますから、翻訳メモリがあると非常に助かります。

機械翻訳

機械翻訳やAI翻訳は、翻訳業務に関わらない人の間でも、身近な存在になってきていますよね。最近のCATツールには、この機械翻訳の機能もついています。この機能は、Google翻訳やDeepLといった外部の機械翻訳と連携させているか、CATツール独自の機械翻訳であることもあるようですが、どちらにしても機械翻訳機能がついていることで、原文を理解するスピードが向上します。

特に日本人が英語から日本語に翻訳をする場合、日本語の方が圧倒的に読むのが早いため、機械翻訳文をチェックして原文を読むようにすれば、頭に入りやすいのですね。また、短文のものだと、機械翻訳そのままの文章が使えることもあるため、いちいち自分で訳す必要がなくなる場合もあります。

ただし、プロジェクトによっては機械翻訳の使用をNGとされている場合もあったり、機械翻訳に誤訳や不自然な言い回しがあったりすることにも注意しましょう。機械翻訳の訳す文章に慣れていると、自然な日本語の言い回しがわからなくなってくることもあるため、そこにも注意です。

機械翻訳の訳文は誤訳には簡単に気づけるでしょう。しかし、訳は合っているけど日本語としてもっと自然な言い方があるという場合、日本語能力が高い人でなければ、なかなか修正が必要なことに気づけないかもしれません。

校正機能

多くのCATツールには校正機能・品質チェック機能もついています。たとえば、数字の間違いや句読点の間違いがあると、エラーメッセージや警告アイコンが出たりします。また、原文が以前出てきたものと同じなのに、翻訳文が異なるという場合や、後述する用語集のルールを守っていない場合にもエラーを出してくれます。

原文の解釈誤りやタイプミスなどに関しては、まだまだ人の手による校正が必要ですが、機械的にチェックできる部分についてはCATツールが担ってくれるため、翻訳校正作業の効率化につながるのです。

用語集

用語集とは、特定の単語についてどう訳すべきかをまとめたデータベースのことです。(ちなみに英語ではGlossaryと呼ばれます)

CATツールによっては搭載されていない場合もありますが、これがあることで、翻訳の表記揺れなどを防げます。つまり、同じ単語なのに違う訳し方をしていたり、漢字表記なのかかな表記なのかという部分が混在しないようにしたりできるのです。

CATツールに用語集機能が搭載されていれば、前述の校正機能・品質チェックの部分で、用語集に関してもチェックをしてくれます。これにより、用語集で定義づけられている単語の見落としを防ぐことができるのです。

翻訳を仕事にするならCATツールは必須?

ツールと言われると使うのが難しいのでは?と思う人もいるでしょう。また、翻訳がしっかりできるならCATツールは不要なのでは?と思う人もいるかもしれません。確かにビジネスメールのやり取りなどの翻訳をする場合や、ごく短文かつ単発の翻訳をする場合はCATツールを使わないことも多いです。

しかしお仕事で本格的に翻訳業務をしたい場合は、CATツールは必須。そもそも企業内で翻訳もしくは翻訳校正をする場合には、CATツールの使用が求められることが多いんです。

そして企業内で翻訳をする場合は、1つのCATツールさえ使えれば良いのですが、フリーランスで翻訳をするとなるとクライアントが使っているCATツールに合わせる必要もあり、複数のCATツールを使いこなさなければ仕事がもらえないなんて状況にもなり得ます。

ですから、翻訳をお仕事にしたいなら、CATツールはほぼ必須。どのCATツールでも良いので、CATツールがどういったものか実感としてわかっていれば、どんなCATツールを求められた場合にも、対応しやすくなります。

無料で使えるおすすめCATツール

将来的に翻訳者として活躍したいなら、英語のスキルを磨くとともに、今からCATツールを使ってみてはいかがでしょうか。CATツールには無料で使えるものもあります。無料のものの中でおすすめしたいのが、SmartcatというCATツールです。

日本の企業内で翻訳をする場合はSmartcatが求められることは少ないでしょう。しかし、海外の翻訳会社ではSmartcatを主に使っている企業もあります。フリーランスで翻訳者として働いていると、Smartcatでの納品を求められることもあります。

Smartcatは無料でかなり幅広い機能が使え、日本語UIに対応しているので、日本人にとってもとても使いやすいCATツールです。使い方なども日本語でチェック可能ですから、ひとまず翻訳の練習として何らかの文書を用意して、Smartcatで翻訳演習をしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

実務翻訳の世界では、文中でご紹介したTradosやSmartcat以外にも、TransifexやCrowdin、Smarlingなど、さまざまなCATツールが活用されています。世界中の翻訳業務でCATツールが使われていますから、CATツールが使えれば世界中のクライアントから仕事を得ることも可能なのです。

もちろん日本語と英語だけではなく、他の言語と日本語間の翻訳にも使えるツールですから、英語以外の翻訳者を目指している方も、ぜひ一度CATツールがどんなものなのか、試してみてくださいね。

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