例年より暖かくなるのが遅かったようですが、だんだんと暖かい日も増えてきましたね。春は、単なる季節を表す言葉でもありますが、それとともに「幸せ」や「未来」などといったポジティブなイメージを思わせる言葉でもあります。日本は4月に新年度が始まるということもあり、別れや出会い、新しいスタートを切る時期ですね。それにちなんだことわざや慣用句も多くあります。
そんな春に関連することわざ、英語ではどのようなものがあるのでしょうか。イディオムや語彙の一覧も合わせてご紹介していくので、これからの時期の英会話の参考にしてみてください!
春に関連する英語のことわざ
まずは春に関連する英語のことわざから、いくつかご紹介していきます。直訳するだけでなく、そのことわざが持つメッセージやエピソード、使い方も合わせてみていきましょう。
April showers bring May flowers.
“April showers bring May flowers.”は直訳すると「4月の雨が5月の花を連れてくる」です。これは英語圏の国で広く使われていることわざです。4月に雨の日が多い国では、その雨のおかげで5月にキレイな花が咲くという直訳通りの意味で使われます。
そしてもう一つの使われ方として、雨の日のようにジメジメと気分が落ち込むようなことのあとにはキレイな花が咲くように良いことがある、というような「苦しいことの後には嬉しいことがある」という意味で使われることがあります。日本語のことわざの「楽あれば苦あり」と同じような意味を持ちます。
In like a lion, out like a lamb.
“In like a lion, out like a lamb.”は、正確な英語表記では“March comes in like a lion, and goes out like a lamb.”となります。これは直訳すると「3月は獅子のように始まり、羊のように終わる」という意味で、イギリスの天気に関することわざです。
イギリスの3月は、低気圧による獅子のような春の嵐から始まり、それが終わると羊のように穏やかな気候になることを意味しています。
One swallow does not make a spring.
“One swallow does not make a spring.”は直訳すると「一羽のツバメが春を作るわけではない」という意味です。
ツバメは渡り鳥で、一般的に春になると繁殖のために暖かい地域に渡ります。そのため、ツバメを見ると春が来たと思ってしまいがちですが、中には他のツバメより早いタイミングで渡ってくるツバメもいるため、「ツバメが来たからといってもう春だと判断するのは早い」という意味のことわざです。「一つの事象から起こる物事を判断するのは早合点だ」と言いたいときに使われます。
No matter how long the winter, spring is sure to follow.
“No matter how long the winter, spring is sure to follow.”は直訳すると「どれだけ冬が長くても春は必ず来る。」という意味です。
もちろん、そのままの意味としても使うことができます。冬は他の国でも寒く厳しい季節というイメージを持つため、「辛く厳しい時期を乗り越えたら必ずいいことがある」という意味でも使われます。
「必ず春は来る」という表現を、“spring will follow”でなく“sure”を挟んでいることで必ず来ることを強調していたり、“come”でなく“follow”を使うことで「春は冬のあとに訪れるもの」という部分が強調されているように感じられます。
春に関連する英語ことわざを4つご紹介しました。春は暖かく、それに伴う草木や動物の変化があるというのは、他の国でも共通のようですね。
春に関連するイディオムやボキャブラリー
ことわざ以外にも、春に関連するイディオムやボキャブラリーを紹介します。ことわざよりもさりげなく日常会話に取り入れやすいので、ぜひ覚えてみてください。
Absence makes the heart grow fonder
“Absence makes the heart grow fonder”とは、「離れていることが恋しさを募らせる」という意味のイディオムです。“absence”は「留守、不在」という意味で、“fonder”は「愛情がこもった」を意味する単語の比較級です。
大切な物や人から離れていればいるほど、そのことを考えてしまうことってありますよね。寒い冬が続くほどに春が恋しくなることから、春に関連するイディオムとして選びました。
One swallow does not make a summer
“One swallow does not make a summer”とは、直訳すると「一羽のツバメが夏を作るわけではない」という意味をもつイディオムです。ツバメは冬があけたときに姿を見せる鳥です。だからと言って、一羽見ただけで冬があけて夏がきたと考えるのは時期尚早です。
つまり、「何か一つ良いことが起きたからと言って、その他の良いことまで起きると考えてはいけない」という意味をもちます。
No spring chicken
“No spring chicken”とは、直訳すると「春のニワトリはいない」という意味になってしまいますが、これだとなんのことを言っているのかわかりませんね。実はこのフレーズは、「もう若くない」という意味で使われます。
ニワトリは春に生まれる鳥なので、若鶏のことを“spring chicken”といいます。そこから派生し「若者」「ひよっこ」という意味としても使われるようになりました。“No spring chicken”とすることで、反対の意味の「もう若くない」という意味になるのです。
Let grass grow under your feet
“Let grass grow under your feet”とは、直訳すると「足元に草を生やす」と言う意味になります。足元に草が茂っている様子を想像すると非常に春らしい感じがしますが、これは「グズグズ立ったままでいる」「長い間何もしていない」というネガティブな意味をもつ表現です。
その場に立ち続けていると、草が傷つけられることなく育ち続けるという様子からきていてます。“Don’t let grass grow under your feet”は「サッサと行動しよう」という意味で使われます。
直接春という言葉が入っていないフレーズでも、間接的に春を連想させるような英単語が使われています。春を連想させる単語にはおしゃれなものが多いので、普段の会話をちょっとおしゃれにかっこよくしてみたいなんて時に使ってみてください。
ことわざを通じた季節感の表現
ここまで、春に関連することわざやイディオムをご紹介してきました。ここからは、季節に関する英語での表現について解説していきます。春以外の季節もご紹介していくので、一年を通した日常会話でご活用ください。
「春」の表現
春は英語で“spring”です。これは、「跳ねる」や「急速に成長する」という意味をもつ古英語の“springan”からきています。草花が芽吹いたり、動物界でも新しい命が誕生したりする季節だということを表現する言葉です。
ことわざで使われる表現でも、花や草木に関連するものは国を問わず多く見られます。花が咲くという表現の“blooming flowers”や、日本の春の花の代表とも言える桜“cherry blossoms”などは、春の単語として覚えておくと良いでしょう。
「夏」の表現
夏は英語で“summer”です。これは、「暖かさ」や「太陽の光」を意味する古英語“sumor”から派生し、太陽の日ざしが強く気温の高い夏を表しています。
夏は暑い季節なので、プールや海での水遊びやアイスクリームなどの冷たい食べ物が風物詩として知られています。子供のころに楽しみにしていたものではなんでしょうか。夏のことわざは、夏によく発生する虫に関するものなどが多いです。
秋の表現
秋は英語で“autumn”です。これは、「収穫」や「成熟」を意味するラテン語の“autumnus”からきていて、秋が豊かな収穫の季節であることを表現しています。また、アメリカなどの一部の国では、木の葉っぱが落ちてくることから“fall”と呼ばれることもあります。
秋は農作物の収穫の時期なので、サンクスギビングなどの収穫祭が行われる地域が多くあります。その収穫に関するものや紅葉に関するものなど、秋ならではの自然に関することわざが多くみられます。収穫は“harvest”、紅葉は“fall foliage”です。
冬の表現
冬は英語で“winter”です。これは、「冷たい」「厳しい」という意味をもつ古英語の“wintra”からきています。今でこそ、クリスマスや年末年始など楽しいイベント盛りだくさんな季節ですが、昔の人にとって冬は寒く、食べ物も取りづらく厳しい季節でした。
冬はその厳しさと春の暖かさを対比させるような意味をもつことわざが多くみられます。「雪が降る」を意味する言葉“snowfall”は覚えておくと良いでしょう。
季節に関連することわざやイディオムでは、その季節に関連するイメージが多く活用されています。そのイメージを正しく理解し活用するためにも、その季節感を表す言葉を覚えておくといいですね。それにより、日常で季節に関する会話をする際にも、より豊かな表現ができるようになるはずです。
まとめ
今回は、春に関連する英語のことわざやイディオム、そして季節感の英語での表現方法について解説してみました。ことわざは文化を強く反映させるので、国によってそのことわざがもつメッセージに特色があることが多いのですが、「春は暖かい」「冬は寒く厳しい」という認識は英語圏の国でも共通なため、理解がしやすかったのではないでしょうか。
春を感じた瞬間にこの記事でご紹介したフレーズが使えたら、いつもの英会話が少しおしゃれなものになることかと思います。フレーズそのものを丸暗記するだけでなく、春にまつわるイメージごと理解すると使いやすいと思うので、ぜひこの内容を参考にして会話に役立ててみてください!
◇経歴(英語を使用した経歴)
小中学生時代をアメリカ・ニューヨーク州で過ごした後、高校では英語を専門的に学び大学では主に英語教育を学びました。その中で、実際に中学生に対して学校で英語の授業を行ったり塾講師として受験英語の指導を行ったりしていました。
◇資格
・英検準1級
・TOEIC865点
・中学校教諭一種免許状(英語)
・高等学校教諭一種免許状(英語)
◇海外渡航経験
小学校3年生から中学生までの間、アメリカ・ニューヨーク州で生活し、現地の学校に通っていました。
この経験を通じて、異文化の中で生活する楽しさや戸惑いを肌で感じながら、英語や多様な価値観に触れることができました。
まだ幼いうちに新鮮な経験ができたこともあり、クラスメートとの交流や現地の行事への参加を通じて、自然とアメリカの文化に溶け込んでいく貴重な時間を過ごしました。
◇自己紹介
WEBライターのりんと申します。義務教育時代を海外で過ごした経験を活かして主に英語や教育に関する記事を執筆しております。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.