夏である8月が過ぎ、いよいよ9月に入りましたが暑い日が続いていますね。体感は、まだまだ暑いから夏なのかと思ってしまいますが、暦では立秋をすでに迎えています。
今年は9月22日に秋分の日を迎えるので、暦上ではしっかり秋の季節に入っている…とは言っても暑すぎて、秋はどこ?と感じてしまいますよね。しかし、最近の朝晩は暑さも控えめになり、少しずつ涼しさを感じてきたり、日も段々と短くなってきていると感じた方も多いと思います。
改めて【秋】を表す英語表現を考えてみた時に、ふと何かに気づくことはありませんか?
ある方は【Fall】を思い浮かべ、ある方は【Autumn】を思い浮かべるのではないでしょうか。
そうです。【秋】を表現するのに、2つの英語表現があるという事に気づくはずです。この2つの英語表現はどちらが正しく、何が違うのでしょうか?今回は、そんな【秋】についての英語をご紹介していきます。それぞれの英語表現の違いを知って、語彙力を増やしていきましょう!
- 元々は【秋】を同じHarvestという英語表現で使っていた?
- 〇〇の秋の英語表現
- FallとAutumnの違い
- Fallの意味と使い方
- Autumnの意味と使い方
- FallとAutumnの秋以外の意味
元々は【秋】を同じHarvestという英語表現で使っていた?
【秋】を表現する英語表現が2つあると説明してきましたが、実はもともと1つの英語表現を使っていました。そもそも【秋】の季節は、収穫祭が行われる時期でもあることをご存知でしょうか?
各国で時期の違いがあれど、日本語に実りの秋という言葉があるように、昔は四季の中で秋が一番作物が実る時期でもありました。この時期は、夏前に植えた稲が実を付け新米が収穫でき、木々の果実が実をつけ、山のキノコが生え、畑では芋類が収穫できるなど、あらゆる作物が収穫の時期を迎えるのが秋だったのです。
ちなみに、〇〇の秋と言われる由来は、何をするにも気候が最適なタイミングなのだそう。海外も同じく、人が過ごしやすい秋の季節は作物にとっても最適な時期を迎えるということで、大体の国が秋の季節に収穫祭を開催しています。
その収穫祭を英語で言うとHarvest Festivalと言いますが、実はこのHarvestの部分が【秋】を表現してきた英語表現なのです。
Harvest
(穀物・果物・野菜などの)収穫、刈り入れ、採取、収穫期、刈り入れ時、(穀物・果実などの)収穫物、作物、産物、(一季節の)収穫高、(仕事・行為の)結果
Harvestの意味は、見て分かる通り収穫です。ここから【秋】という意味で使うようになったと言われているようです。
〇〇の秋の英語表現
少し本編と脱線しますが、せっかく前項で〇〇の秋の事を紹介したので、この〇〇の秋に使う英語表現を先にサクッとご紹介しちゃいます!
代表的な食欲の秋・運動の秋・読書の秋を英語表現でご紹介。基本的には〇〇の秋を直訳せず、説明するような文章を組み立てて、相手に“〇〇の秋”を説明する英文を作り、相手に伝えます。
秋は全国共通で皆さんが好きな季節だと思いますので、会話でたくさん使ってみましょう。
食欲の秋
まずは、食欲の秋を説明する英語表現をみていきましょう。
冒頭でもお伝えした通り、〇〇の秋と直訳しても相手には当然ながら伝わりません。なので直訳はせず、“日本ではこういうことで食欲の秋と言われていますよ”という説明をする必要があります。
A:In Japan, autumn is often referred to as “the season of appetite.”
B:The reason for this is that autumn is a season of abundant harvests and delicious food.
A:日本では、秋を「食欲の秋」と呼ぶことが多い。
B:その理由は、秋は作物の収穫が多く食べ物がおいしい季節だからです。
この例文は見ての通り、Aパートでは日本には食欲の秋という言葉があると先に述べています。BパートでAパートの言葉について説明しています。
食欲の秋という言葉自体が日本独特の表現なので、必ず説明を付け加えないと相手にはこの言葉の意味やニュアンスをくみ取ってもらえません。しっかり理由を付け加えておきましょう!
運動の秋
次に、運動の秋の英語表現です。こちらもしっかり説明を付け加えないと相手に言葉の意味とニュアンスが伝わらないので、英文では説明を付け加えることを忘れないようにしましょう。
A:In Japan, the autumn season is also known as the autumn of exercise.
B:This is because autumn is a suitable season for sports. The weather is neither too hot nor too cold.
A:日本では、秋は運動の秋とも言われています。
B:なぜなら秋は暑すぎず寒すぎず、スポーツに適した気候だからです。
これまでと同じように、Aパートでは言葉の紹介、Bパートでは説明をするという構図になっています。
読書の秋
最後は、読書の秋の英語表現です。
A:In Japan, there is a term called “autumn for reading”.
B:The reason for this is that in autumn, the nights are longer and there are more hours suitable for reading.
A:日本には「読書の秋」という言葉があります。
B:秋になると夜が長くなり、読書に適した時間が増えるからです。
こちらもこれまでと同様に、AパートとBパートで言葉の紹介と説明をする構図で表現しています。
FallとAutumnの違い
さて、遅くなりましたが、今回の本題に入ります。この記事の冒頭で、【秋】を表現するのに2つの英語表現があると記述しました。見出しにある様に、その英語表現とはFallとAutumnの2つです。
秋めいてきた街を歩いていると、お店の外に「オータムセール」や「オータムキャンペーン」などの文字を見かけることはありませんか?筆者はこの広告表示を見ると、秋だなぁと感じながら街を歩くのですが、ここで言う「オータム」は文字の通り、秋を示すAutumnの事ですよね。
では、Fallはどこで使われているんだっけ…?と疑問に思いませんか?そんなFallとAutumnの違いを少し詳しく掘り下げていきます。
簡潔にfallとautumnの違いを述べると、
アメリカの英語圏で秋を言うには、Fall
イギリスの英語圏で秋を言うには、Autumn
なのです。違いの理由は実にシンプルですね。しかし、この違いに至るまで【秋】を表現する英語は、元々どちらの英語圏でもharvestという1つの英語表現を使っていました。
もともとHarvestという言葉で統一されていたはずなのに、どうして2つに分かれたのでしょうか?
その理由は明確に解明されているわけではありませんが、諸説によると各地で移民として他の国に移り住み人々の移動が増えた頃、人々は街に移り住むことが増えていき農作業とはかけ離れていった人々に【秋=収穫】のイメージが無くなっていったからでは、と言われています。
そこから、元々はラテン語だったAutumnus(増大する時期・季節 ※諸説あり)が語源のAutumnとFall of the leaf(落ち葉)が語源のFallに分かれていったとされています。
その後、イギリスではAutumnが主流で使われていき、Fallが使われなくなったそうです。現代でも、イギリスではAutumnが【秋】の表現で最も使われています。
一方のFallは、アメリカで最も【秋】を表現する英語表現として使われています。これは、イギリスからアメリカへ入植した人々が【秋=Fall】を使っていた人々だったという説が有力だそうです。そのため、アメリカではFallが一般的に使われるようになったと言われています。
ここからは、FallとAutumnに分けて説明していきます。
Fallの意味と使い方
まずは、アメリカの英語圏で使われているFallについてです。前項で記述した通り、Fallの由来はFall of leaf(落ち葉)から短縮されてFall=秋と使われるようになりました。
Fall
(重力によって無意図的に)落ちる :、落ちる、落下する、降る、降りる、とれて落ちる、散る、抜け落ちる、(特に、突然不本意に)倒れる
落下を意味する英語表現ですが、倒れるという意味でも使われています。Fall自体は動詞で使われることが多く、落ちる・降りる・倒れるという表現でよく使われています。
As more and more leaves fall, it feels like fall, doesn't it?
葉がどんどん落ちてくると、秋を感じるよね。
Autumnの意味と使い方
続いて、イギリスの英語圏で使われているAutumnについてです。
Autumnは秋を表すラテン語「Autumnus」(読:アウトゥムヌス、オウトゥムヌス)という言葉が次第に変化し、フランス語である「Autompne」(読:オトンヌ)となって、最終的には英語の「Autumn」となったと言われています。
Autumn
秋、秋季、成熟期、凋落(ちようらく)期、(人生の)初老期
こちらは名詞・形容詞で使われていますので、Fallのように動詞では使えません。
ちなみに、Autumnに関して言えば、アメリカではカジュアルな表現の場合はFallで秋を表現し、フォーマルな場面や詩的な表現で秋を言う時にはAutumnを使うなど、使い分けをしているようです。
FallとAutumnの秋以外の意味
最後に、FallとAutumnの秋以外の意味を少しだけご紹介します。
まず、Fallに関して言えば、先ほども記述した通り、落ちるという表現の動詞で使われているので、「〇〇が落ちる」という表現の際に、動詞にFallをつければOKです。
The poster, which was supposed to be fixed firmly, had fallen down when I looked at it today.
しっかり固定されているはずのポスターが、今日見たら落ちていた。
そして、Autumnに関しては、Fallとは違って動詞では使えませんので要注意です。前項で紹介した際に和訳を載せましたが、その中にある成熟期、凋落(ちようらく)期、(人生の)初老期の部分を表現する際に使うことがあります。
あまり日常会話で使うことは無いかと思いますが、知っておくと知識となりますので片隅に覚えておいてもいいのではないでしょうか。
Since I am entering my autumn of life, this is the year I plan to go for a proper medical checkup.
人生の折り返しを迎える今年こそ、きちんとした健康診断を受けようと思っている。
◇経歴
高校卒業後にオーストラリアへ単身渡豪。
当初は1年で帰国するはずが、留学生活がとても充実していたため結果的に3年滞在。
その後は、外資系アパレルで英語を使う仕事に就き英語を活用し働く。
現在も英語のラジオやスポーツ実況などは英語で聞きつつ、英語力の維持に努めながら仕事に活かす。
◇海外渡航経験
オーストラリア3年留学。
現地のアパレル・レストランのアルバイト
その他、バリ・香港などの経験
◇自己紹介
高校卒業後にオーストラリアへ単身渡豪し3年滞在。
当初1年で帰国する気満々で渡豪するも現地の生活があまりにも楽しく、結局3年滞在するという自由人。
現地に永住するか悩んだ末、日本での社会人経験を積むべく帰国。
その後は英語を活かし、外資系アパレルなどで仕事をしつつこのコラムを執筆中。
邦楽より洋楽が好きで、留学の3年間で染みついた海外志向は抜けないねと友人に指摘される程わりと思考は海外向け。
美味しいもの・楽しいことが大好きな関西人で、人と喋ることも好きなくせに割と家にいるのが好き。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.