「今日なんかハイテンションだね!」「今日のあの子、テンション高いなー」
何かに興奮して盛り上がってる人を見たとき、日本語でこんなフレーズを使うこともあるでしょう。では、このフレーズを英語にできますか?
英語勉強中の人だと、パッと思い浮かばないかもしれませんね。もしくは ”high tension” と思っている人もいるのではないでしょうか。しかし、英語で ”high tension” というと、日本語の「ハイテンション」「テンションが高い」とは全く異なる意味となります。
今回は、「ハイテンション」「テンションが高い」を、英語でどう表現するのか詳しくご説明していきます。
「high tension」はNG!
もちろん英語でも、人に対して「テンションが高い」というコメントをすることがあります。しかし、その時に使われる表現は ”high tension” ではありません。
実は「ハイテンション」や、日本語での「テンション」の使い方は、完全な和製英語。
なぜこんなカタカナ語ができたのか不思議ですが、英語の ”tension” の本来の意味は「緊張」です。しかも、あまり日常生活で使われる表現ではないんです。堅めのニュース記事なんかでは目にするかもしれませんね。
ちなみに “tension” の形容詞形である ”tense” は日常生活でも使われます。こちらも「緊張」という意味で、たとえば “I felt tense.” と言えば、「私は緊張しました。」という意味になります。
「緊張」には “nervous” を使う人も多いでしょう。この2つには小さな違いがあり、 “tense” だとピリピリしてイライラしているような緊張の仕方で、 “nervous” だと、そわそわ落ち着かないイメージです。
そんな “tense” という言葉のニュアンスから言っても、なぜこれが日本語の「テンション」として使われるようになったか不思議ですね。
そういうわけで、テンションが高い時に “high tension” と言ってしまうと、全く意図が通じません。「なんだかとても緊張している状態なことを伝えたいのかな?」と思われてしまうでしょう。
「ハイテンション」「テンションが高い」を表す英語表現
では、「ハイテンション」「テンションが高い」と言いたい時、英語ではなんと言えば良いのでしょうか。これは、そのテンションの高さが、どんな質のものかにもよります。
つまり、「ハイテンション」にあたる英語表現はいくつかあり、ニュアンスによって使い分けが必要なんですね。ここからは、「ハイテンション」と言いたい時に使える英語表現ごとに、その使い方をご説明していきます。
1)Excited(興奮している・ワクワクしている)
まずは多くの人が知っていると思われる、こちらの英単語から。”Excited” は、「興奮している」という意味ですが、何かを楽しみにして、ワクワクしている時にも使えます。「ワクワク+興奮」といった感じですね。
ですので、何か嬉しいことがあってワクワクしていて、なんだか落ち着かない様子の人を表す「ハイテンション」は “excited” で表すことができます。
A: She seems very excited today.
(今日の彼女はかなりテンション高そうだね。)
B: No wonder. Her favourite singer is coming to town tonight.
(当たり前だよ。彼女の好きな歌手が、今夜町にくるんだ。)
2)Hyper(ハイテンション・テンションが高い)
日本語の「ハイテンション」にぴったりな表現は “hyper” かもしれません。
”Hyper” は、なんだかめちゃくちゃ元気でよく喋ったり、動いたりしている状態を表します。そういう人を見たら「ハイテンションだ」と言いたくなりますよね。
ただ、 “hyper” は皮肉だったり、テンション高い人をうるさく思っていたりする時にも使われるので、使いどころには要注意。使い分けが難しいなら、意味だけ捉えておいて、自分ではあまり使わないようにするのがおすすめです。
A: She seems hyper today. What’s going on?
(今日の彼女、ハイテンションだね。どうしたの?)
B: I know. Apparently she got an autograph from her favourite singer last night.
(そうだね。昨日の夜、好きな歌手からサインをもらえたらしいよ。)
My brother is always hyper, so I can’t focus on my homework at home.
(私の弟はいつもハイテンションだから、家で宿題に集中できないの。)
3)Crazy(クレイジー・大騒ぎしている)
“Crazy” は、もはや「クレイジー」というカタカナ語として使う人も多いので、イメージがわきやすいでしょう。
たとえば、なんだかクレイジーな騒ぎ方をしている人に、「テンションが高い」と言いたい時は、この一言ですませることができます。
「ハイテンションすぎる」「テンション高すぎる」というのに、しっくりくるかもしれません。
They always go crazy at parties.
(彼らはいつもパーティーでクレイジーになっちゃうんだ。=テンションが高すぎる)
“Crazy” という言葉自体、一つの言葉でたくさんのことが表せるので、「ハイテンション」と言いたい時に、いつも “crazy” を使うのはおすすめできません。
また、ニュアンスも言い方や状況次第で、ポジティブにもネガティブにもなるので、使いどころには気をつけましょう。
4)Full of energy/ Energetic(超元気)
「ハイテンション」が、すっごく元気な状態のことを意味するなら、 “full of energy” や “energetic” で表すことができます。「超元気!」「やる気満々!」なんてときは、こちらですね。
A: You are always energetic! I like that.
(あなたっていつも元気いっぱいね。それって素敵。)
B: Yes! But especially today, I feel full of energy, because of your compliment!
(うん!でも特に今日はテンション高いよ。君の褒め言葉のおかげでね!)
5)Pumped up/ Pumped(ハイテンション・テンションが高い)
最後にご紹介する “pumped up” は、「ハイテンション」を意味するスラングです。
スラングなので、使えなくても良いのですが、こういう表現があるということは覚えておきましょう。
Let’s get pumped up!
(テンション上げていこう!)
※よく使うフレーズなので、まる覚えがおすすめ
This party is extremely crazy! I’m really pumped!
(このパーティーはかなりクレイジーだね!マジでテンション上がるわ。)
日本語訳を見てもおわかりのとおり、この表現はスラングです。これ単体では下品な表現ではありませんが、初対面の人と話すときやビジネスシーンでは使うのを避けましょう。
ここで少し余談!
下記に、間違えて使ってしまいやすい表現をまとめた記事をピックアップしました!ぜひ参考にしてみて下さい♪♪
まとめ
今回ご紹介した「ハイテンション」「テンション高い」に当たる英語表現は、英語圏の日常生活でもかなり使われている表現です。
ですので、しっかりニュアンスを捉えて使えるようになると良いですね。英語の海外ドラマや映画を見ていると、耳にすることもあるかもしれませんよ。
ネイティブスピーカーや英語講師が、これらの表現をどう使っているかを見るのも、ニュアンスを捉えるためには参考になるはず。使い方をより深く知りたければ、ぜひネイティブキャンプの講師に質問してみてくださいね。

◇経歴
・英日翻訳および翻訳校正
・Webライター(ジャンル:英語・留学・旅行など)
・英会話講師
・カスタマーサポート/コールセンター(イギリスおよび日本・英語使用)
・カフェ店員(イギリス)
◇資格
TOEIC935点
英検準1級
ケンブリッジ英検FCE合格
◇留学経験
・イギリス:約10ヶ月(ロンドン内語学学校)
・グアテマラ:約3ヶ月(アンティグア内語学学校)
◇海外渡航経験
・イギリス:合計5年弱(内1年10ヶ月ワーホリ)
・グアテマラ:合計9ヶ月
合計50カ国に渡航歴あり
◇自己紹介
国内外で翻訳者兼Webライターとしてフリーランスをしています。これまで手がけた記事は1万記事以上。翻訳経験は通算7年位になります。
21歳の頃語学留学で渡英し、その後ワーホリビザ等を取得し、数年ロンドンで働いていました。
グアテマラへのスペイン語留学経験もあります。