偶然の出来事に対して使える「たまたま」の英語表現とは??

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昨日たまたま元カノにあったんだ、といった話であったり、入手困難なレアなスニーカーをたまたまもらったんだ!といった話であったり、英語で日々の出来事を話せるようになりたいと考えている人も多いはず。

毎日忙しく色々なスケジュールに追われる私たち現代人。きちんと計画を立てていても予期せぬことが起こることはたくさんあるでしょう。

今回の記事では、このような偶然起こったことを表現したい時に使える英語表現をご紹介していきます。

「たまたま」ってどういう意味?

まずは日本語での「たまたま」の意味を見ていきましょう。たまたまを漢字表記すると偶々となり、漢字からも偶然と近い意味をもつことがわかります。そしてたまたまを辞書で調べると下記のような意味がでてきます。(大辞林 第三版より引用)

1、何らかの目的・意図もなくそうなるさま
a)思いがけなく、そのような事態・状況に出くわすさま。ちょうどその時。「通りがかりに-目撃者となる」
b)うまい具合にそういう事態・状況になるさま。運よく。「 -医者が来合わせていた」

2、そのような機会がまれにしかないさま。時おり。「 -しか会えぬ」 「 -の逢瀬」

日本語の「たまたま」もこのように異なるニュアンスを表現していることが分かります。

たまたまと偶然は同じ?

はじめに述べたように「たまたま」を漢字表記すると「偶々」となり「偶然」と同じ漢字が用いられているところからもわかりますが、日本語においてはたいていの場合「たまたま」と「偶然」は置き換えが可能です。

ところが、例えば「昨日はたまたまお腹が痛くて…」はしっくりきますが「昨日は偶然お腹が痛くて…」にはすこし違和感があるように、ニュアンスの違いは存在します。

また、「たまたま」「偶然」の中にも、ラッキー!と思える良い偶然とついてないなぁと思う悪い偶然があるように、ここからはそのようなニュアンスの違いも含めた「たまたま」の英語表現を見ていきます。

「たまたま」を英語で言うと?

それでは早速「たまたま」の英語表現を見ていきましょう。

happen to

先が分からない、予期せぬ出来事などが起こる,生じるという意味をもつhappen。

happen to~を辞書で調べると、「図らずも~する」「期せずして~する」と出てきます。偶然何かが起こったことを表現する時、対「人」でも対「もの」でも使えるとても便利な表現です。

I happened to meet him yesterday at that café!

昨日たまたまカフェで彼に会ったんだ!

Yesterday, I saw Brad Pitt.

昨日ブラッドピット見たんだ。

What? Where? Why? Was he nice?

え?どこで?なんで?かっこよかった?

Near my office and I just happened to pass by. And of course, he was really cool and sexy.

会社の近く、たまたま通りかかったんだ。もちろんめちゃくちゃかっこよかったよ。

How’s your work?

仕事どう?

I’m just happening to be doing well now.

今はたまたまうまくいってるかな。

また同じhappenを使ってIt happens that ~という形で表現することも可能です。先ほどの例文をこちらの構文を書き換えると、

It happened that I met him yesterday at that café!

となります。that節の中の文章は時制を合わせてmeetの過去形metになる点には注意しましょう。happen toもit happens that~も同じ内容を表しますが、it happens that~の方が少し硬い表現となり、使用頻度もhappen to の方が多くなります。

また、happen toを使って「ひょっとして」「もしかして」と遠回しになにかを尋ねる表現ができます。

Do you happen to know her phone number? If so, please let me know!
もしかして彼女の電話番号知ってる?もしそうなら、教えてー!!

encounter

to meet someone unexpectedly(Cambridge dictionaryより引用)が示すとおり、人に偶然出会う,出くわすという意味になります。

会うを表現する際、meetが最も一般的な単語になりますが、meetに比べ若干硬い表現であることと、encounterには偶然というニュアンスが加わっていることが違いになります。

On my way home, I encountered my old friend.
帰宅途中に旧友にばったり会った。

run into

前置詞intoは~の中へ、内部へというイメージを持つ前置詞です。その内部に入り込むというイメージから衝突というニュアンスが生まれました。

そして走るのrunと衝突のイメージのintoというイメージからばったり会う、人に偶然出くわすという意味を表すようになりました。

I ran into Meg at the station.

駅でメグにたまたま会ったの。

このrun intoですが、文字通り「走って~の中に入る」という意味や「ぶつかる」という意味もありますので、文脈から意味をとる必要があります。

She thought she saw a suspicious person, so she ran into her house.

彼女は不審者を見たと思ったので家に逃げ込んだ。

The car ran into a telephone pole.

車が電柱に衝突した。

bump into

なにかにドンと打ち突き当たることや衝突を表すbump。

車のbumper(バンパー)はここから来ています。またたんこぶのこともbumpと表現できます。run intoと同様に前置詞のintoを付けてドンと突き当たるイメージからたまたま会うを表すようになりました。

I bumped into my ex-boyfriend yesterday...it was a bit awkward because I was just on a date with my new boyfriend!
昨日元彼に偶然会ったんだけど…ちょっときまずかったよ、だって新しい彼氏とデート中だったんだもん!

come across

comeは「来る」と覚えている方も多いと思いますが、comeという言葉が持つイメージは「(話し手が視点を置いているところへ)なにかが向こうからやってくる」です。

そして、前置詞acrossには横切る・十字というイメージがあります。その2つを組み合わせた結果、何かが十字に横切ってくるというイメージになり、偶然というニュアンスが生まれてできた表現がcome acrossです。come acrossは基本的にはなにか「もの」や「情報」などを偶然見つけた時に使います。

I came across my wedding ring in theat kitchen yesterday!
昨日たまたまキッチンで結婚指輪見つけたの!

上記の例文ではfindを使って「見つける」を表現もできますが、偶然の意味合いが感じられません。ですので、もしfindを使う際は、I found my wedding ring in theat kitchen by chance yesterday! のようにby chanceを加えるとよいでしょう。(こちらは後ほどまたお話しします)

そしてcome acrossの後ろには基本的には「もの」や「情報」などを置き、「人」ではないとお話ししました。

人を後ろに置くこともできるのですがそれはとても限られた場面で、知り合いや友人にたまたま会った時にはあまり使われません。

限られた場合というのは「人材」としての人で、スポーツチームのスカウトや採用といったシーンで良い人材にたまたま出会ったときなどに使われます。

stumble on

つまずく、よろめくを表すstumble。自動詞のため~につまずくとする際はonを使います。

Running along the beach, she stumbled on a log and fell on the sand. (Cambridge dictionaryより引用)
彼女は浜辺を走っていたとき、丸太につまずいて砂の上に転んだ。

なにかにつまずく時、私たちはもちろんつまずくことを予想などしていません。そこからstumble on にたまたま・偶然というニュアンスが生まれました。こちらもcome acrossと同様に「もの」に偶然出会う場面で使われることが多い表現です。

I stumbled on this fantastic little restaurant the other day.
先日、この素敵な小さなレストランをたまたま見つけた。

ここまでは動詞を使って「たまたま」を表現する方法を見ていきました。しかし、人に使うべき表現だったりモノに使うべき表現だったり、前置詞が異なっていたり、と少し混乱してしまうかもしれません。

そこで、ここからは文に足すだけで「たまたま」のニュアンスを足すことができる便利な副詞や表現を紹介します。

by accident/accidentally

日本語でも「アクシデント」とよくカタカナ表記で使われるこの単語。

日本語でアクシデントというと、事故や予期せぬ故障などなにか悪いことがあった時に使うイメージがありますが、英語ではsomething that happens by chance, without anyone intending or planning it(Cambridge dictionaryより引用)とあるように、良いこと悪いことあわせて「たまたま」起こったことを表現できます。by accidentも副詞形のaccidentallyも同じ意味で使うことができますが、文中の置く位置には違いがあります。

accidentallyは文頭、文中、文末どの位置にも置くことができますが、通常by accidentは文末に置きます。

Is she going to quit?

彼女会社辞めるの?

I just overheard the information by accident but I think that’s true.

たまたま聞いちゃったんだけど、本当だと思う。

by chance

こちらも日本語でも馴染みのあるチャンスを使った表現。

chanceには機会,好機,可能性という意味ありますが、the force that causes things to happen without any known cause or reason for doing so(Cambridge dictionaryより引用)とあるように、偶然,運,めぐり合わせ.という意味も持ちます。

先ほどcome acrossの例で挙げたように、たまたまというニュアンスを簡単に付け加えることができます。

I found my wedding ring in theat kitchen by chance yesterday!

昨日たまたまキッチンで結婚指輪見つけたの!

I heard you got promoted! Congratulations!

昇進したって聞いたよ!おめでとうーー!

Thanks, but it was just by chance. I have to work harder!

ありがとう、でも本当にたまたまだよ。がんばらなきゃ!

ここでのit was just by chanceはI was just lucky.という風に言い換えることもできます。

luckily

こちらは運のよい・幸運な、を表すluckyの副詞形を用いた表現。ですので運よく、幸運にもというポジティブなニュアンスを含んだ「たまたま」になります。

How did you get these World Cup tickets?

ワールドカップのチケットどうやって手に入れたの?

Luckily, I have connections. Do you want some?

たまたまコネがあってさ。君もいる?

unexpectedly

予期する・予想するという意味のexpect。

その副詞形expectedlyの反対語は否定を表す接頭辞unを付けてunexpectedlyとなります。そこから予期せずたまたま、という状況を表すことができます。

Unexpectedly, nobody complained. (Cambridge dictionaryより引用)
たまたま誰も文句を言わなかった

ここで余談。先ほど述べた接頭辞。英語ではprefixと言いますが、単語の前に付け加えてその単語とともに一語を形成し、特定の意味を付加する作用を持つものを言います。

様々な種類がありますが、ここでは否定を表す接頭辞をご紹介します。

in) visible 見える⇔invisible 目に見えない
im) possible 可能な⇔impossible 不可能な
il) legal 法律の、適法の⇔illegal 不法な
un) happy 幸せな⇔unhappy 不幸な
dis) agree 同意する⇔disagree 反対する
non) fiction フィクション⇔nonfiction ノンフィクション

否定を表す接頭辞の他にも、共に・一緒にを表すco(共存するcoexist)、下にを表すde(減少するdecrease)、~にするという意味を表すen(啓発するenlighten)などがあります。

接頭辞の持つ意味を知っていると、知らない単語に出会った時もその意味を推測しやすくなりますし、語彙力強化にも役立ちますので少し気にかけて単語を眺めてみるといいかもしれません。

by coincidence

同時に起こること、同時発生、一致、合致、偶然の一致を表す名詞のcoincidence。これまででてきたby chanceやby accidentのように、by coincidenceとすると、偶然を表す表現となります。また、同じcoincidenceを使って

What a coincidence! なんて偶然!奇遇!
It’s just a coincidence. たまたまだよ。

という表現もあります。


ここで少し余談!

下記に、日本語ではよく使うけど、英語だとなんといったらいいのか分からない言葉をまとめた記事をピックアップしました!ぜひ参考にしてください♪♪


まとめ

今回は「たまたま」の英語表現や関連語をご紹介しました。いかがでしたか?

私たちの身の回りにはたくさんの「偶然」があふれています。予期せぬ出来事に遭遇したとき、それがいいものであれ悪いものであれ、その状況・場面を受け入れ楽しめる自分でありたいな、とこの記事を書きながら思いました。

人に偶然出くわすとき→happen to, encounter, run into, bump into
モノに偶然出くわすとき→happen to, come across, stumble on
文頭・文末で副詞的に表現→by accident/accidentally, by chance, luckily, unexpectedly, by coincidence

本日ご紹介した「たまたま」や「偶然」の表現をぜひ英会話レッスンでも使ってみてください!

それでは最後『トム・ソーヤーの冒険』の著者として知られるアメリカ人作家Mark Twain (マーク・トウェイン)の名言をひとつご紹介します。
Name the greatest of all inventors. Accident.  - Mark Twain (マーク・トウェイン)
最も偉大な発明家はだれか?それは「偶然」だ。