韓国語の用言の活用は得意ですか?~「ㄹ語幹」について~

Korean

韓国語学習を進めていく中で、つまずきやすい点がいくつかあります。

主なものは、まず「音変化(発音変化)」でしょうか。それから、数字や間接話法などでつまずく人も多そうです。

不規則活用も混乱しやすいかもしれません。

不規則といっても一定のルールによって用言(動詞や形容詞)を活用させるのですが、頭で考えすぎると、初級者はどうしても混乱してしまいます。

今回取り上げるのは、不規則活用とはまた少し違う範囲のㄹ語幹の用言の活用についてです。

(注意)ㄹ語幹の用言の活用についても「不規則」活用に分類しているテキストやサイトもあるのですが、例外なくルールに沿って活用するので、この記事では、ㄹ語幹の活用として取り扱います。

そもそも語幹とは…?

少し固い文法用語の羅列から入ってしまいました…。

さて、そもそも語幹って何か説明できますか?

そうです。

辞書に載っている基本形の「~-다」から、-다と取ったものを語幹といいますね。

例えば、「가다」だったら、「다」を取って残った「가」が語幹となります。

語幹は大きく3種類に分けられます。

・母音語幹(가다などの語幹)

・子音語幹(먹다などの語幹)

・ㄹ語幹 (살다などの語幹)

です。

母音語幹というのは、先に述べた「가다(行く)」のように、パッチムがない用言の語幹です。

子音語幹とは「먹다(食べる)」のように、パッチムがある用言の語幹です。

そして、ㄹ語幹とは、子音語幹にちょっと似ている感じもするのですが、他の子音語幹とは少し異なる活用をし、ㄹパッチムが付く語幹のことです。

「살다(生きる)」などの語幹です。

ということはつまり、子音語幹は「ㄹ」以外のパッチムのつく語幹のことを指すことになりますね。

ここまでが「語幹」の説明でした。

皆さんは、この3種類の語幹について、きちんと活用させることができますか?

以下、ちょっと問題です。次の動詞をハムニダ体にしてみてください。

① 가다 →(ハムニダ体に)→??

② 먹다 →(ハムニダ体に)→??

③ 살다 →(ハムニダ体に)→??

少し簡単すぎるでしょうか? 答えは、

① 갑니다

② 먹습니다

③ 삽니다

となります。

③を살습니다と答えてしまった方はいらっしゃいませんか?

もしここで、살습니다と活用させてしまったのなら、ㄹ語幹の基本についてもう少し復習した方がいいかもしれませんね。

大丈夫です、以下でしっかり説明していきます。

ㄹ語幹をもっと詳しくみてみよう!

上で述べたように、ㄹ語幹のハムニダ体では少し注意が必要です。

語幹末の「ㄹ」が脱落してから「-ㅂ니다」が付きます。

練習してみましょう。

脱落というと難しい感じがしますね。“消える”と解釈してもいいかと思います。

ここで少し問題です。

以下の3つの動詞を、単純なハムニダ体にしてみてください。

基本形 意味 -ㅂ니다
놀다 遊ぶ
만들다 作る
알다 知る

<正解>ア、놉니다  イ、만듭니다  ウ、압니다

ㄹが消えていますね!

この「ㄹ」が消えたり出てきたりするので、ややこしいと感じる人がいらっしゃいます。

では、ㄹはどんな時に消えるのでしょうか(脱落するのでしょうか)?

次からがポイントです。整理していきましょう。

ㄹが消えるのはどんな時?~sponの法則~

<ㄹ語幹の活用ルール>

その① あとに続く「으」は消えます。

その② あとに「ㅅ[s] 、ㅂ[p]、오[o]、ㄴ[n]」の子音が続く時に「ㄹ」が消えます。

その①は後で説明します。

また、さきほどの問題では、その②のルールのうち、「ㅂ」が続いていたので、ㄹが消えていたんですね!

その②のルールは、正式な名前の法則でなく、語呂合わせに近いのですが、「sponの法則(スポンの法則)」と呼ばれていたりします。

ただし、その②のうち、오[o]が続く文法は、古い文法で、現代ではほとんど使われません。

(ちなみに、오[o]が続く文法ですと、멀다が머오になるようです。)

ですので、テキストによっては、오[o]を省略して、「ㅅ[s] 、ㅂ[p]、ㄴ[n]」の3つで、「スポンと落ちる」と説明しているケースも見受けられるようです。

表にまとめてみます。

意味 -십니다
(尊敬形)
-ㅂ니까 -는
(現在連体形)
-(으)면
놀다 遊ぶ 노십니다 놉니다 노는 놀면
만들다 作る 만드십니다 만듭니다 만든 만들면
알다 知る 아십니다 압니다 아는 알면

いかがでしょうか。

納得いきましたか?

表の左側から順に、「ㅅ[s] 、ㅂ[p]、ㄴ[n]」の語尾になっており、ㄹが消えているのが分かるかと思います。

오[o]はあまり使われないので省略しました。

ちなみに、表の一番右がルールその①でして、ㄹ語幹は「으」と仲が悪いのか、共に使われないんです。

ㄹは消えないんですが、「놀으면」とはいいませんので、少し注意が必要ですね。

機械的に表で活用してきたので、内容や意味も分かるかどうかを確認するために、例文も少しみていきましょう。

편의점에서 삽니다.

(コンビニで買います)

시골에 삽니다.

(田舎に住みます)

집에어 놉니까?

(家で遊びますか?)

노는 사람이 누구입니까?

(遊んでいる人は誰ですか?)

마음에 드는 것이 있어요?

(お気に入りのものはありますか?)

ここで「あれ?」と思った方、いらっしゃいますか?

「편의점에서 삽니다.」と 「시골에 삽니다.」は、どちらも삽니다で同じ発音ですが、基本形は違いますね!

편의점에서 삽니다.の삽니다 は사다(買う)のハムニダ体、시골에 삽니다.の삽니다は、살다(生きる、住む)のハムニダ体です。

文脈によってどちらの意味になるか判断してくださいね。


ここで少し余談!

韓国語を習得しよう!と思っている方、下記記事は必見です語学学習中に必ず訪れる「スランプ」の乗り越え方をご紹介しています♪♪

nativecamp.net


ㄹ語幹活用とㄷ不規則活用の区別

ここまでは、初級をきっちりおさえていれば、余裕で答えることができた人もいたかと思います。さて、次のようになってくると、どうでしょうか?

次を-(으)ㄹ까요(~だろうか?)や-아/어서の語尾 で、活用させてみてください。エ~スを埋めてみましょう。

不規則活用をする用言も混ぜてあります。

基本形 意味 -(으)ㄹ까요? -아/어서
사다 買う
걷다 歩く
걸다 かける
듣다 聞く
들다 入る

<正解>

エ、살까요?  オ、사서

カ、걸을까요?  キ、걸어서

ク、걸까요?   ケ、걸어서

コ、들을까요   サ、들어서

シ、들까요 ス、들어서

全部正解したら、きちんと活用が身についていると思います。을や어が入るのかどうかで迷った方、いらっしゃいませんか?

では、空欄が埋まった形で、説明も加えた表をよく見てみましょう。

基本形 意味 -(으)ㄹ까요? -아/어서
사다(正則) 買う 살까요? 사서
걷다(ㄷ不規則) 歩く 걸을까요? 걸어서
걸다 (ㄹ語幹) かける 걸까요? 걸어서
듣다 (ㄷ不規則) 聞く 들을까요? 들어서
들다 (ㄹ語幹) 入る 들까요? 들어서

※ここで注意です。

걷다は「歩く」の意味では不規則活用しますが、「集める」という意味になった時には不規則活用しません。

このように、意味によって、不規則活用する時と正則活用するときとある場合がありますので、都度、覚えていきましょう。

さて、上の表の下2段の、듣다 (ㄷ不規則)と들다 (ㄹ語幹)で、「을」が入ったり入らなかったり、しかしながら、「어」になると、どちらにも入ったり…。

いや、入らないのもある…?これについて、こんがらがっている人はいませんか?

語尾をある分類の仕方で3つに分けると、語幹にそのままつくもの(例:-지만、-겠など)、으の語尾(例:-(으)면 、-(으)을 수 있다、-(으)을 때など、パッチムの有無によって으がつく語尾)、아/어の語尾(例:-아/어서、-았/었다など)があります。

そして、上の表では、으の語尾が付く時、 ㄹ語幹では、을は消えたように見えます。

正確に述べると、これが、<ㄹ語幹の活用ルール>その①の、으の脱落に当たります。

例文を見てみます。

例)

시간이 있으면 전화를 걸까요?

(時間があったら電話をかけましょうか?)

시간이 있으면 걸을까요?

(時間があったら歩きましょうか?)

上の2つの文はそもそも基本形が違うので、意味も違います。

上の例文は、ㄹ語幹の걸다、下の例文は、ㄷ不規則活用の걷다です。

しかし、아/어の語尾に続く時は、ㄹ語幹もㄷ不規則活用も同じような形になります。

例)

아버지가 잠자리에 들었어요.

(父が布団に入りました)

아버지한테서 들었어요.

(父から聞きました)

上の例文の基本形は、ㄹ語幹の듣다、下の例文の基本形は、ㄷ不規則活用の듣다ですが、どちらも同じように活用していますね。

後半はやや複雑だったでしょうか?

最後に듣다と들다で全体的にまとめてみます。

スペースも限られるので語尾は代表的なものだけ選びました。

実際は、数えきれないくらいたくさんあります。

語幹にそのままつく語尾 으の語尾 아/어の語尾
-지만 -는 -을 -면 -아/어요 았습니다
듣다 듣지만 듣는 들을 들으면 들어요 들었습니다
들다 들지만 드는*1 들*2 들면*2 들어요 들었습니다

*1 sponの法則のㄴ[n]でㄴ脱落

*2 活用ルールその①の으脱落

口から活用が自然に出てくるのが大事

ここまで筆者が勝手に活用表に整理してきたのに、大変、言いにくいのですが…、本来ならば、こういった表を利用しなくても、頭に自然に活用をしみこませて、口から出てくるのが理想なのかもしれません。

話す時に、いちいちこの表を思い出していては、とても会話のスピードにはついていけないからです。

テストなどで作文を書く時は、それなりに頭でいろいろ考えをめぐらすことができますが…。

上記は、あくまでも混乱している方むけにまとめたもので、既にしっかり活用が頭に入っている方には不要かと思います。

混乱している方には表があった方がいいかもしれないと思ったのと、私自身、ある程度、活用できていたのが、時々、口ごもる時が正直あり、一度、表に整理したらスッキリしたことがあったので、この場を借りてまとめてみました。

これについては、さきほどの「sponの法則(スポンの法則)」にも言えることかもしれませんね。


ここでまた少し余談!

下記記事では韓国語の「謙譲語」についてご紹介しています!正しい言葉遣いを身に付けましょう♪♪

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おわりに

以前、語彙と文法を木の根と幹に例えたことがありました。

語彙と文法は本当に大切です。名詞は単語だけで通じることもあります。

しかし、動詞になると、活用させないと通じにくくなりますし、会話の幅も広まりません。活用させることで、豊かな表現になります。

ハングルを読みはじめの頃は簡単に感じて調子がよくても、音変化や用言の活用で混乱してしまい、辞書を引こうとしても基本形が分からないので、引いても意味までたどり着けない…ということもあるかもしれません。

今回の記事は、文章の中で活用されている形から基本形を見つけるのにも手掛かりになると思います。

基本形を、いろいろな語尾に合わせてしっかり活用させる。

そして、本や聞き取りなどで、活用された語尾から基本形を見出して辞書を引けるようになれば、学習も順調に進んで楽しくなるでしょう。

文法の説明は、細かい表が出てきたり、「語尾」や「脱落」という言葉が出てきたり、なんだか小難しい感じもするのも事実。

あまり難しく考えすぎずに、まずはシンプルに「まる覚え」してから、頭の中で論理的に整理するという順番でも構わないと思います。

活用をしっかり定着させて、間違いを恐れず、会話でどんどん使っていきましょう。