「甲子園」で生まれた数々の名言を英語でご紹介!

Baseball

はじめに

日本の夏の風物詩の一つといえば甲子園。

これまで、数々の名ドラマ・名選手を生んできた高校球児の聖地でもあり、プロ野球チーム・阪神タイガースの本拠地でもあります。

本来でしたら今年は102回目にあたる大会が8月10日より開催される予定でしたが、新型コロナウィルスによる影響で残念ながら中止が決定しました。

今回の記事では、日本独特の甲子園にまつわる情報や名言などを英語でどのように表現するかをご紹介していきます。

ぜひ、オンラインレッスンで日本の甲子園について先生に説明してみてください。

「甲子園」「夏の甲子園」は英語でどう表現する?

甲子園球場についてみなさんどれほどご存知でしょうか?

ここでは甲子園や夏の甲子園の由来や歴史について、英語でどのように表現するのかについてご説明していきます。

甲子園球場の由来や歴史

甲子園球場のルーツは大正時代に遡ります。

1915年から始まった全国中等学校野球大会は当初豊中球場で開かれており、年々人気の行事となっていました。

その後も野球人気が高まっていくにつれ、既存の施設では観客を収容できなくなりつつありました。

多くの観客を収容するというニーズにこたえるため、1924年に兵庫県西宮市に「甲子園大運動場」が建設されます。

この1924年というのが干支でいう甲子年(きのえねとし)という大変縁起の良いとされる年であったため、干支にちなんで球場名も「甲子園」と名付けられました。

建設当時の甲子園球場は当時では珍しく水洗トイレやカレーライス、コーヒーの提供も行うなど最先端の施設だったそうです。

その後、次第に戦況が悪化していき、1945年1月の試合を最後に軍が球場を接収し、軍事用施設として終戦まで使われることとなります。

終戦直後は米軍が使用していたため、1947年まで野球の試合の開催は難しくなりました。

その後、甲子園球場は老朽化による幾度もの改築などを繰り返しながら、今に至ります。

圧倒的な存在感を放つその外観から、歴史の重さを感じてはいたものの、100年近く前の建物と聞くと今でもきちんと使えていることに驚きますよね。

日本では全国各地で野球教室が開かれていたり、中学高校でも野球部があったりするのは一般的ですが、それは甲子園球場と共に昔から続く野球人気に支えられているのでしょう。

甲子園は英語でなんといえばいい?

甲子園は固有名詞ですので、地名や人の名前のように無理に訳しません。

従って甲子園球場を英語で説明しようとすると 「Koshien Stadium」 となります。

ちなみに、全国高等学校野球選手権大会を英語で説明すると 「The National High School Baseball Championship」 です。

National は元々

「①connected with a particular nation; shared by a whole nation」

「②owned, controlled or paid for by the government」

という意味を持ちます。

甲子園大会自体は政府ではなく大阪朝日新聞社と日本高校野球連盟が主催しています。

ですので、この場合は①の特定の国や国全体に関係しているという意味が近いでしょう。

また、championshipは

「①a competition to find the best player or team in a particular sport」

「②the position of being a champion」

という意味です。

頂点を決めるための大会ですので、①の意味である「特定のスポーツで一位の選手やチームを決めるための競技会」という意味になります。

また、甲子園の大会自体はトーナメント戦で一位を決めるため、最後のchampionshipをそのまま「tournament」に変えてもよいでしょう。

夏の甲子園はなんという?春の甲子園は?

夏の甲子園はそのまま「Summer Koshien」といいます。

春の甲子園も同様に「Spring Koshien」ということもできますが、春の大会は夏と異なり、各地域の選考委員会によって出場校が決められます。

ですので、正式名称を英語で表すと

「The National High School Baseball Invitational Tournament」

と表現されます。

Invitationalには、

「a competition, especially a sports event, that you can take part in only if you are invited」

という意味があり、

「特にスポーツイベントにおいて招待された場合のみ参加できる競技会のこと」

という意味をもちます。

選ばれたチームだけが参加できるという意味では、夏の大会でいう

「Championship」

とは少しニュアンスが違います。

日本の甲子園文化を海外の人に紹介するには?

日本独自の甲子園文化を海外の人に紹介する際、どのような英語と用いるとよいでしょうか。

まずは、海外の人にとって驚く甲子園文化にはどんなものがあるかをみていきましょう

①毎年行われる一大イベントである

高校生の大会であるにもかかわらず、小さな子供から大人まで一緒になって選手の姿に一喜一憂するあの雰囲気は、まさに日本の夏を代表する姿と言えるでしょう。

私たち日本人にとって甲子園が開催されている間の、テレビや新聞が一体となって連日放送行うあの雰囲気は当たり前のものですが、海外の人は高校生の大会にそこまでみんなが注目することにとても驚くそうです。

また、今年の甲子園はコロナにより延期となってしまいとても残念でしたが、これまでも度々、戦争や世情が不安定になったことにより中止・延期になったことはあるそうです。

しかしながら、甲子園自体には約百年もの伝統があるということもすごいことです。

英語での表現方法をチェック!

甲子園大会は戦争など政情不安定な時期を除いて、百年以上の歴史があります。

The National High School Baseball Championship has a history of over 100 years except for WW2 era and some political instability years.

日本では、幼児から大人まで男女関係なく多くの野球ファンがこの大会を楽しみにしています。

Regardless of age or gender, a lot of baseball fans are looking forward to watching baseball games at Koshien Stadium in Japan.

甲子園は夏を感じる風物詩の一つです。

Koshien is a summer tradition in Japan.

②選手の髪形が坊主である

甲子園の戦いを見て外国人がまず驚くのは球児の髪形です。

2018年の大会では、出場全56校のうちの9割以上の選手が坊主頭だったそうです。なぜ、甲子園に参加する球児たちは坊主頭なのでしょうか。

高校野球と坊主頭の歴史を紐解くには、明治維新の頃の散髪脱刀例まで遡る必要があります。

それまで髷を結うのが当たり前であった風習が、明治維新を境に様変わりしていきます。

明治といえば「富国強兵」をスローガン軍部の力が台頭していく時代です。

軍人に見られる坊主頭が一般の国民にも定着していき、学生も例外ではありませんでした。

つまり、坊主頭は高校球児だけの特異な習慣ではなく、日本全国で一般的な姿だったのです。

戦後も、甲子園に坊主頭で参加するという風習は残り続け今に至ります。

高野連や大会規定では当然髪形の規定などは設定していませんが、「歴史&伝統」を重んじる風習からか今でも多くの学校は坊主頭で参加しています。

甲子園に参加する高校球児の多くは、僧侶のように頭を短く刈った髪形をしています。

Most baseball players who play at Koshien have buzz cuts like Buddhist monks.

明治時代、坊主頭は高校球児だけの習慣ではなく、日本全国でみられました。

In the Meiji era, buzz cut style was common among Japanese men not only for baseball players.

甲子園では大会規定に髪形について決まりはありません。

There is no policy about hair style in regulations for Koshien tournaments.

③他のスポーツとは扱いが別格

もちろん色々なスポーツで高校生の全国大会はあります。

「春高バレー」と呼ばれる春の全国高校バレーボール選手権大会や、サッカー高校選手権大会、「花園」の愛称で呼ばれる全国高校ラグビー大会など、見聞きしたことがある方は多いと思います。

しかし、それらと比べても甲子園は別格です。

他のスポーツもテレビ放映はありますが、地元かどうかに関係なく、すべての試合を一回戦から生中継で放映しているのは甲子園だけです。

プロ野球には興味ないという人も、甲子園では自分の地元の学校を応援するというのもよく聞く話です。

甲子園の決勝戦に地元の学校が進出した際は、まるでオリンピックの決勝戦のような盛り上がりを見せます。

それくらい、日本の人にとって甲子園は特別な存在といえます。

日本ではたくさんの種類の大会はあるものの、甲子園ほど人々の注目をあつめるものはありません。

Although various sports tournaments are held in Japan, Koshien is the most famous and attracts the most attention.

一回戦から決勝戦まで、全ての試合を生中継でテレビは放映しています。

From the first game to the Final, all games are broadcasted in real time.

甲子園はただのスポーツ大会ではなく、感動的なイベントとして多くの人に捉えられている。

Koshien is thought not only just as a championship but also as emotional events by Japanese people.


ここで少し余談!

下記記事では日本が世界に誇る伝統芸能「歌舞伎」の英語表現をご紹介しています。日本の文化に興味を持っている外国人は多いので、ぜひ英語表現を覚えて説明してあげましょう♪♪

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甲子園の名フレーズを英語で表現してみよう

甲子園といえば、数々の名言をこれまで生み出してきました。有名なものをいくつか、英語で表してみましょう。

甲子園は清原のためにあるのか

こちらは昭和60年、第67回大会の決勝戦で清原選手がホームランを放った際に、実況中継をしていたアナウンサーが放った名言です。

一年生の夏から四番打者として活躍していた清原選手は、この日の決勝戦で二打席連続本塁打を放ちます。

大会では通算5本塁打、甲子園通算では彼は13本塁打を放ち今でもその記録は抜かれていません。

その圧倒的な強さを見て、思わずアナウンサーがつぶやきました。

こちらを英語で表してみると、

Does Koshien tournament exist for Kiyohara?

「exist for〇〇」で「〇〇のために存在する」という意味になります。

実際にはもちろん清原選手のために甲子園が存在していたわけではありませんが、そのくらい存在感がすごい選手だったのだということがこの言葉からうかがえますね。

本気になれば世界が変わる

こちらは甲子園の常連でもある仙台育英高校の佐々木監督の言葉です、この言葉は、高校野球だけではなく実生活のいろんな場面で同じことが言えるのではないでしょうか。

何事にもまず本気で取り組んでみる、そうするとこれまで見えてきた世界に変化をもたらすという人生訓にも近い深い言葉ですね。

こちらを英語で説明すると

If you try something seriously, you can change the world. 

となります。

甲子園には魔物が棲んでいる

最後は言わずと知れた名言中の名言をご紹介します。

誰が言い始めたのか正確にはわからないようですが1975年頃から使われ始めたという説があるそうです。

甲子園では奇跡のような大逆転劇や、まさかというようなミスから試合の流れが大きく変わることがよくあります。

ドラマのように劇的な展開を指す際にこの言葉はよく使われます。

ちなみに「棲む」という字には二種類あり、動物などが主語の際はこちらの「棲む」を用います。

こちらの名言を英語に訳しますと、

A monster lurks in Koshien stadium.

となります。

「棲む(住む)だからlive なのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、lurkという単語には

「to wait somewhere secretly, especially because you are going to do something bad or illegal」

というように

「何かよくないことなどをするために隠れて待っている」

というニュアンスがあります。

甲子園の魔物はまさに、普段は隠れていてゲームの山場であっと驚くことをしでかすイメージですので、liveよりもlurkを用いるとよいでしょう。


ここでまた少し余談!

下記記事では日本ではとっても有名な「駅伝」の英語表現についてご紹介しています。駅伝についても外国人に紹介してみましょう♪♪

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終わりに

ここまで、甲子園の歴史や由来、英語でどのように文化や名言を表現するかについてお伝えしてきました。

いかがでしたか?

今年は残念ながら「甲子園のない夏」になりますが、甲子園を楽しめない分フリートークのコースの英語レッスンで甲子園について話してみるのもよいのではないでしょうか?

コロナウィルスが収束してまた来年の夏、甲子園が見られるようになるといいですね。