英会話力を向上させる「フォニックス」とは!発音改善のカギ

Phonics

英語の発音が良い人の英語は、カッコ良く聞こえ、何かと注目を集めがちです。

そのため 「きれいな発音で英語を話せるようになりたい」 と思ったことがある英語学習者の方も多いのではないでしょうか?

発音改善は、英語の聞こえが良くなるだけでなく、

・相手が聞き取りやすくなることで、スムーズに言いたいことを伝えられるようになる

・自分で正しく発音できるようになることで正しい音を認識できるようになり、リスニング力が向上する

など、英語スキルを向上させる上であらゆるメリットがあります。英語学習の中で学ぶ様々なことの中でも、発音は実はとても重要な項目なのです。

発音改善には様々な方法がありますが、中でも有名なのが「フォニックス」です。

その効果の大きさから、英語教育に携わる人たちの中でも広く認知されている方法なため、発音を良くしたいと思っている方にはとてもおすすめです。

そこで今回は、フォニックスについての基本知識や、メリット、デメリットなどを紹介したいと思います!

フォニックスの基本知識

まずはじめに、フォニックスとはどういうものなのかを知るための基本知識を説明していきます。

フォニックスとは

フォニックスは「Phonics」と書き、アメリカやイギリスなど、英語を第一言語とする国々の子どもたちが英単語の正しい読み方を学ぶために使われるメソッドです。

英語の場合、「a」「b」といったそれぞれのアルファベットの読み方を覚えただけでは、単語を発音できるようになりません。

というのも、アルファベットが並ぶ順番、つまりスペルによって読み方が変わるため、その法則を学ぶ必要があるからです。

そこで、発音と文字の関係性や規則性を学べるのがフォニックスです。

「このアルファベットの綴りだからこの発音」ということを理解するための基礎学習とも言えるでしょう。

日本の英語教育ではあまり用いられていないので、馴染みのない方もいるかもしれませんが、多くのインターナショナルプリスクールではフォニックスを使って子どもたちに発音を教えていくのが一般的です。

また、英会話スクールでも大人向けにフォニックスを教えているところも多くあります。

フォニックスで学ぶ具体的な内容

フォニックスには、覚えるべき様々な法則があります。

どのような内容なのかを知っていただくために、ここではフォニックスで学べる内容をいくつか軽くご紹介します。

[「all」が入った単語が読めるようになる]

例えば、「all」は日本語発音だと「オール」ですが、英語だと「ɔːl」の音になります。

この音さえ覚えてしまえば、基本的にこの綴りの入っている単語は同じように発音することができる、と覚えることができます。

all

ball

call

fall

hall

mall

tall

wall

など

[「ai」の入った単語が読めるようになる]

「ai」は「ei」と発音することを学べば

aim

rain

train

mail

paint

wait

などの単語も読めるようになります。

また、合わせて「ay」で終わる単語も「ei」と読むということを覚えられれば、

day

hay

may

pay

play

say

なども正しく読むことができます。

[「wor-」と「war-」の音の法則]

日本語の「あ」の発音は「あ」ですが、英語にはいくつかの異なる発音があります。

例えば、

work

warm

の2つの単語を見たときに、それぞれは以下の法則に基づいて発音されます。

・「work」のように「w」の後に「or」が続く場合、「ər」の発音になる

・「warm」のように「w」の後に「ar」が続く場合、「ɔ:r」の発音になる

上記のルールを理解し、「ər」と「ɔ:r」をきちんと発音できていれば、以下の単語も同じ発音グループとして覚えることができ、発音できるようになります。

work

word

world

worth

warm

warn

war

フォニックスには様々なルールがあるので、ここには全て紹介できませんが、このようにしてスペルと発音を法則に基づいて覚えることで、あらゆる単語の発音の仕方がわかるようになっていきます。

もちろん、「a」や「u」、「ar」や「er」など、それぞれの綴りの発音の仕方も練習することになるので、発音が自ずと改善されていきます。

また、フォニックスを理解すると、知らない単語でもおおよその単語のスペルが予測できるので、すぐに意味を調べることができるようにもなるのもメリットと言えるでしょう。


ここで少し余談!

下記記事は英会話を上達させたいという方には必見の記事になっています!ぜひ参考にしてみてください!

nativecamp.net


フォニックスのメリットとデメリット

ここまでで、おおよそフォニックスがどのようなものかおわかりいただけたと思います。

次に、フォニックスで発音を学ぶメリットとデメリットをご説明します。

フォニックスのメリット

フォニックスのメリットとして挙げられるのは以下の4つです。

1, 英単語が読めるようになる

フォニックスを学ぶことで、単語の綴りと読み方の法則性が身につき、単語を見ただけでどのように読めば良いかが推測できるようになります。

例えば、音読をしているときに見たことのない単語が出てきたときは、発音も聞いたことがないので、どのように発音すれば良いかわからないと思います。

ですが、フォニックスを理解していれば、初見の単語でもおおよそどのように発音をすれば良いか見当がつくようになります。

2, 聞いただけで単語のスペルがわかるようになる

英単語が読めるようになるのとは逆に、リスニングをしているときに、聞いたことのない単語が出てきたときは、文字情報としても目にしたことがないので、どのようなスペルかわからないと思います。

ですが、フォニックスを理解することで、初めて聞く単語でもおおよそのスペルが予想できるので、すぐに意味を調べることができるようになります。

3, 発音が良くなる

フォニックスは「英単語の正しい読み方」を学ぶためのメソッドです。

正しい読み方を学ぶということは、アルファベットそれぞれの基礎発音から、あらゆるアルファベットが組み合わさった発音まで学ぶことになります。

どのような音なのかを口に出しながら練習して覚えていくため、必然的に発音が改善されていきます。

4, リスニング力が向上する

人間は、自分が知らない音は聞いても認識できません。

また、自分が知らない音というのは発音できません。

つまり、正しい発音ができるということは、その音を認識できている、つまり聞き取れるということになります。

フォニックスを学ぶことで発音が改善されるため、認識できる音がどんどん増えていきます。

そのため、自然と英単語を聞き取れるようになり、結果的にリスニング力が向上していきます。

フォニックスのデメリット

フォニックスのデメリットとして挙げられるのは以下の2つです。

1, フォニックスのルールが全てに当てはまるわけではない

フォニックスで学ぶ読み方のルールを学べば、おおよその単語を読めるようにはなります。

ですが、ルールに当てはまらないイレギュラーもあるため、全てを完璧に読めるようになるわけではありません。

一般的に、フォニックスのルールに当てはまるのは全ての英単語のおよそ75%だと言われています。

つまり、残りの25%はイレギュラーになるため、読めない単語が出てくる可能性も大いにあると言えます。

例えば、

heard

heart

これら2つの単語を見比べると、綴り的には「ear」なので一見同じように発音できるように思えますが、実際は、

heard→hə'ːrd

heart→hɑ'ːrt

のように、異なる発音になります。

もう1つ例えを出すと、

hard

warm

これらも「ar」なので同じように発音できるように見えるのですが、実際の発音は、

hard→ˈhɑrd

warm→ˈwɔrm

というように、発音方法は異なります。

これを多いと捉えるか少ないと捉えるかは人それぞれですが、これらのようなイレギュラーが全体の25%ほどあるということを覚えておきましょう。

2, 誰にでも合う方法なわけではない

フォニックスは、まず1文字ずつ正しい音を覚えていき、それから綴りと読み方の法則を学んでいきます。

つまり、目線としてはかなり細かく分解された学び方になります。

このような方法は、例えば「単語全体で発音を捉えていく」のが得意な人にとっては、もしかすると少し苦痛に感じたり、煩わしく感じたりするかもしれません。

発音を改善する上での絶対的な方法ではないため、ルールを体系的に覚えていくのが得意なのか、もしくはもう少し感覚的に音を捉えていくほうが合っているのかなど、自分に適した方法かどうかを見極める必要があります。

なお、幼児期の日本人の子供にフォニックスを教えるのは賛成かどうか、という部分でも議論は分かれています。

そもそも英語圏の子供たちが読み方を覚えるために使われる方法であり、英語のシャワーを浴びてない日本の子供たちにとっては効率的ではない、というのが反対派の意見のようです。


ここでまた少し余談!

下記記事では、英会話学習の最適な頻度についてご紹介しています。是非ご覧ください!

nativecamp.net


まとめ

では今回の記事のまとめです!

・フォニックスは、発音と文字の関係性や規則性を学べるメソッドで、英語を第一言語とする国々の子どもたちが英単語の正しい読み方を学ぶために使われる

・フォニックスを学ぶことで、「初見の単語が読めるようになる」「聞いただけでスペルが予想できる」「発音が改善される」「リスニング力がアップする」といったメリットがある

・フォニックスのデメリットは、「イレギュラーがあるので、全ての単語にフォニックスのルールが当てはまらない」「人によって合う合わないがある」

いかがでしたでしょうか?フォニックスがどういったもので、どのような効果があるのかがおわかりいただけたと思います。

日本人向けのフォニックスを学ぶためのサイトやYouTube動画もたくさんあるので、興味のある方はぜひ検索して試してみてください。

きれいな発音を手に入れて、さらなる英語力アップを目指していきましょう!