2021年からHSKが6級から9級に変更!?新情報公開!

HSK

HSKが今までの6級から9級に変わる!そんなニュースを初めて目にしたのは2020年の5月のことでした。

その後色んな情報サイトにも同様の記事が上げられており、どうやら本当にHSKの内容が改定されるようですので改めて情報をまとめました。

HSKは中国漢語水平試験という名前の中国政府が認定している中国語検定試験です。

日本では中検とHSKという2つの大きな中国語試験がありますがHSKの方が世界的には知名度が高く、中国語を測るテストの指標として使われることが多いのもHSKとなります。

中国では留学受け入れ時の判断基準としてHSKが使われることも多いですし、入学後のクラス分けでもHSKのレベルに合わせたクラスを用意している学校も多いです。

また中国語のレベルを測るだけではなく留学・就職・転職の時にそのレベルが聞かれることが多いのもHSKなので中国語を学習する人にとってHSKの級はとても大切なものであり、より高い級を目指すように努力した方が良いでしょう。

今回 HSKの仕組みが大きく変更するという情報がありましたので、その内容について詳細をお伝えします。

HSKの歴史や特徴を知り、新しいHSKがどのような形になるのかを理解することで、新HSKに対する取り組み方が分かることでしょう。

HSKとは

中国語学習者にとって最も馴染みがあり、色んな場面で聞かれることも多いのが 中国汉语水平考试(HSK) です。

中国語レベルを示す指標として転職や留学、ビザ取得の際に使われており、これから中国語を勉強しようと思っている人はまずこのHSKの級を目標に学習計画を立てると良いでしょう。

私自身もHSKの目標を立てて(4級)留学を行い、転職の際にもHSK6級を取得していたので良い人事評価をもらえたので、中国語を使った仕事等を考えている人には是非受験に挑戦してほしいです。

HSKの歴史を簡単にまとめておくと、HSKは1984年に北京言語学院(今の北京語言大学)で開発が始められ、1992年に中国国内で正式に国家レベルのテストとして実施された中国語検定試験です。

今回2021年以降に今の6級から9級へ変更されるという情報がありますが、過去にも大きな変更がありました。

それは1997年に【基礎・初中等・上等】の3等級で分けられ、全部で11段階のテスト構成になったのです。

その後2010年に現行のHSKの形へと改訂されるのですが、その際には中国語学習者にとってより役立つ中国語検定試験となるように心理学や、教育測量額等を組み合わせた実践的な内容へと変更されました。

2019年には150以上の国で試験が行われ、年間80万人以上の受験者となり中国語学習者にとっての重要性は年々増加しています。

また、2010年からのHSKは中国語初級者にも間口を広げ、難易度の幅を調整してきました。

改訂された当初は旧HSKと新HSKの級による中国語レベルが異なっていたため(同じ級でも中国語レベルが異なる)混乱することも多かったですが、今は現行HSKの最高級が6級の制度が定着してきたように思います。

そして2020年5月に中国の教育メディアによって近々HSKが改訂されるというニュースが流れました。

当時は噂レベルでしたが、その後改訂されることは事実という公式発表がされていますので、改訂があることは間違いないようです。

ただ新HSKの実施時期や内容についてはまだ公開されているわけではないので今後色々と分かってくるでしょう。

現在のHSKは、中国語によるコミュニケーション能力の測定を第一の目的とした実用的な中国語検定です。

そのため、中国での実際のコミュニケーションで使用する会話形式の問題や、リスニング、スピーキング能力の測定に重点をおいた試験となっています。

新HSKの変更ポイント

さて、いよいよ一番気になる新HSKに変わった際の変更ポイントについてです。

公式発表に書かれていた部分で一番重要と思われる部分を抜粋して翻訳すると

「中国語の特性を組み合わせた「3+5」の新ルートは 「言語量指数」
「国際言語能力」
「話題内容」
の3つの言語レベルと 「聞く」
「話す」
「読む」
「書く」
「翻訳」
の5技能を用いて、学習者の中国語能力を各レベルごとに包括的、立体的、体系的に表す」
とあります。

大きな変更点は2つあり 級数の変更
「翻訳」の追加
が最大の変化でしょう。

変更点の1つ目ですが、今までは6級が最上級でしたが新HSKでは9級が最上級になります。

これにより1級から3級が初級、4級から6級が中級、7級から9級を高級というように分類することができ、より細かく中国語レベルを分類することができるようになります。

この新しい区分についてはCEFRやACTFLなどの国際言語基準でも初級・中級・上級の3段階に分けているという慣例に基づき、海外の学習者やHSK試験の現状と合わせて、新基準は3等級、9級に分けられているようです。

また現行の6級レベル以上の評価をする指標が無かったため、7,8,9級という上級レベルを作ることで、中国語上級者の区分が明確にできるようになるのも特徴でしょう。

今までは6級を取得してしまうとそれ以上の学習モチベーションが持てない人も多かったですが、9級まで作ることで更に上を目指すモチベーションにも繋がるでしょう。

2つ目の変更点ですが、今までの「聞く・話す・読む・書く」に加えて新たに「翻訳」の項目が追加されています。

この翻訳という項目は外国人が母語でどのように翻訳することができるかをみるための新しい指標となりそうです。

「翻訳」の内容がどのように実施されるのかはまだ不明なのですが、普段から中国語の文章を読んで理解したりしている人は有利に働くことが多そうです。

上記の2つが大きな変更点となりますが、全体的な難易度は現行のHSKよりも上がると思われます。

今までの最高級であった6級は日本人であれば一年少し勉強すれば合格することが可能となる程度でのレベルでしたが、実際に6級取得者が中国語を完璧に話すことができるかというとそうではないことも多くありました。

つまり座学だけでは中々習得出来にくいような中国社会の理解や、コミュニケーション力等も問われるようなものに変化していくようです。

コミュニケーション力や翻訳能力等の指標が加わったことにより、より実践的な中国語理解力が問われることになる2021年以降の新HSKは、今までよりも発音や聞き取りが重視されるとのことです。

日本人が苦手とされている発音や聞き取りの練習は常日頃から鍛えておくことが重要になってくるでしょう。

日本人はもともと読解が得意という傾向がありました。これは漢字を見ればおおよその意味がわかるため他の外国人に比べて漢字圏である日本人が有利に働くというものでした。

新 HSKでは発音や聞き取りが重視されるということで日本人であるアドバンテージは減少するのではないかと思われます。


ここで少し余談!

すでにある程度中国語を勉強されているという方!もう一段階上のレベルに行きませんか!?下記記事で中国語中級者以上の方におすすめの勉強方法をご紹介しているので、ぜひ参考にしてみて下さい♪♪

nativecamp.net


新HSKに備えるポイント

では今私たちがHSKに臨むにあたりどのような準備をしておけばいいでしょうか。

新 HSK になったからといっても、基本的に問題の傾向や内容に大きな変更はないものと思われます。

したがって今までやってきたことが無駄になるということはありませんし、 HSK本部より正式な発表がまだ出されていない現時点で新しいHSKの対策を特別にする必要はないと思います。

旧 HSK の学習方法をそのまま継続して行うことが新 HSK にとっても最も有効な試験勉強となることでしょう。

強いてあげるとすれば、総合的な中国語力を強化する新 HSK では、今までのような教科書の勉強だけではなく、実際に中国の方とコミュニケーションを取ったり、ニューステーマに沿った会話ができるようになったり、口語で中国語をしっかりと理解することができたりという能力が必要となってくると思われます。

日頃から生の中国語に触れ、日常的に中国語を使う場面を増やすということが新しいHSK対策に有効となるでしょう。

一点問題となるのは、新HSKが施行された後で旧HSKの資格の価値が下がってしまうことです。

HSKの有効期間は2年間あるのですが、新HSKが施行された場合、旧HSKしか受験していない人や既に最上級6級を取得している人も、新HSKになった際には再度受験をしなければならないでしょう。


ここでまた少し余談!

皆さん普段どのように中国語を勉強されていますか?マンネリ化してきていませんか?下記記事で少し変わった中国語勉強方法をご紹介しているので、ぜひ参考にしてみて下さい♪♪

nativecamp.net


2021年以降のHSK対策

先日発表された新HSKですが、具体的な開催日程等はまだ決まっていないようです。

過去に同様の改訂がなされたときを参考にすると、すぐに切り替わるというよりは、半年から1年位の期間をかけて新HSKの体制を作っていくということになりそうです。

2021年以降に実施される予定の新HSKですが、2010年頃に制度が変わった時と同じように旧 HSK と新 HSK が混在し分かりにくくなるということは一時的に起こりそうです。

ただし全体的な方針や配分に大きな変化があるということではなさそうですので、現在できる勉強方法を継続して実施するしかないでしょう。

最新の情報をチェックしながら旧HSKから新HSKに切り替わるタイミングを理解して、切り替わったら早い段階で受験するのが良いと思います。

新HSKの方針を見ても今後はより実践的な中国語が求められるので、中国語のドラマを見たり、中国のニュースをみてそれについて意見を述べたり、オンライン中国後教室で会話力を磨いたり、最新の中国トレンドをSNSでチェックしておくというのも効果的な学習方法と言えるでしょう。

HSK開設以来、認知度、受験者は毎年増加傾向にあり、中国国内での教育機関でも重要性が高まっている資格なので、新しいHSKになっても継続して受験をすることをおすすめします。

インバウンドやグローバル企業にも中国語を使える人材のニーズは高く今後は英語と並んで中国語を使えることが社会でも出世できたり、転職に有利だったりということが多くあると思います。

2021年に新HSKが施行されたらその後10年は大きな改訂は無いと想定すると、早めに新しい資格を取得しておくことがその後有利な期間が長くなるといえますので今中国語を勉強して新HSKに取り組むのは賢い選択と言えるでしょう。