韓国語の音読で自然な発音を身につけよう!

pronunciation

韓国語学習者の中に、韓国語を声に出して読んでいる人はどのくらいいらっしゃるでしょうか?

皆さん、音読をしていますか?

調査したことがないので正確なことが分からないのと、筆者自身が音読推奨派で、音読するのが当たり前だと思い込んでいたため、学習者はみんな音読しているのだと、ある時まで思っていました。

ところが、私が学習者に対して勉強法の相談にのったり、韓国語のサークル活動を通じて知ったことは、声をほとんど出していない方も一定数いらっしゃる様子ということ…。

これは、個人的にもったいないことだと思います。

なぜなら、音読することで得られるものが非常に多いことを知っているからです。

「勉強法くらい好きにさせてよ!」と思われるかもしれませんが、この記事では、実際に5年間の韓国語学習で、音読から得られた効果や、音読の方法について紹介していきたいと思います。

音読の必要性とその効果

必要性を語る前に、皆さんはなぜ韓国語を勉強していますか?

もしこの時点で、「趣味が読書なので、韓国の小説を部屋でじっくり読みたい」というのが最終目標の方がいらしたとしたら、その方には必ずしも音読は必要ないかもしれません。

しかし、多くの人は、声に出して韓国語を使えたらいいなと思っているのではないでしょうか?

例えば、

「韓国に旅行に行った際に会話が通じたらいいな」という身近な目標から「韓国人の友達とコミュニケーションを取りたい」という言語交流を目指している方、または「ゆくゆくは通訳をしたい」のような、仕事で使いたいという壮大な夢まで…。

そんな理由で学んでいるのであれば、学習においても声に出す音読は必須だとは思いませんか?

普段から声に出すことに慣れておき、それが正しい発音であれば、到達したい目標にぐっと近づけます。

音読の効果は、実際にやってみて体感してほしいところですが、私の経験から語ると、いくつも挙げることができます。

まず、音読して身につけたフレーズは、頭の中で訳さなくても口をついて出てくるようになり、会話で役立ちます。

そして、正しい音読によって身についたイントネーションは、ネイティブにも通じやすいです。

また、韓国語学習者にとって関門とも言える 「発音変化(音変化)」 も、乗り越えやすくなるんです。

音読によって様々な音変化のパターンが自然に身に付くので、発音変化に強くなります。

発音変化に強くなるということはリスニング能力も伸び、聞き取り学習においても好影響を及ぼします。

「韓国ドラマを字幕なしでみたい」という事を目標としている方にとっては、音読がどんなふうに効くのかイマイチ分かりにくいかもしれませんが、私自身、音読をしたことによって、リスニング力も格段にアップしました。

声に出すというアウトプットだけでなく、リスニング力向上にも効果があるので、ぜひ試してほしいのです。

どうやって音読するの?

音読の下準備

音読は、ただ単にボーっと声に出せばいいというものではありません。ボイストレーニングとはちょっと違います。

まず、自分のレベルに合わせた素材を用意しましょう。

初級者ならば、特別に何か用意しなくても、手持ちのテキストとその付属音声があれば十分。

読む際に、次の点を意識してみましょう。

ハングルを読んでみて、内容は理解できていますか?

理解できないレベルの文章を音読しても意味がありませんので、対訳を見たり、自分で調べたりするなどして、意味は把握しておいてください。

次に、発音変化のチェックです。

間違った読み方で音読しても意味がありません。

ハングルの音変化のある単語は、テキストやノートに、実際にはどんな発音になるのかを書き込んでおくことをオススメします。

そして、モデル音声を何回かじっくりと聞きとります。

息継ぎの箇所や、文章の切れ目をテキストに書き込んでいきます。抑揚も意識すると尚よいでしょう。

いよいよ音読!

ここまで準備が出来たら、いよいよ自分の口から声に出して「音読」です!

モデル音声を出して止め、テキストを見ながらそのままソックリ真似をします。

モノマネのつもりで(笑)。

おそらく、発音しにくい部分がいくつか出てくると思います。

音楽をやっていた方ならわかるかもしれませんが、いつも引っかかる箇所ってありますよね。

そういう箇所には印をつけて、重点的に練習してください。

この時、該当部分だけを重点的に発音するだけでなく、時々、全体を通して読むというのも取り入れるとよいですよ。

さらに高いレベルへ…

さらに高いレベルをめざすのであれば、先生から習っている方は先生に発音や抑揚、リズムを指摘してもらうのもいいでしょう。

ただし、独学の方もたくさんいらっしゃるはず。

そんな方には、私が独学していた時にやっていた方法をご紹介します。

音読した自分の音声を録音して自分で分析・添削してみるというやり方です。

録音した自分の声を聞くのが嫌だなあと思う方にも、試してほしい学習法です。

録音することによって、弱点を客観的に見つけやすくなります。

「モデル音声に比べて激音ができていないなあ(全体的にぼんやりしているなあ…)」
「イントネーションが何だか違うなあ…」
など…。

ちょっぴりストイックに感じるかもしれませんが、効果てきめんです!

いろんな音読の方法

音読には、音声を出して止め、それについて読むだけではなく、他にもこんなやり方があります。

シャドーイング
リピーティング
オーバーラッピング
など。

次は、これらについて紹介していきます。

シャドーイング

「シャドーイング」は、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

モデル音声に少しだけ遅れて発音していく方法です。影(シャドウ)のように追って発音することから、シャドーイングと呼ばれています。

ここで音声についていけないようならば、素材が自分に合っていないということですので、少しレベルを落としたものに変えるなり、音声の速さが調節できるようでしたら調節するなりしてください。

シャドーイングを繰り返すことによって抑揚や発音変化、リズムが体に染みつきます。

最初のうちはテキストを見てもいいと思うのですが、だんだんテキストから目を離しても追いかけて発音できるようになるとよいでしょう。

オーバーラッピング

シャドーイングが音声に少し遅れて発音するのに対し、オーバーラッピングはモデル音声と同時に発音する方法です。

スクリプトを暗唱で来ていない限り、テキストがないと、おそらくできないと思いますので、テキストでスクリプトを見てもOKです。

リピーティング

これは少し難易度が上がります。

通訳を目指す方もやっている学習法です。

音声をある程度流したら、キリのいいところで止めて、そのままそっくり真似をして発音します。

この時、聞き取った音声をしっかり記憶しておかないと「あれ? 次何だっけ…?」となってしまうので、リピーティングは難易度が少し高いのです。

音声を記憶するということは、その音声にかなり集中しないといけません。

つまり、繰り返すことでリスニング力の向上にもつながります。

他にもあるかと思いますが、代表的なものを紹介しました。


ここで少し余談!

韓国語を上達させたい方、下記記事必見です!韓国在住歴9年の筆者が紹介する、韓国人が現地で良く使うフレーズ集!ぜひご覧ください♪♪

nativecamp.net


音読は何回やったらいいのか?

この問題については、非常に意見が分かれてくると思います。

私は、シャドーイングやオーバーラッピング、リピーティング、シンプルな音読を、合わせて50回目標にやっていました。

ざっと記録を付けていました。

シャドーイングは青
オーバーラッピングはピンク
リピーティングは緑
のように、チェックするペンの色を変えながら、方眼の付箋にチェックをしていました。

最初は、テキストを見なくては発音できなかったものも、徐々にテキストから目を離しても口に出せるようになりました。

テキストから目を話せるようになったら、オーバーラッピングを取り入れていきます。

こうして合計50回くらい読むと、なんと文章を自然に暗唱できるようになっていたのです。

もちろん、暗唱するためにやっていたのではありません。

自然に体に染みついていた…という印象です。暗記することが目的ではありません。

50回が絶対というわけではないとも思います。個人差がありますし、どちらかというと内容の濃さの方が大切かもしれませんね。

音読の際の注意点

とにかく何でもいいから50回読めばいいのね!という乱暴なものではありません。気を付ける点がいくつかあります。

一番大切なのはやはり素材のレベルでしょうか。

簡単すぎると飽きてきますし、難しいと嫌になります。文章の理解力も落ちるでしょう。

自分のレベルと同等か、ちょっとだけ難しいくらいがいいかもしれません。

そして、素材の長さも重要です。

あまりに長すぎると、読み切ることに意識が向いてしまいます。

1セット1分前後を個人的にはオススメします。

もともと少し長い素材文の場合は、区切りを入れて行いましょう。

ここで余談です。

上で音読50回をオススメさせていただきましたが、もし音読にはまったとしても、1日で50回やりきろう!としなくても大丈夫です。

むしろ、数日にわたって50回になるように読んだ方がいいと思います。なぜなら、数日に分けて読んだ方が定着しやすいからです。

私は脳科学の専門家ではないので、根拠が述べられないのが心苦しいのですが、まとめて読んだ時よりも、数日に分けて読んだ時の方が、より定着しました。

そして、独学の方にお伝えしたいのが、なるべく正しい発音で行うことです。録音して比べて分析するやり方も紹介しましたが、「そこまでは…」という方もいますよね?

しかし、間違ったやり方で50回読んでしまうと、間違った発音が定着してしまいます…。特にイントネーションに関しては、モデル音声と比べていても一人では気づけないことがあります。

今は、単発で受けられる発音矯正レッスンも、ネット上で見つけられますので、ネイティブや韓国人の友達に少しでも見てもらうのが近道かもしれません。


ここでまた少し余談!

下記記事も必見です!韓国語で会話を盛り上げる時に必ず必要なフレーズ集!!

nativecamp.net


おわりに

私自身がかなりの音読推奨派なこともあり、少し力の入った記事になってしまいました。

どのように感じましたでしょうか?

こうしてみてみると、音楽のトレーニングに近いものがありますね。

「継続は力なり」といいますし、音読はなるべく休まずに続け、50回までいかなくとも、なるべく声に出して読むようにしてください。

参考書に音声がついているのなら、ぜひ今すぐ開封して聞いてください。

音とハングルが結びつくとき、大きな快感が得られるでしょう。

応援しています!