「約束」にはいろんな約束があります。
友人間の約束や、ビジネスにおける「約束」=「契約」、約束の中にも軽い約束から重い約束(誓い)まで、いろいろな「約束」があります。
今回は様々なシチュエーションで使われる「約束」の関連表現を紹介します。
- 「約束」は英語で何という?
- 様々なシチュエーションで使える「約束」を表す言葉・フレーズ
- ビジネスシーンなどで使われる「約束」
- 英語で「指切りげんまん」に似た表現はある?
- 様々なシチュエーションで約束を表現しよう
「約束」は英語で何という?
「約束」を英語で言うとpromiseですが、他にも約束を示す単語はたくさんあります。
Promiseは友達同士の「約束」をはじめとして、日常会話で広く使われます。
●I promised him to keep our secret.
私たちの秘密を守ることを彼に約束した。
約束を破ったと言うときは、
●I broke a promise.
約束を破った。
と表現できます。
幅広く使われるpromiseですが、シチュエーションによっては別の単語を使う方が良いこともあります。
以下、様々な場面で使われる「約束」を意味する単語・フレーズを紹介します。
ここで少し余談!
約束していてもドタキャンされてしまうこともあるのではないでしょうか。
そこで「ドタキャン」にまつわる英語表現を紹介する記事を載せておきますので、気になる方はぜひチェックしてみてください!
様々なシチュエーションで使える「約束」を表す言葉・フレーズ
私たち日本人は約束というと、とっさにpromiseが浮かぶと思います。
ここで紹介するpromise以外の表現を知っておくと、英語でより豊かな表現ができるようになるでしょう。
Appointment 面会の約束
Appointmentは日本語でも「アポイント」と言ったりします。
Appointmentは面会の約束を意味します。
病院・弁護士などの予約をする場面で使われます。
友達と会うための約束にはappointmentは使わないので注意しましょう。
ところで「予約」と考えると、reservationと区別がつかなくなりそうですが、reservationはレストランやホテルなど席や部屋を押さえておく時に使うことを覚えておくと、わかりやすいと思います。
●I have an appointment to see a doctor today.
今日は診察を受ける予定があります。
Deal 取り決め
ビジネスシーンではDealを名詞として使う場合には「取引」、deal withで動詞として使う場合には「対処する」という意味で使われることが多いですが、日常的にもdealは良く使われます。
Dealは「取引」に似た意味の「取り決め」という意味もあります。
ビジネスシーンでもこの意味でdealを使いますが、日常会話では「取り決め」は「約束」と同義で使われます。
次の例文で確認しましょう。
●We made a deal that we would never ask his help with this problem, didn't we?
この問題について、彼に助けを求めないって約束したよね?
Give one’s word / Have one’s word 約束する
ネイティブの日常会話では、promiseという単語を使わないで次のような言い方で「約束」を表現することがあります。
「あなたに私の言葉をあげる」という表現で、「約束します」という意味になります。
●I’ll give you my word.
約束します。
また相手に約束してほしいときには、「私にあなたの言葉を与えてください」という表現で、「約束してください」という意味になります。
●Give me your word.
約束してください。
Giveの代わりにhaveを使うと、「あなたは私の言葉を持っている」という表現で、「約束します」と意味を表します。
●You have my word.
約束します。
Undertake 引き受ける
Undertakeは「引き受ける」という意味があり、undertake to do somethingで「・・・することを約束する」という意味になります。
●He undertook to pay the money back in 2 months.
彼は2か月でお金を返すと約束した。
Swear 誓う
Swearの「誓う」という意味には神に誓うというニュアンスがあり、信仰心のある国では重い意味を含み、真剣な思いと責任が感じられる言葉です。
●I swear to take our dog for a walk tomorrow.
明日は犬を散歩に連れて行くと約束します。
この場合、飼い犬の散歩を何度かすっぽかして、家族の誰かに犬を散歩に連れて行ってもらたので、今度こそはちゃんと自分の役目を果たすというようなシチュエーションが想像できます。
Commit 約束する
最近は日本語でも「コミットする」という表現をよく耳にするようになりました。Commitには「約束する」という意味があります。
Promiseよりは硬い表現ですが、ビジネスでも使われますが、契約と同義というほど硬いニュアンスではなく、日常会話でも「約束する」という意味で使われる言葉です。
●I commit to you that we will find out what went wrong.
何が悪かったのか確認することを約束します。
Commitには「ある一つのことに対して力を尽くす」という意味もあり、必ずしも何か結果が得られることを約束するわけではなく、結果はどうであれ力を尽くしてがんばりますという意味で使われることもある点に注意が必要です。
Oath
Oathは「誓い」であり、take an oathで「誓う」という意味になります。
重要な事を宣誓するようなシーンで使われることが多く、「神様に誓って嘘を付きません」という意味合いがあり、形式ばった表現になります。
●I was required to take an oath.
私は宣誓を求められた。
Reservation / book 予約
Reservationやbookは、予約を意味します。
これらは場所やスペースをあらかじめ確保するときに使われる言葉で、その場所へ行くことを「約束」することです。
●The restaurant is fully booked until 6 months ahead.
そのレストランは6か月先まで予約でいっぱいです。
Engagement (強い)約束
日本語でエンゲージメントがそのまま使われており、婚約指輪のことをエンゲージメントリングというので「婚約」のイメージが強いですが、engagementは「拘束力の強い約束」を意味します。
婚約はただの約束ではなく、拘束力の強いものなのでpromiseではなくengagementなのですね。
●I have an engagement with my clients this afternoon.
今日の午後、クライアントと約束があります。
ビジネスシーンなどで使われる「約束」
Agreement / contract 合意
Agreementは「合意」という意味ですが、会社や国家間で協議して取り決めをする「協定」という意味もあります。
Promiseよりもフォーマルで拘束力が強い「約束」といえるでしょう。
Contractは個人間や個人対法人、または法人間での合意です。
Agreementとの違いは、contractには法的拘束力があることです。
●He negotiated a free trade agreement with China.
彼は中国との貿易自由協定を取り決めた。
●She agreed to a three-year contract with that company.
彼女はあの会社と3年契約を結んだ。
Guarantee / assurance 保証
Guaranteeとassuranceは日本語にすると、両方とも「保証」という意味ですが、意味合いが少し異なります。
Guaranteeはお金の支払いが保証されることや、事がきちんと行われること、人物を保証するときに使われます。
●I guarantee you won't regret it.
あなたが後悔しないことを保証します。
Assuranceは相手の心配を取り除くために、あることを確信させたり請け負ったりするときに使われます。
●I'm assured of your success.
あなたの成功を確信しています。
Obligation 義務
Obligationは、「義務、責任」という意味でdutyと似た言葉ですが、取り決め内容を守るという点ではpromise「約束」という意味合いもあります。
●I have an obligation to work for this company for at least five years.
私はこの会社で、少なくとも5年間働く義務があります。
またまた少し余談!
「約束」とは関係ないのですが…。
言い訳って英語でどう表現するかご存知ですか?そんな言い訳に関する英語表現を紹介している記事を載せておきます!気になる方はぜひチェックしてみてくださいね!
英語で「指切りげんまん」に似た表現はある?
日本では約束を守るという意味で「指切りげんまん」という表現を使いますが、英語でこれに相当する言葉にpinky swearがあります。
Pinkyは小指、swearは誓いです。「小指の誓い」という表現になります。
ところで「指切りげんまん」の由来をご存知でしょうか。
江戸時代吉原の遊郭で、遊女が客(男性)に不変の愛を誓うために、小指の第一関節から先を切りおとして渡したことが「指切り」の由来と言われています。
「げんまん」とは漢字で「拳万」と書き、げんこつ一万回を意味します。
Pinky swear「小指の誓い」は、「指切りげんまん」のような怖い響きはありませんね。
また日本には「指切りげんまん」のわらべ歌がありますが、同じように英語にも同じようなシチュエーションで使うフレーズがあります。
「指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ます」
“Cross my heart and hope to die, stick a needle in my eye.”
十字を切って誓ったからには死んでも良いよ、針を自分の目に突き刺すよ。
日本語も英語も怖いですね。「針千本」とは裁縫に使う針を千本飲ませると言う意味であり、魚のハリセンボンという意味ではありません。
英語のフレーズに出てくるCross my heartは胸の前で十字を切るという意味です。
Dieとeyeで韻を踏んでいるのが英語らしいですね。
様々なシチュエーションで約束を表現しよう
約束はpromiseだけではなく、シチュエーションによって適した言葉があることがわかりました。
意味は通じても、状況によってはpromiseを使うと幼稚な印象を与えかねないので、上手く使い分けられると良いですね。

純日本人、留学経験なし。学生時代は英語恐怖症だったのに、外資系企業で英語環境の中、化粧品の研究開発業務を約7年経験。苦手意識の裏には英語への強い憧れが潜んでいて、40歳で英語に目覚める。英語の多読が趣味。その趣味が高じて英語学習本も出版。英検準1級。現在はフリーライター。専門家として美容系の記事執筆・校正、英語学習系の記事を書くことも多い。日々ネイティブキャンプでスピーキング力を磨いている。