日本語のオノマトペを英語で表現すると?違いを解説

onomatopoeia

日本語の会話でも良く登場する「オノマトペ」

オノマトペとは擬音語と擬声語の総称で、その語源はフランス語の 「Onomatopée」 です。英語では 「onomatopoeia」 といいます。

オノマトペとは日本で言う”擬音表現”であり、実在のものとは異なる”音源”によって表現されたものです。

擬音語表現の擬音語とは自然の中で聞こえる音、動物の鳴き声、日常生活で聞こえてくる音を言葉で表したものです。


例)猫の鳴き声「ニャー」

擬態語とは実際にはそのものの音は出ていないけど、その様子(ありさま)を言葉で表現したものです。

例)笑っている様子「ニコニコ」

日本語のオノマトペは非常に多く、会話の中で情景や感情を明確にイメージさせることができます。

心理的な状態や変化を表わすものは、オノマトペのなかでも「擬情語(ぎじょうご)」と呼ばれています。ヒヤヒヤやビクビクなどの感情表現ですね。


英語にも同じようにオノマトペはあり、日常会話ではもちろん漫画の中でも目にすることが多いでしょう。

この記事では英語のオノマトペを紹介します。オノマトペを知っていることで、会話の幅も広がって楽しくなると思います。

ぜひこれらの英単語を覚えて語彙レベルを上げて下さいね。

オノマトペを使う理由

そもそも、なぜ人は会話の中でオノマトペを使うのでしょうか。これは日本語でも英語でもその役割は同じだと思います。

日常会話にオノマトペを使う理由とその役割は以下のとおりです。

・情景や感情を分かりやすく、シンプルに一言で伝えることができる

・イラストと文字を掛け合わせている漫画の世界では欠かせない役割がある

無意識のうちに使っているオノマトペですが、よく考えるとオノマトペのない会話は非常に説明が大変ですよね。

例えば、 「雨がザーザー降っている」 と伝えるとき、 「ザーザー」 というフレーズを一切使わずに表現すると、どのようになるでしょうか?

「大粒の雨が激しいを音を立てて、勢いよく降っている」 と表現すべきでしょうか・・・文字数が多くなってしまいますよね。しかし、オノマトペを使えば一言ですむのです。

それだけ、オノマトペは欠かすことのできないフレーズなのです。

小学生から使える「日本語オノマトペ辞典」という辞典もあるほどです。豊かな例文とともに解説された表現まとめとなっています。

そして、日英オノマトペとして日英擬音語の言語の研究もされているほどです。

それでは日常生活や漫画でよく見かけるオノマトペを紹介していきましょう。

動物のオノマトペ 擬音語

動物の鳴き声のオノマトペは擬音語に該当します。

以下のフレーズが代表的なものですが、日本語のオノマトペとして比較してみて下さい。

”bow wow”
 ワンワン(犬の鳴き声)

”meow”
 ニャー(猫の鳴き声)

”moo”
 モー(牛の鳴き声)

”oink”
  ブーブー(豚の鳴き声)

”squeak”
 チューチュー(ネズミの鳴き声)

”roar”
 ガオー !(猛獣の鳴き声)

”growl”
 ガルルル!(犬や猛獣の唸る声)

”baa”
  メェー(羊の鳴き声)

例えば、日本語では 「ワンワン!」 が最も一般的なオノマトペですが、英語では ”bow wow(バゥワゥ)” と言います。同じ犬の鳴き声を聞いているはずなのに、英語と日本語を比較すると全く違う表現になります。

一方で、牛の鳴き声”moo”は似ているところがあるので、それも不思議ですね。

これらは翻訳された漫画にもよく使われていて、オノマトペの情報がたくさん盛り込まれています。

文法のポイント

上記のフレーズは全て動詞でもあり名詞でもあります。”meow”を例にとると、

動詞:「ニャーと鳴く」

名詞:「ニャーという猫の鳴き声」

と考えることができます。

英語のオノマトペでは ”meow” だけで 「ニャーと鳴く」 という動詞の意味までも含まれているので、こちらも日本語と異なる点だと思います。

天気や自然界のオノマトペ 擬音語

天気や自然界の現象もオノマトペで表現することは多いと思います。

雨のなかでもザーザー降る土砂降りの雨や、弱い雨がしとしと降るものもありますね。その場面の状況を臨場感を持って伝えるのに使えそうなフレーズです。

”pour”
 ザーザー(雨がザーザー降る様子)

”drizzle”
 しとしと(細かい雨がしとしと降る様子)

”rumble”
 ゴロゴロ(雷がゴロゴロ鳴る様子)

”damp”
  ジメジメ(湿気の多いジメジメとした様子)

文法のポイント

上記のフレーズは全て動詞です。純粋なオノマトペではなく、オノマトペの要素を含んだ動詞なのです。

例えば、”pour”「ザーザー雨が降る」のように オノマトペ(副詞)+動詞 ということです。。
※pourは「注ぐ・流す」という意味でもよく使われます。

形容詞として使いたい場合は “a pouring rain” のようにingにすれば 「土砂降りの雨」という意味になります。

日本語のオノマトペは独立した単語で存在しますが、英語の場合はもともとは動詞や形容詞から派生してオノマトペになっているのです。

オノマトペの活用だけでも英語の学習にもとても役立ちますね。

物音のオノマトペ 擬音語

日常生活のなかで耳にする物音や漫画に登場する効果音。もちろん、これらのオノマトペも英語で表現することができます。

”bang”
 バタン!バン!(ドアが勢いよく閉まる音、銃声)

”beep”
 ビー!(警報機の音やクラクション)

”wham”
 ドシン!ドカン!(強い衝突音)

”clash”
 ガチャン!(金属などの2つのものがぶつかり合う音)

”crash”
 ガチャン!(車が衝突したり、飛行機が墜落する音)

”sizzle”
  ジュージュー(肉がジュージューと焼けている音)

”click”
  カチッ!(カチッという音)

”zoom”
 ブーン(車のブーンと走る音)

”beeow”
  バキューン!(銃弾が飛んでいく音)

”rat-a-tat / rat-tat”
 トントン、コンコン、ドンドン(ドアや太鼓を叩く音)

”clickety-clack”
  ガタンゴトン(電車が走る音)

”clash””crash”の違いについて少し補足します。どちらも金属音を指すことが多いのですが、

”clash”は2つのものがお互いにぶつかり合っているいるイメージ
”crash”は車の衝突や飛行機の墜落を指します。

文法のポイント

もうお気づきの方もいるかもしれませんが、英語のオノマトペというのはオノマトペ要素を含む動詞であることが多いです。

上記のフレーズでも動詞が多いですが ”rat-a-tat / rat-tat” ”clickety-clack” は名詞に分類されます。


赤ちゃん言葉って英語でどう喋るんだろう?そんな疑問を下記記事で解決していきます!!

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人の様子や感情のオノマトペ 擬態語

人の様子や感情は実際には音が出ませんので、これらは擬態語に該当します。ここでは動詞と形容詞のパターンがあるので分けてみます。

動詞

以下のフレーズはオノマトペ要素を含む動詞です。

日本語のオノマトペの感覚と少し異なるので、もう一度解説をしますね。

日本語のオノマトペ:ガツガツ(オノマトペ)+食べる(動詞)

英語のオノマトペ:gobble=ガツガツ食べる(オノマトペ要素を含む動詞)

となります。

”dillydally”
  だらだら(決心がつかずにグズグズしている様子)

”ramble”
  ぶらぶら、だらだら(当てもなく歩く、とりとめもなく喋る様子)

”gobble”
  ガツガツ(むさぼり食らう様子)

”gnaw”
 ガリガリ(ガリガリかじる様子)

”bow”
  ペコ(軽くお辞儀をする様子)

”snuffle”
  クンクン(においをかぐ様子)

いろいろな動作を表わすオノマトペがありますね。

そろそろ、英語の感覚に慣れてきましたか?

形容詞

以下のフレーズは形容詞ですので、いわゆる日本語のオノマトペに近い感覚だと思います。

”bony”
  ゴツゴツ、ガリガリ(痩せて骨ばった様子)

”chubby”
 ぽっちゃり(太った様子)

”excited”
  ワクワク (楽しみで興奮している様子)

”wimpy”
  なよなよ(弱虫、意気地なしでいる様子)

”irritated / frustrated”
 イライラ (気に入らない事があって神経質になている様子)

”heart beating”
  ドキドキ (心臓の拍動が早い様子)形容詞

これらは、日英のことばがリンクしている感じがあり、とても理解しやすいですね。

食感のオノマトペ 擬態語

食べ物で最も重要なのは味や香りですが、食感を表現するときにオノマトペが活躍します。オノマトペを使うことでどんな料理なのかイメージを具体的に伝えることができます。

”crispy”
  サクサク、パリパリ(ピザやビスケットの軽い食感)

”jiggly”
  プルプル (ゼリーやプリンなどの食感)

”fluffy”
 フワフワ (スポンジケーキなどの軽い食感 ”soft”とほぼ同じ意味 肉の柔らかさは”tender”と表現します)

”chewy”
  モチモチ (モチやベーグルなどの噛みごたえのある食べ物の食感)形容詞

”gooey”
  ベタベタ (甘いシロップでベタベタする食感)

文法のポイント

食感に関わるオノマトペは食べ物を修飾する役割を持っているので、これらは形容詞に該当します。こちらは日本語の感覚に近いですね。

その他のオノマトペ

最後にその他のオノマトペを紹介します。こちらも日常でよく使いそうなものをピックアップしてみたのでチェックしてみてください。

”drip”
  ポタポタ(水などが一滴ずつ落ちる様子)

”gurgle”
  ドクドク、ゴボゴボ(水などが大量に流れる様子)

“bawl”
  ウェーン!(大声で泣く様子)

”twinkle”
  キラキラ、ピカピカ(遠くの光や星が光っている様子)

”glitter”
  キラキラ、ピカピカ(物が光を反射して光っている様子 宝石や装飾品が多い)

”blink”
  ピカピカ(光が点滅している様子)


その言葉遣い大丈夫??気づかぬうちに英語のNG表現を使っていませんか!?下記記事にて英語のNG表現をご紹介しています♪♪

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まとめ

いかがでしたか?

英語のオノマトペの特徴が掴めてきたのではないでしょうか。

日本語のオノマトペは独立した単語として存在します。例えば、「雨」「ザーザー」は日本人にとっては連想できるフレーズですが、外国人にとっては全く関係のなく見えるのです。

一方で英語のオノマトペは動詞や形容詞から派生しており、オノマトペ単独では存在しません。ここが日本語と異なる点だと思います。

このメリットは覚えやすかったり、既に知っている単語は実はオノマトペの意味も持ち合わせている可能性もあります。

まだまだたくさんのオノマトペが英語にはありますが、よく使いそうなものから覚えて会話の幅を広げてみてくださいね。