日本語に不適切な表現があるように、英語も同じように不適切なNG表現があります。
このNG表現というのは文法が間違っているというわけではありません。
NGのレベルもさまざまなのですが、大きく分けると以下のよう分類される思います。
・実はネイテイブがあまり使わない表現
・相手に少し失礼な印象を与えてしまう表現
・相手に誤解を与えてしまう表現
・ビジネスシーンにおいて適切ではない表現
・使ってはいけないスラング
これらの中には自分でも気づかずに使ってしまっているものや、日本人が義務教育として習う表現も含まれます。
もちろん、外国人は私たちが 「英会話を学習中」 ということをくみ取ってくれるので、こちらの意図どおりに解釈してくれることが多いです。
「あぁ、少し間違っているけど、こう言っているんだな」 と思ってくれます。話の文脈や表情からも理解できるからです。
しかし、なるべく適切な表現をしていきたいですよね。
この記事ではNG表現を紹介するとともに、代わりに使える表現も紹介していきます。
気をつけるべき表現
まずは、日常会話において気をつけるべき表現を紹介します。筆者も含めてですが、誰もが言ったことがあるフレーズばかりです。
なぜ、これらの表現がNGなのでしょうか。
〇How are you?
これは日本人の誰もが知っている定型表現です。
親しい人と会った時に 「元気?」 と声をかけるときに真っ先に思い浮かぶのではないでしょうか。
この”How are you”はNGという訳ではないのですが、ネイティブの間ではほとんど使われていないようです。
代わりに以下のような表現がよく使われています。いずれもカジュアルな表現です。
・What's up?
・How have you been?
・How's it going?
ただ、”How are you?”は全く使われなくなった死語というわけではありません。
この表現はややフォーマルなので、日常会話では使わないという意味です。ビジネスシーンでは使うネイティブもいます。
〇What's your hobby?
相手との会話を膨らませようと思って 「趣味はなんですか?」 と思ったら絶対に言いますよね。
ここで感じるのは、日本語をそのまま英語に直訳しても意図した表現にならないということです。
この”hobby”という意味はスキルを伴う趣味のことなのです。例えば、以下のような趣味であれば”hobby”に該当します。
・My hobby is programming. (私の趣味はプログラミングです)
・My hobby is SADO.(私の趣味は茶道です)
しかし、映画鑑賞やスポーツ観戦は特別なスキルを伴っていないので該当しません。
もし、スキルを伴う趣味があるか尋ねるときは以下のように表現しましょう。
・Do you have any hobbies?
気軽にスキルを伴わない趣味を尋ねる場合は以下のように表現してみましょう。
・What do you like to do in your free time?
・What do you do on your weekends?
つまり、 「趣味はなんですか?」 は言い換えると 「お休みの日は何をして過ごしているのですか?」 ということですよね。
〇How old are you?
日本においても年齢を尋ねるときは気を使いますよね。
海外は日本よりフランクな国々が多いとは思いますが、このように年齢を尋ねることは失礼にあたる可能性がありますので注意が必要です。
どうしても年齢を知る必要がある場合は以下のように尋ねてみましょう。
・May I ask your age?
〇What?
相手の言っていることが聞き取れなかったとき、日本語であったとしても 「え、何?」 と言いますよね。
そのまま”What?”と言ってしまうと、かなり感じの悪い印象を与えてしまいます。
英会話を学習中のときな特に相手に聞き返すことが多くなりますので、以下のように表現してみましょう。
・Sorry?
・Could you say it again?
軽く語尾を上げて、優しい感じが良いと思います。これは日本語でも同じですね。
〇I like dog / cat.
犬好き猫好きは日本だけでなく世界中もいるので、相手がペットを飼っていることが分かると気持ちを共有したいですよね。 「私も犬猫好きなんです!」と。
しかし、このように単数形にしてしまうと、 「犬猫の肉が好き」 という全く違った意味になってしまうのです・・・。
もちろん、相手はそんなことを誤解するわけもなく解釈してくれるのですが、正しくは複数形にします。
・I like dogs/cats.
〇I went to the hospital.
具合が悪いのでちょっと病院に行ってきた場合に”hospital”を使ってしまいそうですが、このように表現すると 「大きな病院に行った」 という意味になります。
つまり、何か入院や手術などの大きな処置を連想するので誤解を与えてしまう可能性があります。
・I went to see a doctor.
と表現してみましょう。
日本では、大病院にかかろうとする場合は「紹介状」がなくとも診察を受けることができます(もちろん紹介状があるに越したことはありませんが)。
しかし、海外では専門医にかかる前に必ずかかりつけ医から紹介状をもらう必要があります。このような制度の背景があることも理解しておくと良いと思います。
〇We need to talk.
相手と話をしたいと思ったとき、このように伝えると非常に深刻な話があるような印象を与えてしまいます。
もし、上司からこのようなフレーズを言われたら ・・・解雇・・・ それくらい重大なことなのです。
もし、話がしたいと思ったら
”want to”
”Can we〜?”
とすればOKです。
・I want to talk to you.
・Can we talk?
ビジネスシーンで使ってはいけないNG
続いてはビジネスシーンにおけるNGフレーズです。
そもそも、ビジネス英語ではカジュアルな表現は好まれませんが、相手の気を悪くさせててしまうような、特に気をつけた方が良いものを紹介します。
〇Do you understand (what I’m saying)?
自分が英語で上手く伝えられたかどうか、相手に確かめたいですよね。それは誤解がないように、相互確認の意味が込められています。
しかし、このように言ってしまうと 「私の説明に追い付いて来てる?」 という上から目線の印象を与えてしまいます。
代わりに、 ”make sense” を使いましょう。 「筋が通ってる、理にかなっている」 という意味です。
・Does it make sense?
・Am I making sense?
相手の理解度を確認するのではなく、自分や説明そのものを主語にすると 「私の言っていることは伝わってますか?」 となり、印象が良いと思います。
〇You look fine. / It looks fine.
“fine”を使うと、「それ良いね!」という意味だと思ってしまいますが、実はかなり違います。
しかし、”fine”の場合は「まぁまぁ、悪くない」という意味なので、誤解を与えてしまいます。
良いと思うのであれば、
” good”
” great”
を使いましょう。
〇I don’t know.
「分かりません」というとき、これを言ってしまうと突き放すような印象を与えてしまうのでビジネスシーンでは良くありません。
以下の2つの表現は必ず覚えておきましょう。
・I’m not sure.
・I have no idea.
〇Let’s go out for lunch tomorrow.
「明日、ランチに出かけましょう」とお誘いする場合です。
“Let’s”ではカジュアルな表現なので、ビジネスとしては”Why don’t we〜”の方が良いでしょう。
・Why don’t we go out for lunch?
〇Please sit down.
「どうぞ、おかけください」と席にご案内するとき、こんなふうに言ってしまいますね。
しかし、これは先生が生徒に 「はい、座って〜」 というニュアンスになるので失礼になってしまいます。
・Have a seat, please
と言いましょう。
ビジネスシーンでも、普段とは違う表現を使うことが多いので、ぜひ覚えておきましょう!!
使ってはいけないスラング
最後はスラングについてです。
日常会話においてはスラングを知らないと何を言っているのか分からないことがあるので、ある程度は知る必要があります。
映画やドラマでは、しばしば登場するので理解しておいて損はないでしょう。
しかし、中には使うべきではないスラングも数多くあります。ここではほんの少しだけ紹介しましょう。
〇Nerd
アメリカ社会におけるスクールカーストの下層のことです。日本でいう「オタク」に近いと思いますが、”geek”よりも否定的な意味を持ちます。
“geek”はプログラマーやエンジニアのようなITオタクのことで、必ずしも否定的な意味ではありません。
〇Bloody hell
直訳すると「血まみれの地獄」で、「くそっ!」という意味に近いと思います。
〇Damm
「地獄に落とす、罵る」という意味で、同じく「くそっ!」です。
英語学習をする際に、いくつか注意点があります!しっかりと覚えておきましょう!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
気付かずに言っていた表現があったのではないでしょうか。
NG表現とひと言でまとめてしまいましたが、そのレベルはさまざまです。
ネイティブもある程度はくみ取ってくれるので、最初はそこまで神経質にならなくても良いと思いますし、職場のカルチャーによっては問題ないケースもあります。
これらのNG表現を気にするあまり、臆病になってコミュニケーションそのものが出来なくなってしまってはもったいないので、徐々に覚えていきましょう。
しかし、後半で紹介したスラングについては十分に注意する必要があります。意味を知っている程度で良いですが、積極的に自ら使わない方が無難だと思います。
英会話の学習は「恥」がつきものです。それを恐れていては英会話は身につきません。積極的にコミュニケーションをしていきましょう。
2019年マレーシア移住、マレーシア人とルームシェアで楽しく暮らしています。「英語を学ぶ」のではなく、「英語で学ぶ」ことに目覚めて海外大学進学準備中。英語が学習は発音と聞き取りからスタートすることを勧めています。