ニュースを見ると、
一日一度は必ず耳にする事件の話。
悲しい報道もたくさんありますが、国の違い、考え方の違いがある意味よくわかる問題でもありますね。
海外の方と文化の違いを英語で議論してみるのはいかがですか?
今回は刑務所に焦点を当てて、関連する英語と会話で役立つフレーズ、世界の変わった刑務所事情なども合わせてご紹介いたします!
刑務所とは
刑務所は、 法律を犯した犯罪者が裁判の結果、有罪となり、実刑判決を受けた場合、収監される場所 です。
13世紀ごろからこのシステムはすでに存在していたようでその歴史は遡ると意外と深いのですが、、、ここでは割愛しますね。
悲しいことに、どこの国にも存在する施設です。
少し余談!
刑務所に関連して、弁護士や検察官の英語表現をご紹介します!気になる方は、ぜひ合わせて読んでみてくださいね!
英語で説明してみよう
刑務所は英訳するとPrison, Jailです。
一般的には
刑務所 → Prison
拘置所 → Jail
となりますが、混同される場合もあります。
また、「Prison」の語源はラテン語で「捕らえるもの~」なのに対して「Jail」はラテン語で「囲い、檻」という意味を持ちます。
なんだか逆のような気もしますが、捕らえられているのに変わりはありませんね。
ちなみに、イギリスでは「Gaol」とも言います。こちらも意味は「牢屋」なので殆ど同じです。
①関連する単語を例文と一緒にご紹介
★逮捕「Arrest」もしくは「Capture」です。
「Arrest」が「法の下に捕らえる」という意味に対して「Capture」は「抵抗を危惧して~」という意味があり、少し乱暴なニュアンスになります。
Arrest
The criminal was arrested under the law.
犯罪者は法律の下で逮捕されました。
Capture
Many people were captured in the riots that took place last week.
先週起こった暴動で多くの人々が捕らえられました。
「Capture」は、「捕虜」や「魅了する」という意味に使われることも多々あります。
Many people were captured by her beautiful dance.
多くの人が彼女の美しいダンスに魅了されました。
★受刑者「prisoner」と言います。
こちらは先ほどご紹介した刑務所「Prison(刑務)」から引用した表現になっています。
ちなみに、囚人服は 「Prison uniform.」
看守は「prison guard」となります。
Most prisoners live in prisons.
ほとんどの受刑者(囚人)は刑務所で生活しています。
★懲役「Imprisonment」となり、
無期懲役は「imprisonment for life(終身刑)」となります。
こちらは禁固刑という意味で使われることもあります。
He was sentenced to three years' imprisonment.
彼は3年の禁固刑を宣告されました。
★罰金刑「paying penalty」直訳するとペナルティを支払う、となりますが、もう一つの言い方に「Fine」があります。
「How are you?」と聞かれて「I am fine」で返す、あの「Fine」です。
この「Fine」には形容詞としての「素晴らしい~」という表現以外にもたくさんの使い方があり、「最終的には~」という意味も持ちます。
罰金刑に「Fine」を使うのは、お金を払ったら刑は終わり、という意味から来ています。
なんとも驚きの使い方ですね!
My brother was fined for speeding.
兄はスピード違反で罰金を科されました。
★死刑 「Death penalty」
もしくは「Capital punishment」となります。
「Death penalty」はそのまま「死刑」という意味ですが「Capital punishment」は「極刑」という意味も持ちます。
つまり、後者は「極刑としての死刑」を表している表現となります。
There are various discussions about the death penalty system all over the world.
世界中で死刑制度に関するさまざまな議論があります。
★脱獄「prison break」、
脱獄者を「Jailbreaker」といいます。
こちらも先にご紹介した「prison(刑務所)」「Jail(拘置所)」のどちらかから引用してきた表現となります。
I saw a jailbreak report in the news.
ニュースで脱獄者の報道を見ました
②最後に、会話の中で使えるフレーズをご紹介
be in prison 服役中である
put somebody in prison
刑務所に収容する(送る)
a guilty verdict 有罪判決
a decision of ‘not guilty' 無罪判決
criminal trial 刑事裁判
civil trial 民事裁判
世界の驚きの判決
国家が違えば考え方も変わってきますね。そして考えが違えば刑罰も変わってきます。
ここでは、刑務所から少し離れて、世界の驚きの刑罰を少しご紹介いたします。
罰金刑編
シンガポールにガムを持ち込むと罰金、という話はとても有名ですね。
シンガポールは町の美化に非常に力を入れているためごみのポイ捨ても罰金対象になります。
そのため、「Fine City」と呼ばれることもあるそうです。
しかし、驚きの理由で罰金刑の対象になるのは、なにもシンガポールだけではありません。。
★ドバイでは電車内での居眠りで罰金9000円!
高級リゾート地として有名なドバイ。
なんと、とても罰金対象が多いのです。
電車内に絞っても、飲食をしていると3000円、アルコールを持ち込むと6000円、居眠りをしているとなんと9000円もの罰金刑が科せられます。
なんと恐ろしい、、このほかにもまだまだあるようなので、訪れる際は要チェックです。
★アメリカでは腰パンで罰金10000円!!
自由の国アメリカにある驚きの罰金対象が、「腰パン」です。
「腰パン」とはズボンを腰のあたりまで下げ、下着が見えるように浅く履くことです。
誰も見ていて気持ちのいい人はいない、という理由で取り締まり対象となりました。
初犯で50ドル(約5000円)、再犯で最大100ドル(約10000円)の罰金となります。
これはファッションだ!、、とはいかないそうです。
懲役編
裁判で判決が下されるとき、よく「懲役〇〇年~」という言葉をよく聞きますね。
日本では長くても「〇十年」という判決までしか聞きませんが、世界には耳を疑うような年数の判決が下されることがあります。
それが、懲役14万1078年。。
14万とは、、一瞬人間の寿命を確認し直すほどの驚きの長さですね。
この判決が下ったのは1989年のタイです。
犯人は約1万6000人から2億ドル以上を騙し取り、詐欺罪で捕まりました。
その長すぎる懲役期間は世界一で、なんとギネス世界記録にも登録されているようです。
その他にも海外では4万年の禁固刑、〇千年の懲役、など一生かかっても勤め上げられないような長さの判決が下ることがあります。
これにはいくつかの理由がありますが、今回はその一部をご紹介いたしますね。
一つ目の理由としては判決の下し方です。
日本ではグループで詐欺を行っていても裁判では対個人での判決が下されますが、海外では対グループで合算しての判決が下されるところもあります。
そうなると刑を受ける人数が増えるので、合算された懲役の長さも必然的に長くなる、というわけです。
二つ目は死刑判決がない国です。世界でも死刑制度について様々な議論がなされていますが、日本は極刑制度として「死刑制度」がありますね。
それに対して、死刑制度がない国などでは凶悪犯を外に出さないために終身刑として長い期間の判決をくだす場合があるそうです。
またまた少し余談!
ネイティブキャンプオフィスがある、フィリピンセブ島。ここセブ島にも有名な刑務所があります。
そんなセブ島の刑務所に関する記事を載せておきますので気になる方はぜひ合わせて読んでみてくださいね。
世界の刑務所事情
刑罰についても各国の特徴が現れますが、刑務所にはさらに違いが出てきます。
みなさん、「刑務所ホテル」という言葉を聞いたことはありますか?
これは、一般的にもう使われなくなった刑務所を宿泊施設として改装したホテルのことです。
世界中にたくさんあり、どこも刑務所とは思えないようなおしゃれな造りをしています。
日本では奈良の少年刑務所が有名ですね。
しかし、実際に受刑者が生活している刑務所にも高級ホテルのような場所があるのをご存知でしょうか。
場所はヨーロッパ。
北欧ノルウェーに、世界一受刑者に優しいと言われる「ハルデン刑務所」があります。
2010年に240億円かけて建てられ、刑務所の代名詞とも言われる鉄格子などが一切ない造りになっています。
デザイナーズインテリアのある部屋にはテレビもあり、図書館も併設されているほど。
また、自宅に帰ることも近くのスーパーで買い物することも可能だそうです。
とても刑務所だとは思えないような設備で驚きですね!
実は、このような快適な刑務所はスイス、オーストリア、ドイツ、インドネシアなどにもあります。
なぜ罰を受けるために服役している刑務所内を、このような快適な造りにしているのか、それは目的が違うからだといわれています。
犯罪者に「罰を与える」ことが目的ではなく、「再犯率を下げる」事が目的だそうで、実際に先ほどご紹介したノルウェーでは再犯率が約16パーセントと低くなっています。
どのくらい低いかというと、
アメリカでの再犯率は約40パーセント
シンガポールが約26%
イギリスは約20パーセント
日本では40パーセント
ほどです。
一度出所してもまた逮捕される人が2,3人に1人は居る、という計算になりますね。
日本の再犯率は高いため、非常に問題視されています。
ここで、北欧の各国では、再犯率を下げるために快適な生活を提供し、環境が原因で非行に走ってしまった人々に一度安心感を感じてもらう、という選択を取ったようです。
あまりの快適な造りに反対の声を上げる人は多いですが、再犯率が低下している、ということは犯罪率も低下しているということになり、良い傾向と言えるのではないでしょうか。
まとめ
世界の刑務所事情はいかがでしたか?
個人的には、ガードを緩め開放的にした方が再犯率が下がる、という天邪鬼な結果にすごく驚きました。
北欧の諸国でも全員がそのような施設に入っているわけではないそうですが、同じような傾向にはあるようです。
しかし、どこも快適なわけではなく世界には劣悪な環境におかれている刑務所もたくさんあります。
世界が広いのに対し、刑務所事情はとても深いように感じます。
人々の行動や心に最も深く関わる問題ですからね。
世界では刑務所や犯罪などに対してどんな仕組みになっているのか、いつもの会話の合間に少し議論してみるのもいいかもしれませんね。
茨城県出身。筑波大学在学時に、JICAにてインターンを経験し国際問題に興味を持つ。日本に拠点を置きながら英会話をマスター。その他、タイ語、ベトナム語等も国際交流の中で学ぶ。 ボランティア活動の為海外へ何度も足を運びました。 そこで触れ会った文化や生活などリアルな声を知ってほしいとブログを開始。 趣味はオーガニック製品を集めること。ダイビング、登山など自然に触れることが大好きです。