インターネット技術の進歩により、グローバル化はますます勢いを増しています。
世界中どこにいても遠く離れた場所の情報を瞬時に得ることができ、ますます世界が小さくなっているように感じられます。
AIが人間にとって代わるという予測や、google翻訳の発展により、従来よりも簡単に外国の人とコミュニケーションが取れる技術も開発されています。
このような機械が何でも解決してくれる時代に、果たして英語を学習して話せるようになる必要はあるのでしょうか。
今回の記事では、英語が話せることによりどんなメリットがあるかを詳しくお伝えしていきます。
現代日本の英語を取り巻く環境は?現状を把握しよう
アメリカやイギリスなど元々英語を話す国でなくとも、多くの先進国では、共通語または第二言語として英語が話されています。
移民の流入が進み、多言語の人々が共生していくには、共通語の存在が必要不可欠だからです。
一方日本の現状を見てみますと、移民が増えつつあるものの、テレビや新聞・ラジオなどはほとんど日本語が使われていますし、一般の人が暮らしている上で英語を必要とする場面はほぼありません。
日本では、英語を話せなくても生きていける環境が整っているからです。
そのような状況であるにもかかわらず、なぜ英語を学ぶ必要性があるのでしょうか。
教育現場での必要性
英語学習の必要性をお話しする前に、現在の日本の英語教育はどのような状態にあるかを振り返ってみましょう。
文部科学省は2020年度から始まる新学習指導要領で、英語学習のより一層の拡充を目指しています。
具体的な変化を挙げていきましょう。
小学校3・4年生では「総合的な学習」の中の一分野として、各学校の裁量の下取り組んでいた英語を、2020年からは週1回・年35回の「外国語活動」として正式に時数を設けています。
小学校5・6年では週1回・年35回であった「外国語活動」を「外国語」と変更し、時数も倍の週2回・年70回に増えます。
一番大きな変更点は、今後は英語を「教科」として取り扱うようになるので、国語や算数の教科と同じように、学習評価もあります。
英語学習を始めるスタートの時期を、低年齢化していくということは大きな変化の一つです。
これに伴い、中学校では2021年より「基本的に英語で授業を行うこと」という方向性も示されています。
また、高校英語は2022年より新学習指導要領の下従来よりもさらに、「情報や考えなどを的確に理解し、適切に伝え合うコミュニケーション能力の育成」を目指しています。
どの段階や学年においても言えるのが、英語を学ぶのではなく、「英語を用いて」相手とコミュニケーション能力や表現力、自分の意見を論理的に述べる技能を身に着けたりすることを目標にしています。
また、各段階で覚えるべき単語数も増えており、国が抜本的な英語教育のあり方の見直しを図っていることがうかがえます。
英語教育の課題点
しかしながら、この学習到達目標には課題もあります。
一番問題となるのが教員の指導力です。
小学校で働く多くの先生は、英語の指導法を大学で学んできていません。
中には英語が得意な人もいる反面、多くの先生は難しさを感じることでしょう。
中学校英語の「基本的に英語で授業を行うこと」という点も、生徒の能力がバラバラの状況で、英語を教える手段として効果的といえるかどうかは検討の余地があります。
また、現在リアルタイムで起こっている問題として、大学入試での英語試験導入についての問題もあります。
まだまだ今後英語教育にまつわる状況がどうなっていくのか不安定な状況と言わざるを得ないでしょう。
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なぜ英語を学習した方がよいのか
教育の世界では上記のような理由から英語を話せるようになることが求められているものの、日本で日常生活をおくる多くの人にとって、英語は「話せたらいい」とは思うものの、「英語を学ぶことの必要性」は感じられないでしょう。
それでも英語を学んだ方がよいのでしょうか。
ここからは、英語を習得することにより得られるメリットをご説明していきます。
メリットその1
~異なる考えに触れる機会が広がる~
自分と異なる考えをもつ人に出会うことは、自分の人生を豊かにしてくれます。
それは、友人関係においてだけでなく、本や映画、論文などの学術的価値をもつ書物においてもいえます。
英語で自分の考えを表す表現力を身に着けることにより、世界中の人と触れ合うきっかけが作れるのです。
それは何も、留学や海外旅行に行かなくとも、日本国内でSNSを使っていても可能です。
インスタグラムやツイッター、その他にも外国の人と触れ合うきっかけは「自分が外の世界に目を向けさえすれば」まわりに溢れています。
これらを効果的に活用することで、自分が今まで知らなかったような意見に触れ、「そんな考え方もあるのか!」という体験をすることが可能となるのです。
また、学術的にも英語ができるということは非常に価値があります。
大学や大学院で論文を書く際には、分野によっては英語の論文を参考にする場合があります。
特に理系分野では、海外の最先端の研究を参考文献として取り扱うことがあります。英語の文献をスムーズに読めることは、自分の研究においても必要な力なのです。
博士号取得のために論文を提出する際には、英語で海外の専門誌に寄稿することが求められる場合もあります。
従って、たとえ自分の専攻が言語学でなくとも、英語の原文を理解する能力というのは、ハイレベルな研究をする人ほど必要とされます。
論文だけでなく、ITの世界においても同じことが言えます。
現在、ITに関しては中国が大変勢いがあり、日本の若い力のある人たちも、たくさんヘッドハンティングされて中国の企業で働いています。
中国だから中国語が必須というわけではなく、社内での共通言語として用いられるのは英語が主流です。
メリットその2
~海外で活躍するチャンス~
今現在、海外で働くことにはまったく興味がないし、自分はハイレベルな研究をするわけではない、だから英語が話せる必要は感じられないという方もいらっしゃることと思います。
そういった方にとっても英語はやはり自分の人生の可能性を開くという意味で大変重要です。
今考えていることと同じことを、3年後の自分も思っているという保証はどこにもありません。
筆者はニュージーランドに住んでいます。
こちらで働く多くの日本人がIT・美容師・調理師・看護師や教師など様々な職業に就いています。
技術系から専門職まで本当にたくさんの人がこの国で移民として暮らしています。
面白いのが、彼らの多くが昔から海外暮らしを夢見ていたわけではありません。
ちょっとしたきっかけで来てそのまま残ることになったという人、家族を持ってから海外移住を考え始めるようになった人、来る理由は様々です。
小さなころから海外で住むことに憧れていたという人もいなくはないでしょうが、どちらかというと少数派です。
人生は、自分が思い描いていたものと全く違う方向に動くときがあります。
そしてそのきっかけは突然きます。
たとえ次の世界へのドアがあっても、そこをこじ開ける鍵がなくては、外の世界に出ることはできません。
英語を学習するということは、目の前にドアが表れたときにこじ開けることのできる鍵なのです。
英語ができない、苦手だからという意識だけで目の前に来たチャンスを生かせないのは、大変もったいないことです。
メリットその3
~経済・投資の面~
自分の人生を切り開くきっかけだけでなく、投資をする人にとっても英語学習は価値があります。
短い時間に多額の金が変動する投資の世界では、情報を素早く制することが非常に重要となるからです。
投資に関する情報は、英語と日本語では圧倒的に差があります。
日本語にはない情報が、英語のサイトには溢れており、投資で成功したいという方には英語の情報を瞬時に理解できるという能力は必須です。
それでも、英語の必要性を感じられない人がモチベーションを上げるには?
ここまでお読みくださり、「英語の必要性は感じられたけれど、それでもモチベーションが上がらない」という方もいらっしゃることと思います。
最後に、語学学習のモチベーションを持続させるための方法をお伝えしていきます。
その1 資格試験に挑戦する
英語学習を継続していくための方法の一つとして有効なのが、英検やTOEICなどの資格試験に挑戦することです。
モチベーションが続かない理由の一つに、「自分が何のために学習しているのかがわからない」という点があります。
ただなんとなく、必要だからというだけでは意欲は持続しません。
あえて資格試験に挑戦する場を作り出してみましょう。
大事なのは、「いつか英検1級をとろう」というような漠然とした期限を決めるのではなく、具体的に「〇月に英検1級を受けて、合格するぞ」と決めてしまうことです。
自分を追い込み、実際に申し込んで動き出すことにより、あえて勉強しなくてはいけない状況が作り出せます。
特に具体的な目標はないけど、英語を勉強しておいた方がよいという方には、資格取得を目指すことはとても有意義な学習法の一つです。
その2 外国の人と触れ合う
外国の人と触れ合う場を作るため、先にご紹介したSNSだけでなく、実際に会話をするコミュニケーションもぜひ取り入れてみましょう。
英語を話す場を意図的に作り出すことにより、伝わる楽しさを学ぶことができます。
英会話カフェやスポーツバーなどでもコミュニケーションは可能ですが、直にあって会話をすることは、最初はハードルが高く感じ、かえって英語から遠ざかる原因となることもあり得ます。
そこで、オンライン英会話を活用してみることをおすすめします。
オンライン英会話ですと、先生方とは画面上でやり取りできますし、出かける必要性がないので気軽にレッスンを楽しむことができます。
周りの環境に左右されないので会話に集中しやすいというメリットもあります。
ちなみに、ネイティブキャンプの「今すぐレッスン」ですと思い立ったらその時にレッスンを受けることができます。
予約レッスンには、予習ができるという利点もある反面、疲れていたりすると「やっぱり今日は面倒だな、疲れているし…。」といったように「やらないための言い訳」を探し出してしまうというデメリットもあります。
モチベーションを維持できない人にとっては、「今すぐ練習したい」というときに、サッと会話を始められることは大変有意義な方法といえます。
まとめ
今後も英語学習の必要性はますます高まっていくでしょう。
未来の自分がどうありたいかを考え、そこから逆算して、「今、何をすべきか」を見直すことが英語学習には大切です。
「継続は力なり」を意識して、ご自分にあった学習方法をぜひ探し出してみてください。

中学在学中のオーストラリアでの短期ホームステイで、「英語のおもしろさ」に目覚める。英語学習歴はかれこれ20年以上で、終わりなき勉強を今も続けています。長期での留学経験はないものの、現在海外ニュージーランドに住みながら、日々「生きた英語」について実践中。趣味は、ネットサーフィンと文章を書くこと。おおらかな性格と自分では自負しているものの、人に言わせるとおおざっぱなようです。夢は、ネイティブと同じくらいの英語力を身に着けることです。