地中海のほぼ真ん中、イタリアのシチリア島の南80kmほどにマルタ共和国があります。
ヨーロッパで英語留学できる国といえば、もちろんイギリスです。
しかし、マルタは元イギリス領であり、英語留学が人気ということをご存知ですか?
今回は「マルタ留学」と題し、マルタで英語を学ぶその魅力に迫ります。
まだまだ日本人が少ないマルタは、留学によい環境と言えるかもしれません。
留学を考えている方、マルタを候補に入れるかぜひ参考にしてくださいね!
マルタ共和国の基本情報
まずは、馴染みがあまりないかもしれないマルタについて、基本情報をお届けしましょう。
正式名
マルタの正式名は「Republic of Malta」、マルタ共和国です。
無人島を含むいくつかの島で成り立ち、マルタ島、ゴゾ島、コミノ島がメインとなります。
美しい海とマルタ文化の魅力から、ヨーロッパ人にとって人気のリゾート地となっています。
公用語
マルタの公用語は、ずばり英語です。
マルタ語もありますが、人口約43万人の90%が英語を話すことができる環境です。
イギリス領だった前は、イタリアに占領されていた歴史を持ちます。
そのため、イタリア語を話す人も多いです。
通貨
2004年5月より欧州連合(EU)に加盟しており、EUトップクラスの経済成長率を誇ります。
通貨はユーロです。
ホテル、レストランやショップではクレジットカードが使えます。
フライト情報
日本からマルタへの直行便はありません。
一般的に、ヨーロッパ経由の乗り継ぎ便を利用します。
ヨーロッパ主要都市まで約12時間、そこからマルタまでは2時間30分かかります。
日本との時差
サマータイムでは7時間、それ以降は8時間の時差があります。
宗教
メインとなる宗教はローマンカトリックです。
マルタには教会が300以上あります。
知っておきたいマルタ生活情報
マルタの基本情報とともに、実際に住むとなるときに知っておきたい情報も紹介しましょう。
留学先を決めるには、
・学びたい英語のアクセント
・語学学校や生活の費用
・ビザ
・治安
・気候
・都会なのか郊外なのか
・滞在中にしたいこと
などが挙げられます。
その国のことを知ることは、留学を成功させるための大きな鍵となります。
学習環境はもちろんですが、治安や気候が悪ければ行動自体に制限がでてしまうこともあります。
初めての留学であればなおさら、快適に住めるところがよいですね。
さっそく、マルタ観光局のホームページから生活に関わる情報を抜粋してみてみます。
治安
住むためにまず気になるのが治安ではないでしょうか?
マルタの治安は非常に良好です。
セントジュリアンズなど繁華街を夜一人で歩かないなど、海外の観光地での常識的な範囲の行動を心がければよいでしょう。
気候
地中海式気候で、11月~4月は平均気温14℃、5月~10月は平均気温23℃であり、年間を通して安定した過ごしやすい気候です。
マルタ食事情
オリーブとオリーブオイルが欠かせないマルタの食卓。
シーフードや伝統的なチーズ「ジュベイナ」も有名ですし、パイ生地のなかになつめやしのペーストが入った揚げ菓子「イムアレット」もマルタご当地グルメです。
医療事情
外務省ホームページ「世界の医療事情 マルタ共和国」をみてみましょう。
マルタにはイギリスから絶えず先進医療技術が導入されており、他の西欧先進国同様の高い医療レベルです。
日本語の通じる医療機関はありませんが、多くの医師はイギリスの卒後専門医療資格を持ち、医療スタッフのほとんどが英語を話します。
多くの薬局は、月曜~土曜8時~19時まで、日曜も交代制で営業しているので安心です。
物価水準
住むとなると気になるのが物価ですね。
他のヨーロッパ諸国と比べると、レストラン、食品、日用品は安価です。
例えば、レストランでカジュアルにディナーをするとして予算は2,000円程度といった感じです。
チップ制度
マルタにはチップ制度があり、目安は料金の10%程度です。
チップを払うために、硬貨を用意しておくことをおすすめします。
電圧・電流
240ボルト、50ヘルツです。
イギリスと同じ、3つ穴のプラグを使用します。
マルタへの留学情報
マルタの基本情報や生活について分かったところで、話をマルタへの留学情報に進めていきましょう。
マルタの英語
過去、イギリス領だったマルタ。
公用語のひとつも英語のことから、マルタでは小さいころから英語教育が盛んです。
外務省ホームページのマルタ基礎データにもある通り、主要産業は製造業とともに観光業です。
観光業に重点をおくマルタは、外国人観光客やさまざまな表記が英語というのが自然なことなのです。
さて、マルタの英語は「マルタなまりのイギリス英語」と言えるでしょう。
一般的に、抑揚が強いゆったりとした発音のマルタなまりは、”マルタ語英語”といったイメージです。
例えば、ホームステイ先がお年寄りのいる家庭であれば、マルタなまりの強い英語を聞くことになるかもしれません。
また、マルタ島からゴゾ島に行ってみたら、なまりの強さにびっくりしたという話しもあります。
マルタに語学留学をする際には、イギリスに本部がある提携校でイギリス人講師がいるような学校情報を入手することがコツになります。
しかし、マルタの語学学校では、イギリス、アイルランド、オーストラリアなどの英語圏出身ネイティブだったり、マルタ人でも英語教師の資格をもつ人のみがクラスで教えることができます。
トータルに考えれば、マルタ英語のなまりはそれほど心配しなくてよいと言えるのです。
逆に、いろいろなバックグランドの講師がいることでコミュニケーション力などが鍛えられるかもしれませんね。
留学の費用目安(3ケ月の場合)
マルタへの留学費用の目安は、3ケ月の場合、平均して約86万円~約152万円です。
このうち、授業料は平均で30万円~51万円、ホームステイまたは学生寮にやはり30万円~51万円といった内訳です。
あくまでも目安であり、選ぶコースやプログラムにより費用が変動します。
ビザ情報
マルタに3ケ月以上の留学を考えるときは、ビザ取得が必要となります。
逆に、3ケ月以下であればビザ無しで滞在し、英語を学ぶことができます。
このような短期留学は、社会人に人気となっています。
ヨーロッパの学生が多く来るマルタ
マルタへの語学留学には、多くのヨーロッパの学生もきます。
夏休みなどを利用して、マルタへ遊びにいくついでに語学留学するというパターンです。
こういった人たちと友達になり、一緒に行動することで英語力、おもにスピーキングの時間を増やすのはよいことですが、振り回されないよう目的を意識を固くもつことが大切です。
マルタでの留学パターン
さて、ここからはマルタでできる留学のパターンをご紹介しましょう。
(1) 語学学校へ留学
マルタ共和国のマルタ島には、ヴァレッタ、スリーマ、セントジュリアンズ、シウィーイ、セントポールズベイに語学学校があります。
マルタの語学学校のクオリティをチェック、認定している「Federation of English Language Teaching Organisations (FELTOM)」という団体があります。
1989年設立のFELTOMホームページから、ロケーションや加盟している語学学校をリサーチできます。
加盟している語学学校であるかどうかチェックすると安心でしょう。
参照:Federation of English Language Teaching Organisations
(2) マルタの大学留学
マルタには、1769年創立の「The University of Malta」という公立の大学があります。
受講できる学科には、国際関係学、ヨーロッパ&グローバル史、哲学、芸術史、社会学、建築学、経済やエンジニアリングの他にもさまざまな学科があります。
92ケ国以上から約1,000人の留学生がマルタ大学で学んでいます。欧米各国の大学より格安で留学できる点がメリットです。
大学に通うためには、EC英語プログラムではインターメディエイト、大学プログラムではアッパーインターメディエイトの語学力が求められます。
(3) インターンシップ
マルタでは、インターンシップができます。
語学学校で英語を勉強した後に、インターンシップにチャレンジする人が多く、その就業先はホテルやレストラン、カフェ、ショップなどのサービス業や、語学学校や旅行会社などでのオフィスワークです。
語学学校で学んだ英語を実践で使うことのメリットは大きく、その後のキャリアアップにつながる可能性が高くなります。
一般的には、2~3ケ月語学学校で英語を学び、その後にインターンとして3~6ケ月働くというパターンです。
マルタ留学が魅力な理由
日本人が少ない
一般財団法人 海外留学推進協会によると、マルタはヨーロッパ諸国のなかでは英語留学が格安なだけでなく、まだ留学先としての認知が高くないため、日本人が少ない学校が多くあります。
日本人が少ない環境であれば、ついつい日本語でおしゃべりをしていたら3ケ月の留学生活が終わってしまった!といった失敗も避けられます。
滞在期間を有効に過ごすための拠点
マルタへの英語留学は、治安がよく物価が安い環境のなか、生きた英語をヨーロッパで学べるという点が魅力です。
そしてもう一つマルタ留学の大きな魅力があります。滞在中に、マルタや近隣のヨーロッパの都市や街に気軽に遊びにいけるという点です。
遠く日本からマルタに行く機会を最大限利用できます。
留学中に行きたいマルタ観光と近隣のヨーロッパ
マルタには街全体が世界遺産となっている城塞都市の首都ヴァレッタ、グリーン色の海沿いにカラフルな家々が立ち並ぶポパイ村、絶景が待つゴゾ島など、見どころが多くあります。
また、ヨーロッパ諸国はもちろん、中東、北アフリカへも行きやすいため、英語学習の間に計画することも可能です。
マルタ留学中にイギリスに行きたい!そんな人にはこちらのブログもおすすめです
マルタ留学まとめ
マルタは留学するには日本人のまだまだ少ない場所であり、多国籍の留学生たちとミックスされる生活になります。
また、マルタの美しくゆったりとした環境のもと異文化を体験したり、旅の拠点にすることもできます。
英語の学習とそれ以外のさまざまな要素を含む時間を満喫することができる、バランスのとれた留学生活はマルタならではです。
語学留学を考える際、マルタを選択肢に入れて他の都市と比べてみることをおすすめします。
※お届けした情報は、2019年11月現在のものです。
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◇経歴
日本では外資系製薬会社などで勤務。
2006年夏に渡英し、現在イングランド在住。
2012年以来、南ロンドンで剣道道場を運営。地元の行政と関わり、日本文化を紹介するイベントを担当したり、剣道や居合道のデモンストレーションのオーガナイスを行なう。
また、日本の2大学と英国剣道協会とのパートナーシップ締結のためのリエゾンおよび翻訳・通訳を担当。
◇資格
・Food Safety Level 2
・Principles of Internet Safety Prepare to Deliver Excellent Customer Service
◇海外渡航経験
スキューバダイビングで訪れた国々を始め、3ケ月間のヨーロッパ各国バックパッカーの旅を経験。
◇自己紹介
こんにちは!椿サリーです。夫がイギリス人、日英ミックスの息子(UK大学生)という家族構成の国際結婚組です。ライターとして、多国籍メンバーが所属する剣道道場の女将として、日本文化紹介を紹介する地元グループ代表として行政とのやりとりなど、イギリスで幅広く活動しています。英会話ができると世界が広がりますし、外国人とのコミュニケーションは楽しい!を日々実感しています。