みなさんが、日常生活でよく使う言葉に「わざわざ」という表現があります。
この言葉、とても便利な言葉ですよね?
例えば、「わざわざお越しいただきありがとうございます。」など、特にそのためだけに行ってくれたことに対して、相手に感謝や気遣いの気持ちを伝えたい時に使います。
また、「彼はケンカをしようと、わざわざ私にちょっかいをだしてきた。」など、相手に対してしなくてもよいことを、わざとした時にも使います。
このように、「わざわざ」は一つの言葉でいくつかの表現を持っていますが、英語で「わざわざ」を表現する時は、ニュアンスの違いによっていくつかの表現に分かれます。
「わざわざ」は英語で○○
「わざわざ」を英語で表現する場合は、いくつかの表現があります。
どんなニュアンスかによって使い分ける必要があります。
まずは、日本語の「わざわざ」という意味を確認しましょう。
「わざわざ」を辞典で調べると、2つの意味が掲載されています。
①「他のことのついでではなく、特にそのためだけに行うさま。特にそのために。」
例文「わざわざ出かけなくても電話で済むこと。」
②「しなくてもよいことをことさらするさま。故意に。」
例文「ご親切にもわざわざ忠告に来た。」
これを、英語で表現したフレーズにしてみましょう。
1つ目の意味を持つ表現は以下のようになります。
take the trouble to
expressly to
all the way
go out of one’s way
bother
「特にそのためだけに行うさま。」という1つ目の意味ですが、英語にはいくつかの表現があります。
この他にも表現できるフレーズがありますが、主な5つをご紹介します。
後ほど、詳しく使い方をお伝えしますね。
2つ目の意味を持つ表現は以下になります。
intentionally
deliberately
2つ目の意味は「故意に行う」という意味なので、「わざわざ」の他にも、「わざと~する」という表現も当てはまります。
それでは、それぞれの表現を例文に合わせてご紹介していきます!
・take the trouble to
take the trouble toで「(労を惜しまずに)わざわざ~する」という意味になります。
それでは、実際に使えるフレーズをご紹介します。
★She took the trouble to show me the way to the hospital.
彼女はわざわざ病院へ行く道を案内してくれました。
★You might have called, instead of taking the trouble to come.
わざわざ来なくても電話でよかったのに。
・expressly to~
「expressly」は、「わざわざ」の意味の他にも、「明確に、特別に、明白に」という意味を持っている副詞です。
では、例文をご紹介していきます。
★Thank you for sending mail expressly to me.
わざわざメールを送ってくれてありがとう。
★He came here expressly to see you.
彼はあなたに会う為にわざわざここに来たのよ。
・all the way
「all the way」は「わざわざ」の他にも、「はるばる、道中ずっと、幅広く」などの意味があります。
「わざわざ」の意味の中でも「はるばる」の意味と同じ時に、「all the way」を使います。
★Thank you for coming all the way here despite being busy.
お忙しいところわざわざお越しいただきありがとうございます。
このように「わざわざ」を「はるばる」に言い換えられるのが「all the way」です。
despiteは、「~にもかかわらず」という意味です。
Thank you forは感謝の気持ちを伝える時の表現ですよね。
「わざわざ」を使う時は、感謝の気持ちを伝えたい時が多いと思います。
その時は、この表現を使って伝えましょう。
★Thank you for driving me all the way to my house.
わざわざ家まで送っていただいてありがとうございます。
★I’m happy you came all the way to Okinawa for me!
あなたがわざわざ沖縄に来てくれて嬉しい!
★She had the goodness to come all the way to see me.
彼女は親切にもわざわざ私に会いに来てくれました。
★She has to commute all the way from a distant area.
彼女は遠い郊外からわざわざ通勤しなくてはならない。
・go out of one’s way
go out of one’s wayは、無理をしてわざわざ行う意味を持っています。
「~するために尽力する」という意味もあります。
★Thank you for going out of your way to call me.
わざわざ電話をくれてありがとう。
直訳すると、「電話をするために無理をして尽力してくれてありがとう。」という意味合いになるので、大げさになりますがわざわざありがとうという気持ちが伝わるかと思います。
★She went out of her way to pick up her father.
彼女はわざわざ父を迎えに行きました。
★She went out of her way to find a house for me.
彼女はわざわざ私のために家をみつけてくれた。
「わざわざありがとう」の他にも「ありがとう」の表現はいっぱい!気になる方はこちら!
・bother to do
bother to do~は、「わざわざ~する、骨折ってする」などの意味になります。
また、否定文や疑問文で使われることが多くなります。
★Don’t bother to come to my house.
わざわざ私の家に来なくてもいいですよ。
Don’t bother toは「わざわざそんなことをする必要はありませんよ。」という意味合いになります。
使い方によっては、冷たい印象になるので、注意しましょう。
★Don’t bother to knock.
わざわざノックしなくてもいいですよ。
わざわざノックしないで入って下さいという意味合いです。
★Don’t bother to pick me up at the station.
わざわざ駅まで車で来ていただくには及びません。
★Please do not bother yourself to see me off.
わざわざお見送りいただくには及びません。
do not bother yourselfを直訳すると、「トラブルをあなた自身に起こさなくていいですよ」となります。
よく「どうぞお構いなく」と言いたい時にも使うそうです。
Pleaseをつけると、丁寧な印象になりますね。
この例文のように、敬語表現にもなりますのでビジネスシーンに使うのもおすすめです。
★Why should you bother to apologize?
どうしてあなたがわざわざ謝る必要があるの?
以上の全てが「わざわざ」の1つ目の意味の表現になります。
日本語では、「わざわざ」で様々なニュアンスが含まれていますが、英語にはたくさんの表現方法がありますね。
全ての表現を紹介していませんが、よく使われる表現なので、ぜひ参考にして下さい。
続いては、「わざわざ」の2つ目の意味「しなくてもよいことをことさらするさま。故意に。」に当てはまる英語表現をご紹介します。
これは、「わざと~する」という表現に言い替えられます。
・intentionally
intentionallyは「意図的に、わざと、故意に」という意味を持っています。
故意にわざわざ~するという意味で使われます。
★He gave me an intentionally vague answer.
彼は私にわざとあいまいな返事をしました。
★People wanted to avert misfortune by intentionally leaving the roof unfinished.
人々はわざわざ屋根を未完成の状態にすることで災いを避けようとしました。
・deliberately
deliberatelyは、「故意に、わざと、計画的に、慎重に、ゆっくりと」などの意味を持っています。
先ほどのintentionallyも同じ「わざと、故意に」という意味を持っているので使い分けるのに混乱しますよね。
このニュアンスの違いは、deliberatelyの方が計画的に行っている意味合いがあります。
熟考して計画的に行うようなニュアンスです。
intentionallyは、時間というよりも目的のために意図的に行う表現です。
少し分かりづらいですが、deliberatelyの方が頻繁に使われていて、ニュースでも聞くことがあります。
intentionallyの方が、よりフォーマル感が強いです。
では、例文をご紹介します。
★She deliberately neglected to call us.
彼女はわざと私達に電話をかけてこなかった。
★Either he didn’t see me wave or he deliberately ignored me.
彼は私が手を振るのを見ていなかったのか、わざと無視したのかどちらかだ。
★She didn’t knock the cup over deliberately.
彼女はわざとカップを倒したわけではありません。
★She deliberately kept on provoking a confrontation.
彼女は対立を起こそうとわざとしつこくした。
まとめ
いかがでしたか?
「わざわざ」の英語表現を理解できましたでしょうか?
ニュアンスの違いによってたくさんの表現がありました。
take the trouble to
expressly to
all the way
go out of way
bother
intentionally
deliberately
今回は以上の表現をご紹介しましたが、他にも表現できるフレーズがあります。
みなさんが伝えたいニュアンスに当てはまるものを使って、相手に気持ちを伝えましょう!

出身は仙台市。 大学を卒業後、化粧品会社に入社。 結婚や出産後、現在は子育て中心の生活をしながら、子供英語教室の講師をしています。 この仕事がきっかけで、学生時代で終わっていた英語学習を再スタート。 夢は英語を話して世界中の人々と繋がること。 英語を使った仕事を生涯すること。 英語学習に奮闘中の日々です。 一緒に英語学習を頑張りましょう!