海外留学には必須! 英語で書くエッセイのトレーニング(アイエルツ編)

 

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ノートにエッセイを書く女性

アイエルツとはイギリスを中心とした英語圏(イギリス、オーストラリア、ニュージーランド他)の大学進学の際、英語を母国語としない人のための英語運用能力を測るテストです。

留学生が海外の大学の授業に参加するには、読む、書く、聞く、話すという4つの技能が必須となります。

その中でも特にライティングは大きな比重を占めます。

大学では講義を受け、資料を基に考察し、エッセイあるいはセミナーという形で発表することになります。

また、コースワークとして学生にエッセイを課すことが多く、最終試験や卒業論文でもエッセイを書かされ、単位取得に大きく関わってきます。

そのため、アイエルツのテストでは大学レベルのエッセイを書くための能力を測るテストになっています。

エッセイとは日本語でいうレポートのことで、あるトピックについて理論的に自分の考えを組み立て、構成し、分析する能力のことです。

エッセイを書くには、正しく内容や図、グラフ(円、棒など)を理解し、正しい文法と表現で自分の意見を提示する要約力が必要です。

ここでは、海外留学の際に必要な英文エッセイの書き方のポイントについてご紹介していきます。

 

 

エッセイを書くための準備と勉強方法

書き方・書き進めるにあたってのコツ・エッセイの構成(アイエルツ)

英文エッセイや論文の書き方のポイントは、日本語と違って起承転結ではなく、

基本は

イントロダクション(導入)、
ボディ(本体)、
コンクルージョン(結び)

の記事構成となります。

英文ライティングやアイエルツのWriting Task 2は、イントロダクションで結論を書き、どうしてその結果に至ったのかを説明して書いていきます。

アイエルツのWriting Task 1は、フォーマットや形が類似している(あるいは異なる)表やグラフを説明します。
パラグラフを書き写したり、自分で書く練習をしたりして、学校やネイティブスピーカーの先生などに添削してもらいましょう。

エッセイを書くための勉強方法(アイエルツ)

たくさんの英文に触れ英文法力や語彙力を増強することは、エッセイのみならず会話やリスニングなど総合的な英語力を上げるために必要となります。

例えば、アイエルツのサンプルエッセイを読んで、文章のスタイルや構造に慣れることも肝要です。

その際、知らない単語はもちろんのこと、重要なポイントやトピックセンテンス(パラグラフの主題)などに印をつけ、パッセージ全体の意味や概要、テーマなどを頭に入れて把握しておきます。

これはリーディング力アップにも繋がります。

エッセイのお題の決め方(アイエルツ)

アイエルツの場合、ライティングのお題は提示されます。

しかし、ライティングセクションではさまざまな設問タイプや種類があり、与えられた情報やトピックに対して指示どおり書かなければなりません。

 

アイエルツ攻略方法

アイエルツ Writing Task 1(書き方のコツ)

アイエルツのライティングタスク1では、150語以上の説明文エッセイを書きます。
類似/異なる図表、チャート、説明図などから情報を読み取り、分析、説明をします。

図表やデータの種類

diagram
table
折れ線グラフ line graph/line chart
棒グラフ bar graph/bar chart
円グラフ pie graph/pie chart
説明図 illustration
地図 map

エッセイプランニング
イントロダクションに必要な情報を読み取ります。

例:
グラフのタイプは何か?(折れ線グラフ)
何を示しているか?(人口の推移)
それはどこのことか?(ヨーロッパの都市A)
それはいつのことか?(1995年~2005年)

基本的段落構成:
イントロダクション(導入)・・・トレンド全体の要約を導入部分の最後に加える
本体パラグラフ1(描写)
本体パラグラフ2(描写)
結論パラグラフ・・・トレンド全体の要約を最後に書いても良い

イントロダクションでは、その図や表などが何を表わしているか(主題)と大まかなトレンド(結論)特徴を書きます。

一般的に導入部分の最後にトレンド全体の要約も加えますが、結論として段落構成の最後に書いても構いません。

本体パラグラフでは、提示されたデータや数字の変化を描写します。

トレンド全体の要約の例:
According to the chart, the number of A increased significantly over a 10-year period.
(チャートによると、10年間でAの人口数は大幅な伸びを示した)

Example: TASK 1

You should spend about 20 minutes on this task.
The line chart below shows the change in the population of City A in Europe over a 10-year period. Write a report for a university lecture describing the information shown below.
You should write at least 150 words.

イントロダクション書き方の例:
This graph shows the change in the population of City A in Europe from 1995 to 2005.
According to the chart, the number of A increased significantly over a 10-year period.

イントロダクションの最初の文は、タスク指示文のパラフレーズ(言い換え)になっています。
ここでは、タスク指示文のThe line chartThis graphとパラフレーズになっていて、導入部分の最後には、結論であるトレンド全体の要約文(According to ~によると)を書きます。

本体パラグラフで描写する情報やデータは、大きく変化している方向や傾向などを汲み取り、その重要な特徴を分析して説明します。

150語以上のエッセイを完成させるためには通常、記述すべき情報は10個前後です。
データの変化とは、一番(二番、三番)大きな/小さな数字の変化、最も変化が小さい、まったく変化がない、似たようなパターン、正反対のパターン等の情報やデータについて記述します。

一般的に、最も重要なポイントをトップにもってくるトップダウンの情報序列で書きます。(その逆のボトムアップの情報序列もあります)

本体パラグラフ書き方の例:
The population of City A in Europe grew significantly by 10 million from 1995 to 2005.
In 1998, it showed a sharp drop, and this drop continued until 2000.
The population fell nearly to half during this period.
Over the following two years, there was no dramatic change.
In 2001, the population started to rise slightly again.

数字やデータの大きな変化(急激な減少、約半分に減った)、データの変化の有無(劇的な変化なし)などを図表やグラフから読み取り、分析して、説明します。

タスク1書き方の例(まとめ):
This graph shows the change in the population of City A in Europe from 1995 to 2005. According to the chart, the number of A increased significantly over a 10-year period.

The population of City A in Europe grew significantly by 10 million from 1995 to 2005. In 1998, it showed a sharp drop, and this drop continued until 2000. The population fell nearly to half during this period. Over the following two years, there was no dramatic change. In 2001, the population started to rise slightly again.

*アイエルツの本番のテストでは、上記のように数字やデータの情報を追加して10個前後書いてください。

アイエルツ Writing Task 2(書き方のコツ)

アイエルツのライティングタスク2では、250語以上の散文エッセイ(ミニ論文)を書きます。

1つのトピックに対し、指示に従って論じていきます。

設問タイプ

議論の2面を論じる Discuss both……
議論を評価する To what extent……
賛成か反対かを述べる Do you agree or disagree? Why?
問題とその解決策を論じる What challenges……? What strategies……?
選択し、それが正しい理由を述べる Which do you think……? Why?

エッセイプランニング
設問を読み、トピックや設問のタイプが何であるか把握し、自分の見解を明確にする。

例:
トピックは?(広告。もっと厳しく取り締まるべきか?)
設問タイプは?(賛成か反対かを述べる)
賛成か反対か?その理由は?(自分の見解を明確にする。賛成とその理由)

基本的段落構成:
導入パラグラフ(導入、決意表明)
本体パラグラフ1(本論、意見の理由1)
本体パラグラフ2(本論、意見の理由2)
*できれば、反対意見とその理由/再反論
結論パラグラフ(結論)

まず、エッセイの導入部分でトピックが何であるか述べます。

それからトピックについて一般的なことを書き加え、導入パラグラフの最後に自分の決意表明(広告はもっと厳しく取り締まるべきか/賛成)をします。

Example: Task 2

Nowadays advertisements appear in many forms and in many places……Some people think that advertising should be controlled much more strictly, and in some cases --- banned.
Do you agree or disagree? Why?
Write at least 250 words.

導入パラグラフ書き方の例:
In our society today, wherever you go, it is impossible to escape advertisements……It is very clear and effective, and I agree that advertisements should be controlled. I also think that certain types of advertisements should be prohibited.

最初にタスクの説明文を読みます。

次にキーワードに印をつけ、自分の立場表明を決定します。
それから、トピックに関する文章(広告)について記述します。

タスクの説明文を丸写しするのではなく、タスク1でも説明したようにパラフレーズして書きます。

導入パラグラフの最後に賛成である決意表明を書きます。
(I agree……)基本的にアカデミックライティングでは、一人称の代名詞(IやWe)を使わないようにしますが、決意表明や結論を書くときだけ用います。

エッセイが250語以上のため、本体パラグラフは2~3つ書きます。
各本体パラグラフの最初の文にはトピックセンテンスを入れます。

トピックセンテンスとはそのパラグラフの主題であり、何を述べるか概要を書きます。

その次に具体的な理由や実例などを加えてエッセイを展開、結果を書いていきます。

本体パラグラフ(1)

トピックセンテンス書き方の例:
Firstly, advertisements in relation to finance should be controlled or prohibited more strictly.
(最初に、財政に関わる広告はもっと厳しく規制や禁止されるべきです)

具体的な理由の書き方例:
Advertisements can put pressure on people to buy things.
(広告は人々に買い物をするように圧力をかけます)

見解を支える書き方の例:
For example, some advertisements are aimed at children.
(例えば、いくつかの広告は子どもたちに向けたものです。)

展開の書き方の例:
Many of them are about colorful and cute toys.
(その(広告の)多くはカラフルでかわいらしい玩具に関するものです)

結果の書き方の例:
Consequently, children want these things, and this put pressure on parents to buy them.
(その結果、子どもたちはこれらを欲しがり、親に買ってやるように圧力をかけます)

タスク2では、本体パラグラフを2~3つ書いたあと、結論部分は必ず書かなければなりません。

これまで述べてきたポイントを要約して書きます。
(新しい持論を書かないように注意)

そして、決意表明を再度強調して記述します。

結論パラグラフ書き方の例:
In summary, I strongly feel advertising should carefully be checked…… I also think adverts ought to be banned because it promotes unhealthy products.
(要約すると、広告は慎重にチェックされるべきだと強く感じています……。また、広告は不健全な製品を促進しているため禁止されるべきだとも思います)

 

上級者を目指すあなたにワンポイントアドバイス

おすすめのエッセイ集(書籍)

「はじめてのアイエルツ 英国留学試験 改訂版」 南雲堂 関妙子監修ほか
「新セルフスタディIELTS 完全攻略」 The Japan Times Anthony Allan著ほか
「実践IELTS 技能別問題集 ライティング」 旺文社 河野太一著

上級者エッセイの書き方

タスク2の書き方で上述しましたが賛否を問うタスクの場合、本体パラグラフ2では自分が支持している意見ではない方の意見(反対)も述べると良いでしょう。

そのとき、反対意見の再反論(でもやはり賛成意見を支持する)も忘れずに入れます。

どうしても両方のアイデアが思いつかない場合、片方の意見(賛成)のアイデアを本体パラグラフ2に書きます。

「私は○○に賛成だ、なぜならば○○だからだ。一方、反対する人にはこういう理由がある。しかし、賛成する方が反対する方よりも○○なので、賛成意見を支持する」

といった具合に書くようにします。

 

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まとめ

アイエルツのライティングタスク1と2は、最初に設問を読んでどんなタイプ、内容か把握します。

次に、タスク1では数字やデータを読み取って分析作業に入ります。

タスク2ではキーワードに印をつけ、自分の決意表明をします。
それから、基本的な段落構成を考えてエッセイの記述に入ります。

英文エッセイは日本のレポートと記事構成が違います。

書き方のルールを身につければ難しいことはありません。

これから海外留学を目指す方、アイエルツの受験を控えている方、エッセイの具体的な書き方が分からない方などの参考になれば幸いです。