フィリピンでの結婚式の服装は何を着ればいい?マナーや服装選びのコツを紹介

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海外で結婚式に招待されると、どんな服装が適切なのか不安な方もいるでしょう。特にフィリピンの結婚式は、カトリックの伝統とアメリカ・スペインの影響が融合した独特の文化。招待客が100名を超える大規模な式典やテーマカラーの指定、伝統的な民族衣装など、日本の結婚式と異なる点は非常に多いです。

本記事では、フィリピンの結婚式にふさわしい服装マナーを男女別に詳しく解説します。現地の伝統や文化背景も交えながら、お祝いの場にふさわしい装いをお伝えするので、フィリピンで結婚式に出席する予定のある方は、ぜひ最後までお読みください。

フィリピンの結婚式の特徴と伝統的なスタイル

日本とフィリピンでは、結婚式のスタイルが大きく異なります。フィリピンの結婚式にスムーズに参列できるように、以下では、結婚式の特徴や伝統的なスタイルを紹介します。

教会で行われるのが一般的

フィリピンは国民の約80%がカトリック教徒であり、結婚式は宗教的な意味合いが非常に強いため、教会で行われるのが一般的です。新郎新婦のどちらか、あるいは両方がカトリック教徒でなければ、教会での挙式が難しい場合もあるでしょう。

式中には、スペインの伝統に由来する13コイン(las arras:ラス・アラース)というセレモニーも行われます。新郎が新婦の手に13枚のコインを渡すことで家族を養う意思と経済力があることを示し、永遠の愛を誓う儀式で、コインはイエスキリストと12使徒を表しているとされています。

さらに、フィリピン独自のユニークな風習もみられます。例えば、挙式でのバージンロードは新郎新婦だけでなく、友人や親戚などのゲストも男女ペアになって歩いたりします。

ちなみに、日本のように必ず披露宴を実施するとは限りません。費用を新郎新婦が全て負担する必要があると考えられているからです。

また、ご祝儀の習慣も日本とは異なります。日本ではお祝いとして現金を渡すのが基本とされていますが、フィリピンでは参加者全員がご祝儀を渡す習慣はなく、新郎新婦との関係性に応じてご祝儀や贈り物を渡します。

100名を超える招待客

フィリピンの結婚式はアメリカやスペインのウェディング文化に加えて、カトリック信仰に基づいた儀式で構成されており、より多くのゲストを招く傾向にあります。一般家庭でも招待客が100名を超えることも珍しくありません。また、結婚式全体が華やかで、歌手やダンサーが登場するなど、エンターテイメント性が高いと言えるでしょう。

結婚式の前日に開く新郎・新婦別のパーティー

結婚式の前日には、新郎側・新婦側それぞれが友人たちと独身最後の夜を楽しむバチェラー・パーティーバチェロッテ・パーティーが開かれます。

また、披露宴ではマネーダンスという伝統的な踊りが披露されることも。これは、新郎新婦が踊る際にゲストが服やベールにお金をピンで留めるもので、幸運と繁栄を願うとともに、新婚生活への経済的な支援という意味合いがあります。

フィリピンの結婚式に招待されたときの服装マナー

フィリピン人の友人や仕事仲間から、結婚式へ招待された時に服装マナーを知っておくと安心ですよね!以下では、フィリピンで結婚式に招待された際のゲストの服装マナーを紹介します。

日本よりもカジュアルなドレスコード

フィリピンの結婚式では、日本のようなきらびやかなドレスやかっちりとしたスーツなどの厳格な正装が求められるケースは少ないようです。以前筆者がフィリピンで結婚式に参列した際、多くのゲストはワンピースやシャツなどの比較的カジュアルめの格好が多かったです。

具体的な服装としては、男性はシャツにチノパンやスラックス女性はワンピースやドレスが基本とされています。日本の結婚式ほど堅苦しくないため、男性はスーツ以外にもシャツなどの比較的カジュアルな服装も定番です。

また、フィリピンではパーティー好きな国民性もあり、結婚式に限らずドレスコードを設けてゲストを招くこともしばしばあるとされています。結婚式のフォーマル度合いによっては、よりきちんとした服装が求められる可能性もあるので、ドレスコードの有無も事前に確認しておくと安心です。

結婚式のテーマカラー

結婚式の服装を選ぶ上でとても重要なのは、テーマカラーです。招待状などで結婚式のテーマカラーが指定されているか、忘れずに主催者へ確認しましょう。指定の色を服装の一部に取り入れることで、お祝いの気持ちや主催者への配慮を示せます

バロン・タガログとフィリピニャーナ

フィリピンの伝統的な礼服である男性用のバロン・タガログ女性用のフィリピニャーナに挑戦するという選択肢もあります。これらは、現在もフィリピンでは正装として広く認知されており、特に男性が結婚式でバロン・タガログを着ているのを見られるでしょう。

新郎新婦やそのご家族が伝統的な礼服を着用する場合もありますが、日本人のゲストが無理に着用する必要はありません。もし伝統的な礼服に興味がある場合は、現地の方に相談してみると良いでしょう。

フィリピンの結婚式での服装選びのポイント:男性編

以下では、フィリピンの結婚式に男性ゲストとして招かれた際の服装選びのポイントを紹介します。

お祝いの場にふさわしい服装を心がける

日本の結婚式のように厳格なマナーが求められるわけではない、比較的カジュアルな式が多いフィリピンですが、やはりお祝いの場にふさわしい装いは大切です。

フィリピンの結婚式での男性の基本的な服装は、シャツにチノパンやスラックスなど、清潔感がありシンプルなものです。ジャケットやネクタイは必須ではないので、天候や気温に合わせて判断しましょう。

なお、靴は革靴でなくても構いませんが、サンダルなどカジュアルすぎるアイテムは避けてください。

シャツやネクタイの色柄で遊び心を加えたり、明るめの色のスーツを選んだりするのがおすすめです。清潔感があり、お祝いの気持ちが伝わる装いを意識しましょう。

ところどころにテーマカラーを取り入れる

男性ゲストの場合は服装全体をテーマカラーにするのは難しいかもしれませんが、ネクタイやポケットチーフ、シャツなどにテーマカラーを取り入れると、統一感を出しやすくなります。

なお、フィリピンは年間を通して気温が高い地域が多いので、素材選びも重要です。ジャケットを羽織るのであれば、会場の雰囲気や気温に応じて脱ぎ着できるようにしておくと快適に過ごせます。

バロン・タガログを着用する場合は主催者に確認

フィリピンの伝統的な男性用礼服であるバロン・タガログを着用する場合は、主催者にまず確認しましょう。新婦が決めたテーマカラーのバロンをレンタルするのが一般的だからです。

ちなみに、バロン・タガログはパイナップルの葉の繊維などで織られた透け感のある生地で作られたシャツのような服で、独特の刺繍が施されています。着用シーンによって素材や刺繍の度合いが異なります。結婚式に参列する機会があれば、バロン・タガログに挑戦するのも素晴らしい経験となるでしょう。

フィリピンの結婚式での服装選びのポイント:女性編

続いて、以下ではフィリピンの結婚式での女性ゲストの服装選びのポイントを紹介します。

お祝いの場にふさわしい華やかな装いを心がける

フィリピンの結婚式における女性ゲストの基本的な服装は、ワンピースドレスまたは、ブラウスとスカートなどです。日本よりカジュアルではありますが、露出の多いデザインは控えましょう。昼間の式であればカクテルドレス、夜の披露宴であればよりエレガントなイブニングドレスも適しています。

ボレロやストールなどの羽織を準備しておく

場にふさわしいかどうかを念頭に置いて、露出しすぎないようにボレロやストールなど肩や膝を隠せるアイテムを用意しておくと良いです。教会のミサなどの宗教的な儀式も多いからです。また、結婚式はお祝いの場ですので、清潔感のある上品な装いを心がけ、過度に肌を露出する服装や派手すぎるデザイン、新郎新婦よりも目立ってしまう衣装は避けましょう

高すぎないヒールやシンプルなアクセサリーなど、新郎新婦を立てるシンプルで清潔感のある服装を心がけてください。

フィリピニャーナを着用する場合は主催者に確認

女性の伝統的な民族衣装フィリピニャーナの着用を検討している場合は、男性のバロンタガログと同様にまずは主催者に確認しましょう。フィリピニャーナは現在も正装なので、結婚式のようなフォーマルな場面で着用できますが、結婚式の雰囲気に合っているか、また他のゲストの服装の傾向なども含めて、主催者に相談するのをおすすめします。

フィリピンの結婚式で気をつけたい服装以外のマナー

以下では、フィリピンの結婚式にゲストとして招かれた際に、服装以外にも知っておくべきマナーを紹介します。

ご祝儀やプレゼントは渡したい人が渡す

フィリピンの結婚式におけるご祝儀の考え方は、日本とは少し異なります。ご祝儀は基本的に必要なく、渡したい人がご祝儀やプレゼントを用意するもの。チップのような側面があると言われています。

渡す時は、新郎新婦の体に貼り付けたり、式中にチップバッグが回ってきたり、また、各テーブルに置かれた封筒に入れてブライズメイドやグルームズメンに渡したりなど複数の方法があります。

本当に渡したい人が渡すという考え方が根底にあるため、誰がいくら渡したか分かりにくい仕組みになっています。

ちなみに、ご祝儀を渡した方が良いかどうかは新郎新婦との関係性によって以下のように異なります。

◾️ご祝儀を渡した方が良い関係
・家族・親族(兄弟姉妹やいとこなど)
・ニノン・ニナン(後見人や名付け親など)として結婚式に招待された場合
・幼馴染や親友といった近い友人関係
・直属の上司や部下など

◾️プレゼントのみでも良い関係
・学生時代の同級生など知人レベル
・職場の付き合い程度の関係性(チームメンバーや同僚など)
・招待されたが式に出席できない場合

なお、ご祝儀を持っていくパターンもあります。目安は3,000〜10,000フィリピンペソで、特にニノン・ニナン(後見人)の場合はP10,000〜30,000前後が相場です。ご祝儀の額は家柄や会場によって変わるため、周囲の人に聞いてみるのが良いでしょう。ちなみに、ご祝儀袋(Money Envelope)はナショナルブックストアなどで購入できます。

案内された時間通りに到着する

結婚式に関しては、案内された時間通りに到着してください。

フィリピンにはフィリピンタイムと呼ばれる、約束の時間から数分〜数時間遅れる文化があり、早く行きすぎて準備中の主催者にプレッシャーを与えないようにという意味合いがあるようです。しかし、結婚式は別です。時間に正確なパーティーもあるので、スケジュールを事前に確認しておきましょう。

食事は目上の方が取り始めるまで待つ

披露宴の食事はビュッフェ形式で各自お皿に取り分けて食べますが、取り分ける際は上司や高齢者が取り始めるまで待ちましょう。なお、一度に取りすぎるのは避けてください。

また、フィリピンではフォークとスプーンで食事をするのが一般的。左手のフォークでご飯とおかずを右手のスプーンに押し入れて、一口で食べます。ホームパーティーなどで初めて見る料理を勧められた際に断ってしまうと、相手を尊敬していないと思われる可能性があるため、匂いや見た目だけで断らずに、まずは試してみましょう。また、家庭によっては食前に祈りを捧げるため、祈りが終わるまで静かに待ちます

その他のマナーや一般的な結婚式の雰囲気

フィリピンの結婚式は全体的に、日本の結婚式よりもカジュアルで自由な雰囲気です。披露宴の前半はフォーマルなイベント、後半は友人メインでゲームや余興などをするという、1次会と2次会が一緒になったような構成もあります。

子どもが走り回っていても誰も気にしなかったり、ゲストの退場も自由で途中退出も問題なかったりと、フィリピンの結婚式は新郎新婦と家族のためという側面が強いと言えるでしょう。

結婚式での挨拶は、親しい方同士で頬と頬を合わせるベソや、年配者に対する敬意を示すマノなどがありますが、結婚式の場でゲストがこうした挨拶をする機会があるかは状況によります。なお、より丁寧な言葉遣いとしてはタガログ語の文末にPoを付けると、尊敬の気持ちを表せます。また、相手の名前を呼ぶ際にSirMa'amを付けるのも丁寧な呼び方です。

フィリピンの結婚式で準備しておくと良い持ち物リスト

最後に、フィリピンの結婚式で用意しておくと良い持ち物を紹介します。

ご祝儀袋(Money Envelope):事前に購入しておくとスムーズ。 プレゼント:新郎新婦からのリクエストリストがある場合や、自身で選んだ場合。 羽織るもの:会場内は冷房が効いていることが多いため、用意しておくと便利。 トイレットペーパー:一部の公共トイレにはトイレットペーパーが設置されていないため、念のため携帯しておくと安心。(結婚式に限ったことではないが、初めて行く場所では特に役立つ。)

フィリピンの結婚式では、マナーや習慣を念頭に置きつつ、新郎新婦を心からお祝いする気持ちを持って参加しましょう。もし迷うことがあれば、気軽に主催者に尋ねるのが一番です。

まとめ

フィリピンの結婚式は日本よりもカジュアルながらも、テーマカラーの指定やマネーダンスなど独自の文化が息づいています。男女それぞれドレスコードやテーマカラーを確認し、式にふさわしい服装で参加しましょう。

ご祝儀に関しては日本ほど厳格なルールはなく、気持ちに応じて金額やプレゼントを用意すれば大丈夫でしょう。

何より大切なのは、新郎新婦を心から祝福する気持ちです。現地の文化を尊重しながら、結婚式の雰囲気を楽しむ姿勢こそが、素敵なゲストとしての最高のマナーといえるでしょう。

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