ネイティブキャンプをご覧の皆様、こんにちは!ネイティブキャンプのこのコラムでは毎回、留学やワーキングホリデー、海外移住や旅行に興味がある方や語学、外国語学習に興味関心のある方に向けて有益な情報を発信しています。
ズバリ、今回は「カナダの中学校の学校生活について」を特集していきます!
近年、日本から海外へ留学を経験する人の低年齢化が進んでいます。コロナ禍を経て、小さいお子さんと保護者の方が一緒に海外に留学する「親子留学」や、中学生からでも参加できる海外サマーキャンプや、長期休みを利用した短期留学などに挑戦する中高生も増えています。円安や治安、世界情勢の悪化により、留学する地域を慎重に選ぶ人は多いものの、コロナ禍で留学を断念せざるを得なかった人たちがこぞって海外に行く準備をしたり、実際に海外に飛び立とうとしています。
そんな中、学生のうちに留学をしてみたい!と考えている学生さんや、お子様が多感で吸収しやすい中高生のうちに海外留学を経験させてあげたいと考えている保護者の方に人気なのが、カナダ留学です。
今回のこのコラムでは、カナダの現地中学校のリアルな学校生活を特集し、カナダの教育制度や教育方針、学校生活の特徴を深掘りしていきたいと思います。もし中学生のうちにカナダの中学校に留学をすることを検討している方は、留学の際に注意するべき点もお伝えしていきますのでぜひ参考にしてみてくださいね。
カナダの教育制度の特徴
まずは、カナダの教育制度の特徴について確認していきましょう。日本の教育制度とは大きく異なる価値観や制度が導入されていますので、留学前にしっかりと理解しておきましょう。
義務教育の期間
日本の義務教育は小学校の6年間と中学校の3年間、合計9年間ですが、カナダの義務教育は日本でいう高校生までの期間が定められています。ですので、公立の学校であれば高校卒業まで無料で通うことができます。
ただし、これはカナダの永住権を持っている人や国籍のある人に適用される制度です。留学生に対しては異なるルールが課せられる場合があるので、入学したい学校ごとのルールを確認する必要があります。
教育制度は州ごとの管轄
カナダの教育制度は、アメリカやオーストラリアと同様に州が管轄となっています。ですので、義務教育や教育方針や学ぶべき科目、何年生までに数学の因数分解を習うといったルールは州ごとに異なります。
州によっては、小学校からではなく幼稚園から義務教育に含まれている場合もあります。
学年の区分け
カナダでは、日本のように小学校・中学校・高校のように学年もしっかりと区分けされていません。カナダでは、グレードというもので学年を表記します。州によって、どのグレードの生徒がどの学年の区分けにいくべきかが異なります。
具体的には、とある州の学校ではグレード1〜7までを完了したらグレード8〜12までの学校へいくことになります。
別の学校ではグレード1〜6まで終了したら7〜12までの学校へ通うことになります。
学期の始まり
日本の学期の始まりの時期が世界のほとんどの国と異なるという話は有名ですよね。日本では新学期は4月、二学期が9月に始まり3学期が1月から始まり3月に年度が終わるという流れが一般的ですが、カナダを含む海外のほとんどの国では新学期が異なります。
カナダでは、8月か9月に新学期が始まり、夏休みは6月の下旬ごろ〜新学期の8、9月ごろまでの長い期間であるという特徴があります。
高校受験がない
なんと、カナダの中学校から高校に進学する際には高校受験がありません。日本の高校3年生に当たるグレード12までが一貫した義務教育なので、高校にもそのまま進学できるのです。
ホームスクールという制度
アメリカをはじめ、家庭の事情で学校に通うことができない子供や、学生の頃から芸能界やスポーツ、エンタメ界、芸術などの活動に従事している子供を対象にカナダにも自宅から学校の授業が受けられるサービスが整っています。
これを「ホームスクール」といい、インターネットを使ってカリキュラムを提供しています。
カナダの教育方針
続いて、カナダが国として、教育をどのようなものとして捉えているのかを解説していきます。これを理解することで、カナダへ留学して得られるメリットもわかりやすくなります。
いじめ問題への取り組み
カナダの中学校では近年特に、いじめ問題に対する取り組みが強化されています。いじめは、どの国でも解決していくべき重要で深刻な問題です。カナダではいじめ問題を州政府や学校、教員や家庭に任せてしまうのではなく、社会全体で取り組み解決すべき問題だと捉えられています。
大学教授たちによって作られた「Prevent.ca」という団体があり、研究者たちによっていじめ問題が様々な観点から客観的に研究されています。この団体で研究され、成果として出た結果を世間へ発信することで、いじめを撲滅しようとする活動を続けています。
また、カナダの学生たちによる「ピンクシャツ・デー」という取り組みも有名です。学生たち自らがいじめ反対運動を行い、カナダの首相トルドーさんもこの運動に参加したことで有名です。
ボランティア活動がカリキュラムに含まれる
カナダの一部の州では、中学校の学習カリキュラムにボランティア活動が含まれています。ボランティアやチャリティーで地域に貢献することで、社会貢献することの素晴らしさや気持ちのよさを体験させることが目的です。
このような教育方針のおかげで、カナダの国民は社会貢献の意識が非常に高いと言われています。
選択科目式でその子の個性を伸ばす教育
カナダの中学校では、自分の得意なことや分野、興味のある教科を選択し極めることができます。なぜなら、カナダの中学校には個性豊かな教員が多く揃っているためです。
例えば、マーケティングや美容、演劇や料理、ダンスなど、日本の中学校では学習することのできないようなユニークな科目が用意されています。中学生の頃から様々な分野に触れておくことで、将来やりたいことへの視野がぐんと広がるでしょう。
カナダの中学校の学校生活
ここで、実際にカナダ現地の中学校に通う学生たちがどんなふうに1日を過ごしているのかをみていきましょう。日本の学生生活とどこが違うのか、見比べてみて、カナダの学校でしか得られないメリットは何か、知っておくといいですね。
就業時間について
カナダの小中学校の1日は、日本の小中学校の1日よりも短いです。基本的には朝の8:30から授業が始まり、午後は14:30に下校となります。
高校になると、朝9:10から授業が始まり、下校時刻は15:25と、日本の高校の就業時間とあまり変わりません。ただし、1授業が1時間15分ととても長く、1日4コマしか授業がありません。
昼食は給食ではなくカフェテリア
カナダの学校の昼食は、大抵の子がカフェテリアで取ります。日本は一部の地域を除き小中学校は給食のところが多いですが、カナダの学校には必ずカフェテリアがあります。
このカフェテリアでは、家庭の事情などで朝食を取ることができない学生たちに無料で朝ごはんを提供しています。
昼食の時間になると、バイキング形式で自分の好きなランチを選び、カフェテリア内にある席について昼食をとります。また、家からお弁当を持ってくる子もいますが、大抵はサンドイッチとりんごのみ、などのシンプルなものです。
学校に保健室がない
日本の小中高には必ず保健室がありますよね。実はカナダの学校には保健室がありません。ですので、学校にいる間に体調が悪くなった場合は保護者の方に迎えに来てもらい、早退することになります。
掃除の時間がない
日本の小中学校、場合によっては高校では自分たちで教室や廊下などの掃除をする時間がありますよね。カナダでは自分たちで学校の掃除をするのではなく、学校が清掃業者を雇って夜間に清掃を行います。
カナダの中学校に留学する場合の注意点
ここまで、日本の教育制度や方針、学校生活とカナダのそれとの違いについて解説してきました。実際にカナダの学校へ留学をする予定のある方はこのような違いについて知っておくことで、現地についてからカルチャーショックを受けずに済みます。
コラムの最後に、カナダの中学校に留学をする際に注意しておきたい点について解説をします。
中学生というと、12歳から15歳というとても多感な時期であり、精神的にも身体的にも大きく成長を遂げる時期です。心も体も子供から大人へと変化する時期ですよね。そのため、この時期に留学をする場合に、大人になって留学をする時よりも注意をするべきことがいくつかあります。
日本を離れることで生じる様々なリスクを理解する
親元を長期間離れ、しかも日本ではない海外にたった一人で滞在するという経験はものすごく貴重でもあり、体験をする本人にとっては非常にストレスフルにもなり得ます。
例えば、現地の言葉が聞き取れなくて流暢に話すことができず、周りとの疎外感を強く感じてしまい、強いホームシックを感じてしまうことや、日本とは異なる文化や習慣についていけずにカルチャーショックに陥ってしまうケースがあります。
また、せっかく留学をしても、寂しさや不安のせいで現地で出会った日本人とだけ過ごすようになり、現地の友達や留学生との関わりをほとんど持たずに帰国してしまうといったケースも考えられます。心細い留学生活中に日本人と交流することはとても大切で、心の支えになることは間違いないのですが、最初から最後までほとんどの時間を日本人と「日本語のみ」で生活してしまっては、留学をした本来の目的を見失ってしまう可能性があります。
さらに、危機管理能力に対する不安もあります。安全な日本では普段全く意識してこなかった「近寄ってはいけない場所」や「治安の良くない場所」についてしっかりと事前に確認し、現地で安全に生活をするためのルールを決めることが非常に大切です。
まとめ
このコラムではここまで、「中学生のカナダ留学とその学生生活について」詳しく特集してきました。いかがでしたでしょうか?
近年、若年齢化が進む留学。オンラインで簡単に世界と繋がれる時代になったからこそ、まだ10代前半である中学生でも、実際に海外留学に挑戦してみたい!世界の同世代の人たちと交流してみたい!と思う学生たちも増えているのではないでしょうか。かくいう筆者も、中学一年生の頃に初めてニュージーランドへの海外旅行を経験し、それからは英語に夢中になり、今度はニュージーランドに留学生として訪れてみせる!と意気込み、その夢を実現させました。
今回ご紹介した日本とカナダの教育制度や方針、学校生活の違いを知り、カナダの学校に通うことのメリットを理解した上でぜひ、中学生のカナダ留学を実現させましょう!

◇経歴
大学時代に、外国語がどのように学ばれるのかについて興味を持ち、日本の大学院で第二言語習得論•応用言語学の研究に励む。
修了後はインターナショナルスクールの先生や、小学生オンライングループ英会話のバイリンガル講師、日本の文化を海外に広める音楽スクールで活躍中。
◇資格
IELTS Academic module 6.5
(speaking 6.5 reading 7.0 listening 6.5 writing 6.0)
◇留学経験
高校時代、春休み中にニューヨークにある姉妹校のタウンゼント•ハリス高校へ研修に参加。
その後大学時代にニュージーランドに一学期間の留学を経験。語学学校に通ったのち、主に応用言語学を中心に学ぶ。
◇海外渡航経験
つい数ヶ月前、高校ぶりに訪れたニューヨークの空港でみつけたストリートピアノ。
つい弾きたくなりニューヨーク出身の作曲家ジョージ•ガーシュインの「ラプソディーインブルー」を弾いたら、メキシコのカンクン行きの搭乗を待っていた皆さんから盛大な拍手を貰いました!とてもいい思い出です。
◇自己紹介
これまでの海外経験や、日本で出会った留学生たちとの交流から、英語をはじめとした外国語を使うことで、私たちの視野や価値観はどんどん広がっていくと確信しています!
英語が好き!と言う気持ちを大切に、英語を学び続けられる燈を見つけられるよう行動すると、英語学習が楽しくなります!