
フィリピンの友人や同僚に贈り物をしたいとき「これって失礼にならないかな?」と心配になったことはありませんか?
せっかくの気持ちを込めた贈り物も、文化の違いで相手を困らせてしまっては残念ですよね。
この記事では、フィリピンの豊かな文化背景をもとに、贈り物選びで知っておきたいタブーや大切なポイントをわかりやすくご紹介します!
喜んでもらえるギフトのアイデアもたっぷりお伝えするので、フィリピン人への贈り物で悩んでいる方は、ぜひ最後までお読みください。
- 贈り物をする上で知っておきたいフィリピンの文化
- フィリピン人にあげない方がいい贈り物:食べもの編
- フィリピン人にあげない方がいい贈り物:日用品・雑貨編
- 贈り物選びで失敗しないためのポイント
- フィリピン人に喜ばれるお土産
- おまけ:フィリピンにおけるその他のタブー
- まとめ
贈り物をする上で知っておきたいフィリピンの文化
フィリピン人に贈り物をする前に、まずは現地の文化を少し理解しておきましょう。
フィリピンには家族を大切にする温かい文化や、カトリック教の影響を受けた独特の価値観があります。
こうした文化的背景を知っておくことで、相手により喜んでもらえる贈り物選びができるようになるでしょう。
家族や親戚との強い絆を大切にする文化
フィリピンでは家族や親戚との繋がりをとても大切にします。
自分個人の幸せではなく、家族みんなの幸福を第一に考える価値観です。
そのため贈り物を選ぶときも、一人で楽しむものよりも、家族全員でシェアできるアイテムの方が喜ばれます。
たとえば、個別包装されたお菓子の詰め合わせや、みんなで使える便利グッズなどは人気の贈り物です。
家族の絆を重んじるフィリピンならではの特徴を理解しておくと、贈り物選びがスムーズになるでしょう。
国民の大多数を占めるカトリックの価値観
フィリピン人の約8割がカトリック教徒で、宗教の教えが日常生活にも深く浸透しています。
カトリックでは謙虚さや思いやりを大切にするため、贈り物にもそうした気持ちが込められたものが喜ばれます。
ただし、宗教的なタブーもあるため注意が必要。
十字架のアクセサリーや聖人の置物などは信仰を尊重する贈り物として好まれることもありますが、相手の宗教観をよく理解してから選ぶとよいでしょう。
目上の人を敬う「マノ・ポ」の習慣
フィリピンでは「マノ・ポ」という素敵な習慣があります。
年長者や目上の方に出会ったとき、その人の右手を取って自分の額に当てて敬意を示す行動です。
このように、フィリピンでは年上の人や地位の高い人をとても大切にします。
贈り物を渡すときも、相手の年齢や立場を考慮して選ぶと喜ばれるでしょう。
特に目上の方には、より丁寧な心遣いを示すことが大切です。
人前での面子を重んじる「ヒヤ(Hiya)」の考え方
フィリピンには「ヒヤ(Hiya)」という独特な価値観があります。
これは人前で恥をかくことを何よりも避けたいという、日本人にも馴染み深い感情です。
贈り物を渡すときも、この「ヒヤ」への配慮が大切になってきます。
あまりに高価なプレゼントは相手に負担を感じさせてしまいますし、大勢の前での贈り物は相手にプレッシャーを与えてしまうことも。
適切な価格帯で、タイミングや場所を選んで渡すのがベストです。
フィリピン人にあげない方がいい贈り物:食べもの編
フィリピンの方に食べ物をプレゼントする際は、いくつかの注意点があります。
宗教や文化の違いによって、渡すのを控えた方がよい食品があるからです。
どんな食べ物に注意すればよいのか、具体的に見ていきましょう。
イスラム教徒への豚肉を使った食べ物
フィリピンには約5~10%のイスラム教徒の方が住んでおり、豚肉を使った食べ物は贈り物として適しません。
イスラム教では豚肉の摂取が宗教的に禁止されているためです。
意外と見落としがちなのが、日本のお菓子や加工食品に含まれる豚由来のゼラチン。
グミやマシュマロ、一部のお菓子にも使われています。
相手の方がどの宗教を信仰されているか事前に確認してから、食品を選ぶようにしましょう。
辛すぎる食べ物や特殊な味付けの食品
フィリピンの方には、日本の激辛系スナックやわさび味のお菓子はちょっと刺激が強すぎるかもしれません。
現地の料理はマイルドで優しい味付けが中心だからです。
また、納豆やくさやといった発酵食品も、独特な香りで驚かれてしまうことが多いもの。
特別な気持ちを込めた贈り物なら、甘いお菓子やチョコレートなど、誰にでも愛される定番の食品を選ぶとよいでしょう。
現地でも手に入る一般的なスナック類
フィリピンでも普通に売っているポテトチップスやクラッカーなどは、せっかくの贈り物としては少し物足りないかもしれません。
現地でも手軽に買えるものより、日本でしか味わえない特別なお菓子の方が断然喜ばれます。
おすすめは、日本ブランドのチョコレートや抹茶味のお菓子。
日本の繊細な味作りや品質の高さを実感してもらえる、素敵な贈り物になるでしょう。
フィリピン人にあげない方がいい贈り物:日用品・雑貨編
食べ物以外にも、実は日用品や雑貨にも気をつけたいアイテムがあります。
日本では何気なく使っているものでも、フィリピンでは縁起が悪いとされることも。
具体的にどのようなものが避けるべきアイテムなのか、詳しく見ていきましょう。
ハンカチ
実は、フィリピンではハンカチをプレゼントするのはタブーとされています。
「涙を拭く」という使い方から、どうしても別れや悲しみのイメージと結びつくためです。
特に大切な人への贈り物だと、関係が終わってしまうことを暗示していると受け取られることも。
日本では実用的で喜ばれそうなアイテムですが、フィリピンの文化では縁起の悪い贈り物と考えられているので注意しましょう。
刃物類
ハサミや包丁といった刃物類は、フィリピンでは贈り物として絶対にNGです。
「切る」という機能が人間関係や絆を「断ち切る」ことを意味してしまうため、とても縁起が悪いものとされています。
日本では高級な包丁セットなどが喜ばれる贈り物ですが、フィリピンでは全く逆の受け取られ方をしてしまうため、注意しましょう。
特に結婚祝いや大切な友人への贈り物として選んでしまうと、相手との関係を終わらせたいという意味に取られかねません。
文化の違いによる大きな誤解を避けるためにも、刃物類は選択肢から外しておきましょう。
靴
フィリピンでは靴のプレゼントもタブーのひとつ。
「歩いてどこかへ行く」という靴の性質から、贈られた人が自分の元から離れていってしまうという意味に捉えられてしまいます。
特に恋人や家族への贈り物としては絶対に避けたいところですね。
どれほど素敵で高価な靴でも、現地の人にとっては縁起の悪い贈り物になってしまいます。
ファッションアイテムを贈りたい場合は、靴の代わりにバッグやアクセサリーなどのアイテムを選ぶとよいでしょう。
贈り物選びで失敗しないためのポイント
フィリピンの方に喜んでもらえる贈り物を選ぶには、ちょっとしたコツがあります。
相手の文化や習慣を理解して、心遣いを形にすることが大切です。
ここからは、贈り物の選び方から渡し方まで、知っておくと安心なポイントをご紹介します。
相手の宗教や所属コミュニティを事前に確認する
贈り物選びで最も大切なのは、相手の宗教や文化的背景を知ることです。
フィリピンはカトリック教徒が約80%、イスラム教徒が約5%と多宗教国家。
宗教によって食べられない食材や避けるべき贈り物が変わってきます。
事前にさりげなく相手の宗教や好みを聞いておきましょう。
贈り物の数は縁起の良い奇数にする
フィリピンでは贈り物の数にちょっとした気遣いが大切です。
奇数が幸運を呼ぶとされているため、1個、3個、5個といった数で選ぶのがおすすめ。
お菓子なら5個入りセット、お花なら3本の花束といった具合に、数を意識するだけで相手への配慮が伝わります。
なお、偶数の4は「死」を連想させるため避けた方がよいでしょう。
包装紙は赤や黄色など明るい色を選ぶ
フィリピンで贈り物を渡すときは、包装紙の色選びがとても大切になります。
特に赤や黄色といった明るい色がおすすめ。
赤は幸福を、黄色は富や成功を象徴する縁起の良い色とされています。
金色や銀色も特別感があって喜ばれます。
反対に、白や黒は葬儀をイメージさせてしまうため避けた方が無難です。
贈り物は感謝を込めて両手で渡す
フィリピンで贈り物を渡すときは、必ず両手を使いましょう。
片手で渡すのは失礼にあたってしまいます。
両手で渡しながら笑顔を見せて「これは私からの気持ちです」と一言添えると、相手への敬意がしっかり伝わります。
きっと相手も両手で受け取ってくれるはずです。
また、みんなの前で贈り物を渡すと、相手の面子も立てることができて一石二鳥。
フィリピンの方との信頼関係を深めるためにも意識しておくとよいでしょう。
フィリピン人に喜ばれるお土産
フィリピン人に喜ばれるお土産には、日本ならではの品質の高さと文化的な魅力を感じられるアイテムがぴったりです。
お菓子や美容グッズ、日用雑貨、子ども向けのアイテムなど、それぞれに選び方のコツがあります。
どんなものが特に人気なのか、具体的に見ていきましょう。
日本ブランドのチョコレートや抹茶味のお菓子
フィリピン人へのお土産で間違いないのが、日本のお菓子です。
甘いものが大好きなフィリピン人にとって、明治やロイズのチョコレートは現地では高級品。
まさに特別感のある贈り物です。
抹茶味のキットカットやポッキーなど、日本ならではの味も「珍しくて美味しい!」と大好評。
個別包装されているものなら、家族や友人みんなで分けて楽しめるので、さらに喜んでもらえるでしょう。
高品質で信頼される日本製の美容アイテム
日本製の美容アイテムは、フィリピン人女性にとても喜ばれるお土産です。
資生堂やDHC、キャンメイクなどの化粧品は品質の良さで評判が高く、現地でも憧れの存在。
特にフェイスパックや美白効果のあるアイテムは美意識の高いフィリピン女性に大人気です。
パッケージも美しく使い心地も抜群なので、きっと満足してもらえるでしょう。
切れ味の良い爪切りや機能的な文房具
日用雑貨は実用性の高さから、フィリピン人にとても喜んでもらえるお土産です。
なかでも日本製の爪切りは、その優秀な切れ味と丈夫さで現地でも大人気。
貝印の関孫六シリーズのような高品質なものなら、長年愛用してもらえます。
消せるボールペンや多機能ペン、おしゃれなペンケースといった文房具も、日本ならではの技術とデザインが光るアイテムとして重宝されます。
フィリピンではなかなか手に入らないものなので、特別感のある贈り物として喜ばれるでしょう。
日本のアニメキャラクターグッズや知育菓子
フィリピンの子ども達へのお土産は、日本のアニメキャラクターグッズや知育菓子がおすすめです。
フィリピンの子ども達は日本のアニメが大好きで、ドラえもんやキティちゃん、ポケモンなどのキャラクターグッズは、現地でも憧れのアイテム。
文房具やぬいぐるみ、バッグなどは実用的で喜ばれます。
また、自分で作れる知育菓子も子ども達には大人気です。
材料を混ぜると色や形がどんどん変化していく様子は、まるで小さな実験をしているようで子ども達にとって忘れられない楽しい体験となることでしょう。
おまけ:フィリピンにおけるその他のタブー
贈り物のマナー以外にも、フィリピンでは普段のちょっとした振る舞いや話題選びで注意したいポイントがいくつかあります。
うっかりやってしまいそうなことも含まれているので、頭の片隅に入れておきましょう。
ここでは、フィリピンで気をつけたい日常的なタブーについてご紹介します。
人前で叱るなど相手のプライドを傷つける行為
フィリピン人は、面子や尊厳を何よりも重視するため、人前で大声で叱ったり相手を恥ずかしい思いにさせるのは大きなタブーです。
人前での叱責は、本人だけでなく家族全体の名誉に関わる深刻な問題。
もし何かお願いしたいことがある時は、二人きりになったタイミングで優しく伝えたり、遠回しな表現を使って相手の気持ちを大切にしましょう。
子どもの頭をなでること
フィリピンでは、子どもの頭をなでることはNGです。
頭部は神聖な部位と考えられており、特に「子どもの頭には神が宿る」と信じる価値観が根付いているからです。
日本では子どもの頭をなでるのは愛情の表れですが、フィリピンでは失礼にあたります。
子どもたちと触れ合うときは、肩を軽くたたいたり、手をそっと握ったりする程度にとどめておきましょう。
「すごいね!」「上手だね!」といった温かい言葉をかけることで、十分に愛情や賞賛の気持ちが伝わります。
人を指さす、または「おいで」のジェスチャー
フィリピンでは、人を指さしたり日本でおなじみの「おいで」ジェスチャーをしたりするのはマナー違反になってしまいます。
特に手のひらを上向きにして指を曲げる動作は、動物を呼ぶときのものと思われているからです。
人を呼ぶときは手のひらを下向きにして軽く手招きするか、声をかけるのがベスト。
物や方向を示すときも、指先ではなく手全体や顎を使って示すのが現地のマナーです。
政治や宗教などデリケートな話題に踏み込むこと
フィリピンでは政治や宗教の話題はちょっと注意が必要です。
多様な宗教が共存し、政治的な考え方も人それぞれ違うからです。
特に初対面の方や親しくない関係では、これらの話題は相手を不快にさせてしまう可能性もあるので避けた方が無難でしょう。
代わりに家族のことや趣味、おいしい食べ物の話など、軽やかな話題から始めてみてください。
自然な会話の中で少しずつ関係を築いていけば、きっと素敵な交流が生まれるでしょう。
まとめ
この記事では、フィリピン人への贈り物選びで知っておきたいタブーや文化的なマナーについて解説してきました。
豚肉を使った食べ物や刃物類、ハンカチなどは避けるべきアイテムですが、日本製のお菓子や化粧品、文房具などは大変喜ばれます。
事前に相手の宗教や好みを確認し、贈り物を準備しましょう。
相手の文化を理解して心を込めた贈り物をすれば、きっと素敵な関係が築けるはずです。
この記事を参考に、ぜひ相手に喜んでもらえる贈り物を選んでみてくださいね!
◇経歴
・インターナショナルプリスクールでの勤務経験あり
・幼児英会話講師としての勤務経験あり
◇資格
・ケンブリッジ英語検定FCE
・実用英語技能検定2級
・幼保英語検定2級
・児童英語インストラクター資格
◇留学経験
・オーストラリア(1年間)
・イギリス(1か月)
◇海外渡航経験
【旅行】
イタリア、オーストラリア、ハワイ、グアム、プーケット、バリ島、セブ島、台湾
◇自己紹介
英語と旅行に魅了され、学生時代にオーストラリアとイギリスへの留学を経験。
異文化との出会いが人生の大きな転機となる。
幼児英会話講師としての経験を積み、現在は英語や異文化の魅力を発信するWebライターとして活動中。
夢は、娘との親子留学といつかは家族で海外移住。
趣味は、週末プチ農業と地元のグルメ探し。