
イタリア北部のアドリア海に浮かぶヴェネツィアは、街全体が世界遺産に指定されている
「水の都」です。
ローマ、フィレンツェ、ミラノに並ぶ、イタリア屈指の観光都市で、世界中から年間2,000万人以上の観光客が訪れています。
しかし、観光客の増加に伴い観光名所や交通の混雑や、環境・インフラへの負担が大きな問題となっています。
ヴェネツィア市は、オーバーツーリズム対策として、2024年4月から入島税を導入しています。
今回の記事では、入島税の料金、入島税の対象となる条件、支払方法、注意事項など、2026年1月現在の最新情報を詳しく解説します。
- ヴェネツィアの入島税とは?
- ヴェネツィアで入島税が発生する3つの条件
- ヴェネツィアの入島税の支払い方法
- ヴェネツィアの入島税における2つの注意点
- ヴェネツィアの入島税に関してよくある質問
- 4月〜7月にヴェネツィアを観光する場合は入島税の有無を確認しよう
ヴェネツィアの入島税とは?

イタリア北部にあるヴェネツィアは、アドリア海に浮かぶ「水の都」として知られる都市です。
118の島々が橋で結ばれ、運河が道路の代わりになっており、車の代わりにゴンドラや水上バス(ヴァポレット)が行き交います。
ヴェネツィアの歴史的建造物群と独自の文化が評価され、1987年には世界文化遺産に登録されました。
ヨーロッパだけでなく世界中から年間2000万人以上の観光客が訪れる、イタリア屈指の人気観光都市です。
ヴェネツィアのオーバーツーリズム
ヴェネツィアの人口は約25万人に対し、年間2000万人以上の観光客が訪れています。
またヴェネツィア市の行政区全体は約412平方キロメートル(km²)ありますが、観光の中心である旧市街地のあるヴェネツィア本島(ラグーナ)は、約5.17km²と大変小さなエリアで東京ディズニーリゾートの約2.6倍しかありません。
また、ヴェネツィア本島には車の入れる道路はなく、100以上の島々が橋で結ばれているため、交通やインフラへの影響も大きな問題になっています。
ヴェネツィアのオーバーツーリズムへの対策として、2024年4月25日から試験的に導入されたのが、ヴェネツィア入島税です。
ヴェネツィア入島税は、イタリア語では「Contributo di accesso」、英語では「Venice Access Fee」と呼ばれています。
ヴェネツィア入島税の料金
入島税は訪問日から4日前までの予約の場合は、1日5ユーロ(約915円、1ユーロ=183円計算2026年1月5日)、
3日前から当日までの予約では1日10ユーロ(約1,830円)です。
ヴェネツィア入島税の目的と税収の運用先
ヴェネツィア市が入島税を導入した目的は、ハイシーズンの混雑を緩和すること、多くの観光客が訪れることによる環境やインフラへの負担を軽減すること、ヴェネツィアの誇る歴史的文化遺産やインフラの維持保全に資金を提供することです。
ヴェネツィアで入島税が発生する3つの条件
ヴェネツィアの入島税は、ヴェネツィアを訪問する観光客に対して必ず課されるものではなく、3つの条件が重なると発生します。
ここからは入島税が発生する条件について詳しく解説します。
日帰りでヴェネツィアを観光する
入島税を課される条件の1つ目は、日帰りでヴェネツィアを訪れる14歳以上の観光客であることです。
ヴェネツィア本島のホテルに宿泊する旅行者には入島税はかかりません。
ただし宿泊者には、宿泊費用の支払い時に観光税が課されます。
指定日にヴェネツィアを観光する
入島税は毎日徴収されるものではなく、多くの観光客が島を訪れる日のみに徴収されます。
入島税が課される日付は毎年、ヴェネツィア市によって定められています。
2026年に入島税が発生する日は以下の通りです。
原則として4月から7月までの毎週金~日曜日と、4月6日のイースターの振り替えの月曜日、4月の最終週、6月の第一週と覚えておきましょう。
また、入島税がかかるのは午前8時30分から午後4時までのピーク時のみです。
午後4時以降から午前8時30分までは、対象日であっても入島税は徴収されません。
税免除以外の島を観光する
入島税が課税されるのは、ヴェネツィアの旧市街がある本島のみです。
ヴェネツィア周辺にある以下の島々は、入島税の対象外となっています。
・ペレストリーナ島
・ブラーノ島
・サンテラズモ島
・マッツォベット島
・聖アンドレーア島
・サン・セルヴォーロ島
・ポヴェリア島
・ムラーノ島
・トルチェッロ島
・マッツォルボ島
・ヴィニョール島
・ラ・チェルトーザ島
・サン・クレメンテ島
・サッカ・セッソラ島
また、本島内でも鉄道、水上バス、大型クルーズ船などの乗り継ぎで立ち寄り、旧市街に入らない場合は入島税がかかりません。
対象地域は、ポンテ・デッラ・リベルタ、マリッティマ駅、イゾラ・ノヴァ・デル・トロンケット、ローマ広場、サンタ・ルチア駅、ローマ広場とサン・バジリオ駅を結ぶエリアです。
また、リーヴァ・デッリ・スキアヴォーニの大型クルーズ船専用の船着場周辺も、入島税が課されません。
入島税の対象外の地域については、公式サイトの地図に詳しく掲載されています。
ヴェネツィアの入島税の支払い方法
ヴェネツィア入島税の支払い方法は、専用サイトからオンラインで事前に支払う方法と、ヴェネツィアを訪れる当日に現地のタバコ屋や主要スポットで支払う方法があります。
入島税を支払う方法を詳しく解説します。
入島税の専用サイトから支払う
ヴェネツィア入島税は、ヴェネツィア市入島税専用サイトから支払いできます。
専用サイトを使えばイタリアへ渡航する前に日本からも支払いを済ませられるため、ヴェネツィアを訪れる日が決まっている場合は便利です。
専用サイトでは、訪問する日と訪問者の人数を選択し、名前・メールアドレス・電話番号を入力した上で、支払い手続きへと進みます。
支払い方法はクレジットカードとPayPalが使用できます。
登録と支払いが完了すると、メールでQRコードが届きます。
QRコードには訪問する日と訪問する人数が記載されています。
ヴェネツィア本島を訪問する際には、このQRコードを提示します。
タバコ屋(tabaccheria)で支払う
イタリアのタバコ屋は日本のキオスクやコンビニのような小規模な商店で、街のいたるところにあります。
目印は「T」の文字やタバコを意味する「Tabacchi」の看板で、タバコ、スナック、ドリンク、日常雑貨の他、鉄道やバスの切符なども販売しており、ヴェネツィア入島税の支払いも可能です。
イタリアに入国した後、ヴェネツィア訪問前に入島税を支払っておきたい方におすすめです。
タバコ屋で入島税を支払った場合も、オンラインでの支払いと同様に、QRコードが発行されます。
主要スポットで支払う
ヴェネツィアへのアクセスポイントであるイタリア鉄道のサンタ・ルチア駅と、バス停や駐車場のあるローマ広場では、訪問当日に入島税を支払うことも可能です。
ただし支払いに時間がかかる可能性もあるため、訪問する予定が決まっている場合は、専用サイトかタバコ屋で事前購入しておくことをおすすめします。
ヴェネツィアの入島税における2つの注意点
ヴェネツィア入島税は、対象日時にヴェネツィアを日帰り訪問する観光客は支払わなければいけない税金です。
入島税について注意するべき点をいくつかご紹介します。
税免除でも専用サイトへの登録が必要
ヴェネツィアのホテルに宿泊する人や、観光目的でなくヴェネツィア居住者を訪問する家族、市が主催あるいは後援する有料イベントに参加する人などには、入島税が免除されます。
ただし、税免除の対象である場合も専用サイトへの登録が必要です。
入島税の支払いが免除される対象者は、こちらのサイトで確認してください。
未払いのまま入島すると罰金刑が課される
ヴェネツィア入島税は、原則としてヴェネツィアを訪問する前に支払いを完了させておく必要があります。
ヴェネツィア本島に入る際に、事前に登録と支払い完了の証明としてQRコードを提示します。
もし、入島税対象日に未払いだった場合、当日の入島税10ユーロに加えて罰金が科せられます。
罰金は50ユーロ(9,150円)~300ユーロ(54,900円)と高額なので、ご注意ください。
ヴェネツィアの入島税に関してよくある質問
ヴェネツィア入島税について、よくある質問をご紹介します。
ヴェネツィアの入島税の料金は?
ヴェネツィア入島税は、訪問日から4日前までに登録・支払いが完了した場合は、1日5ユーロ(約915円)です。
3日前から訪問日当日までに支払う場合は、その倍の1日10ユーロ(約1,830円)です。
入島税の手続きは何日前からできる?
入島税の手続きは通常訪問日の1~2ヵ月前から予約可能です。
2026年は入島税の対象となる初日が4月3日なので、2026年1月5日現在は、まだ公式サイトからの手続きはできません。
ヴェネツィアを2026年4月から7月までの期間に訪れる予定がある方は、3月頃に専用サイトをチェックしてみてください。
QRコードをなくしてしまった場合再発行はできる?
QRコードが記載されたメールを誤って削除してしまった場合は、専用サイトの「Find your payment voucher」に登録したメールアドレスや電話番号を記入すると、メールが再発行されます。
4月〜7月にヴェネツィアを観光する場合は入島税の有無を確認しよう
日本でも近年大きな問題になっているオーバーツーリズムですが、イタリアを代表する観光都市ヴェネツィアでは、入島税を導入することで、ハイシーズンの混雑の緩和やインフラや環境への負担の軽減に取り組んでいます。
入島税は毎日課されるものではなく、観光客の多くなる春から夏にかけての週末が中心なので、観光客にとっては少し分かりにくいシステムかもしれません。
しかし、訪問日の4日以上前に事前登録をしておけば1日5ユーロと決して大きな金額ではなく、ヴェネツィアの文化遺産やインフラの維持・保全に入島税が使われていることを考えると、気持ちよく支払いたいものです。
入島税は導入されてからまだ2年も経っておらず、入島税が引き上げられたり、対象日が拡大されたりする可能性もあります。
ヴェネツィアを訪れる予定がある方は、イタリアへ出発する前に専用サイトで最新情報を入手して、支払方法や対象日などを確認しておきましょう。
◇経歴
東京出身。アメリカの大学を卒業後に現地企業にて12年勤務。子育てを機に退職し、現在はフリーライターをしています。
◇英語に関する資格
英検準1級
TOEIC875点
◇留学経験
アメリカ高校交換留学、アメリカの4年制大学卒
◇海外渡航経験、渡航先での経験内容
アメリカに住んで20数年!アメリカ以外にもカナダ、イタリア、フランス、スペイン、モロッコ、メキシコなど旅行経験あり。
◇自己紹介
高校での交換留学を機に、アメリカの大学へ進学、そのままアメリカで就職し、いつの間にかアメリカ在住20数年。趣味はガーデニングと美術館巡り。