日本の大学から海外の大学に編入する場合、日本の単位を移行して編入する方法や現地の短大に入学してから4年制大学に編入する方法などさまざまな方法があります。
この記事では、日本の大学に通っている人が海外の大学に編入する方法や編入するメリット・デメリットなどについて解説しています。
また、編入時に求められる書類などについても取り上げているため、ぜひ参考にしてください。
- 日本の大学から海外大学へ編入する方法
- 日本の大学から海外大学へ編入するメリット
- 日本の大学から海外大学へ編入するデメリット
- 海外大学への編入に求められる条件・成績など
- 海外大学への編入に必要な書類
- まとめ
日本の大学から海外大学へ編入する方法
日本の大学から海外の大学へ編入する場合、いくつかの方法があります。
ここでは具体的にどういった方法があるのか解説します。
日本の大学で取得した単位を移行して編入する
日本の大学に在学中で単位をすでにいくつか取得している場合、その単位を海外の大学に移行する形で編入することができます。
日本で得た単位を無駄にすることなく編入できるため、海外の大学の卒業までにかかる時間を短縮できる可能性があるでしょう。
単位移行による編入の場合、各大学によって出願手続きや編入条件が異なるため、詳しくは各大学のアドミッションオフィスなどの担当窓口に直接問い合わせて確認してください。
なお、単位移行に関しては必ずしも全ての単位の移行が認められるとは限りません。
大学によって移行が認められる単位も異なるほか、大学と交渉することで認められるケースもあるため、これらの点に関してもメール等で確認しておくことをおすすめします。
なお、日本で在学中の大学が海外の大学と姉妹校や協定校の協定を結んでいる場合、単位移行による編入がスムーズにできる可能性もあります。
そのため、まずは自分の大学にそういった姉妹校・協定校がないかチェックしてみるのもおすすめです。
現地の短大から大学に編入する
日本の大学からいきなり現地の大学への編入が難しい場合、一旦現地の短大に入学し、その後編入を目指す方法もあります。
コミュニティ・カレッジと呼ばれる2年生の大学に入学し、卒業後に4年生大学の3年次に編入するというものです。
この方法の特徴は、短大を経ることでより高いレベルの大学を目指しやすくなる点にあります。
一般的に現地の大学に直接編入するよりも、短大を経由する方が難易度は低いとされているためです。
もちろん編入の可否は短大での成績がベースとなるため、2年間しっかりと勉強する必要があります。
また、現在日本の大学に在籍している場合は大学卒業までにかかる年数が長くなる点にも注意してください。
パスウェイプログラムを使って編入する
パスウェイプログラムとは条件付き合格のことです。
入学基準に成績や語学力がやや足りていない場合、条件付き合格を出してくれる大学があります。
条件付き合格となった場合、大学にもよりますが、1年目は英語の授業など、足りていない能力を補うための授業を中心に受けます。
1年間でしっかりと大学で勉強するためのスキルを身につけられれば、2年目以降は通常の授業を履修する形となります。
日本の大学からの直接的な編入方法ではありませんが、海外の大学へ入学する方法の1つとして覚えておくといいでしょう。
日本の大学から海外大学へ編入するメリット
ここでは日本の大学から海外の大学へ編入することでどういったメリットがあるのか解説します。
海外の大学に直接行くか、日本の大学を経由するか迷っている人はぜひ参考にしてください。
学費を抑えられる
海外の大学は一般的に学費が高額な傾向にありますが、日本の大学を経由したうえで編入することで学費を抑えられる可能性があります。
例えば、日本の大学で1年もしくは2年過ごしたうえで海外の大学の2年次、3年次に編入する場合、現地の大学に直接入学して4年間過ごすよりも現地で生活する期間が短くなります。
そのため学費や現地での生活にかかる費用を抑えることが可能です。
海外の有名大学の卒業資格を得られる可能性がある
海外の大学に編入する大きなメリットの1つが、海外の大学の卒業資格を得られることです。
例えば、日本の大学を経由して現地の短大に入学し、その後4年生大学を目指す形であれば、現地の名門校に入学することも不可能ではありません。
海外の大学を卒業していれば、就職活動でも有利に働く可能性がありますが、それが名門大学となるとさらに効果的です。
日本から海外の大学に編入する場合、日本の大学のレベルや偏差値などは問われないため、編入することで将来の選択肢が増える可能性があるでしょう。
日本と海外の両方の大学生活を経験できる
日本の大学を経由したうえで海外の大学に編入すればそれぞれの国で大学生活を経験することができます。
日本と海外とでは同じ大学生でも生活スタイルや遊び方、勉強に対する姿勢などは異なります。
日本の大学で、サークルで楽しく過ごす経験も、海外の大学で課題に追われる経験も貴重なものとなります。
そのどちらも経験できる点は編入の魅力の1つだといえます。
日本の大学から海外大学へ編入するデメリット
海外の大学への編入はメリットの一方で少なからずデメリットも存在します。
ここでは具体的にどのようなデメリットがあるのか解説します。
単位移行が認められない可能性がある
先ほども説明しているように、日本の大学から海外の大学に編入する場合、日本で取得した単位を現地の大学の単位に移行することができますが、必ずしも全ての単位を移行できるわけではない点に注意してください。
大学によって移行可否の基準は異なりますが、一般教養科目は認められやすいとされています。
一方で英語などの外国語系の科目は認められないケースもあります。
単位移行が認められないと、その分現地の大学で履修する授業の数も増えるため注意しなければなりません。
日本の大学との違いに苦労する
日本の大学と海外の大学とではさまざまな面で違いがあるため、その違いに苦労する可能性があります。
例えば、言語の違いは勉強に取り組む上での大きな障害となり得ます。
いくら日本で英語の勉強をしていたとしても、実際に現地の大学に編入すると全くいっていることがわからないというケースは少なくありません。
また、意見を積極的に述べる人が多い中で自分の意見を持てず、何も発言しないまま授業が終わってしまうなど授業スタイルの違いに苦戦する人もいるでしょう。
時間がかかる
日本の大学を経由して海外の大学に編入する場合、卒業までに時間がかかる可能性があります。
例えば、現地の日本の大学→短大→現地の大学という形での編入を目指すとなると、短大が間に入ることで必然的に卒業までの期間が長くなります。
また、日本の大学の単位が認められないために現地の大学で履修する科目が多くなり1年卒業を遅らせるといった事態になる可能性も十分にあるでしょう。
海外大学への編入に求められる条件・成績など
海外の大学に編入するにあたっては、語学力を証明しなければならないほか、これまでの学業成績、つまりGPAを示す必要があります。
GPAとは評定平均値のことで、4段階で示されます。
4が最も良いとされるため、編入を目指す場合は、できるだけ4に近い数値を取れるように日本の大学でも学業に力を注がなければなりません。
海外の大学が求めるGPAの条件や基準は、大学によって異なりますが、一般的に名門大学へ出願するのであれば3.7以上が理想的だとされています。
また、どの大学であっても2以上はあったほうが出願しやすいでしょう。
なお、日本の大学の成績があまり良くない場合、一度海外の短大に入学してGPAを上げたうえで3年次編入を目指すという方法もあります。
海外大学への編入に必要な書類
海外の大学に編入するにあたっては、一般的に以下のような書類が必要とされています。
願書 | ・大学独自の願書が用意されているケースもあるため注意する ・Common Applicationという共通願書のケースもある |
成績証明書 | ・在籍していた高校および在学中の大学の成績証明書を用意する ・証明書は英語もしくは現地の言語でないといけない |
エッセイ | ・編入したい理由や編入後に何をやりたいかなどを記載した文書 ・自分がどういう人間なのかといったことを表現する ・私立大学はエッセイを重視する傾向 |
スクールリポート | ・在学中の大学の教授などに書いてもらう資料 ・大学での成績や学生生活などについて出願先の大学が確認するために提出する |
中間試験リポート | ・成績証明書に反映されていない中間試験の結果を報告するために提出する ・大学によっては提出不要のケースもある |
推薦状 | ・一般的には2通必要 ・在学中の大学の先生に英文で書いてもらう |
語学力を証明する書類 | ・一般的にはTOEFL/IELTSのスコアを提出する ・大学によって語学力の証明として認められる資格が異なるため注意 |
SAT/ACTのスコア | ・日本の共通テストのような試験 |
面接・ポートフォリオ | ・大学によってはアドミッションオフィスなどと面接をするケースがある |
推薦状に関しては、在学中の大学の先生に書いてもらいますが、自分のことをよく知っている先生に依頼するのがポイントです。
例えばゼミの担当教授や部活動の顧問を務める教授などが考えられます。
また、語学力の証明に関しては、試験を受けて結果が出るまでに時間がかかるケースもあるため、時間に余裕を持って準備を進めてください。
万が一スコアが基準に届いていない場合でも、条件付き合格をもらえるケースもあるため、出願先の大学に確認してみることをおすすめします。
なお、出願時に求められる書類は留学先の大学によって異なります。
また、書類の提出方法も指定されているケースがあるため、詳しくは必ず出願先の大学のホームページを確認するか、直接担当窓口に連絡をするなどして確認してください。
まとめ
今回は日本の大学から海外の大学に編入する方法やメリット・デメリットなどについて解説しました。
日本の大学に在学中の人でも海外の大学に編入することは可能です。
編入することで、学費等のコストを抑えられる可能性があるほか、日本と海外の大学生活をそれぞれ経験できるなどさまざまなメリットがあります。
出願にあたっては、各大学が条件や提出書類等を定めているため、事前に情報収集しておくことをおすすめします。

◇経歴
・イギリスに半年間留学
・イギリスでサッカーの指導者ライセンスを取得(指導の試験などは全て英語)
◇資格
・特になし
◇留学経験
・イギリス:2013年4月〜9月、The English Studio
・ドイツ:2019年9月〜、大学院留学(英語ではなくドイツ語です)
◇海外渡航経験
イギリスにはサッカーの指導を勉強するために留学しました。半年間現地の日系チームに所属し、指導者として活動しながらイギリスの指導者ライセンス取得に向けてコースにも参加していました。また、平日は語学学校に通い、英語の勉強をしていました。
◇自己紹介
ドイツの大学院に留学中のライターです。イギリスに半年間の留学経験があるほか、ドイツには現在も留学中で6年目を迎えています。現在はドイツ語学習がメインですが、英語も勉強しなおしており、語学力をさらに伸ばすことを目標にしています。