学費無料の海外大学はある?格安留学を叶える多様な方法と奨学金を徹底解説

海外大学、学費、ネイティブキャンプ、オンライン英会話

海外では、大学の学費が無料の国がいくつかあります。

「海外の大学へ留学したいけれど、授業料が払えるか不安」

「安価なアジア圏も良いけれど、できれば欧米の大学で学んでみたい」

など、大学留学の費用でお困りの人も多いのではないでしょうか。

確かに、留学は高額なイメージがあります。しかし、工夫をすれば、授業料の全部または一部を無料にしたり、渡航費や滞在費を補填したりして、実質無料〜格安での留学を実現できる可能性は十分にあります。

本記事では、実際に学費が無料の国留学事情をそれぞれ詳しくご紹介します。さらに、留学に役立つ返済不要の奨学金制度や、費用をできるだけ抑える多様な方法についてもまとめました。

最後まで読めば、費用面で留学をあきらめることなく、自分にあった留学先を探すヒントが見つかります!

 

 

 

学費が無料の国の例:ドイツ

ドイツでは、小学校から大学院までの国公立学校は原則として学費が無料です。昔から、個人の生まれや経済力に関係なくすべての人が教育を受ける権利があるという考えが根付いているからです。

ドイツの大学はほとんどが公立校で、外国人留学生であっても学費は無料で通うことができます。

例外として学費があるのは私立大学と、Baden-Wurtemberg州の公立大学です。Baden-Wurtemberg州の公立大学は、留学生に対する学費が一律半年で1,500ユーロ(約24万円)となっていますが、日本の大学と比べても安価です。他の州では、EU諸国以外からの留学生に対しても学費を無料としています。

ヨーロッパでも留学生は学費が必要な国が増えてきましたが、すべての人の教育を重視するドイツは、非常に魅力的な留学先です。

 

ドイツの大学留学のメリット

  • 教育レベルの高さ
    ドイツは全国民が平等に教育を受ける権利があるという考えのもと、世界トップレベルの教育に力を入れています。最新のTHE世界大学ランキング100位以内に、ドイツの大学は8校ランクインするなど、高い評価を得ています。

  • 3年間で卒業できる
    日本の大学は4年制が一般的ですが、ドイツは必要単位さえ取っていれば3年でも卒業できます。できるだけ留学費用を抑えたいという人は、短期間で日本と同じレベルの学士を取得できるのでおすすめです。

 

ドイツの大学留学のデメリット

  • ドイツ語の勉強も必要
    ドイツの大学では英語の授業も多くありますが、ほとんどの学部でドイツ語のみでしか開講されていない授業があります。医学部など一部の学部は、すべてがドイツ語の場合もあり事前に確認が必要です。生活全般の公用語はドイツ語なので、英語かドイツ語いずれかの言語で授業を理解できる語学力は必須です。

 

ドイツの大学留学の費用

ドイツの公立大学へ留学するための費用は、1年間で120万円〜350万円が目安です。

費用の内訳

目安(1年間)

備考

学費

0円(原則)

Baden-Wurtemberg州は除く。別途セメスターフィーが必要

航空券

約30万円

-

滞在費(生活費)

約120万円〜

月10万円〜が目安。

セメスターフィー(共済費)

約3万〜9.5万円

大学によって異なり、公共交通機関の無料利用などが可能になる。

その他(保険・ビザ等)

実費

-

共済費とは、大学のスポーツ施設料や学生連合の運営費に利用される費用で、大学によって金額が変わります。

 

学費が無料の国の例:アイスランド

アイスランド公立大学の学費は、原則無料です。

アイスランドの教育方針はドイツと似ていて、性別、宗教、障害、経済状況や文化的背景に関係なく、すべての人が平等に教育を受ける権利があるとされています。そのため、国籍は関係なく留学生に対しても学費が同様に無料となっています。

もっとも有名なアイスランド大学は1911年に創設されたアイスランドで初めての大学です。

 

アイスランドの大学留学のメリット

  • 環境エネルギー分野の研究がトップレベル
    アイスランドは火山や間欠泉が多い地形で、地熱エネルギー、火山活動、氷河といった環境科学分野の研究がさかんです。エネルギー源の約85%が再生可能エネルギーと言われ、その自然を活かした最先端のエネルギー開発を学べます。

  • 在学中のアルバイトが可能
    学生就労許可証を取得すれば、週に22.5時間までのアルバイトが可能となります。物価が高いアイスランドでは生活費の補填として役立ちます。

 

アイスランドの大学留学のデメリット

  • アイスランド語の習得が必要
    アイスランドの大学では、授業が主にアイスランド語で行われます。アイスランド語は発音が難しく、語形変化も複雑なため「世界一難しい言語」と言われています。留学生向けに英語の学位取得プログラムもありますが、本格的な大学の授業や日常生活には、アイスランド語の習得が不可欠です。

 

アイスランドの大学留学の費用

アイスランドの公立大学へ留学するための目安費用は、1年間で290万円〜500万円です。

費用の内訳

目安(1年間)

備考

学費

0円(原則)

別途、学生登録料が必要

航空券

約35万円

 

滞在費(生活費)

約216万円〜

月平均18万円〜20万円必要(物価が高い)

学生登録料

約8.1万円

年間75,000クローナ程度が必要

その他(保険・ビザ等)

実費

 

 

学費が無料の国の例:ノルウェー

ノルウェーには公立の総合大学や単科大学が多くあります。以前は国籍に関係なくすべての学生が学費無料で通えましたが、2023年からEU圏以外の留学生に対して学費が導入されました。

首都にあるオスロ大学の場合、学士課程で年間180万円〜370万円程度となり、物価の高い北欧では、学費も日本の公立大学よりだいぶ高くなっています。

学費がかかるようになったノルウェーですが、教育の質が高く、社会保障が充実している点から、高い評価を得ている大学が多くあります。

 

ノルウェーの大学留学のメリット

  • 自然豊かな環境で学べる
    フィヨルドやオーロラなど、日本ではできない貴重な自然体験ができます。大学でも野外研究やフィールドワークを取り入れた実践的な授業が受けられるのが魅力です。

  • 専門性の高い留学ができる
    再生可能エネルギー、海洋工学、環境保護の分野で最先端の研究がされており、世界トップレベルの専門家や研究施設がそろっています。

 

ノルウェーの大学留学のデメリット

  • ノルウェー語の授業が多い
    ほとんどの人が英語を話せますが、大学では留学生向け英語プログラム以外はノルウェー語の授業が多いです。

  • 物価が高い
    ノルウェーは世界の中でも最高レベルに物価が高い国です。毎日かかる食費は、日本の2倍以上となるため、自炊などの工夫が必須です。

 

ノルウェーの大学留学の費用

ノルウェーの公立大学へ留学するための目安費用は、1年間で550万円〜700万円です。

費用の内訳

目安(1年間)

備考

学費

約250万円〜

2023年からEU圏外の留学生に学費が導入された。別途セメスターフィーが必要。

航空券

約30万円

 

滞在費(生活費)

約276万円〜

月23万円〜が目安(物価が非常に高い)。

セメスターフィー

約8千円〜1.6万円

学期ごとに必要。公共交通機関の割引などがある。

その他(保険・ビザ等)

実費

 

 

学費無料以外にも!留学費用を「無料」または「安価」に抑える多様な方法

学費が無料の国を選ぶ以外にも、留学費用を抑える方法はたくさんあります。特に、学費や滞在費を「無料」に近づけられるプログラムや工夫をご紹介します。

 

学費を無料にできるプログラム

  • 大学の交換留学制度を使って留学
    所属している日本の大学が提携している海外大学へ交換留学生として派遣される制度です。このプログラムを利用すると、派遣先の学費が無料になるケースがほとんどです。また、日本の大学からプラスで奨学金が支給されたり、外部からの給付型奨学金を受けやすくなったりするメリットもあります。ただし、高いGPA(成績評価点)や、英語力が求められるため、早いうちから学力アップを意識することが重要です。

  • オンライン英会話の運営サポート(無料インターンシップ)
    一部のオンライン英会話企業では、自社の海外支社(セブ島やセルビアなど)でのインターンシップを兼ねた無料留学制度を設けている場合があります。仕事のお手伝いをする代わりに、マンツーマンレッスン、航空券代、ビザ取得費、宿泊費、食事を全て会社が負担してくれるなど、魅力的な制度です。

 

現地で働きながら留学費用を補填する方法

現地で働くことで、滞在費や生活費を賄い、留学費用を実質的に安く抑えることができます。

  • ワーキングホリデー制度を利用した留学(ワーホリ)
    協定を結んだ国で最長1年間、働きながら生活できるビザを利用する方法です。働きながら学校の費用を稼ぎ、現地の実践的な英語を学ぶことができます。中には、この方法で実質タダで留学を叶えた人もいます。

  • オーペア留学(住み込みで働く)
    現地の家庭でベビーシッターや家政婦として住み込みで滞在する代わりに、滞在費、食費が無料になる制度です。場合によっては、語学学校の授業料などを支援してもらえることもあり、今注目されている留学方法の一つです。

  • オーガニックファームステイ(WWOOFなど)
    現地のファーム(農園)での作業を手伝う代わりに、無料で寝泊まりや食事を提供してもらう制度です。主にヨーロッパで有名で、現地文化や生活に深く触れたい人におすすめです。ただし、農場作業はハードなため、学校に通うのは難しいケースが多いです。

  • コールセンター・語学学校での仕事(大学生・社会人向け)
    海外にある日系のコールセンターや現地の語学学校で、事務や運営のお手伝いをしながら働くことで、学費や滞在費が無料・割引になる制度もあります。コールセンターは日本人顧客対応が多い場合、語学力にあまり自信のない人でも挑戦しやすい方法です。

 

留学費用を安く抑えるその他の工夫

無料で留学が難しい場合でも、工夫次第で費用を大幅に節約できます。

  • 物価の安い国を選んで留学
    留学先は、欧米圏だけでなく、フィリピンやマレーシア、香港など、英語を公用語として使っているアジアの国々も選択肢に入れるのがおすすめです。日本からも近く、物価も欧米圏より安いため、全体的な留学費用を抑えることができます。

  • 航空券の安い時期を狙う
    航空券は大きな出費です。費用を抑えたい場合は、日本人が観光に行きやすい夏・冬・春の出発や、週末の出発を避けて購入しましょう。直行便ではなく、経由便を選ぶことも費用を抑える一つの手です。

  • 無料の留学エージェントを利用する
    最近は、無料でサポートを受けられる留学エージェントも増えています。学校選びやビザの手続きなどのサポートをプロに任せつつ、費用を抑えることができます。

 

返済不要の奨学金制度を活用する

ここまで、学費が無料で通える国やプログラムを中心にご紹介してきました。留学では渡航費や現地での滞在費など、日本の大学に通うよりも費用がかかるため、 返済不要の「給付型」奨学金をぜひ活用してください。

本記事では、公的機関(日本政府や自治体)が提供している制度と、民間団体が提供している制度に分けて、代表的な奨学金制度をご紹介します。

 

返済不要の奨学金①(公的機関)

  • 日本学生支援機構(JASSO) 海外留学支援制度(学部学位取得型)
    学士(Bachelor)取得をめざす日本人学生を対象に必要な費用を支援する制度です。

    • 支援内容:月12万4,000円~32万6,000円、渡航支援金(支援開始時期に16万円)

    • 支援期間:原則4年間

  • 文部科学省「トビタテ!留学JAPAN 新・日本代表プログラム」
    日本政府が2023年度から2027年度までの5年間を「第2ステージ」として、企業とも協働で展開している返済不要の奨学金制度です。

    • 高校生等、大学生等に分かれて募集が行われ、座学だけでなく、探究活動を伴う多様な留学プランを支援します。

    • 高校生向けのプログラムもあり、年齢が30歳以下という条件に当てはまる人はぜひ検討してみてください。

  • JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト
    JICAが主催するエッセイコンテストで、最優秀賞・優秀賞を受賞した高校生(中学生含む)に、副賞として翌年8月上旬を目途に実施される約1週間の海外研修が贈呈されます。開発途上国と日本の関係について学びを深めることを目的としています。

  • TOMODACHI MUFG Sustainable Entrepreneurship Program
    東日本大震災をきっかけに作られた、米日カウンシルと在日米国大使館が主導するプログラムです。アメリカへの渡航を予定している高校生を対象に、渡航費や生活費などの支援を行っています。日米双方の未来を開くリーダー育成を目指しています。

  • 地方自治体の奨学金制度
    地域活性化、国際化を目的に、地方自治体が主体となり、民間企業や財団と提携して提供されている奨学金制度もあります。

    • (例)埼玉発世界行き奨学金(埼玉県)、北海道未来人材応援事業(北海道)など
      住んでいる自治体に応募できる奨学金制度がないか、確認してみてください。

 

返済不要の奨学金②(民間)

公益財団法人などの民間団体も、海外留学に対して助成金や奨学金制度を設けています。

  • 公益財団法人伊藤国際教育交流財団

  • 経団連グローバル人材育成スカラシップ

  • 公益財団法人中島記念国際交流財団

  • スカンジナビア・ニッポンササカワ財団助成金(北欧の国に特化した奨学金制度)

奨学金制度を探すのに便利な日本学生支援機構(JASSO)が運営する「海外留学奨学金検索」サイトを利用するか、留学エージェントに問い合わせしてみるのもおすすめです。

 

まとめ

今回は、学費が無料の大学がある国(ドイツ・アイスランド)と、高額な学費が導入された国(ノルウェー)の最新事情を解説しました。

グローバルな時代となり、今では、交換留学、ワーホリ、無料インターンシップなど、働きながら費用を賄う方法も含め、留学を実現するための多様な選択肢があります。

費用は、渡航先や選ぶプログラムによって大きく違ってきます。学費は大学へ通うのに一番大きな出費となるため、まずは学費無料の国や交換留学制度を検討し、それでも費用面で不安がある場合は、返済不要の奨学金プログラムや現地でのアルバイトなど、複合的な手段で費用を抑えることができます。

費用の面で留学をあきらめる前に、ご自身の目的と照らし合わせながら、様々な方法を調べてみましょう!

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