ドイツの大学の学費は本当に無料?その理由と注意点

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ドイツの大学は学費が無料とされていますが、
これはほぼ事実です。

学生は共済費と呼ばれる年間最大10万円程度の費用を支払う必要がありますが、それ以外に費用が発生することは一部の大学を除いてありません。

この記事では、ドイツの大学の学費の仕組みや大学の特徴などについて解説しています。

海外留学に興味があるものの、学費が高くて諦めているといった人はぜひドイツ留学を検討してみてください。

ドイツの大学学費は無料?

ドイツの大学は学費が無料とされていますが、これはほぼ事実です。

ほぼ、と書いたのは私立大学の場合は授業料が発生するほか、一部の州や大学のコースによっては授業料が発生するためです。

それ以外の国立大学は原則授業料無料です。

ただし、半年に1回、学期ごとに共済費と呼ばれる費用を支払う必要がある点には注意してください。

共済費は大学によって異なりますが、一部の州を除いて100~300ユーロ程度であるため、学生が負担するのは1万~5万円弱です。

この共済費は年に2回支払うため、学生は最大で10万円程度の費用負担が発生しますが、それでも日本や他の国の大学の授業と比べると破格であることは間違いありません。

なお、この共済費には「セメスターチケット」と呼ばれる公共交通機関を無料で利用できるチケット代も含まれています

セメスターチケットがあれば、列車およびバス、トラムなどに乗れます。

ただし、ICEと呼ばれる日本の新幹線に該当する列車や一部の列車には乗車できないため注意してください。

共済費として最大年間10万円程度支払うと考えると高いかもしれませんが、それによって交通費を大幅に抑えられると考えれば決して損ではありません。

ドイツの大学で学びながら週末や休暇にドイツ国内を交通費ゼロで旅行することも可能です。

ドイツの大学の特徴

ドイツの大学の特徴としては以下のような点が挙げられます。

・夏学期と冬学期から構成されている
・大学の種類がいくつかある
・英語で学べるコースもある

まず、ドイツの大学は夏学期と冬学期から構成されています。

夏学期は4月から、冬学期は10月から始まります。

多くの大学では冬学期の入学が原則ですが、一部の学部やコースでは夏学期からの入学も受け入れている点が特徴です。

大学に入学するには、ドイツ人の場合アビトゥアと呼ばれる大学入学共通資格試験の合格証明書を取得し、希望する大学に出願する必要があります。

日本人であれば、高校の卒業証明書や共通テストの成績などの提出が求められます。

また、日本の大学に在籍していたものの途中で退学しドイツの大学に入学する場合は、日本の大学に在籍していた証明書などを求められることもあります。

必要な書類は各大学によって異なるため必ずホームページを確認するようにしてください。

大学といってもドイツの大学は以下のように分けられます

・総合大学
・専門大学
・芸術大学

総合大学は日本と同じでさまざまな学部から構成されている大学です。

また、専門大学は特定の学問分野に特化した大学です。

そして芸術大学は音楽や芸術などを学ぶ大学です。

様々な学問が学べるため、自分の興味に応じた大学を選んでください。

そして、ドイツの大学の中には英語で勉強できるケースもあります

公用語はドイツ語であり、多くの大学の授業も原則としてドイツ語で行われますが、大学院などで英語で開講しているケースもあるため、英語のみでの勉強も可能です。

ただし、そのような場合でも、日常生活を送る上ではドイツ語が必要となるため注意してください。

ドイツの大学で学費が安い分野

ドイツの大学の場合、学問分野によって授業料に違いがあるといったことは基本的にありません

国立大学の学費は、Baden-Würtemberg州を除いて共済費以外は発生しません

また、ドイツの大学はそのほとんどが国立・公立大学であるため、どの大学に通っても学費に大きな違いはないでしょう。

なお、日本の場合文系と理系で授業料が異なるほか、大学によっても異なるため、授業料を気にしてしまう人もいるかもしれませんが、ドイツでは基本的にそういった点を心配する必要がありません。

音楽大学の学費と費用事情

音楽大学の場合も基本的には授業料はかかりません

日本の音楽大学の場合、私立だと卒業までに数100万円から1,000万円程度かかるとされています。

そのため、音楽を勉強したくても金銭面から諦めざるを得ない人もいるでしょう。

一方のドイツであれば、授業料は発生しません。

それどころか、たとえばベルリンフィルハーモニーの人が教えることもあるなど、超一流音楽家のもとで勉強できる可能性もあります。

大きなオーケストラに所属している講師が多いため、よりレベルの高い環境で勉強したいといった人には理想的だといえます。

留学生でも学費が無料になる条件

先ほども説明しているように、ドイツの大学はそのほとんどが国立大学であり、国立大学は一部の州を除いて学費は発生しません

これは留学生であっても同じです。そのため、大学の入学資格を満たし、入学できれば学費は無料となります。

留学生の場合、母国もしくは他の国で高校を卒業している必要があるほか、日本でいう共通テストの成績を提出する必要があるなど一定の条件はあります。

また、ドイツ語で受講するコースへの入学を希望する場合はドイツ語を、英語のコースの場合は英語を習得し、ドイツ語力・英語力を証明する必要があります。

大学によって求められる語学力や語学力の証明として認められる語学試験の種類が異なるため、必ず各大学の留学生向けの出願条件を確認してください。

語学の習得は簡単にできるものではないため、時間がかかることを想定しておくべきでしょう。

学費無料で大学に通うための最初のハードルともいえるのが語学の習得だといえます

ドイツでかかる生活費や留学費用

ドイツでかかる生活費および留学費用の目安となるのが992ユーロです。

これはドイツ政府によって見積もられた学生の生活費の金額です。

留学生は1ヶ月992ユーロとして滞在する月数分の金額を閉鎖口座と呼ばれる銀行口座に預け入れる必要があります

この閉鎖口座は普通口座とは異なり、1ヶ月に1回自分で設定した金額が接続している普通口座に振り込まれる形です。

この閉鎖口座の残高に基づいて滞在許可の月数が決まります。

閉鎖口座の場合、一時的に大金を預け入れて滞在許可を取得したらすぐに引き出すといったことはできないため事前にしっかりとお金を貯めておかなければなりません。

生活費の目安である992ユーロですが、条件次第では1ヶ月生活することができます。

具体的には学生寮などの家賃の安い部屋に住む、食費などを使いすぎないようにするといった条件です。

しかし、地域によっては部屋探しが難しく、高い家賃を支払わなければならないケースもあるため注意してください。

そのほかにも、学生は公的保険に加入することとなるため、そのための保険料も発生します。

保険会社によって保険料は異なりますが、大体100~120ユーロ程度はかかると考えてください。

なお、大学留学の場合、学生は一定の範囲でアルバイトができます

また、飲食店でアルバイトをすれば、通常の給料に加え、チップをもらえるケースもあります。

繁盛具合にもよりますが、給料とチップを合わせて日本円で10万円以上稼ぐことも難しくはないでしょう。

家賃を抑えるためにも住居の種類を理解しておこう

先ほども説明したように、生活費を抑えるためにはできるだけ家賃を抑えることがポイントとなります。

家賃は生活費の中でも最も金額が高い項目です。

家賃を抑えるためには、ドイツにはどのような住居の選択肢があるのか理解しておく必要があります。

留学生の場合、以下のような住居が選択肢となるでしょう。

・学生寮
・ヴェーゲー(WG)

・1人暮らし
大学が提供する学生寮は家賃がかなり安く抑えられています。
また、大学からも近いケースもあるため、通学もしやすいでしょう。

また、ドイツの場合ヴェーゲーと呼ばれるフラットシェアをするケースが一般的です。

バスやトイレ、キッチンなどを共有し、それぞれが個室を持っている形となります。

特に大学生はヴェーゲーに住むケースが多くなっています。
ヴェーゲーも比較的家賃は安めです。

日本の大学生同様。1人暮らしをすることも可能です。
この場合、家賃は高くなるため注意してください。

ドイツの大学留学にかかる費用のまとめ

ここまでドイツの大学に留学する場合にかかる生活費について解説しましたが、まとめると以下のような費用が発生します。

・家賃:250 – 600ユーロ
・食料・日用品:250 – 350ユーロ
・保険料:100 – 120ユーロ
・追加の費用:100ユーロ
合計:700ユーロ – 1170ユーロ
(11万~18万円)

諸々の滞在費を含めて11~18万円程度で生活できるのは、海外留学の中ではかなり安いといえるでしょう。

場合によってはアルバイトだけで生活コストをカバーすることも不可能ではありません。

ただし、アルバイトに精を出すあまり学業が疎かになっては意味がないため、ある程度金銭的な余裕を持った状態で大学に入学することをおすすめします。

ドイツには給付型の奨学金制度も多くあるため、そのような制度を活用するのも1つの方法です。

まとめ

今回は、ドイツの大学の学費について解説しました。ドイツの大学は一部の州や私立大学を除き、原則無料です。

共済費と呼ばれる費用を年間10万円程度支払う必要はありますが、他の国への留学を考えると破格だといえます。

また、共済費を支払えば、セメスターチケットも入手できるため、交通費はほとんどかかりません。

また、公用語であるドイツ語だけでなく、英語で受講できるプログラムがある点も大きな特徴です。

大学留学=アメリカやイギリス、カナダ、オーストラリアなどの英語圏の国をイメージする人が多いかもしれませんが、学費がかからないドイツもぜひ留学先として検討してみてはいかがでしょうか。

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